4月前半で5-6月相場が決まる。~リスクとチャンスを整理しよう。

2014/04/07

現地4日の米国市場では、雇用統計が発表された。
予想には達しなかったものの、内容的には申し分ないものでしょう。市場は満足したようだ。
一時ドル円でも104円台まで入った。
ただ、その後、「知ったら仕舞い」ということだろう。短期的にはいったん利益確定になった。
ドル円は103円台前半、米長期金利は、2.8%台から2.72%まで一気に押し戻され、主要株価指数も大幅安。
とくにこのところ調子の悪いナスダックは、わずかですが、100日移動平均線を割り込み。
逆にリスク指標である金価格は、ここもとの下げ止まりから反発と、けして格好の良い終わり方ではない。
まだこの程度だと、一時調整ということで済まされるが、米国株の5年のブルサイクルが先月でタイムアウトになっていること、ハイテクを牽引した半導体株価指数(SOX)が、遇数年の前半(まさに今年前半)でブルサイクルの天井を常につけてきたというアノマリーといったことを考えると、今月はもちろん5――6月の相場では、米国の株式市場の調整リスクという潜在的な懸念がつねにつきまとうと考えておいたほうがよい。
ほかのすべてがよくとも、これが滑落するようでは、元も子もない。
ただ、米長期金利がまだ2.7%台を維持していること、また4月15日の確定申告に向けて米国では、個人の換金売りが出やすい第一週であることなどからは、上述のようにまだ米国株式相場が滑落調整すると決め付けるのも早計。
一応、昨日の米国市場の異変に留意しつつ、それを含んだ上で、以下の現状分析と中期的なシナリオ想定をお読みいただきたい。

【マクロ分析】

▼金融相場の終焉。
昨年12月に、米国連銀が量的緩和縮小を開始。先般のFOMCで、イエレン連銀議長は、来年春ごろの利上げを示唆(その後、曖昧に修正したが)。
この流れは、米国経済の堅調な回復を前提に、長らく続けてきたドル資金供給が逆回転することを意味する。
先般も述べたように、金融相場は終わり、業績相場に向かうわけだが、ちょうどその端境にさしかかっていることがはっきりした。
それが、スムーズにシフトできるのか、多少とも足踏みや調整を必要とするのか、が問題だ。

▼相場サイクルは、いったん仕切り直しのタイミング。
5年サイクルの米国ブル相場というアノマリーから言えば、ちょうど先月(3月)で米国主要株価指数は、ちょうど5年を経過。時間切れとなっている。
今年は11月に米中間選挙を控えているので、今年の安値は向こう4年のサイクルで考えると、その起点となる。
また年間最大の好需給である2~5月というのも、近年のネットを通じた確定申告と税還付の割合が多くなってきたので、5月までこの好需給が以前のように続くか疑問という声もある。
リスクとしては、やはり米国株式相場が天井を打ち、相応の調整に入るということは忘れないようにしておこう。
ちょうど、来週当たりからは、米国の1-3月の決算発表であるから、伸び悩みが懸念されているだけに、売り材料や口実にされる可能性はある、ということだ。

▼ファンダメンタルズへの回帰。
長期間にわたった米ドルの資金供給(量的緩和)による景気浮揚だが、連銀の政策の大転換によって、逆にドルの回収がはじまることになる。
まだ、10月までは量的緩和が続いていくから、それまでは事実上緩和状態が維持される。
しかし、その後は、いつ利上げが始まるかによって、確実にドルの回収時代に突入することが控えているわけだ。
相場は、早め早めに織り込んでいくから、年後半にはそれが相場に顕著に洗われてくることになる。
その時代に対応するため、すでに市場では動きが始まっていると思われる。
3月、好需給にもかかわらず、ナスダックの成長株やラッセル2000の小型株などが、軒並み滑落し、同じナスダックでも、マイクロソフトやオラクル、インテル、シスコといった往年の大型優良株が大きく逆行高していたことなどは、その顕著な変化の現れとみていい。
それは、次第に限られたマネーの世界の中で、有象無象(うぞうむぞう)買いまくるのではなく、選別されたファンダメンタルズ投資が鮮明になることを示唆しているのだろう。
それは、新興経済国家よりも、先進国市場を選好動きにも拍車がかかると想定される。

