(3916:東証1部) デジタル・インフォメーション・テクノロジー 自社商品の拡大スピードに注目

2018/04/05

DIT

今回のポイント
・18年6月期第2四半期の売上高は前年同期比13.6%増の55億16百万円。第1四半期低調だったシステム販売事業も復調し、全事業とも増収となった。販管費は1桁の伸びにとどまり、営業利益は同24.9%増の3億79百万円となった。売上、利益は第2四半期の過去最高を更新し、計画も上回った。・通期業績予想に変更は無い。18年6月期の売上高は前期比5.3%増の108億20百万円、営業利益は同11.7%増の7億30百万円の予想。各事業とも増収を見込んでいる。引き続き新規事業への投資に注力するが、2桁増益を見込み、利益率も上昇。8期連続の増収増益、過去最高更新を予想している。今期より中間配当を実施。中間、期末それぞれ10円/株の合計20円/株を予定。予想配当性向は31.2%。

・自社商品事業の売上高構成比水準はまだ低いものの、WebARGUS、xoBlosともに時代の潮流をとらえ確実に需要を取り込み、今四半期(10-12月)の売上高は初めて1億円に乗せた。会社側では来期以降の収益貢献を期待しているということで、2021年6月期営業利益率10%達成に向けた両製品の拡大スピードを引き続き注目したい。

会社概要

独立系の情報サービス会社。金融、通信などを中心顧客とした業務システム開発、組込み開発等の受託開発が売上の大半を占めるが、Webセキュリティソリューション「WebARGUS(ウェブアルゴス)」、Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos(ゾブロス)」を始めとした独自技術による自社製品の拡大に注力している。「多面多様のIT企業」、「部分最適と全体最適の組織戦略」といった特長を持つ。

【1-1 沿革】

日本電信電話公社在籍時にプログラマーの資格を取った市川社長はコンピュータという今まで経験したことの無い新しい世界と出会い、その将来性に大きな魅力を感じ、チャレンジ精神を奮い起こされ独立。
1996年に知人が経営していた東洋コンピュータシステム株式会社の社長として経営を任された後、業務システム開発事業を皮切りに、コンピュータ販売事業(現・システム販売事業)、組込み開発検証事業、運用サポート事業などを手掛け、多面多様のIT企業として事業領域を拡大していった。
その後、2002年にグループ企業数社を完全子会社化して、同社の前身となる東洋アイティーホールディングス株式会社を設立し、2006年に子会社4社を統合し、現社名に商号変更した。
また、2011年1月にDIT America, LLC.を米国カンザス州に設立、2015年6月に東証JASDAQ市場に上場、2016年5月に東証2部市場に上場し、2017年3月に東証1部へ市場変更。

【1-2 企業理念】

立方体を展開したのが上の図で、市川社長によれば、「まずは顧客起点。ここから全てが始まる。」ことを強調している。その意識の下で、会社としては「社員の育成」と「対顧客、社員同士のコミュニケーション」、社員は「付加価値の向上」、「熱い情熱を持つ」、「目的意識を持つ」ことが重要な価値であることを示している。
社員はこの理念をクレドにして携行し、常に基本に立ち返ることとしている。

【1-3 事業内容】
1.セグメント

セグメントは「ソフトウェア開発事業」と「システム販売事業」の2セグメント。「ソフトウェア開発事業」は、ビジネスソリューション事業、エンベデッドソリューション事業、自社商品事業の3事業から構成されている。

(1)ソフトウェア開発事業
①ビジネスソリューション事業
(業務システム開発事業)

金融業・通信業・流通業・運輸業等の幅広い分野において、エンドユーザーや顧客の情報システム子会社からの受託開発が中心。その他、大手SIベンダーからの受託開発も行っている。
具体的には各分野で培った技術により、Web系や基幹系、フロント業務からバックオフィス業務、新規システム開発や保守開発を行い、各分野の大手企業との信頼関係を築き上げ、安定した受注を確保している。

(運用サポート事業)

主要取引先は通信キャリア、人材総合サービス会社、及び航空会社系情報システム子会社など。
「ITを通じて顧客の日常業務の運用をサポートする事業」であり、大手顧客の事業ドメインに沿った形での継続的なビジネスであるため、安定した収益を見込むことができている。

