胸突き八丁か、天王山か~12月相場の想定

2013/12/02

1. ファンダメンタルズ通りの値動きをする日経平均。
中長期的な上昇トレンドのことはもういいでしょう。
簡単にまとめておきましょう。
現時点で、日経平均構成銘柄の1株当たり利益は979円に上昇してきています。
一般的な理論値計算をしてみると、
\979 X PER16倍=15664円となります。
今週日経平均は15600~15700円のレンジまで上伸しましたから、ほぼファンダメンタルズの条件ぴったりで動いているということになります。
為替の要件が入ってくると、変数が多くなってしまうので、この影響をゼロと仮に考えた場合です。

2.来年の相場想定。
(先進国優位)
GreatRotation(グレート・ローテーション)は、なにも債券から株への大規模な資金シフトばかりではなく、新興経済国家から先進国へも起こっています。
世界的には景気循環の加速が、必ず米国を基点にして、日本・欧州と続くからです。
実質的に新年度入りとなる来月からは(外資系ファンドにとって)、振り出しからの運用スタートです。
すでに史上高値更新となっている欧米にくらべ、日本と、強いて言えばナスダック指数が、期待の市場ということになります。

(米→日→欧の順)
米国市場がその急先鋒であることは変わりません。
順番が、続いて日本、そして欧州である、というのは、それぞれの中央銀行の財務所歌を見ればすぐにわかります。
サブプライムショックの後、デフレ恐慌懸念から立ち上がる過程で、経済と市場を支えた中央銀行は、底値で大量の債券や株式を購入します。景気が立ち上がってくると、その益が、中央銀行の財務状況を大いに貢献することになります。
最初に立ち上がったのは、米国連銀の財務状況です。2010-2011年に、すでに、連銀は歴史始まって以来の最高益を出しました。暴落したときに、米銀行株や、住宅担保証券などを大量に買い入れ、それがその後の米国経済の回復過程で、大変な値上がりをしたためです。
現在、米国連銀が資産買い入れ額は、3月末対比、10月の時点で20%増大しています。
暴落直後に比べて、買い入れペースはぐんと落ちてきているところです。
一方、日銀は同期間で31%増大ですから、米国よりも過剰流動性を大きくしている最中です。黒田日銀はもっとこれを拡大することになります。とくに来年4月の消費税導入以降は、異次元緩和の第二弾が想定されますから、ますます積極的に経済と市場を買い支えることでしょう。
欧州中銀ECBは、同じ期間に、なんと12%減少しています。実質的には金融緩和状態ではなく、引き締め状態になってしまっており、まだまだ景気の回復は程遠いでしょう。域内経済の規模が大きいので、おいしいところはドイツ一国が全部吸収してしまうという「いびつさ」も問題になっています。
こうしてみますと、出口を模索する米国と、ここから一段と過剰流動性を高め(資産買い入れ)を増大させていく日本と、まだとてもその政策に本気度が足らない欧州。
順番は、当然、米→日→欧州ということになります。

(日銀のがついに黒字転換)
劇的な日本のデフレ脱却が現実味を帯びてきている点は、この日銀の財務状況をチェックするとはっきりします。
米国連銀のように、大幅な黒字になってきているのでしょうか。
このほど、2013年度上期の中間決算を日銀は発表しています。
民間企業の純損益に相当する当期剰余金と呼ばれるものです。これが、4006億円の益。上期の黒字としては、実に5年ぶりのことです。前年同期は2329億円の赤字でした。
ドル円相場も、期初の73.03円から、期末の98.30円に上昇。このため、外貨建て資産は、3036億円の黒字。これも5年ぶりの利益計上となりました。前年同期は3076億円の赤字でした。
また長年苦しんできた、金融危機時に金融機関から買い取った株式の評価損益も、ついに黒字転換をしてきました。前年同期は1520億円の赤字でしたが、今上期は161億円の黒字です。
これで、自己資本比は6.2兆円となり、紙幣残高は83.2兆円。つまり、自己資本比率は7.45%となり、日銀が健全と考えている8%~12%まで、あともう少しです。
この日銀の財務状況が劇的に改善したことは、ここから日本経済を押し上げていくために、アクセルを全開にしていけるだけの体力を回復しつつあるということがわかります。
誰が見ても、日銀は今、これまで連銀がたどった道に踏み込んでいると思っているでしょう。まだECBはとてもそこまでにはいたりません。
ここから一番早いピッチで景気が立ち直ってくるのは、世界中で日本だということは、一目瞭然でしょう。