▼5月という相場の鬼門。
例年5月が鬼門だ。
昨年も5月22-23日の天井から大滑落した経緯がある。
ただ、どうも例年と今年は違うという考えかたも強い。
というのも、例年強いはずの年初が、今年は年初から滑落しているわけだ。
今も、東京市場は回復できていない。機関投資家は、今月稟議を回して、月末か5月から本格的に運用をはじめるであろう。昨年は、これに外人が売りをぶつけ、GPIFが杓子定規なポジション調整をしたことが滑落の原因だった。
が、今年は逆で、3月まで二度も下落していたことから、4月以降は、そうそう外人が利益確定で売ってくるというポジション状態ではなさそうだ。

▼そもそも、年末から3月までの相場の波乱はなんだったのか。
ロシアという問題、中国の理財商品の問題ということはあったが、外人の需給をもう一度チェックしておこう。
昨年11月のSQから、12月のメジャーSQまで、驚くような急ピッチな日経平均の上昇があった。1200-1300円という上昇だった。
この波動というものは、おそらくはヘッジファンドの昨年最後の勝負だったと思われる。MSCIの世界株価指数が昨年21%の上昇であったのに対して、ヘッジファンドは8-9%のパフォーマンスであった。
ましてや、10月まではもっとずっと低かった。
それだけに、米国の量的緩和縮小に別途して、とくにイベントドリブン型が、11月から勝負に出たというわけだ。
その反動安が今年になって出たわけで、実弾ではロシア・クリミア問題勃発などで、ロシアマネーが抜けるなどというハプニングもあったものの、ヘッジファンドの立場から言えば、ここで一気に利益確定をするなり、先物のたたき売りでダブルでとろうとした可能性もある。
いずれにしろ、年初からの「失われた3ヶ月」は、まったく外人に振り回されていたわけで、いつもながら、国内機関投資家が、その資金運用という観点からいえば、あまりにもだらしがなさ過ぎるということだ。
日々の売買の6割を外人に占有されると言う事態を、いまだに許している国内機関投資家というものは、およそ運用のイロハも動機も、使命感も何もない存在といってもいいくらいだろう。

▼逆に4月以降は、反動高。
消費税という課題もあった。
しかし、一般に言われているのと違い、あまり駆け込み需要はなかったようだ。
あるにはあったが、車にしろ、住宅にしろ、大物はすでに軟化しており、企業のほうでは過剰な在庫をつくらないよう製造もコントロールが効いていた。
従い、想定以上に、今後の景気・消費の反動減はなさそうだと思っている。

▼米国企業業績発表、ドル円、東京市場の機関投資家買い。
さて、こうなると、もうすぐ始まる米国の1-3月の企業業績が、伸び悩みとはいえ、寒波の影響でもこれだけしっかりしていた、というような結果になると、米国10年国債利回りが、じわじわと3%に向けて上昇する可能性がある。
ドル円は、当然この場合105円をターゲットにしてくる。
これとリンクする日経平均は、今月から来月にかけて動きだす国内機関投資家の買い圧力で、戻り高値更新を目ざすことが考えられる。
かねてから、105円であれば、日経平均は16000円超であってもおかしくはない、ということになる。

▼問題は、GW前後の調整リスクと、5月のヘッジファンドの半期中間決算売り。
この場合、リスクは、GW前後にありがちな東京市場の調整ですが、今年は日並びが悪く、ほとんど連休の体を成していない。従い、あまりGW前の調整は軽微である可能性が高い。
むしろ、5月に中間期末を迎えるヘッジファンドが、国内機関投資家の買いに換金売りでぶつけてくるというリスクのほうが問題だ。
ところが、これも、直近まで市場に相場が悪かったので、ここから上がる分に対する売りということになるから、さほど大きな換金売りにはなりにくいのではないか、ということも考えられる。
が、一応は、1000円級の上昇であるから、警戒はしておいたほうがいい、ということにになる。
いずれにしろ、本格的な調整がありうるとしたら、5月中盤というのが一番可能性が高くなってきているということだ。
為替面では、104円にかなり大きな抵抗があると思われるので、105円達成までには、それなりの時間がかかると思われる。が、このドル円上昇の鍵を握るのは、言うまでもなく米国10年国債利回りである。

