今秋から、来期の相場想定

2014/09/29

【マクロ指標】
▼業績相場の序盤を迎え撃つ。
米国では、連銀の利上げスケジュールについて、引き続き観測が乱れ飛んでいますが、おおむね株式市場は利上げ自体のショックは織り込み済みのようです。
株価が急落、本格調整するとしたら、この10月前半がさまざまな需給要因から一番可能性が高いでしょうが(次は11月前半ですが、10月に比べて軽微でしょう)、それはヘッジファンドなどの損益通算を控えた換金売りという、きわめて需給的、テクニカルな代物です。
下げれば、買いで構わない局面です。
そして、中間選挙の年回りですから、すでに安値は年前半につけている可能性が高く、今後は秋の下げが、今後数年の相場を想定しても、またここから1年の運用を考える上でも、重要な起点となります。
この下げの程度はどうあれ、そこでフルインベストメントにポジションを持っていくというのが、最も合理的な戦略であると考えています。

▼目先のリスク。
週明けは、月末月初、期末と重なります。
需給の波乱が起こりやすい局面です。
なおかつ、1日に日銀短観、3日に米雇用統計が発表予定です。
次の週には、6-7日に日銀金融政策決定会合が予定されています。
従来、日々の解説を試みていますように、ユーロドル、米長期金利、ドル円、米国株式市場など、各種の指標に大きなマネー循環の変化があるかどうか、引き続きウォッチしましょう。
今のところ、米国株安にしろ、一時的なガス抜き調整ていどという判断で良さそうです。
また相場循環の観点からも、米雇用統計から翌週というのが、いったん1ヵ月の天井をつけやすい、ということもあります。
最大の懸念は、冒頭で指摘したヘッジファンドの換金売りの有無です。
突如として発生しますから、気が抜けません。

▼四季報からみた来年の日経平均想定。
(全産業・純利益ベース)
直近発売の四季報をベースに、来年の日経平均の水準を想定してみました。
全産業ベースの純利益は、7.7%増益予想となっています。仮に、これを使いますと、予想PER16倍であれば、PEGは2.04倍になりますから、明らかに割高です。
従い、今後、法人減税がなされない、あるいはドル円が上昇しない、といった懸念が広がりますと、たちまち日経平均はPER15倍まで押し戻されるリスクを内包しているということにもなるわけです。
但し、企業の想定為替レートは100円というのが一般的ですから、これで楽観的なシナリオ想定を算出してみましょう。この為替差益でとりあえず、10%のかさ上げ。
さらに、法人減税が決定されたとして、合計10%減税だと、年率5%の増益効果とされていますから、これで5%のかさ上げ。
単純に合計しますと、22.7%の増益ということになりますから、これだとPEGは0.705倍ときわめて割安ということになります。
乱暴な計算ですが、PEGで逆算してみますと、9月19日の高値16364円を基準にした場合、23253円想定ということになります。
これを現状の日経平均EPS1040円をベースに、為替効果、法人減税効果を加え、PER16倍で計算しますと、日経平均は20417円想定ということになります。
PEGと、PERと違うツールで逆算と積み上げというこれまた別の手法で割り出した日経平均は、約3000円の誤差が出ます。

(全産業・営業利益ベース)
それでは、純利益ではなく、営業利益ベースでやってみましょう。
四季報では、全産業の営業利益は9.7%増益予想です。
PEGによる逆算方式ですと、日経平均は25253円想定。
PERによる積み上げ方式ですと、20750円想定となり、両者は約5000円の誤差になります。

(証券業界の予想平均ベース)
一般的に証券業界で予想されている来期の企業業績予想は、12%前後です。
これをベースに、同じことをしてみましょう。
PEGによる逆算方式では、日経平均は27595円想定。
PERによる積み上げ方式では、21133円想定。
両者は6500円の誤差になります。

(暫定予想は23059円)
上記で算出された予想すべての中心値を出しますと、23059円という想定がでてきます。
これが、落としどころとしては、無難な暫定予想ということになります。
16364円(9月19日高値)からは、40%の指数上昇想定ということになります。