(PEGから見た日米の割高感)
成長率とPERで割り出すPEGですが、一時S&P500は2倍を超える水準にありました。
が、その後、適度なガス抜き調整を経ていますから、直近では1.96倍に低下しています。
いっぱいいっぱいの状況には変りありませんが、相場が過熱化しないと、いったんお休みにはならないことを考えますと、米国市場そのものはまだ上昇を続ける公算が高いでしょう。
一方東京市場は、概算でしかありませんが、トヨタ自動車とほぼ同じ0.27倍です。
米国が、期待されている成長率が1に対して、株価が1.96倍まで買われているのに対して、東京市場は、まだ0.26倍までしか織り込まれていないわけですから、成長性に対しての割安感は、圧倒的に東京に軍配があがります。

(2014年、日経平均のターゲット)
静岡のセミナーでもお話しましたが、当時と為替の居所が一気に変わってしまったこともあり、一応ここでもう一度試算してまとめておきましょう。
先述した日経平均構成銘柄の1株当たり利益は、おそらくこの調子でいくと、大方の期待とおり、1000円に乗せることになるでしょう。
現在の979円から、1000円まではわずか2%差です。
(以下割愛)

(来年の相場の流れ)
ちなみに、来年の相場のピークは、今年と同じ5月と想定しています。来年11月には、米国は中間選挙があります。中間選挙の年は、かなり大きな調整になることが普通です。
これだけ米国市場も上昇していますから、来年、連銀が春以降に、量的緩和策を縮小しはじめて、年後半のさらに後半あたりに、金融引き締めを示唆、翌年には実際に利上げに踏み切るといったような段取りを踏む可能性が高いですから、そうなりますと、来年の秋(とくに年間で一番需給悪となる10-11月)には、大きな下落調整になると考えておいたほうが良いでしょう。
そこで二つのことを頭にいれておきましょう。
一つは、従って、来年の株価の大天井は前半であり、上述のとおり、5月であろうと考えられるということ。
(以下、割愛)

※日米経済が、真にデフレ回避・脱却に成功し、少なくとも2007―8年のサブプライムショック以前に原状回復できたとするならば、当時のドル円高値は124円です。この124円で計算しますと、日経平均のターゲットは、22878円ということになるはずです。
この124円台までドル円が上昇するには、個人的には米連銀の政策変更が始まるという段階に、円キャリートレード発生するという場合に実現されると、これまでもこのレポートで述べてきました。
(以下、割愛)

3.目先のガス抜き調整。
さはさりながら、目先、12月、それなりには調整があるだろう、と誰しもが警戒しています。あまりにも市場関係者がそろいもそろってそう考えると、ポジションはそのように事前に組まれてしまいますから、なにか突拍子もないきっかけで、逆に上に抜けてしまった場合、想像もしないような上昇になってしまうということは多々あることです。
そうなるかどうかは別としても、一応は、ガス抜き調整がある場合の、目安をもう一度確認しておきましょう。

(あまりにも手が揃ってしまった主要指数)
株式指数や為替レートなど、あまりにもそれぞれの象徴的な水準に到達してしまっています。
NYダウ 16000ドル
ナスダック4000ポイント
S&P500 1800ポイント
日経平均 ほぼ5月の高値に接近中
ドル円  ほぼ5月高値に到達
ドル建て日経平均 これもほぼ5月の高値に到達
(以下、割愛)

(クリティカルポイントを測るいくつかの目安)
この天王山で足踏みするかどうかは、新年度入りするヘッジファンドがどう動くかという目先の不透明要因もありますが、いくつかの目安があります。
一番市場で注目しているのは、やはりシカゴの投機筋の円ショート(空売り)ポジションの規模でしょう。
現在11万2000枚ということですが、危険水域は為替の専門家に言わせれば、12万枚だそうです。
過去、最大で15-16万枚という水準もあったようですから、まだ円売りが過去のデータの限界まで進行することも考えられますが、当面の円売りの終盤が近づいているということは言えるのでしょう。
(以下、割愛)

4.黄金銘柄リスト。
詳細は、増田経済研究所。

以上

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