具体的な業務内容としては、以下のようなものがある。

各種業務システムを用いるエンドユーザーに対するサポートデスク業務
インフラ(サーバー、ネットワーク)の構築・維持保守を行う業務
最新技術動向に応じた、効率的なシステム運用を行う業務
②エンベデッドソリューション事業
(組込み開発事業)

車載機器、モバイル機器、情報家電機器及び通信機器等のソフトウェア開発を大手メーカーから直接受託している。
この内、車載機器、モバイル機器、情報家電機器等においては機器のファームウェア、デバイス機器の制御、アプリケーション等、システム全体にわたるソフトウェア受託開発を行っている。

特に、今後成長が見込める車載機器においては、インフォテインメントをはじめ、新しい技術である自動運転関連に注力している。また、通信機器においては、無線基地局や通信モジュール機器のソフトウェア受託開発を行っている。

(組込み検証事業)

製品に対する品質や性能の検証業務の受託及び検証業務を通じて機能や製品の改善について提案を行っている。
専門的な機器を使用し動作や性能を検証するラボ試験や、国内・海外(北米、アジア、ヨーロッパ等)の実際の環境で検証するフィールド試験、最終的な品質検証として第三者の観点で実施するシステム総合試験まで、様々な検証業務を行っている。

海外で実施するフィールド試験については、必要に応じて子会社のDIT America, LLC.に委託することにより、迅速なサービス提供と現地スタッフの感性も踏まえたユーザビリティの検証を行っている。
対象機器としては、車載機器、医療機器、通信機器、モバイル機器等である。

③自社商品事業

成長分野として独自技術の商品を自社開発し販売している。
現在同社が販売に特に注力しているのは、ウェブサイ卜の改ざんを発生と同時に検知し、瞬時に元の正常な状態に復元できる、新しいセキュリティソリューション『WebARGUS(ウェブアルゴス)』、データの分解・再構成機能を特徴とし様々な形のデータ事務処理ニーズに応えるExcel業務イノベーションプラットフォーム『xoBlos(ゾブロス)』の2つ。

この他、電子メールに電子署名を自動的に付与し、フィッシング詐欺やブランド盗用による被害を未然に防ぐためのソリューション『APMG(エーピーエムジー)』、ホームページ編集・更新が容易にできるCMS(コンテンツマネジメントシステム)『楽らくページ』などがある。

(2)システム販売事業

同社及び子会社の東洋インフォネット株式会社が、カシオ計算機株式会社製の中小企業向け業務支援・経営支援基幹システム「楽一」の販売を行っている。
販売エリアは、神奈川からスタートし、東京、千葉、群馬、愛媛へと順次拡大。ユーザーに対し、手厚いサポートを行うことで、リピート率の向上に努めている。加えて、コールセンターを設けて新規顧客開拓を進めており、「楽一」販売台数は全代理店中13年連続全国No.1となっている。

2.注目の戦略商品
①Webセキュリティソリューション「WebARGUS(ウェブアルゴス)」

WebARGUSは、ウェブサイ卜の改ざんを発生と同時に検知し、瞬時に元の正常な状態に復元できる新しいセキュリティソリューション。改ざんの瞬間検知・瞬間復旧により、悪質な未知のサイバー攻撃の被害から企業のウェブサイトを守ると同時に、改ざんされたサイトを通じたウイルス感染などの被害拡大を防ぐ。

◎増加するウェブサイト改ざん

「JPCERTコーディネーションセンター」の調査によれば、同センターに寄せられたウェブサイト改ざん件数は2016年度(2016年4月~2017年3月) 3,274件で、2013年度の7,724件には及ばないものの高水準で推移している。

「JPCERTコーディネーションセンター」(※):インターネットを介して発生する侵入やサービス妨害等のコンピュータセキュリティインシデントについて、日本国内に関する報告の受け付け、対応の支援、発生状況の把握、手口の分析、再発防止のための対策の検討や助言などを、技術的な立場から行なっている。
◎「WebARGUS」開発の背景

こうした状況の下、電子メールに電子署名を自動的に付与しフィッシング詐欺やブランド盗用による被害を未然に防ぐためのソリューション「APMG」を既に自社開発しリリースしていた同社は、セキュリティに関するコア技術をベースに「WebARGUS」を2年程の調査の後、2013年春に開発に着手。2014年7月にリリースした。

同社はITに関する多様で豊富な技術を有するのが大きな特長・強みだが、セキュリティのコア技術に関してもハイレベルである。これは、受託開発では飽き足らず独自製品を作りたいという同社エンジニアのベンチャーマインドやチャレンジ精神に起因するもので、後述する同社の企業文化、カンパニー制度に代表される組織戦略が大きく影響しているといえそうだ。

