シリコンスタジオ<3907>当研究所予想を下方修正。主力2事業が低迷

2016/10/19

当研究所予想を下方修正。主力2事業が低迷
リサーチノート
(株)QUICK 前田 俊明

3Q累計は3.3億円の営業赤字に転落
16/11期3Q累計の連結業績は、売上高が前年同期比12%減の52.3億円、営業損益は3.3億円の赤字(前年同期は39百万円の黒字)。人材事業は順調に推移したが、開発推進・支援、コンテンツの主力2事業が低迷した。全体で1割強の減収となり、販管費は減少したものの、営業赤字に転落した。
事業別売上高をみると、開発推進・支援は同15%減の20.4億円。既存のミドルウェアや保守サポート契約が継続したものの、ミドルウェアの新規ランセンス販売は案件の開発期間が長期化したことに加え、導入コストの低い他社製品との競争激化もあり苦戦した。主力とするゲーム開発会社向けなどエンターテインメント業界から事業領域の拡大を狙い、非エンターテインメント業界へ積極的な営業活動を展開しているが案件化に時間が掛かっている。なお、ゲーム開発会社向けミドルウェア「YEBIS3」「OROCHI4」「Mizuchi」などの新規販売は21件(前年同期27件)、ミドルウェア保守サポートの継続は148件(同155件)だった。コンテンツは同18%減の23.6億円。15/11期に新たに投入したゲームのタイトルが振るわなかった。収益性改善に向け提供プラットフォームの拡大や広告宣伝費の費用対効果の検証などを行い、国内外のユーザー数の拡大に取り組んだが、浮揚効果は限られた。収益性の悪化した既存タイトルを運営代行会社に移管するとともに、4Q以降に投入予定の新タイトル4本へ経営資源を集中し開発を急いでいる。今後投入予定の1本「逆襲のファンタジカブラッドライン」は事前登録を実施中で正式投入が近いようだ(本レポート執筆日現在)。既存ゲームでは主要タイトルのダウンロード数は、「逆襲のファンタジカ」が全世界で前期末比20万増の818万に、「刻のイシュタリカ」は同87万増の331万に達した。人材は同24%増の8.3億円。ゲーム・映像制作分野での企業の採用ニーズが高水準を維持していることから、順調に推移した。派遣先企業で稼働中の一般派遣労働者数は延べ1594名(前年同期1370名)、有料職業紹介の成約実績数は78名(同55名)だった。

3Q累計は会社計画を下回るも、通期計画達成に向け施策を講じる
16/11期通期の連結業績について会社側は、期初公表の売上高93.7億円(前期比14%増)、営業利益3.0億円(同13%増)の計画を据え置いた。3Q累計業績は売上高、利益ともに計画を下回り厳しい状況だが、海外へのミドルウェアの販売や非エンターテインメント業界へのビジネスも徐々に案件が実現している。4Qに投入予定の新規タイトルについても収益拡大に向けた施策を講じるなど、業績予想の達成に向け努力するとしている。

17/11期も下方修正。前期比では増収・営業黒字転換を見込む
16/11期通期の連結業績について企業価値研究所は従来予想から減額修正する。売上高は90.0億円→77.0億円(前期比6%減)、営業損益は3.0億円の黒字→50百万円の赤字(前期は2.7億円の黒字)に転落する見通し。低調だった上期から、下期に挽回すると予想していたが、3Qも苦戦が続き想定に届かなかった。各種施策の成果で4Qにある程度挽回しても従来予想は下回ると判断した。ただ、4Qのみでは増収・営業増益を確保すると予想する。人材事業が高水準の採用ニーズを背景に引き続き伸長するほか、開発推進・支援事業で受注済みの開発案件なども貢献する見込み。ゲームの新タイトルは投入時期を考慮すると今期業績への寄与は限られよう。コスト抑制にも取り組むと想定しているが、3Q累計の営業赤字を取り戻すには至らず、通期では赤字が残る見通し。
翌17/11期も修正、売上高は100.0億円→90.0億円(前期比17%増)、営業利益は5.0億円→2.0億円を予想。いずれも予想を引き下げるが前期比では増収、営業黒字への転換を見込む。開発推進・支援事業はミドルウェアの新規ライセンス販売などが増加する見通し。非エンターテインメント業界への拡販も徐々に成果をあげよう。コンテンツ事業は新規ゲームタイトルが出揃うことで徐々に収益に貢献すると見込んだ。ただ、ゲームタイトルは当たり外れも大きく、見通しにくい。動向を注視したい。人材事業は堅調に推移すると予想する。費用面では、新規のゲームタイトルを相次いで投入することから、ユーザー獲得に向け広告宣伝費などが増加すると想定する。

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