黄金日報・朝刊~週末の米国市場反落でも、日経平均先物は驚異的に強勢維持。

2015/02/09

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※本稿は、増田経済研究所の会員向けに配信された、2月9日朝刊です。配信は、早出し版として7日(土曜日)に行われたものです。

●今週は、日本株が相対的優位な相場展開を見せる期待。
●ドル円一時119円台。最終でも118円台。

▼好調な雇用統計。
金曜日の眼目は、なんといっても米国雇用統計でした。
黄金週報で紹介している通り、これを受けて、米国株式相場は当初続伸でスタート。
最終的に小反落で終わったものの、前日大きく上げていたこと、週末であることからくる短期的な利益確定の動きが、ギリシャ問題の不透明感を口実に出たものと考えられます。
週報で解説したように、一番リスクに敏感なジャンクボンドETFが100日線をとうとう上回って終わりましたし、ラッセル2000小型株指数も、史上高値まであとわずかな位置まできています。
とくにジャンクボンドETFが100日線を突破した事実は大きいでしょう。
日足としては、陰線なのが残念ですが、確実に終わり値ベースで100日線上で終わることができました。
原油が再び反発したこともあってか、マネーはリスクを取りに動いていることがわかります。その他の総合株価指数の小反落は、問題ないと見て良いでしょう。

(図表1割愛)

総合的な判断として、ここもと欧州株に資金が回っていたところ、これが東京に還流してくる可能性がありそうです。それを、次にチャートを見ながら、確認してみましょう。

▼日本株、米長期金利、ドル円の同時上昇。~直近5日間のチャートの異変。
黄金週報(7日の編集長の独白)と、上述の記事解説をチャートで把握してみましょう。
ポイントは、日本株、米長期金利、ドル円が夜間において同時上昇しているということです。
この間、米国株は利益確定で反落、欧州株は下落から戻れず、ユーロは対ドルで売られていました。
まず、米国株を見ましょう。
市場全体を示すS&P500の、直近5日間の動きです。
雇用統計発表を好感して続伸だったにもかかわらず、後半ギリシャ問題不透明を口実に下げているのがわかります。
しかし、これは大きな流れを見ましょう。雇用統計に好感し、長期金利上昇で上がっていたのですから、後半の週末の益出しはともかくとして、流れとしてはブルのままです。
小反落ですし、多くは50日線を上回りました(ダウ輸送株はわずかに割っています)ので、まだ流動的とはいえ、先述のジャンクボンドが強いということ、一番怖がりなラッセル2000小型株指数が史上高値まであと一歩ですから、問題ないでしょう。

(図表2割愛)

欧州株を見てみましょう。
ドイツDAX指数ですが、これは最終金曜日、最初から下落しており、戻せずに終わっています。

(図表3割愛)

欧州株といえば、ユーロです。
このユーロですが、対ドルで戻り相場に入ったかと思われましたが、ギリシャ問題がにわかに混迷してきたことで、にわかに売りなおされ、対ドルでは完全に打ち返されてしまいました。
ドル高・ユーロ安の金曜日です。
この5日間というもの、ユーロドルは、完全に往来相場となっています。
またもやユーロ安に、押し戻された格好です。

(図表4割愛)

ここからは、逆の動きを見せているものです。
3点セットといってもいいでしょう。
まず、米10年国債利回りです。
この5日間というもの、窓を開けて、急伸につぐ急伸でした。
週末ですから、売り方は、当然利益確定で買い戻し(金利低下)しておかしくなかったのですが、株のほうは利益確定が出ましたが、ギリシャ不安にもかかわらず、米長期金利は低下することなく(買われることなく)、売り方によってそのまま寄り切られました。
つまり、ギリシャ不安など関係無い、ということです。
もしかすると、独仏首相がウクライナ、ロシア、米国と回って周旋にこれつとめていますから、ウクライナ情勢にある種の打開の糸口がでてきていることを示唆しているのかもしれません。
ちょうど、米国も週明けには、オバマ大統領が議会に対して、シリアへの武力介入の要請を申し入れるそうですから、一昨年、まさかの土壇場で出兵を取りやめた米国が、とうとう今回は本気でシリアに武力介入するようです。
イスラム国の鎮圧に向けて、米国が腰を上げたということでしょう。
いずれの問題にしろ、米国国債は、リスクの後退と認識しているようです。
さもなければ、国債が売られるわけがありません。
もちろん、根底には米国の雇用統計がよかった、年央の利上げの可能性が高まったという認識があります。