Webサイト改ざん被害に遭った場合、サイトの公開停止、被害箇所の特定、防御強化、サイト復旧・再公開という手順を取ると復旧までは平均で1か月かかる。仮にEC(電子商取引)を手掛けていれば、売上減少、再公開の周知の手間、一度離れた顧客の呼び戻しが困難など、その被害は甚大なものとなる。

これに対し、「WebARGUS」を導入していれば、改ざんの瞬間検知・瞬間修復により、サイトの状態を正常に維持し続けることが可能なため、改ざんを検知しても慌ててサイトの公開を停止する必要がない。サイトの運用を続けながら、改ざんされた原因を追求し防御強化に専念する事ができる。

他社の改ざん検知ソフトは、事前設定によって決められたタイミングや間隔でWebサイトを検知する定期監視が主流。ただこの場合は改ざん時と検知時のタイムラグが発生するため、改ざん状態は免れない。またタイムラグを縮小するために検知の間隔を短くするとCPUへの負荷が大きくなってしまうなど課題が残る。

「WebARGUS」は、WebのOSに何らかのイベント(閲覧されている以外の、データを消された、書き加えられた等)が発生するとそのイベントを検知するリアルタイム検知を行うため、そのような課題は発生しない。
加えて、同製品は検知した改ざん状態を0.1秒未満(デモ環境の平均値:1ファイル当たり0.003秒)で正常復旧することが可能な、瞬間復旧機能を搭載している点が大きな特長であり、この瞬間復旧は同社のオリジナル技術である。

「WebARGUS」の年間ライセンス利用料は1OSにつき\480,000(税別)で、サポート込み。
マイナーバージョンアップ時の更新モジュールの無償提供なども含む。

◎導入および販売状況

リリース当初はWebサイトセキュリティに対する考え方は侵入に対する防御が中心で、「改ざん検知」自体の認識が低いこともあり、ややスローな立ち上がりであったが、日本におけるIT国家戦略を技術面、人材面から支えるために設立された経済産業省所管の独立行政法人「IPA(情報処理推進機構)」でも、改ざん防止のための対応への言及が増加していること等から、「防御ソフトのみでなく改ざん検知ソフトが必要」という共通認識が急速に広がりつつある。

加えて、2017年11月16日に発表された「サイバーセキュリティ経営ガイドラインの改訂ポイント」において経済産業省は、「攻撃の検知」および「復旧」に関する「サイバーセキュリティリスクに対応するための仕組みの構築」を新たに重要項目として追加したこともあり、引き合いは更に強まっているという。

こうした環境下、同社では、より高度なセキュリティの必要性を認識しているユーザー層を対象に、セミナーの開催、展示会への出展などのプロモーションやマーケティングを展開している。
販売力強化に関しては、代理店販売にも力を入れており、現在の代理店契約総数は29社。
また、データセンターやクラウドサービス事業者との協業にも積極的に取組んでいるほか、国内への製品販売だけでなく、海外進出も予定しており、世界中のウェブサイト改ざん攻撃に対応する考えだ。

◎商品力の強化

当初はLinux版のみであったが、2016年4月にはWindows版を、2017年9月にエンタープライズ版をリリースしたほか、2018年2月にはトータルWebセキュリティ機能を大幅に強化する次世代型クラウドWAF「WebARGUS Fortify」の提供を開始した。特に大規模企業向けであるエンタープライズ版のリリースにより、上場企業を中心とした大企業の導入事例も増加している。
加えてIoT時代のセキュリティ対策を見据えた組込み製品向けWebARGUSをはじめとして、製品の適用範囲の拡大を検討している。特に組込み版については正式なプロジェクトを立上げ、製品化に向けて具体的なビジネスの検討と技術調査を継続中である。

②Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos(ゾブロス)」

IT化の進んだ先進企業でも、現場ではExcelを利用した手作業を含む様々な業務が数多く存在している。紙帳票からの手入力によるExcel帳票生成、複数のExcelシートを元にした集計作業、パッケージシステムから抽出されたCSVデータの可視化と分析等の非定型業務の多くは、現場部門の地道な手作業によって処理されている。
同社が独自開発した「xoBlos(ゾブロス)」は、こうしたExcelベースの非効率な業務を完全自動化し、劇的な業務効率化をサポートするもの。

