5月までの相場と、それを支える黄金銘柄

2014/02/24

▼外人の日本株ポジション。
昨年11-12月の日経平均の高騰。1-2月の急落。
これは当然外人の手口によるものですが、高騰が始まった11月初頭というのは、米国・ドイツの指数が高値更新という中で、日本だけが調整局面から脱却できずに停滞していた時期です。
当時は、米国のISM指数が毎月連続で50超えという先高感がありましたし、日本ではどういうわけか4月の増税に向けて、日銀が金融緩和措置を行うという市場関係者がやたら多かったということもあり、外人は出遅れた日本を一気に指数先物で押し上げたという格好でした。
それが、今度は米国ではまれにみる大寒波で軒並み経済指標が悪化したということ、新興経済国家通貨の不穏といったものなどから、こんどはそれを手仕舞ったという流れでした。
この昨年12月には4.4兆円規模の空売り残まで増大していたものが、現在は2.8兆円まで縮小。
ドル円のポジションでも、11月以前のドル売りがシカゴで6万枚。これが、12月の高騰局面では14万枚以上にまで膨張。そして、調整後、現在は7.8万枚。
どうも、日経先物とドルショートのポジションは、11-12月の高騰局面の前と後(現在)比べると、ほぼ元に戻った格好になっています。
つまり、外人の現在のポジションは全体をならしてみると、おそらくスクエア、ニュートラル状態に近いのではないかと言われています。
となりますと、よほどのとんでもない事態でもない限り、次の彼らの投資行動は、買いということになります。

▼調整終了のシナリオ検証。
もともと、年初来の株価調整は、底入れタイミングを、2月4日から6日と想定していました。
今のところ、最安値は5日の13995円です。
また底練り期間が、14日から21日としました。
最終的には、G20(22開催)から、本格的な上昇へと進むのではないか、という想定でした。
ほぼ、この想定通りで相場は進行しているようです。

▼目下のテクニカルポイント。
今週は、上記で言えば、底練り期間に当たります。
この間、日経平均が下値切り上げ型になっているか、Wボトムになってくれれば良いわけです。
一応、2月5日の13995円底値、17日の14214円安値、20日の14428円安値と、順調に下値切り上げ型を形成。
これらは、いずれも200日移動平均線14486円をいかにも意識しており、これを絶対防衛ラインとコラムでは述べてきました。

▼週足下のテクニカルポイント。
週足でこれに相当する絶対防衛ラインというのは、52週移動平均線です。
日経平均では14217円です。
日足の200日線とあわせて、サポートラインとして常に意識するようにしましょう。

▼調整終了の目安。
(日経平均の場合)
テクニカルには、日足で言えば、12日の戻り高値14874円を突破することで、年初来の調整が終了したということになります。
日銀の意表を突いた成長強化支援基金の枠拡大という措置で、大幅高をした18日の相場で、いったんは突破したのですが、反落。
しかし、21日金曜日には、終わり値ベースで高値更新です。
これで、基本的には調整終了と判断いたします。

(個別銘柄の場合)
個別銘柄で、この証拠を見ようとするのであれば、一つの象徴的な銘柄と思われるのが三井不動産8801です。大手デベロッパーは、日経平均が17日の安値で、下値切り上げ型になり始めたにもかかわらず、逆に安値更新となった最弱銘柄の一つでした。
大きな流れから言えば、金融相場が終焉し、業績相場に移行するまでの端境期にあたる現在(これは今年一杯かかるかもしれません)、当然一番売られやすい業種ということは、ファンダメンタルズ上からは理解できます。
いずれにしろ、この銘柄がボトムアウトすれば、もっとも弱いものでさえ反発に転じたということになりますから、最終的な相場調整の完了と判断することができます。
現在、三井不動産は2月14日の2995円を底値として、どうやら逆三尊を形成しつつあるようです。
もし、12日の3353円を突破してくれば、チャート的には相場底入れの典型的なシグナルと見て良いでしょう。

