今週の相場の目安

2013/09/09

※2020年東京オリンピック効果は、経済的には限定的であるといった見方が多いです。ただ、心理的な影響は大きなサポートとして寄与するでしょう。

▼中心軸は、あくまで米国のファンダメンタルズ。
株式相場上昇トレンドの中心軸は、あくまで米国の景気成長一つといってもよいでしょう。
その意味では、米長期金利が3%という水準に到達しつつあることと、主要米国株価指数が底入れ、底錬りに入っていることを考えれば、今後は長期金利のピークアウト、株価のボトムアウトが想定されると見ていいでしょう。
決定的にするのは、FOMCでの微弱にせよ、連銀のQE3の資産買い入れ規模縮小の開始ということになりそうです。
したがって、途中発生してきている、シリア問題などは、すべて「ノイズ」と考えてよいのです。
上下にブレを誘うノイズですから、この波瀾を上手に泳ぎきれば、パフォーマンスは十分に上がる局面に入ってきていると判断しています。

▼米国市場の注目はナスダック。
9月の相場そのものについては、すでに全体を俯瞰した解説を行っており、また日々の動きについても都度、解説を試みているので、この週末特段の説明は不要と思います。
ここでは、もっと別の切り口で米国市場のことを考えてみたいと思います。
相場の主導は、ダウ工業株指数ではなく、ナスダックコンポジット指数であろうということです。

▼ダウ工業株とナスダック。
ご存知のように、ダウ工業株は、史上高値圏にあり、現在は調整中だ。底入れしたかどうかまだ微妙な段階。
ナスダックは調整はしているものの、ダウ工業株とではまったく立ち位置が違います。
ダウ工業株は、50日・100日移動平均線を割っており、200日移動平均線まで下落するか、懸念が残っています。
一方、ナスダックのほうは、こうした主要移動平均線を割り込んでいません。
そして、ナスダックは主要指数では、数少ない史上高値更新を果たしていない指数でもあります。
この不思議なギャップが、今後ナスダック優位のシナリオを想定させるでしょう。

▼連銀の量的緩和策の出口と株式相場。
連銀が行ったQE1、QE2、QE3(量的緩和第一弾~第三弾)は、以下のような日程で行われました。

QE1 2008年11月から2010年6月まで。
QE2 2010年11月から2011年6月まで。
QE3 2012年9月~

現在問題になっているQE3の出口についてですが、まだ終了するわけではなく、単なる買い入れ資産の規模の縮小をいつから始めるか、というだけのことに過ぎません。
過去、QE1、QE2の終了時は、その直前から相場が天井を打って、下落相場に暗転した経緯があるが、今回は終了ではないので、このケースは当たらないでしょう。
QE1、QE2の終了時には、NYダウ(工業株指数)は、いずれも米国人が意識する長期的なトレンドラインである200日移動平均線を、いずれも大きく割り込む下落相場となりました。
その下落率は、ほぼ15%です。
しかし、上記のように、これは今回符号しないので、仮に200日線まで下落したとしても、おそらくそれが考えられる最大の下落水準であろうと想定されます。
ちなみに、200日線は現在14457ドルですから、直近高値から8%ほどの下落水準です。現在、直近高値から5%ほど下落した位置にあります。

▼ノイズについて。
米国にとって、最大のノイズは、言うまでもなくシリアへの武力介入問題ですが、これは一時的なものであるから割愛。
むしろ、債務上限問題のほうが重要です。
ただ、景気動向そのものが、若干住宅の足踏みはあるものの、一方で自動車が非常に好調であり、小売・消費も好調ということですから、どうやって債務上限の引き上げで折り合いをつけるか、ということでしょう。
幸か不幸か、シリア問題という地政学的問題の勃興があったために、この問題はかつてのようなとめどもない議論の応酬で決着がつかないということは考えにくいでしょう。
連銀が、同じくこの地政学的情勢下、わずかな資産買い入れ縮小というていどでお茶を濁すこともでき、それによって曲がりなりにも、金融政策の緩やかな転換を実行に移すことができることで、長期金利の長期的な上昇と、株式相場の安定成長へと道を開くことになります。
しかも、先述通り、出口ではありません。少しずつ出口に向かうだけのことであり、株式相場へのショックはかなり少ないはずです。

▼日経平均の三角持合。
さまざまなテクニカルポイントはありますが、大きくざっくり、例の三角持合でチャートを見てみると、日経平均は大きな三角持合の中にあります。まだこれを完成させて、上にしろ下にしろ放れてはいません。
日経平均のこの三角持合の上値抵抗線(5月23日高値から、7月19日高値を結んだ延長)は、14100円から14200円の帯域と考えられます。

▼ドル円の三角持合。
一方、ドル円はすでにこの大きな三角持合(102.90円から、101.49円を結んだ延長)の上値抵抗線を完全に突破しています。
ドル円は、従来の為替市場における95円から99円というレンジ想定から、98円から103円のレンジ想定へと一段ステージアップしたように解釈できそうです。
従い、米国の景気回復シナリオが現実味を帯びてきた直近の動きを、如実に反映しているのがこのドル円であると考えられます。

▼日本株唯一の足かせ、仮需。
日経平均は、買い残などの仮需の重さなどが足かせとなって、これに追いつけていない、という状況にあります。
これも、週明けのGDPの改定値をクリアし、来週末のSQをクリアし、中間期末の決算とガイダンスをクリアしていくプロセスを踏んで、追いついていくことになるでしょう。
ノイズによる下ブレで、投げが出ればまた別ですが、そうでもなければ、信託(年金)、個人(現物)が3週ぶりに、生損保が11週ぶりに、そろいぶみで週間で買い越しに転じたことを考えると、上昇トレンドの環境は確かに整っています。

▼下値リスク。
当面の下値リスクは、NY工業株指数では、14700ドル近辺。これを割ると、やや深押しで200日線(14469ドル)あたりまで急落する恐れがあるので、その意味では「ノイズ」に注意ということになります。
また、日経平均の場合は、週末割り込んだ50日移動平均線14000円前後のすみやかな奪回が必要でしょう。逆に、ノイズによる下ブレでは、25日移動平均線13779円、75日線が13722円が、当面のサポートだが、最悪は13500円を割らなければ持ちこたえられそうです。

▼9月6日終わり値ベースの「黄金銘柄」リスト。

(黄金銘柄リスト~証券番号順)
出来高が少ないものは除外。

1978 アタカ大機
2193 クックパッド
3349 コスモス薬品
4220 リケンテクノス
4996 クミアイ化学
5011 ニチレキ
5401 日鉄住金
(以下、省略。詳細は増田経済研究所へ)

ただし、週末8日未明に、2020年東京オリンピック開催が決定されたことで、おそら物色が一転することでしょう。
日々、銘柄リストのチェックを怠らずにいましょう。

以上

増田経済研究所
コラム   増田経済研究所
増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
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