2014年の米長期金利と株価~外人が買う日本株絞込み

2013/12/30

▼来年、本当のファンダメンタルズ分析が試される。
(金利の世界がやってくる)
来年から、連銀が資産買い入れの規模を縮小し始めます。
その先には、利上げがあります(2015年想定)。ということは、先回りして動く米10年国債利回りは、来年の年央あたりを目処に、顕著な上昇を始める可能性があります。
その前哨戦は、来年前半に兆候として見られるでしょう。
ということで、世界の金利である米国の長期金利が、ついに3-4%台というレンジを来年中に突破して上昇していくかどうか、が大きな課題となります。
これまでは金利といったら、とにかく低いために、それだけの存在でしかありませんでしたが、来年以降はこの金利が、すべてに影響を与える存在として再び再登板してくるわけです。
株式理論では、いわゆる本当のファンダメンタルズ分析の重要な局面になってきます。

(株価の評価式)
一般にファンダメンタルズ理論の中核をなしているのは、「株価の評価式」と呼ばれるものです。
公式は次の通りです。

成長性÷成長を阻むリスク=株価

分子と分母にはいろいろなものをつぎ込んで、専門家たちは分析をするわけですが、もっともその中で重要で、なおかつインパクトの大きい代表的な要素に書き換えますと、次の通りになります。

利益成長率÷金利=株価

(考え方)
一番簡単な例を挙げましょう。
分子と分母が両方変動したら、わかりにくいので、分子は1で一定だとしましょう。
そのとき、もし金利が1%の時代から、10%に上昇していくとしたらどうでしょうか。
イコールの株価は、当然1/1から1/10になるわけですから、小さくなってしまいます。
金利が上がると、株価は下がる、と解釈できます。
逆に、分子の金利が、10%の時代から、1%へ低下していくとしたら、株価は1/10から1/1へと変化するわけですから、株価は上がることになり、金利が下がれば、株価が上がると解釈されます。

(しかし、分子もけして一定ではない)
ところが、話が複雑になるのは、分子の企業の利益成長率もまた変動するということです。
従い、分子の数字が大きくなるその伸び率が、分母の金利が上昇する伸び率より大きければ、金利は上昇していても株価は上昇するという結論になります。
また、分子の数字が小さくなっても、分母の金利の低下する伸び率より少なければ、株価はやはり上がるということになります。
逆に、分子の成長力が、分母の金利上昇の伸びより小さければ、株価は下がります。
また、分子の成長力の低下率が、分母の金利低下の程度より少なければ、やはり株価は下がります。
理論的には、金利が上がろうが、下がろうが、成長力の伸びがそれを上回るか下回るかという、相対的な問題だということがわかります。
単純に、金利が上がるから株価が下がるとか、金利が下がるから株価が上がるとかいうものではありません。

(一般的には)
但し、一般的にはたいていこういう流れになります。
景気が回復していくプロセスに入りますと、短期的なサイクルでは、米国株価は米長期金利が低下すると上がりやすく、米国長期金利が上昇すると下がりやすいという傾向が顕著です。
しかも、それはサイクルの話であって、長いトレンドで見ますと、けっきょくのところ米国株価は、長期金利上昇のトレンドに沿って、いっしょに並行して上昇していく傾向が顕著です。
実践的には、このイメージが一番役に立ちます。
したがって、今後米国の金融政策が引き締め方向へ(つまり、米国がまともな成長軌道を回復していく方向へ)動き出していくのですから、株価は短期的なサイクルでは、米国長期金利上昇を嫌気して調整し、それが落ち着いてくると、再び上値を取りに行くというロングブル相場に突入していくと考えられます。
目先は、米長期金利が3%突破で、いったん米国株価が調整するかどうか、ということが史上では注目されているわけです。
もしその3%というハードルをあまり神経質には捉えない、ということであれば、次は3.5%、そして4%という水準がハードルになります。
サブプライムショック以降は、最大4%まで米長期金利が上昇しており、そこで株価の戻りは完全に頭を打たれた経緯がありますが、果たしてどうでしょうか。

(目先の相場について)
さて、こうした基本を押さえたところで、現在の米国長期金利と株式相場について、位置と方向性をチェックしてみましょう。
今回は、日本の年末年始は非常に長いです。
その間、政治的な異変(テロなど)を除けば、通常ベースで考えられるリスクとして考えられるのは、休み中上がり続ける米国市場だったとして、どこでガス抜き的な押しが入るか、ということですが、3日(金曜日)に雇用統計が出るはずですから、これが利益確定のテイクチャンスにされてしまうかどうか、でしょう。
その結果が東京に反映されるのは、大発会の日ということになります。
S&P500のPERは、過去10倍を超えると、つど天井をつけて調整をすることが普通でした。
また、トレンドでは200日移動平均線との乖離は、10%以上になってくると、同じく調整することがふつうです。5月高値では、やはり13%近い乖離でしたし、小さな調整でも、直近11月終わりの段階でも、9.4%まで乖離が広がっていたわけです。
現在は、9.5%です。一方ファンダメンタルズと割高感ということでは、PERが16倍にまで拡大していますから、あとは200日線との乖離が10%を超えてくると、ますます調整(ガス抜き的なもの)があると見ておいたほうが無難なわけです。
日本で、一つの相場の異変となりうるものは、年明け10日のSQでしょうか。
例の3%に足をかけてきた米長期金利(10年国債利回り)ですが、今のところは大きな拒否反応は株式市場にはありません。
これが、3%をゆっくりと上回っていく過程で、むしろ株式相場がガス抜きの機会としないで、過熱上昇していく場合は、3.5%が、次のフシということになるでしょう。