(図表5割愛)

さて、この米国長期金利の上昇を受けて、日米金利差拡大です。
ドル円が動きました。
まだ、日足では目だった変化に見えませんが、同じくここ5日間の日中足を見ますと、かなり明確な変化が見てとれます。
先述のユーロが急落したのと同時間、円も対ドルで急落です。
ドルは、対円で一気に119円台まで上伸。
後半打ち返されたのですが、たちまち119円台を挽回するというドルの強さを見せつけました。
不思議なことに、米国長期金利は上昇(国債価格下落)ですから、米国債が買われたわけではありません。
おそらくこのドル買いは、来週の米国株買いの待機資金になっているのではないか、と思われます。

(図表6割愛)

先述のように、オバマ政権がようやくイスラム国勢力一掃のため、その温床であるシリアの内戦に武力介入する腹を決めたようですから、有事のドル買いと、米国が動けばイスラム国の鎮圧は早いという両面からきているドル高かもしれません。
米国としては、さすがに世論激昂するヨルダンの、イスラム国への報復空爆が激化してきていますし(米国人女性人質は、空爆で死亡した模様との報道)、イスラム国の残虐性が先のフランス風刺新聞襲撃事件とあいまって非難が増大していますから、国際的には大義が立つと踏んだのでしょう。
本来戦争に議会の承認は必要ないのですが、あくまで議会から承認を得ようとするところに、オバマ大統領のあざとさが見え隠れします。
ウクライナ情勢が、独仏首相の交渉行脚で打開の糸口が見えてきているかもしれません。
ロシアが矛を収めるというのであれば、米国は二正面作戦は避けられますから、イスラム国粛清に本腰を入れることができる、ということもあるのかもしれません。

そこで日経平均先物の夜間取引です。
過去5日間の日中足を見てみましょう。
それまで5日間は、ずっと同じレンジで昼夜ともに往来相場を繰り返していた日経平均先物ですが、週末夜間取引では、一気にそのレンジを突破。
17900円台まで上昇して終わっています。
いかにも、米長期金利上昇、ドル円上昇が効いていることがわかります。
少々の米国株反落ではびくともしない強さは、大変珍しい現象です。
もちろん、金曜日後半の米国株の小反落が、一時的短期的なものである、という前提になった動きでしょうが。

(図表7割愛)

以上、一覧のチャートを見てわかることは、週明け以降のマネー動向を予兆するものだとすれば、欧州株に対して、ようやく日本株の見直し買いが始まっているということを示している可能性が高そうだということです。

▼米国市場の基本データ
ダウ工業株指数 17824.29(-60.59、-0.34%)
S&P500指数 2055.47(-7.05、-0.34%)
ナスダック・コンポジット指数 4744.40(-20.70、-0.43%)
ダウ輸送株指数 8932.47(-34.11、-0.38%)
ダウ公共株指数 613.69(-25.63、-4.01%)
米国10年国債利回り 1.938(前日1.82%)
シカゴ日経先物 ドル建て17835(+175)
シカゴ日経先物 円建て 17810(+150)