(グローバルな裁定売買)
年初からの流れを総合的に見てみますと、日米欧の株式市場が調整。
この間、逆に反発していたのは、金価格、原油価格、非鉄価格、穀物価格で、CRB商品指数は昨年前半の高値まで戻りつつあります。
これに、米国の半導体株価指数(SOX)が、2004年以来の長いボックス圏の上限に達しています。(どころか、突破しています)
ふつう、こうした科目が強いということは、世界的な景気回復の織り込みということになります。
が、先進国市場がおおむね高い水準にあるのに対して、これらは低い水準にあったので、これらの底上げに入ったということは考えられます。もちろん、長い目でみてこれらが追随してくる、ということになります。
が、短期的には、これらを買うために、先進国から資金流出して、マネーがシフトした可能性があります。
東京市場は非常に時価総額の規模が大きいので、その大量の原資を捻出するのには、格好の換金売りの対象となったのかもしれません。
当然、換金売りの対象となった先進国市場は、下落したわけで、両者の間でグローバルマネーによる(おそらくヘッジファンド)、かなり大掛かりな裁定売買が行われた可能性があります。
これが一巡したかどうかが問題ですが、一つの目安としては、金価格が200日移動平均線を奪回して、1300ドルまで戻ったことでとりあえずは一服となる可能性があります。これは、ちょうどいわゆる産金業者の生産コストといわれている水準です。
それぞれに、理由はついています。
金であれば、文字通り株価下落に対するヘッジ買い。
原油は、米国の厳冬ということから、暖房用ヒーティングオイルの高騰。
穀物ではたとえば、コーヒーなど典型ですが、ブラジルの猛暑・乾燥による高騰。
半導体に関しては、現在半導体メーカー(とくにファビュレス)が、製造工程・企画までパッケージで販売していることから、中国などでは靴屋でもスマートフォンが安価で製造できるという状況となっており、破格のスマートフォン製造業者が、雨後のたけのこのように勃興しているというこの需要。おそらくこれは、たちまち過剰生産ということで問題になるでしょう。
いずれも、一過性の需要による商品価格上昇であり、まだ先進国の景気回復の恩恵に浴するというところまであたたまった話ではありません。
金価格1300ドルから上値を取れるか、それとも、やはりここで一服となり、再び先進国に上昇のサイクルが回ってくるか、が目下の見極めどころということになりそうです。
もし、この新興経済国家の景気底入れから回復シナリオがほんとうに動きだしているのだとすれば、最初のきっかけは、3月5日開幕の中国の全人代での政府の方針決定が一つの材料になってくるでしょう。

(すべての鍵を握る米国長期金利)
最後の目安は、これがすべての大前提ということですが、やはり米国10年国債利回りです。
米長期金利は、今回200日移動平均線をサポートとして、これも底入れしました。
株価調整機関中に買われた米国債は、大量償還を消化したことで、ようやく売りが出始め、現在長期金利が上昇しています。
100日移動平均線まで戻ってきた長期金利(2.7%台)ですが、この上は2.84%にある50日線が待ち構えています。
ここを抜いていくのが、ややしんどいかもしれませんが、株高であれば、これは突破されるはずです。
ただ、3%がやはり剣が峰となりますから、現在の米国の企業業績のガイダンスていどでは、おそらく突破は難しいでしょう。
3%というのは、米国で期待される成長率とほぼ同じですから、長期金利という大きな負担が、3%を超えていくということは、それ以上に企業の利益成長率がなければ、土台無理な話です。
したがって、現状では米国の企業業績の伸びが、むしろ伸び悩みというところにきているだけに、GDP成長率が3%を大きく目先越えていくことは考えにくいでしょう。
長期金利が3%に達する、超えるという動きになった場合、どうしても米国株式相場は下落調整を余儀なくされると考えていたほうがいいでしょう。
3%突破でも、株式相場が上値を取っていけるためには、もっと時間が必要な気がします。
いずれにしろ、長期金利の3%突破で、株価が大きく調整をするというタイミングは、6月以降、今年後半の最大の相場下落のリスク局面だと考えておきましょう。

▼日経平均の増田足。
6色帯が7日連続で「黒」となっています。
上昇トレンドの中ですから、「黒」の後は、「白」か「黄」が早晩でてくることは自明です。
日足に影足を加えてみますと、昨年6月、9月、11月の調整終了局面によく似ていることがおわかりいただけると思います。
ただ、これまでの調整終了局面では、3日足が、25日足・75日足をほとんど同時に上に突破していったのに対して、今回はまずは25日足の突破が先決で、75日足の突破には、そこからまだ多少距離も時間もありそうですから、従来のようなスムーズな反発局面になれるのか、やや疑問が残ります。
少なくとも、日経平均が15000円を超えてこないと、なかなか相場に安定性が戻りません。
25日移動平均線が14900円あたりですから、とにかくこれを越えること。増田足で、25日足を超えることが、やはりなんといっても上昇トレンド奪回を決定するための、必須条件であると考えましょう。