▼ドル円、米長期金利、日経平均のパラメーター。
昨年までの相場から、ドル円、米長期金利、日経平均の三者の間の連動性からしますと、現在ドル円が突出して110円を射程距離に置いています。
ほんらい、日経平均は110円のレートなら16000円がやっとです。
実際日経平均は16000円台です。
してみますと、ドル円が過激に織り込みすぎているとして、日経平均16000円に見合うのは105円です。
従い、ドル円が下げても、この105円までであろうという推測は成り立ちます。
これらに対し、欧州デフレ化の煽りを受けて、どうにも上がってこないのが米長期金利です。105円・日経平均16000円なら、米長期金利は3%になっていておかしくないわけで、106円であれば4%であってもおかしくないわけです。
それが、未だに2.5-2.6%の水準です。
直近、上がり始めたと思いきやすぐに押し戻されるという状態です。
欧州景気の失速観測から、先進国国債がいまだに買われる傾向がつづいていますので、米長期金利も低いわけですが、このことが米国経済と市場に、思わぬ過剰流動性を与えていることになります。
これが、一段と影響を濃くしてきますと、いわゆるバブル相場に発展する可能性があります。
とくに、米国連銀の利上げは、仮にもっとも早いスタートの予想である来年年初からいきなりだったとしても、0.25%ずつの漸進主義であり、年8回のFOMCごとに行われるはずですから、年央でもせいぜいFFレートは、現在の0.25%から1.25%に切り上がっているにすぎないことになります。
長期金利はこれよりも200ベーシスは上にあると考えても、やっと3.25%です。
来年年央の段階でも、明らかに米国金利は低すぎるということはほぼ決定的といっていいでしょう。
おそらくそのペースで言えば、来年末で、FFレートが2.25%、長期金利で4.25%ということでしょうから、そうなりますと、例のパラメーターにようやく追いついてくることになります。
パラメーターからは、長期金利4%台で、ドル円110円台、日経平均で22000円台ですから、先述の想定に、かなり近いものとなってきます。

▼日経平均40%上昇を享受する個別銘柄を絞り込む。
こうなりますと、日経平均という指数が上昇する業績相場が発生してくるわけですから、指数40%もの大幅上昇に、運用がついていけるか、という大きな問題がでてきます。
過去、指数が大きく上昇するときというのは、なかなかパフォーマンスが上がらないというのが常です。
従って、ファンドでも、スマートベータ指数を利用するなど、これまでしてこなかったような、まともな銘柄のファンダメンタルズ分析をして、銘柄の割り出しに躍起になってきているわけです。
漫然と指数連動型のベンチマークを買っていても、日経平均には勝てないということになりかねないからです。
黄金銘柄も一種のスマートベータ指数とみてよいでしょう。
今年上半期、日経平均は8.3%の上昇(2月5日以降)でしたが、黄金銘柄の平均等額投資の平均パフォーマンスは56.7%。つまり、黄金銘柄のβ(ベータ値=株価変動率)は日経平均の6.8倍になります。
直近までの通算では、日経平均は14%上昇に対し、黄金銘柄は66.5%の上昇と、やはり指数の4.8倍です。
そうしますと、先述の来年の日経平均上昇率予想上昇率40%(最低25.3%上昇、最大69.3%上昇)に対して、黄金銘柄の場合、仮に4.8倍のβであれば、121%(2.2倍)から、333%(4.3倍)を見込むことになります。

▼個別銘柄は、外需と内需、両建て。(こちらをクリック)
黄金銘柄リストのうち、はっきりとPEGが計算できる銘柄だけを対象にしてみました。
あらかじめ誤解の無いようにお願いしたいのですが、今回、ここで列挙している銘柄群というのは、これが投資対象として良いという判断をするために抽出したものではありません。あくまでも、目標株価がどういったものになるか、試算するためにデータが備わっている銘柄だけを抽出したものです。
黒字転換は、非常に良いのですが、計算不能です。
PEGが1倍以下であること、過去日経平均の上昇率以上のβ値を実績として持っていること、これらから割り出しますと、大方18銘柄ほどに絞られます。
これに加えてROEがきわめて高いというものは、以下の銘柄ということになります。

6440w JUKI
9716w 乃村工藝社
6871d マイクロニクス
6445w 蛇の目
7725w インターアクション

(以下割愛)

詳細は増田経済研究所まで。

増田経済研究所
コラム   増田経済研究所
増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
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