◎開発の背景

企業では見積書や請求書作成に表計算ソフトの代表であるExcelを用いるケースが多いが、例えば、顧客ごとに異なったフォーマットの見積書、請求書をExcelで作成している場合、集計、分類・分析などを行うにはシステム化は困難で、手入力が必要となる。そこで、この作業を自動化し業務効率の大幅な改善を目指すことを目的として開発されたのがExcel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos」である。

Excelを利用した業務効率の大幅な改善を目的として約8年前にリリースした「xoBlos」だが、長時間労働の是正を中心とした「働き方改革」のトレンドが強まる中、「現在使用しているExcelを使った業務フローをそのまま流用しながら業務効率化から経営判断に資する情報提供までをカバーする全社プラットフォームが構築できる」と言った効率性や、手軽さや導入コストの相対的な安さなどから注目度が飛躍的に高まっている。
まさに「時代が同社とxoBlosに追い着いてきた。」状況だ。

また、商品力強化に向けて2018年2月にはExcel業務の自動処理化をより一層強化した「xoBot(ゾボット)」の提供を開始した。
「xoBot」は、得意とする Excel処理に加えてRPA(※)製品や他システムとの連携機能を持たせることで自動化処理をより一層強化したプラットフォーム商品。
PCクライアント上で動作する業務自動化プラットフォームである今回の「xoBot Solo(ゾボット ソロ)」に続き、8月にはWeb Server上で動作する業務自動化プラットフォーム「xoBot corabo(ゾボット コラボ)」を投入する予定だ。
同社では、「xoBot」を契機として今後提供するxoBlosテクノロジーを使った新商品・新サービスを「xoBlos2.0世代」と位置づけ、販売活動を展開していく考えである。

※RPA(Robotic Process Automation)
ロボットによる業務自動化の取り組み。AI(人工知能)や、AIが反復によって学ぶ「機械学習」等の技術を用いて、主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担う。人間が行う業務の処理手順を操作画面上から登録しておくだけで、ソフトウェア、ブラウザやクラウドなどさまざまなアプリケーションを横断して処理することができる。

*導入事例:住友林業グループ「予算集計業務を月間180時間削減」
(同社資料よりインベストメントブリッジ抜粋・要約)

住友林業グループは、住友林業株式会社(東証1部、1911)を中心に100社を超える子会社、関連会社から構成され、新築注文住宅と木材建材を2本柱に資源環境事業、海外事業、不動産仲介事業など幅広い事業を展開しており、17年3月の売上高1.1兆円、営業利益539億円の大企業。2014年5月に、xoBlosの本格的な導入を開始した。

(xoBlos導入前の状況)
住友林業株式会社の住宅事業本部住宅企画部業績管理グループは住宅事業の売上管理と決算業務を担当し、月次の損益見込みの集計と年次予算の策定の作業が大きな負荷になっていた。
毎月160組織分の損益見込みデータが各拠点からメールで送付され、担当者が半日かけてエクセルシートに貼り付けて集計。手間もかかり、ミスも起こりがちで、年に一度の予算策定の場合は、拠点ごとに何百項目ものデータが必要になり、集計するのに大きなマンパワーが必要になっていた。
また、同社の情報システム子会社である住友林業情報システム株式会社では、予算の集計は5、6台のパソコンでエクセルを使って、分散して処理していたが、結果が返ってくるまで丸1日間かかるため、その間は他の作業ができない状態であった。

(導入効果)
xoBlos導入は期待通りの効果を発揮したという。

エクセルと操作性が変わらないため特に研修などは必要なく、簡単なマニュアルを用意するのみであった。
以前は月次データをユーザが基幹システムから抽出して一つ一つ転記していたが、xoBlosは基幹システムと連携してデータを引き出せるので、ワンクリックで済み、転記ミスはゼロになった。
各支店で2時間程度かかっていた作業がゼロになったことで、合計で120時間削減できた。また、本部での集計作業もわずか5分で完了し、ミスも根絶することができた。
従来の予算集計システムでは集計結果1回の更新に1分から2分かかるところが、エクセルライクなxoBlosであれば、1秒から2秒で済むようになった。
グループ会社で木造注文住宅の施工・監理を行う住友林業ホームエンジニアリング株式会社には700名の技術(大工)職がいて、どんな技術や資格を持っているかを自己申告するスキルマップシートを作成しており、その集計にxoBlosを利用している。これまでは前年分のスキルマップシートを個人が保管して毎年見直してきたが、xoBlosを使うことで、前年度のシートを配布して過去の履歴を見ながら記入できるようになった。当然、提出もワンクリックで行え、さらに集計機能を使って分布を確かめることもできるため同社にとって重要なスキルの現状分析も簡単に行える。