▼一気に戻り相場が加速する場合。
これが、一気に戻り相場加速となって、たちまちのうちに16000円台の奪回へと進むという場合、それが可能かどうか、考えてみましょう。
これが可能だとすると、やはり需給がテコになると思われます。
先述通り、ファンダメンタルズからは、日米ともに成長の伸び悩み時期(端境期)ですから、どうしてもファンダメンタルズが要因で株価上昇となるには、困難が伴います。
にもかかわらず上がるとすれば、需給以外に要因はありません。

(米国の個人投資家の需給)
米国市場の場合、5月まで、税還付金による好需給が、例年前半の相場上昇の最大要因であるということはこれまで述べてきた通りです。
ナスダックはすでに戻り高値更新を果たしています。
いずれも、25日足を大きく上方乖離となっていますので、調整はとっくに完了しています。
今後、この先行する米国株式市場のネックとしてはどうでしょうか。
RSIがダイバージェンス(逆行現象)ですが、すでに大きく値幅調整をした後だけに、このRSIは解消していると解釈しています。

(日本の需給は、配当)
日本の場合には、空前の配当が想定されていますが、この支払いは6月ですから、それを当て込んだ前倒しの株式投資というものは(たとえば信用買い残増大)など、需給的な株価押し上げ要因になっていくと思われます。
また、逆に東証が毎日発表しています空売り比率(空売り枚数を、30日、90日など期間で切って、出来高全体の平均で割ったもの)が、17日時点で、33.71%とこれまた空前の割合に増大しています。
08年11月の統計開始以来、突出した最高比率です。
この空売りは、当然将来の買い需要ですから、当然相場上昇ということになりますと、株価の押し上げ要因として効いてきます。
その意味では、今後信用倍率の低い銘柄かどうかにも、よく注意を払っておく必要があるでしょう。

(ドル円の場合)
東京市場が下落した期間、ドル円も下落していたわけです。
ヘッジファンドなど海外勢にとっては、日経平均を買うことと円売りヘッジをすることとはリンクしていますから、当然ですが、それにもましてこの2月というのは一番怖いのは、以前も指摘したとおり、日本勢の円のレパトリエーションの動きです。
2月に例年起きるのは、米国債券の大量償還に伴う、その利金の円転需要です。
今年もそれは出たと思いますが、これ自体は先週金曜日14日で峠を越えています。これでドル円が、100.80円まで下落したと考えられますが、4日のこの安値以降は、ドルも落ち着いてきました。
ドル円は3日足・25日足・75日足と、かなり強烈に密集しはじめて、またもや三角持合の煮つまりが進んでいます。
3月7日の米雇用統計、3月18-19日のFOMCなどイベントを経過しながら、これが上放れて、103円台を奪回することが期待されています。
米国の成長がまだはっきりしないわけですから、最大でも昨年末の105.41円まででしょうが、とにかく103円台を奪回しなければ、安定しないでしょう。
目先、まだ円のレパトリエーションによる円高への下ブレがあるとしたら、残りは、3月本決算を控えた企業によるマネーの本国回帰の動きでしょうが、おそらくそれは軽微であり、ほぼドル円の調整も、日経平均と歩調を合わせて収束したと考えて良いのではないでしょうか。

▼世界景気後退の嘘。
(先進国は好調持続)
中国のPMIで大変市場が動揺したと思われましたが、各国でもPMIが発表されています。
昨日は、欧州ではドイツ一強状態でした。フランスが連続で悪化し続けているのと対象にこのドイツの強さがユーロ反落を支えた格好です。
また米国のそれも、寒波と大雪の時期を含めた期間だったにもかかわらず、これまた予想外に強い数値で、米国経済をあまりなめてはまずいのではないか、という市場心理もかなり働いたのでしょう。
先進国については、まったく景気後退の懸念が払拭された、というのが昨日の海外市場の相場だったのでしょう。

