アサカ理研(5724・JASDAQ スタンダード)

2013/09/19

3Q累計は好調に推移。QBR利益予想を上方修正
リサーチノート
㈱QBR  中村 宏司

13/9期3Q累計の経常利益は前年同期比2.2倍
13年9月期第3四半期累計(12年10月~13年6月)の連結業績は、売上高が前年同期比32.0%減の7,101 百万円、営業利益が同19.9%増の236百万円、経常利益が同2.2倍の234百万円、純利益が同2.4倍の138 百万円だった。主要顧客が属する電子部品・デバイス工業分野の生産が低調に推移したことに加え、取引 形態変更による受託加工取引の割合の上昇により販売数量が減少したことが減収要因となった。しかし、 貴金属価格が上昇したことや、コスト削減効果などにより営業利益は2割増となった。さらに営業外にお いてデリバティブ評価損益が、前年同期の74百万円の損失から6百万円の利益となったことから、経常利 益は大幅に増加した。取引形態の変更については、これまで貴金属含有物を仕入れて、加工賃と地金代金 を売上高として計上していたが、今期から一部の売買取引について貴金属含有物を預かり地金にして返却 し、加工賃のみを売上高に計上する受託加工取引に切り替えている。

貴金属事業が金価格の上昇やコスト削減で大幅増益
セグメント別の動向をみると、貴金属事業は売上高が同32.3%減の6,529百万円、経常利益が同51.1% 増の588百万円。電子部品・デバイス工業分野の生産が低調だったことや取引形態の変更などにより減収 となった。しかし、コスト削減に注力したことに加え、金価格が前年同期の約4,240円/グラムから約4,600 円/グラムに上昇したことが増益に寄与した。さらにデリバティブ評価損益が改善したことから経常利益は 大幅に増加した。
環境事業は売上高が同26.8%減の539百万円、経常利益が同63.7%減の35百万円。主要顧客が属する 電子回路基板業界の生産が低調に推移したことから、電子回路基板向けエッチング液や、銅ペレットの販 売数量が減少。銅ペレットの販売価格は前年同期をやや上回ったものの、販売数量の減少を補えず減収。

13/9期、14/9期ともにQBR利益予想を上方修正
減収に加え、新規事業にかかる先行投資負担により経常利益は大幅に減少した。
会社側は13年9月期通期の連結業績見通しについて、売上高を11,099百万円→9,151百万円(前期比 30%減)、営業利益を252百万円→273百万円(同9%増)、経常利益を225百万円→270百万円(同2.3倍) と、期初計画を修正した。貴金属事業における受託加工取引の割合が想定を上回って推移。さらに電子部 品・デバイス工業分野の生産が低調に推移していることから、販売数量が想定を下回り売上高を下方修正 した。しかし、第3四半期までの金価格や銅価格が想定を上回って推移していることから営業・経常利益 は上方修正した。経常利益が大幅に増加するのは、前期に多額のデリバティブ評価損失を計上していた反 動である。
QBRでは13年9月期通期の連結業績予想について、売上高を9,500百円→9,200百万円(前期比30%減)、 営業利益を300百万円→310百万円(同24%増)、経常利益を285百万円→305百万円(同2.6倍)と、前 回予想(13年6月)を修正した。会社計画と同様に受託取引の割合が想定以上に増加していることから売 上高を減額した。第3四半期までの金価格や銅価格が想定を上回って推移したことに加え、コスト削減に よる採算の改善も進んでいることから営業・経常利益を増額した。
金価格が第3四半期に比べ第4四半期は低調に推移しているため、第4四半期の売上高、経常利益は第3 四半期に比べ減少が見込まれる。会社計画では、第4四半期の経常利益は35百万円を見込む計算となり、 第3四半期(80百万円)の半分以下まで落ち込むとみている。しかし、QBRでは金価格の低下以外に特段 の業績悪化要因がないことから、会社計画ほど落ち込まないと考え、会社計画を上回る予想とした。
続く14年9月期についてQBRでは、売上高を9,650百万円→9,355百万円(13年9月期QBR予想比2% 増)、営業利益を330百万円→340百万円(同10%増)、経常利益を310百万円→330百万円(同8%増)と、 従来予想を修正した。取引形態変更の影響を考慮して売上高を減額したが、コスト削減などによる採算の 改善が進んでいることから営業・経常利益を増額した。低迷している電子部品・デバイス工業分野の生産 活動も緩やかに回復に向かい、新規事業の立ち上がりにより、全体としては増収増益になると考える。
貴金属事業は、電子部品・デバイス工業分野の生産回復などにより増収増益を見込む。また、レアアー ス回収事業が期後半に量産開始を計画しており、徐々に収益に貢献してくるとみている。
環境事業は、主要顧客である電子回路基板の低迷が長期化しており、この分野の落ち込みを新規事業で カバーするとみている。新規事業で販売拡大を見込んでいるのは、水処理事業と光触媒事業。特に光触媒 事業では、光触媒の「防汚・セルフクリーニング」、「防曇」、「防臭・脱臭・有害物分解」等の特性を生か して、成長分野である太陽電池パネル向け市場への参入しており、大手企業から受注を受けている。また、 防汚用として、外壁等の建材用途向けの販売も増えるものとみている。

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