年末年始から来春までは、過剰流動性相場

2014/12/22


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▼12月8日変化日→12日SQまでに下落→17日がボトムになりやすい→19日米ウィッチングまでには底入れが確認できる。
このサブタイトルは、今回の下落調整に関して、早くから述べてきた相場の読みでした。
おおむね、この流れできたように思います。
すべて、外部環境の急変による波乱・変動でしたから、日本の内部のファンダメンタルズや日経平均のテクニカルな水準論を、いくら解析したところで、シナリオの想定は出来なかった環境だったと言えます。
黄金銘柄では、いかにポジション整理による株価下落とはいえ、タムアップとなる時間が決まっていたことから、全面撤退ではなく、2割、最大でも3割のキャッシュポジションでよいとしました。
下げがきつくなってから、むしろこの警戒モードも解除したのは、反発が時間の問題と考えられたためです。

▼FOMCで、今後半年の過剰流動性相場が決定的になった。
現地17日のFOMCではっきりしたことを、一応確認しておきましょう(黄金日報・18日朝刊と同じ)

・来年中に利上げを行う軌道にあり。(つまり、米国景気は好調持続)
・失業率の低下、物価上昇は、目標を達成できる適度な自信がある。(同上)
・政策変更は、結局指標次第だが、辛抱強く待つことができる。(利上げは急がない)
・利上げなど、政策変更をするときには、記者会見を予定していないFOMCでも、決定することはありうる。(つまり、連銀の会合の予定にかかわらず、急遽行うことはありうる。)
・向こう数回のFOMCで、政策変更する可能性は小さい。(つまり、半年は、利上げはない。)
・一部の銀行は、原油でレバレッジを掛けており、原油価格の動きから影響を受ける可能性はあるものの、さほど懸念するような問題ではない。むしろ、原油価格下落は、差し引きで、プラスになる可能性がある。(つまり、原油発の危機は存在しない)
・ロシア経済は著しく困難な状況にあるが、米国への影響はかなり小さい。(つまり、ロシアはデフォルトしない)

注目の「相当期間、超低金利を維持する」という文言の修正はあるか、という点でしたが、文言を残したまま「辛抱強く待つことができる」と気配りを見せました。
ただ、市場はこれを、ほとんど同じ意味で、言い換えただけ、という認識になりました。
ただ、金価格が一連の金融波乱の中でも、急伸していなかったわけですから(むしろ軟調だった)、本質的には危機は存在しません。
97-98年、あるいは70年代と違い、ロシア発の世界金融危機が起こらないということは、現在、ロシアそのほか新興経済国家の外貨準備高が、政府債務の4-5倍もあり、潤沢であるということからも明らかです。また原油も財政収支の赤・黒分岐となる均衡原油価格を大きく下回っているだけで、生産コストは遥かに低い国が多いので、このていどの原油暴落で、ロシアなどが倒れるということは、ありえません。

▼原油はどうなるか。
年内最後の機関投資家、とくにヘッジファンドのポジション調整は、ジャンクボンドが急反発していることから、一巡したことになります。
18日の木曜日の段階では、戻りがちょうどネックラインまでで、しかも陰線で終わっていましたから、いまひとつ懸念が去りませんでしたが、19日金曜日の相場ではネックラインを突破した陽線で終わっていますから、一応問題ないと判断します。

(図表割愛)

原油は、ネット普及と構造改革の世界的な浸透で、なかなかインフレになりにくい構造上の変化が起こっていることや、シエルガス革命、さらに自動車産業の次世代モデルへのステージアップなど、従来の価格帯ではなく、新しい時代に見合った均衡価格を模索しようとし始めているのでしょう。
原油という資源の大きなパラダイム転換です。
今後まだ当面、その原油価格の落としどころを模索するために、変動するでしょうが、従来の100ドルといった水準への回帰は、よほどの景気過熱でもない限り、むずかしくなってきていると推察されます。
従い、かなり長期的に世界経済、とりわけ日本経済の成長軌道回復には、フォローの風が吹くと思います。
ただ、ここもとの原油暴落の終息という観点からは、ロシア・サウジ(裏に米国有り)の大幅な生産調整合意という一手が予想されますから、いったん原油価格の反発局面があることは、念頭においておく必要があるでしょう。

▼世界的な株高は、過剰流動性で春まで続く。
以上のような環境ですから、中心となる米国株式市場は、過剰流動性が持続し、年間でも一番需給のよい5月ごろまで、ブルトレンドが維持される可能性が高くなりました。
途中、ガス抜き調整があるとしたら、1月中旬(2014年通期決算発表と15年ガイダンス)、そして米個人の確定申告前の税支払いのための換金売り需要が2-3月にありますから、ときどきの押し場はあるでしょう。
ただ、米長期金利がどうしてもこの状況下では上がりきれませんから、株は下がっても割安度が正当化されてしまい、本格調整しにくい状況が続きます。
一応、年明け以降もしばらくは、毎月第一週の第一金曜日(米雇用統計)から、第二週のSQまでの期間は、鬼門と心えて相場に向かいましょう。