(今後、5月までの米国経済指標の見通し)
昨年12月、今年1月分の米雇用統計が非常に悪かったのはご存知の通りです。
これについては、今月もまだ米国を寒波が襲っていることから、3月発表分までは経済指標が弱い可能性があります。
リスクはこのへんに依然としてあるわけですが、20日の米PMIで、この厳冬下でも強い数値であったことから、寒波の影響を跳ね除ける米国経済という印象が強まりました。
そうなりますと、3月の経済指標(4月発表分)あたりから、寒波の影響を脱する季節になってきますと、それまでの弱い経済指標は反動高してくる公算が高まります。
これが、5月に向けての相場つきを、景気回復加速という認識から加速化させるかもしれません。
ちょうど米長期金利が3%に向けて急伸する動きとほぼ同時でしょう。その先に、過熱感から相場が大きく下落調整するということが想定されます。
この道筋には、3月7日の2月分の雇用統計、3月18-19日のFOMCといったイベントスケジュールを経過して向かうことになります。
ただ、東京市場では、3月決算ですから、大方の機関投資家は積極的なポジションをとりに行くということはないでしょう。
ドル円も、戻るといっても105円を突破していく力はないでしょうから、指数自体も16000円台まで戻れば御の字というところではないでしょうか。
俄然、外人と国内個人投資家による相場ということで、とりわけ個別銘柄物色が強まる展開と考えられます。

▼黄金銘柄。

【黄金銘柄で、21日年初来高値更新】

日本碍子5333、ミネベア6479、東京個別指導学院4745、マブチ6592、カナモト9678などです。

【黄金銘柄で、21日に、年初来高値まで誤差の範囲に迫っている銘柄群(予備軍)】
ダイフク6383、ライト工業1926、ユーシン精機6482、ローム6963、セイコーエプソン6724、日本電産6594、LIXIL 5938、オリンパス7733、加藤製作所6390などです。

以上の中では、個人的にはロームとライト工業が興味深く思っています。
もっとも、今後日々の相場の変化で、個別銘柄の3日足や、25日足との関係は変転していくでしょうから、日ごろから銘柄が、茶色になったか、黄色になったかを確認したほうがいいでしょう。
前者が外需、後者が内需ということです。
あくまで、25日足に沿っているか、上回っている銘柄を買い対象としては優先させるべきです。
ユーシン精機(京都)は、かなり小型なので、売買には注意が必要ですが、じっくり買いためて、ホールドし続けるという点ではかなり期待できるのではないか、と思います。
この銘柄は、プラスティック成形品取り出しロボットの専業メーカーです。国内外とも一位。世界展開を加速中ということです。これは、CD、DVDの製造工程でも使われています。半導体後工程、医療機器製造向けなどの特注機も受注が伸びています。
ライト工以外は、二つとも例の6000番台です。
先般来、注目していた日本航空電子6807、ミネベア6479、アルプス6707、アルバック6728などの6000番台も引き続き、25日足を維持する限りにおいては、強気・買い増しスタンスで構わないと思っています。
純然たる工作機械では、引き続き個人的にはJUKI6440、ツガミ6101(黄金銘柄ではなく、番外銘柄です)に注目しています。
前者は25日足上、後者は移動平均線密集化の中に株価があり、抜ければ大きいという位置にあります。
この工作機械2銘柄は、いわば「黄」銘柄ということになりましょう。

▼ボリンジャーバンドの使い方
せっかくですから、ツールを使いましょう。
銘柄の検索の仕方として、ボリンジャーバンドを使うと絞込み方にも、一味違った魅力を引き出せます。
バンド幅が極端にせばまってきている場合、中心線より上に株価があれば、上放れて、+2σを突破していくような、きわめて稀な急騰相場になりやすいのです。
たとえば、ライト工業1926の週足がそのパターンです。昨年6月の動きに似ていることがわかります。
日足でこうしたバンド幅が極小化した後、拡大に転じるタイミングももちろん妙味がありますが、週足でこれがでていると、かなり大掛かりな急騰相場になる可能性が高いので、一つ参考にしてみてください。
ただ日足ではかなり+2σが拡大しきった感じもありますから、目先の押しや調整はあるのかもしれません。そこが買い場ということになるでしょう。

以下、「黄金銘柄リスト」は増田経済研究所まで。

以上

増田経済研究所
コラム   増田経済研究所
増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
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