次の転換日は、七夕前後。

2014/06/23

【マクロ分析】

▼日本株、外部環境置き去りに独走。
先週は、ある意味予想外の展開でした。
ドル円も米長期金利も結局は膠着状態のままに、これらを置き去りにした格好で、東京市場は独走し、15000円台の足固めとなりました。
この状態がいつまでも続くことはないでしょうが、それにしても長いです。

▼リスク指標。
今のところ、イラク・ウクライナなど地政学的問題があるものの、金価格は1300ドル台回復とはいえ、戻り高値更新になっていません。
オバマ大統領が、300人のイラクへの軍事顧問団派遣としましたが、米国のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)はまったく動かず。
原油上昇とはいえ、これも戻り高値更新になっていません。
従い、金融市場はほとんどこれらのノイズを、リスクとは感じていない、ということになります。

▼ドル円、長期金利も次第に、緩やかに上昇する。
私見では、ドル円、米長期金利ともに、緩やかに上昇してくることになると思っています。
株とこれらが、逆の動きをしている状態がいつまでも続くとは考えられません。
米国の求人件数はサブプライムショック前の規模に戻っていますし、一方で設備稼働率のほうは、これまた79%という高率となっており、能力増強局面に直面していることは明らかです。
リスクは、やはりどう考えても、長期金利上昇(当然ドル高)が、3%という分岐点にさしかかるころだろう、と想定しています。

▼米国連銀のスタンス。
FOMCでは、イエレン議長の考えが、よりハト派であるとの印象で市場は受け止めたようです。これが、S&P500の史上高値更新を導いたのですが、正直イエレン議長の発言は、必ずしもハト派に傾斜したというより、ごくごく普通にニュートラルで、経済指標次第という点ではなにも変わりません。
強いていえば、イエレン議長が、「米国株はバブルではない」としたことで、むしろこれが好感されたのではないかと思います。
要するに、中央銀行の「株買い」のお墨付きということです。
市場の連銀の金融政策に対する見方をめぐる、一人勝手の一人芝居は、今後もくりかえされるでしょう。
ただ、着地点としては、このペースでは10月に量的緩和が終了することは明確ですから、おそらくこの前後で、まともな利上げをめぐる市場の懸念というものが、一気に台頭すると考えています。
折しも、秋はファンドの損益通算による換金売り圧力がピークを迎えるころです。株価が下がれば、もっともらしい理屈をつけるわけで、今、利上げ先送り観測といっている話が、一気に前倒し観測へと、手のひらを返すだろうことは、容易に想像できます。
日本では日銀には、この景気回復ピッチから考えて、金融緩和策は当面でてきません。
日米金利差拡大がはっきりしてくるとすれば、日本からではなく、米国で長期金利上昇が起こる以外には考えられないわけですから、米国ファンダメンタルズの回復データが、やはり一番ドル円と米長期金利の先行上昇(米政策金利引き上げより半年以上先行する)を動かす要因になるでしょう。

▼外人の日本株買い。
先週からにわかに鮮明となってきた外人買いですが、15000円台までの戻り相場一巡といったところで、上値を買う主体は、外人以外には考えられませんでした。
年金は逆張りです。下がらなければ買いません。上値を買いに行く精神構造は年金にはないのです。
個人は周知のように、ずっと売り越しです。この戻り相場で、1兆円以上売り越しています。
生保は、引き続き売っていますが、この規模は数十億台と、きわめて従来にくらべて小額となってきています。
上値を買うとすれば、徹底した順張りの外人しか残っていませんでした。
その外人が買ってくるかどうかが、最大の課題だったわけですが、結局かれらは動いたようです。
メリルリンチが定期的に行っているファンドマネージャー調査では、5-6月にかけて、日本株の「オーバーウェイトから、アンダーウェイトという回答の差」が、極端に急増していますが、かつてないほどの日本株に対する激変です。
外人は確かに、日本株に熱視線を注いでいたわけです。この3週間、欧米のアナリストたちの、日本企業訪問ラッシュはご存知のとおりです。
早くも先週木曜日には、その一端が見えたということになるのでしょう。

▼需給は好転、待機資金は潤沢。
19日から、突如として日経平均が上値追いになり、主要指数はのきなみ、6月高値を更新。
仮需は、1.08%にまで低下したままですから、まずは信用取り組みは整理が終わった状態です。将来の売り圧力は、今のところ2兆2700億円ほどと考えられます。
一方売りがつづいている個人投資家ですが、これは、すでに売買益だけでも5兆円は手にしており、配当その他で2兆円以上。都合、最低でも7兆円の再投資金額が待機している状態です。

▼懸念された欧州勢の換金売りもなかった。
SQ前後に、一番懸念されていた欧州系銀行の換金売りも、終わったか、あるいはなかったか、いずれにしろ、相場を崩すようなインパクトはなかったということになりそうです。
6月期末を控えたアノマリーとしての換金売りも、おそらくほぼ終わっているでしょうから、この問題も、あまり影響は心配しないでもよさそうです。