▼米10年国債利回りの今回のターゲット。
現在2.7-2.8%にある米国長期金利だが、これは、3%の壁をどう処理するかがすべてである。
基本的には、3%というのは、かなり米国株式市場にとっては重大な壁であるから、それなりの調整になってもおかしくない。
が、よくよく考えてみれば、米国の名目成長率が4.2-4.5%であるから、物価上昇率1.8%と高い水準を考えても、これを引いて、実質成長率2.3%から2.7%ということになる。
ほぼ、長期金利とアイコか、若干マイナス成長というていど。
来年、利上げをしていく算段をしなければならないほど米国景気が回復していくシナリオが真実であるのなら、現在のこのていどの状況は、無視できる内容だろう。
となると、明らかに金利が負担である、という水準まで長期金利が駆け上がる可能性があるわけで、それは3.5から4%という帯域であろうと推定される。
この場合は、日経平均で17000円台後半という線に整合性がある。
これまでの米長期金利とドル円、日経平均のパラメーターからはそういうことになる。
折りしも、シカゴの投機筋の円売りポジションは、以前の10万枚超から、6万枚に減っており、この観点からも、再び10万枚超まで積みあがっていく過程が、ここからあるわけで、それがGW前後までか、5月中盤くらいまでに積み上がるかどうかをみていれば、おのずと本格的な調整のタイミングが計れるはずだ。
あとは、肝心要の米国株式市場が、すでに5年のブルサイクルのタイムアウトとなっているだけに、途中で腰折れしないかどうかにかかっている。おそらくマクロ的な経済指標が4-5月は、寒波の反動高的な好調さで発表されてくる。この「神通力」が剝げるとすれば、やはり5月のどこかの時点ということになるであろうか。

【黄金銘柄リスト】
▼黄金銘柄リスト。
昨日4月4日大引け段階でのデータ更新をしたものをアップした。
リストAの一番最後の部分は、かなり昨年末対比、マイナスの銘柄が多いのだが、これは次のステージのための予備軍と考えていただきたい。

1.追加銘柄。
本日母集団リストに追加したのは、以下の銘柄群となる。

ヒロセ電機 6806
ケネディクス 4321
西松屋チェーン 7545
フルキャスト 4848

以上4銘柄。
これで、合計で母集団は94銘柄ということになります。

2.除外銘柄。
ニチユ三菱7105の1銘柄のみです。

3.絞込み表。
合計で、24銘柄です。

【コア銘柄】
重要なのは、このコアですが、一応年末からパフォーマンスがマイナスでも、日経平均よりは上回っているものは、残しました。
一応予備軍のつもりで見ても良いでしょう。
大同工業やUSENが逆張り的には注目出来ると思っています。
合計で15銘柄となったコア銘柄ですが、なかなか日足のチャート形状を見ると、遜色無いくらい動意づいているようなものばかりです。
一番左の項目1に、青い網掛けが「無い」銘柄は、週足ベースで上値余地があるという、かなり波動としては大きい動意だと考えられます。
これらは、ゼンリン、大同工、DDS、西松屋チェーン、USENということになります。
ほかの「青い網掛けのある」銘柄(ほとんどがそうですが)は、まさにぴかぴかに、本日光っていた銘柄ということになります。
内需・建設・設備投資関連が多いのが特徴的な週末となりました。
なお、「コア銘柄」に漏れた「絞込み銘柄」でも、来週、にわかに動意付くものがあるでしょう。
黄金銘柄リストの詳細については、増田経済研究所まで。

以上

増田経済研究所
コラム   増田経済研究所
増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
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