東証1部時価総額と名目GDP

2014/12/05

12月入りとなった今週の国内株市場ですが、日経平均が直近まで形成してきた「三角保ち合い」を上抜け、連日で年初来高値を更新する場面が目立っています。

その一方で、12月3日取引終了時の東証1部の騰落レシオ(25日平均)が135%と、過熱感の目安とされる120%を超えています。騰落レシオの120%超えは11月18日から11営業日続いていますが、振り返ると、今年の6月から7月にかけて、120%超えが21営業日続いていたこともあり、「もうはまだなり」の相場格言を地で行くわけではありませんが、過熱感が意識されながらも何だかんだで強い相場展開が続く可能性があります。

また、相場の過熱感を探る指標として、騰落レシオ以外にも、その国の(名目)GDPと上場株式の時価総額を比較する手法があります。日本では、東証1部の時価総額が名目GDPに対して何%なのかを見ていくことが多いのですが、東証2部やJASDAQなども含めた方が正確なのかもしれません。こうした手法は米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏も注目し、愛用していることから「バフェット指標」とも呼ばれています。

12月3日取引終了時の東証1部の時価総額は約517兆円、国内名目GDP(7-9月期の年率換算)は約483兆円ですので、107%となります。一般的には、「時価総額がGDPを超える(100%を超える)と割高」とみますので、足元の株式市場は冒頭でも触れた通り、過熱感があらためて確認できることになります。実際に、100%超えとなったのは、1988年~99年にかけてのバブル絶頂期(121%~146%)と、2005年~07年(103%~105%)でしたので、久々に100%を超えてきたことになります。

時価総額は、企業の価値(保有する資産と収益への期待)で表されますので、企業が成長すれば、「生産が増える→所得が増える→支出が増える」という図式を経て、長期的には国の経済規模と近い動きになるだろうというのが、時価総額とGDPを比較する上でのざっくりした考え方です。

足元は収益期待を織り込んで株価が上昇し、時価総額が先行して増加する格好となっているわけですが、このまま期待だけが先行する一方でGDPの増加が伴わなければ、乖離が拡大することになり、いずれ大きな修正を迎えることになります。そのため、まだ結果は不明ですが、選挙後の成長戦略をしっかり進めていくことが、継続的な株価上昇のポイントとなりそうです。

 

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楽天証券経済研究所 土信田 雅之が、マクロの視点で国内外の市況を解説。着目すべきチャートの動きや経済イベントなど、さまざまな観点からマーケットを分析いたします。
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