▼唯一のリスクは、米国株そのものの急落。
今のところ、米国株は過熱しているという様子はありません。
が、史上高値を昨年来、何度となく連続更新をしており、5年周期のアノマリーからいっても、すでにその期間は終焉しています。いわば、サッカーゲームで言えば、いわゆるロスタイムの時間帯に入っているといってもいいでしょう。
そのため、なんらかのきっかけで、米国市場が過熱し、いったん大きく調整するということはいつでも起こりうると考えておいたほうがいいでしょう。
長期金利が停滞している間は、株価が暴落する可能性はほとんどないでしょう。
やはり、長期金利が上昇し始めてからが、このリスクの急浮上する局面で、とくに注意すべきだということになります。
ただ、テクニカルでは、日米主要指数ともに、RSIがダイバージェンス(逆行現象)、ガス抜き的な調整は目先すぐ発生しても不思議ではありません。逆にリスク指標の金も、反対のコンバージェンス(逆行現象)ですから、これも1300ドル乗せで一服しているところですが、非常に先高感があります。
もし、これらの逆行現象が、それぞれのトレンドを早晩転換させるとしたら、膠着状態の米長期金利やドル円は、いずれも低下・下落する転換だと考えるのが、テクニカル上は自然な想定ですから、やはり、ガス抜き的な株価調整は、いつあってもおかしくない、ということを念頭に置いておく必要があるでしょう。

▼次の転換日は、七夕前後。
これは、日々のレポートでも述べているように、一目均衡表上で抵抗帯(雲)がねじれを形成する、7月7日~8日がこれに当たります。
従って、この七夕前後まで上昇して、反落するか。
それとも、七夕から加速、過熱していくか。
あるいは、目先調整、足踏みなどをした後、七夕あたりから、本格的な上昇に向かうか。
いずれかが、想定されます。
いずれにしろ、この「ねじれ」は、変化日ですから、反転か加速かいずれかになります。

▼騰落レシオで想定される日経平均の天井。
このところ、騰落レシオが、140台に乗ったということで、市場の過熱感ということが指摘されますが、これまでも述べてきましたように、騰落レシオはボトムチェックで有効なのであって、ピークのチェックではそれほどの適格性はありません。
むしろ、ピークでは特殊な傾向が見られます。
過去、150~160という極端に高い水準まで騰落レシオが上昇したケースがかこ3年の間にも見受けられましたが、日経平均は、騰落レシオのピークから、2週間から1ヶ月ほど後に、天井をつけたことが確認されています。
ということは、ここから外人が買ったとすれば、完全な順張りですから、騰落レシオは当然のように、150から160へと上昇していった場合に、そこから2週間~1ヶ月で天井とすれば、ちょうど七夕辺りで騰落レシオのピーク、日経平均のピークは7月終わりから、8月中旬あたり、ということになり、当初からの想定である、結局お盆あたりまで、というものとだいたい話があってくるような気がします。

【黄金銘柄リスト】
  
6月20日(金曜日)の大引け段階のデータで黄金銘柄リストを更新しました。
合計で母集団は109銘柄です。

(追加銘柄)
無し。

(除外銘柄)
ヤマダ電機9831のみ黄金銘柄リストから削除しました。

(絞込み表)
ここから「絞込み表」を作成すると合計で25銘柄になりました。
およそ黄金銘柄リストの母集団の半分ということになります。
基本的に、新規買いの対象としては、投資適格性があると考えられるものです。

(コア銘柄)
「絞込み表」から、無理やり優先度の高いものを抽出します。
前日と同様に、高ROEだけに絞ってみました。
結果、17銘柄となりました。

6448c ブラザー
5333d 日本碍子
6479c ミネベア
6707d サンケン電気
6641w 日新電機
7741dw HOYA
1873w 東日本ハウス
8585dw オリコ
7733c オリンパス
7164c 全国保証
6753c シャープ
5706dw 三井金属
7908cw KIMOTO
8515w アイフル
6383cd ダイフク
1808dw 長谷工
9743d 丹青社

主力的な銘柄は、このうちやはり日本碍子とHOYAの強さが大変注目されます。
このうち、RSIがダイバージェンス(逆行現象)を見せ始めている、目先調整があってもおかしくないものが、かなり多いのです。
多かれ少なかれ、ガス抜き調整や、日柄を若干入れたりしてもおかしくないものが多いということです。それは、ブラザーのように非常に直線的に上昇している順張り型の銘柄でも、シャープのようにどちらかといえば、逆張り的な位置にある銘柄でも、総じて、ダイバージェンスの傾向が見られるということです。
この中で、このRSIのダイバージェンスとは無縁のチャート形状というと、東日本ハウス、三井金属だけです。
あとは、多かれ少なかれ、ダイバージェンスの傾向が見られますが、おそらく、25日足のトレンドに沿った、一時的、軽微なガス抜き的な押し目をつくる程度のものだろうと推察しています。
また「絞込み表」にはノミネートされたものの、高ROEではないことから、「コア銘柄」には入らなかったもので、個人的に大変その動きが気になっているのは、東邦亜鉛です。

以上

増田経済研究所
コラム   増田経済研究所
増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
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