2014年にxoBlosを導入した同社は、2015年にはRPA化を進めた結果、予算・損益実績集計業務において、全部で11の必要作業中、「会計システムにログインして経費実績をダウンロードして保存」、「住宅システムにログインして売上実績をダウンロードして保存」、「ソブロスにログインしてダウンロードした経費実績をシートに取り込み」、「ダウンロードした売上実績をシートに取り込み」、「前月の実績シートと翌月の見込みシートを印刷」、「ソブロスにログインして見込みのシートを確定」、「会議用資料に実績と見込みの数字を取り込み」、「本部に見込みを報告」、「会議用資料を参加者にメール」という9つの作業をロボットが行った結果、月間60時間の作業時間を削減することができた。上記、xoBlos化による120時間の削減と合わせてxoBlosとRPAにより最終的には一つの業務でトータル月間180時間の作業時間を削減することが出来たこととなる。

住友林業ではxoBlosの効果に加えDITの迅速なサポート体制も高く評価しており、グループ全体でのxoBlosのより一層の活用を計画しているということだ。

◎導入及び販売状況

現在の累計導入社数は300社を超えた。
販売に関しては、主力代理店の一つである大興電子通信株式会社(8023、東証2部)とのセミナー共催など、大興電子通信の持つ幅広い顧客層と拠点、販売力を活かすことを中心に営業を展開中。
当初は中堅企業の採用が中心だったが、現場業務の効率化ニーズが増大する中、大企業の導入実績も増加しており、足元では新規導入先の約7割は大企業となっている。
販促のためのセミナーを毎週3回開催しているが、ほぼ毎回満席状態が続いているという。

【1-4 特長と強み】
①多面多様のIT企業

同社は、IT技術の進化と変化に柔軟に対応して業務システム開発事業を皮切りに、コンピュータ販売事業(現・システム販売事業)、組込み開発検証事業、運用サポート事業などに事業領域を拡大すると同時に、その過程で磨き上げてきた技術力をベースに自社による独自製品の開発販売にも取組んでいる。幅広い事業領域と独自性のある自社製品を提供する事の出来る「多面多様のIT企業」である点が同社の大きな特徴である。

②部分最適と全体最適の組織戦略

部分最適と全体最適の相反する2要素をバランスよく活かした組織戦略も同社の大きな特徴となっている。
部分最適に関しては、カンパニー制度の導入で専門特化したカンパニーを立上げ、その領域でのNo.1を目指すとともに、ベンチャーマインドを持った経営者の育成・輩出を行っている。
全体最適に関しては、本社・本部が事業のスクラップアンドビルド、各カンパニー間のコラボレーション、新規事業領域の開拓など、カンパニーの独自性を尊重しながら、シナジーを追求している。

③独自性のある自社製品の開発・販売

前述した「WebARGUS」を代表として長年培ってきた技術を活かして様々な独自性のある自社製品を開発している。
将来の収益の柱として育成している。

2018年6月期第2四半期決算概要
増収・増益。第2四半期の最高を更新。

売上高は前年同期比13.6%増の55億16百万円。第1四半期低調だったシステム販売事業も復調し、全事業とも増収となった。販管費は1桁の伸びにとどまり、営業利益は同24.9%増の3億79百万円となった。
売上、利益は第2四半期の過去最高を更新し、計画も上回った。

◎ソフトウェア開発事業

増収・増益だった。
*ビジネスソリューション事業分野
業務系ソフトウェアは金融を中心に医療・製薬系、社会インフラ系等の業種全般が伸びると共に、運用サポートも好調に推移した。

*エンベデッドソリューション事業分野
大幅増収となった。車載向け開発に関しては全ての顧客向けに順調で大きく増加。IoT向けモバイルアプリ開発が進展したほか、半導体関連の組み込み開発では、車載ネットワーク上のデータを保護し、電子制御ユニット (ECU) への不正接続を防止するセキュアマイコンのソフト開発案件が大きく増加した。