▼日本株のエンジンは、為替から業績へとシフト。
アベノミクススタート以来、日経平均の上昇というものは、序盤を除けば、昨年5月以降は、ほとんど為替(円安)インパクトのみが寄与してきました。
ここもとのドル円の下ブレは、想定通り、115.58円が目処としていましたが、115.55円まで下がって反発。これで、ドル円の調整も一巡したことになります。
が、今後は、米長期金利がなかなか上がらないことで、それほどドルが対円で強くなれません。
期待は、ユーロが対ドルで下落するトレンドというものが、今後どうなるかが問題ですが、ECBは来年初頭に国債購入を含めた量的緩和に踏み切りたい意向ですが、ドイツの抵抗をどの時点で振り切ることができるか疑問です。
しかし、これもECBがドイツを寄り切って量的緩和に踏み切った場合、それがユーロショ-トの大きな買戻しを誘います。
ECBは年初を目標にしているようですが、遅れる公算もかなり高いでしょう。従って、数ヶ月遅れでようやく踏み切れたとすれば、来年春、あるいは5月ごろという米国市場の区切りとだいたい合ってくるのではないでしょうか。
外部環境としては、米長期金利が200日移動平均線の2.5%台(現時点では、正確には、2.486%)に上昇してくるまでは、株式は安泰。ネックラインは2.3%台のようです。

(図表割愛)

また、ユーロが対ドルで1.23台から大きく下落してくトレンドが維持されるか、わるくとも、1.25台までのボックス内で往来を繰り返している間は、株は安泰です。
このため、ユーロは対ドルで持ち合いか、うまくすれば下落、ということで、円には好都合な環境です。19日には、ついに、このボックス持ち合いの帯域を、ユーロは下放れしましたから、少なくとも円高にブレる可能性は、しばらくありません。

(図表割愛)

逆に、米長期金利が200日線突破、ユーロが1.25を突破して、買戻しがすすむようですと、ドル円が円高にブレますし、米国株は調整に入りますし、危険なシグナルということになります。
従い、日本株の運用によってパフォーマンスを挙げるのは、それまでの期間にとりあえず限定されます。

▼日本株を上げるのは、円安でもなく、原油安でもなく、最後は業績の上方修正。
この間には、東京市場は為替以外に、株価上昇の駆動軸を頼らなければならなくなりますが、幸い、円安による為替益はまだ業績予想に織り込まれていません。また原油安の大きな効果も織り込まれていません。
ここから円安がどんなにすすもうと、原油安がどんなにすすもうと、それ自体はほとんど影響しないでしょう。
それよりも、そうしたものから獲られる副次効果としての業績の上方修正一つで、決まります。
電力料金の値下げは、2月が目安のようです。
輸出も増加に転じてきました(貿易収支が次第に改善してしまいますから、円安効果はむしろ無くなっていくはずです)。
日本経済の成長は、一般に言われているものではなく、おそらく(先日も書きましたが)V字型の回復になるはずです。
日銀短観では、機械の伸びが著しく、今般発表の月例経済報告でも、生産と設備投資の伸びが際立っています。
振り返れば、日経平均から逆算した「みなし」のEPS平均は、昨年5月以降、ずっと1040-1060円でした。日経平均が18000円を頭にどうしても上抜けなかったのは、これが理由です。
ここもと日経平均は抜けたのですが(12月調整前)、それは円安が進んだ分が反映されているだけです。
ところが、直近では平均EPSは「見なし」で1100円になってきています。
この増大傾向が本物であれば、(つまり株価が先行してそれを織り込み始めているのが本当であれば)、個人的な試算では、為替と原油のメリットも勘案すると、1400円に到達しておかしくないことになり、これを日経平均になおせば、16.5倍として、23000円は、自然に到達できるターゲットということに論理的にはなってきます。
また、機関投資家は、少なくとも年末まではポジションの積み上げをしませんから、物色対象は、中小型株や材料株に集中する公算が高いと考えます。

※仮想運用ポートフォリオ・黄金銘柄リストは、現在27銘柄に絞りこんであります。年初からの、通算累計パフォーマンスは、81.1%。しかし、10月9日以降だけに限ってみますと、8.8%のパフォーマンスでしかありませんから、この間に関して言えば、日経平均に劣っていることになります。とくに10月15日から22日あたりまでの突っ込み買いにおける銘柄の高パフォーマンスがあっても、10月31日の日銀バズーカ2以降組み入れの銘柄が総じて冴えないものが多く、全体のパフォーマンスの足を引っ張っている格好になっています。
こういうこともあり、ここ10日間ほど、50銘柄ほどのポートフォリオを、一気に減らしてきた次第です。
詳細は、増田経済研究所まで。

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以上

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