大冷<2883> 競争激化の中で、骨なし魚にこだわらずに販売数量の増加を目指す

2017/07/10

骨なし魚のパイオニアを自負するファブレス企業
競争激化の中で、骨なし魚にこだわらずに販売数量の増加を目指す

業種:食料品
アナリスト:藤野敬太

 ◆ 骨なし魚を中心に展開する業務用冷凍食品のファブレス企業
・大冷(以下、同社)は業務用冷凍食品のファブレス企業で、骨なし魚(骨 を抜いた魚およびその切り身)のパイオニアであり、同社の売上高の約半 分を骨なし魚が占めている。

◆ 17 年 3 月期決算
・17/3 期決算は、売上高が 27,104 百万円(前期比 1.5%減)、営業利益が 1,270 百万円(同 8.6%増)と、前期比減収・営業増益であった。期初の会 社計画に対して、売上高、営業利益とも未達となった。
・競合他社との価格競争の一段の激化と、大口販売先の 2 社購買政策の 進行により、主力の骨なし魚事業の売上高は前期比 5.6%減となった。そ れでも、ミート事業とその他事業の増収が、全体の減収幅の縮小に貢献 した。一方、円高を背景とした仕入価格の引き下げ浸透で、売上総利益 率は上昇し、全体の増益につながった。

◆ 18 年 3 月期業績予想
・18/3期業績について、同社は、売上高27,850百万円(前期比2.7%増)、 営業利益 1,270 百万円(同 0.0%減)と予想している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、18/3 期の業績予想を、 売上高 27,868 百万円(前期比 2.8%増)、営業利益 1,284 百万円(同 1.1%増)へ下方修正した。17/3期に苦戦した骨なし魚事業の売上高を慎 重に見たことが主な修正点である。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、19/3 期以降、ミート事業とその他事業の増収が牽引し て、全体では年2%の増収が続くと想定した。増収と、販売費及び一般管 理費の伸びの抑制で、20/3 期には売上高営業利益率が 5.0%まで回復 する展開を予想する。
・協力会社の工場の稼働率の維持の観点から、骨なし魚事業にこだわら ず販売量を増やすことが当面の目標となる。骨なし魚事業の競争状況に 加え、販売量を増やすための諸施策の進捗にも注目したい。

>>続きはこちら(1.28 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

このページのトップへ