*自社商品事業分野
大幅増収。「WebARGUS」は案件受注が増加。「xoBlos」も案件数が大幅に拡大した。

◎システム販売事業

増収・損失は前年同期並み。
カシオ計算機株式会社製の中小企業向け「楽一」のリピート販売は復調した。
複合機、ネットワーク機器等の販売や自社商品の引き合いが増加した。

現預金が減少したが売上債権増等で流動資産は前期末とほぼ変わらず。有形固定資産の増加で固定資産は同37百万円増加し、資産合計は同38百万円増加の37億52百万円となった。
借入金の減少、賞与引当金の計上、退職給付に係る負債の減少などで負債合計は同22百万円増加し13億21百万円となった。
利益剰余金の増加で純資産は同15百万円増加し24億30百万円となった。
この結果自己資本比率は前期末から0.2ポイント低下の64.8%。
長短借入金残高は同31百万円減少の6百万円となった。

利益増で営業CFのプラス幅は拡大。有形固定資産の取得による支出の拡大で投資CFはマイナスに転じたが、フリーCFのプラス幅は拡大した。
株式の発行による収入が無くなった一方で、自己株式の取得による支出により財務CFのマイナス幅は拡大した。
キャッシュポジションは上昇した。

(4)トピックス
◎株式分割を実施
投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性を高めるとともに、投資家層の更なる拡大を図ることを目的とし、2018年4月1日付で1:2の株式分割を実施する予定だ。

2018年6月期業績予想
業績予想に変更無し。8期連続増収増益へ。

通期業績予想に変更は無い。売上高は前期比5.3%増の108億20百万円、営業利益は同11.7%増の7億30百万円の予想。
各事業とも増収を見込んでいる。引き続き新規事業への投資に注力するが、2桁増益を見込み、利益率も上昇。
8期連続の増収増益、過去最高更新を予想している。
今期より中間配当を実施。中間、期末それぞれ10円/株の合計20円/株を予定。予想配当性向は31.2%。

◎ビジネスソリューション事業分野
金融を中心に医療・製薬系、社会インフラ系等の業種全般が伸びると共に、運用サポートも好調に推移する。

◎エンベデッドソリューション事業分野
車載向け開発需要が好調で、開発・検証ともに堅調。半導体関連の組み込み開発事業も堅調に推移する。

◎自社商品事業分野
セキュリティ需要の高まり、時短や働き方改革の時流に乗り、「WebARGUS」、「xoBlos」ともに高成長が続く。

◎システム販売事業

「楽一」の新規販売及びリプレースを中心に、自社商品、ネットワーク機器など販促活動を積極化し増収を見込む。

今後の注目点
自社商品事業の売上高構成比水準はまだ低いものの、WebARGUS、xoBlosともに時代の潮流をとらえ確実に需要を取り込み、今四半期(10-12月)の売上高は初めて1億円に乗せた。
会社側では来期以降の収益貢献を期待しており、2021年6月期営業利益率10%達成に向けた両製品の拡大スピードを引き続き注目したい。

<参考1:成長戦略>

同社は中期的なビジネス展開として、幅広い事業領域で安定した取引を重ねて堅固な事業基盤を構築すると同時に、その基盤の上で自社商品を軸とした新しい価値を提供するという二軸で大きく成長する事を目指している。

事業基盤構築においては、既存の幅広い事業領域で安定的な取引を行い事業基盤をさらに強固なものとするとともに、自社商品や新商品など成長要素による新たな価値の提供を図る。

「整備」の前々期(16年6月期)に次いで、前期(17年6月期)、今期(18年6月期)を「強化」、来期以降を「拡大・安定化」と位置付けており、中期目標として以下の様に「売上高100億円、営業利益10億円、営業利益率10%」のトリプル10の実現を目指しているが、売上高に関しては前期達成することができた。

<成長戦略と実績・今後の施策>

各事業における成長戦略、実績、今後の施策は以下の通り。

また、販売子会社東洋インフォネットを活用し、自社商品販売の更なる活性化を図る。

<参考2:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

最終更新日:2018年2月14日

<基本的な考え方>
当社は、法令を遵守し、経営の透明性を確保して、健全で継続的な企業価値の向上を図ることが、経営上の最も重要な課題と認識しています。
この課題に取り組み、株主その他のステークホルダーに対する社会的責任を果たしていくために、以下のコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。また、今後この体制をさらに強化し、その機能を定期的に検証して、必要な施策を実施することが、重要であると考えています。

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