農業総合研究所<3541> 流通総額の増加と海外向けのビジネスモデル構築に注目

2017/07/25

新しい農産物流通モデルの「農家の直売所」を運営する農業関連ベンチャー
流通総額の増加と海外向けのビジネスモデル構築に注目

業種:卸売業
アナリスト:藤野敬太

1会社概要
・農業総合研究所(以下、同社)は、各地の農業生産者から集荷した農産物を、集荷翌日には都市部のスーパーマーケット等の小売店舗の直売所コーナーで販売する「農家の直売所」の流通モデルを運営している。

2.財務面の分析
・11/7 期~16/8 期は、売上高は年平均22.1%増、経常利益は同100.3% 増のペースで拡大した(1 カ月決算だった11/8 期を除く)。売上高、経常利益ともに大きく増加したが、各期を見ると流通総額の増加と、増員による人件費の先行負担の兼ね合いで黒字と赤字を繰り返してきた。
・生鮮青果物の流通分野でサービスを展開する企業と財務指標を比較すると、ビジネスモデルの違いはあるものの、収益性や成長性は総じて同社が高い。一方、財務の安全性については他社を下回っている。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、現社長自らの農業に関する実体験に基づく知見と、それによって確立されたビジネスモデルそのものにある。物流とIT の機能がビジネスモデルを支え、ブラッシュアップされていくことで、顧客資本である小売店舗と生産者が増加していった。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題には、「農家の直売所」の流通総額の拡大がある。現在は流通総額の拡大には増員が不可欠だが、中長期的には、人員増と流通総額の拡大が比例しない仕組みや体制の構築に取り組むとしている。
・「農家の直売所」の流通総額を年30%以上のペースで拡大することを目標に、ビジネスモデルの強化を行っていく。また、子会社を通じて、日本産農産物を海外へ供給するビジネスモデルの確立を進めていく。

5アナリストの評価
・「農家の直売所」は、既存の流通形態とは競合しない絶妙なポジショニングのもとに構築されたプラットフォームである。それを支える物流とIT の機能が強みであるが、流通総額の拡大ペースに影響を与えうるボトルネックも存在し、これらをどのように克服するかが当面の注目点となろう。

>>続きはこちら(1.83 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

このページのトップへ