中国経済の減速懸念と当局の対応

2012/09/06

中国の景気減速に対する警戒が続いています。最大の輸出先である欧州の問題が長期化していることに加え、国内需要も低迷するなど、外需・内需の両面からじわじわと不安が高まっている格好で、今週に入ってからも、中国の主要株価指標である上海総合指数が年初来安値を更新する場面が目立っています。

週末の日曜日(9日)には消費者物価や鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資などの主要な経済指標がまとめてドンと発表される予定となっており、これらの指標発表前に中国当局による何らかの政策対応期待も一部で残っています。その背景には、利下げや預金準備率の引き下げなどの金融政策の発表が週末に行われることが多いという経験則があります。

このほか、中国当局はこれまでにも、省エネ家電購入への補助金支給や、鉄道などインフラ整備を中心とする公共プロジェクトの前倒し実行を認可するなど、内需のテコ入れをメインに次々と対策を打ち出しています。ただし、リーマンショック後の2008年11月に発表したような大規模な景気対策(いわゆる四兆元対策)には慎重な姿勢を維持しています。

確かに、2008年の大型景気対策によって中国経済は再び加速し、2009年第1四半期の実質GDPは+6.6%だったのが、一年後(2010年第1四半期)には+11.9%と見事に持ち直した実績がある一方で、不動産バブルや物価の急上昇、地方政府の債務急増などの副作用を招き、現在に至ってもその対応や処理に苦慮しています。中国当局が大規模な景気対策に慎重なのは、物価上昇圧力が再び強まるだけではなく、地方政府の債務をさらに急増させる恐れがあるためです。

中国では10月あたまの国慶節による金融市場の長期休場や共産党の党大会での政権主要メンバーの交代などイベントが多く控えています。中国の景気減速に底打ち感が出てくるまでは、株式市場の本格的な回復は難しく、来月18日の7-9月GDPの発表がひとつのヤマ場となりそうです。

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楽天証券経済研究所 土信田 雅之が、マクロの視点で国内外の市況を解説。着目すべきチャートの動きや経済イベントなど、さまざまな観点からマーケットを分析いたします。
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