▼増田足とその他のテクニカル指標。
週末の相場で、注目されたのは、日経平均夜間取引がことさら強かったことでしょう。
米国市場が、欧州債務問題の不透明感から小反落し(欧州はハナから終日下落)ていたにもかかわらず、日経先物はほとんど高原状態のまま推移して終わっています。
日経平均先物の未来の窓は、日足で見ますと、連続ピンクとなっており、25日足からテイクオフ、乖離を広げていきそうな想定になってきています。
なにより驚きは、ドル円でした。米国が当初上昇していた段階では、119.20円台まで上昇しており、その後押し戻されたといっても118円台。7日未明の最終では再び、119円をわずかながらにせよ、上回って終わっています。
一重に、米国長期金利が1.9%台にまで急伸したことが大きいのでしょう。
これらから言えることは、やはり欧州にECBの量的緩和策発動以降、集中していたマネーが、東京に還流してきていることを意味しているかもしれません。
ちなみに、ドル円の増田足は、3日・25日・75日がすべて、未来の窓では週明け以降、極端に収斂し、ほぼ同水準に密集していくことを想定しています。
上か、下か、ブレイクするとすれば、この状況であれば、上にブレイクする公算が高そうです。

▼黄金銘柄リスト。
黄金週報(編集長の独白)の後段で、ここもとの決算発表でめぼしい通期上方修正銘柄の一覧を掲載しました。
そこから、今後黄金銘柄リストに組み入れることがありうる候補銘柄も、予備軍として掲載しています。
果たしてこれらがどれだけ、実際に黄金銘柄に組み入れられるかはまだわかりませんが、直近では、トーカロ3433、イビデン4062、イハラケミカル4989、TDK 6762、川崎重工7012をこの予備軍から実は新たに組み入れた経緯があります。

(アイフルについて)
週末6日の黄金銘柄解説では、アイフル8515を新たに組みいれています。
これは、上記の通期上昇修正一覧にはありません。
12日に決算発表ですから、決算でどう動くのかということはまったく予想がつきません。
ただ、今から入っておけば、「のりしろ」ができるでしょうから、仮に業績の内容がどうあれ、大きく反落したとしても、耐えられるのではないか、という思惑から黄金銘柄には組み入れています。
そもそも、なぜ金融セクターのうち、この銘柄をとくに選んだのかというと、上昇率ランキングに食い込んできていることと、連日の強さを発揮しており、3日足が、25日足を上回った初動の段階である、という点が大きい動機です。
また、ファンダメンタルズ的には、ミクロ(決算)はまだ不透明なのですが、このところ銀行・不動産が買い戻されているように、マクロの観点からみて、米国長期金利が反転上昇していく過程に入ったと想定しているからです。
米国でも、週末小反落の中で、銀行株が買われています。
銀行を中心とした金融セクターというものが、一番株価上昇する局面を、金利低下のときだというのは教科書です。
実戦ではこの理解は役に立ちません。
銀行株などが一番上がるのは、金利上昇局面であるという相場の真実があります。
それは、利ザヤが拡大すること、そしてなにより金利上昇局面というのは、景気拡大期の典型的な現象ですから、本業の融資が伸びるタイミングだからです。
その意味では、実際には金利負担ばかりが増える不動産株は、痛し痒しなので正直、選択する上では優位性はありません。
となりますと、銀行株、地銀株、そして消費者金融株ということになります。
このうち、もっとも指数の動きに対して、ベータ値(β、相対的変動率)が高いのは、消費者金融株であるという事実があります。
さらに、政策による後押しも期待できます。
このうち、アイフルにしたのは、都度この相場局面がくるたびに、一番主役になったのがこの銘柄だからです。
あくまで、決算前に買いを判断したわけですから、決算後に反落するリスクを覚悟の上での判断ということになります。
また、テクニカルで見ても、ちょうど今後の上値になる500円前後というのは、なかなか突破できなかった因縁の水準です。
打ち返されるか、突破できるかがかかっています。
従い、その意味では取り扱い注意です。

(図表8割愛)

以上

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コラム   増田経済研究所
増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
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商号等:有限会社増田経済研究所/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1069号