(ロングの見通し)
逆に、来年一年という長期で見据えた場合、この米長期金利上昇は、短期的には米国株が嫌気する材料となる反面、中長期的には金利上昇と同じトレンドで株高となっていくことになります。
トレンドとしては、NYダウで言えば、当然2万という最長不倒距離の達成、ナスダックで言えば、2000年ITバブル以来の史上最高値更新ということが、ターゲットになってくることは言うまでもありません。
ダウ工業株の場合、来期、10%増益だとして、想定18127ドル。また15%増益だとして、想定18950ドル。仮に20%と好調なものだとして、19774ドルということになりますから、20%増益以上の景気活況ということですと、十分にダウ2万ドルというターゲットは達成できることになります。
ナスダックについても、2000年の史上高値までは上値23%ですから、やはり20%以上の増益であれば、理論的には十分に達成可能なターゲットであるということになります。

▼黄金銘柄の最終スクリーニング結果。

(変更点)
21日に作成したリストですが、さらに変更を加えています。
点数の異動によって、削除銘柄が出たため、時価総額2000億未満で38銘柄に減り、新興市場も8銘柄に減りました。
これで、合計60銘柄となります。
このほか、スクリーニングの要件でも変更点があります。
上昇率については、日経平均の上昇率の2倍以上のものは2点、日経平均並みから2倍未満までを1点にしました。
値動きの良さに重点を加えたことになります。
また、成長率も東証全体の59%増益予想に対して、これを上回るものは2点、それ未満は1点にしました。ここでは、利益の伸びの良いものを、ことさら重点を加えたことになります。
一番重要な変化は、21日に解説に及んだ、外人持ち株比率と浮動株比率の付加です。

(外人持ち株比率)
まず、外人持ち株比率ですが、先週解説しましたように、今のところ、トップはソフトバンクをはじめ、35-40%という高率であるものが多いのです。
それでも相場が強いのは、浮動株比率が低いためです。1位のソフトバンクから、5位のLIXILまで、いずれも10%ありません。
時価総額2000億円以上の銘柄リストに関しては、これが現時点での最長不倒距離であるとしたら、これらに乗るというも一法ですが、やはりねらい目は、10-20%台のものになるでしょう。
すでに、10-20%という外人持ち株比率ですから、かなり買っているという事実がうかがえます。これが、うまくすれば最大で35-40%台まで拡大する潜在可能性があると判断できます。
そうしますと、8位の日本電産から14位のセイコーエプソンまで7銘柄が、当然ターゲットになってくるということになります。
一方、2000億円未満の場合でも、トップは、1位の千代田インテグレから3位の馬渕モーターまで外人持ち株比率が35%前後から40%近くにあります。
同じように、ねらい目を10-20%台としますと、4位の日本精機から24位のNSユナイテッド海運の20銘柄ということになります。
ただ、この場合は、2000億以上の大型株と違って、時価総額自体がそう大きくないので、浮動株比率が多いか少ないか、あまり気にしなくても良いでしょう。

(総合評価点)
その結果、総合評価では、かなり異動が出てきています。
EXCEL表の一番上には、先述の外人持ち株比率の高い順で並べていますが、EXCEL表の一番後段にも、リストを置いています。こちらは、総合評価点順で列挙してあります。
このリストを見ますと、2000億円以上の場合、先週のLIXILやTOTOのほかに、シチズンが10点満点になってきています。
2000億円未満では、先週は日本農薬だけでしたが、今回はこれが10点から9点に落ち、そのかわり、アルパインと矢作建設が10点でトップに踊り出てきています。

(絞込み方)
25日足の位置で、毎日このリストは変わってきますが、今週末の段階で年明け以降の投資運用にお役立ていただければと思います。
ここからさらに絞り込んでいく場合に、総合評価点をどこで切るか、緑色の枠で囲んだ過去一週間に信用取り組みが改善した銘柄で絞るか、外人比率や浮動株比率で絞るか、いくつかのこうした要件を併せて絞り込むか、各位の選択にお任せします。
たとえば、これらを勘案してみると、2000億以上の場合、シチズン、TOTO、セイコーエプソンなどが最右翼と考えられますし、2000億未満ですと、アルプス、サンケン電気、ミネベア、森精機、NSユナイテッド海運などが最右翼ということになるでしょう。
新興市場では、外人比率40%のサイバーエージェントをトップとしますと、それに迫ることができそうな位置にいるものといえば、夢真、USEN、コロプラということになります。
が、一番重要なのは、けっきょくチャートですから、ここには解説していない3日足の動意、それによって25日足との位置関係がどうなっていくか、そのへんを検討からはずすわかにはいかないでしょう。

(リストは割愛。詳細は、増田経済研究所へ)

以上

増田経済研究所
コラム   増田経済研究所
増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
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