(9445:東証2部)フォーバルテレコム ストック収益の拡大図る
今回のポイント |
・18/3期第3四半期決算は前年同期比4.9%の増収、同1.2%の経常減益。売上面は、大型案件が終了した影響を受けたドキュメント・ソリューション事業の減少を、ネット系ストック収益である「iSmart接続」の拡大等によるIP&Mobileソリューション事業の増加などでカバーした。利益面では、ドキュメント・ソリューション事業の売上減少の影響をIP&Mobileソリューション事業におけるストック収益の増加などでカバーすることができなかった。・18/3期の会社計画は、前期比3.1%の増収、同2.8%の経常増益の期初予想から修正なし。ISPサービス(「iSmart接続」)を中心とするネット関連やおまか請求などから生じるストック収益の拡大を図りつつ、iSmartひかり(光コラボレーションモデル)の提供を通じて通話系のストック収益の拡大を図る。配当も17/3期と同額(上期末7円、期末8円)の1株当たり年間15円の予想を据え置き。・同社の子会社群であるドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業の業績が回復傾向となってきたことは来期の成長力アップに向けて期待が高まる。ネット系ストック収益の更なる積み上げによるIP&Mobileソリューション事業の拡大とともに、子会社の業績回復を通じて、増益計画である通期の会社予想を達成できるのか、第4四半期の業績動向が注目される。
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会社概要 |
中小・中堅法人向けにOA・ネットワーク機器の販売やサービスの取次ぎを展開するフォーバル(8275)の連結子会社。フォーバルの連結決算において、フォーバルテレコムビジネスグループとしてセグメントされている(17/3期はフォーバルの連結売上高の28.7%を占めた)。グループは同社の他、連結子会社4社、持分法適用関連会社1社。 【事業内容と企業グループ】
同社及び連結子会社(株)FISソリューションズによる法人向けVoIPサービス(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)や法人向けFMC(Fixed Mobile Convergence)サービス「2way Smart」の提供と関連機器販売の「IP&Mobileソリューション事業」、連結子会社(株)トライ・エックスを中心にオン・デマンド印刷・印刷物のプランニング・デザイン等を手掛ける「ドキュメント・ソリューション事業」及び(株)保険ステーションによる保険やプライバシーマーク等に関する各種コンサルティング等の「コンサルティング事業」に分かれる。また、持分法適用関連会社(出資比率25%)で、(株)光通信(9435)グループの(株)アイ・イーグループとの合弁会社(株)ホワイトビジネスイニシアティブが「2way Smart」の企画開発及び関連するハードウエア開発を手掛けている。 ![]() ![]() |
主要なサービスの概要 |
(1)IP&Mobileソリューション
AmaVo
新たに提供を開始したサービスであり、iSmartひかり(同社NTT光コラボ回線)専用の法人向け電話サービス。同社が新たに開始したIP電話の「新しいあたりまえ」。AmazingVoIP(驚くべきVoIPサービス)の頭文字をとってネーミングされた。 ![]() ![]() iSmartひかり
NTT東日本・西日本が提供する光コラボレーションモデルを受け、同社がオリジナル料金で提供している光回線サービス。①バックボーンはNTTのフレッツ網を利用しているため品質が安定している、②請求の一本化ができるというメリットを持つ。おまか請求やワンビリングサービスで培われた請求一本化のノウハウが武器となっている。 ![]() iSmart接続-Fひかり
iSmart接続-Fひかりは、法人向けに提供している高品質なインターネット接続サービスを、個人でも利用しやすいように、サービス価格・内容を最適化したフレッツ光専用プロバイダサービス。 ![]() メールアドレス10個、1GBのホームページ、スパムフィルタ、メール転送などがずっと無料なのが特徴。 (2)セキュリティコンサルティング
プライバシーマーク(Pマーク)や各種ISOのコンサルティング
認証取得支援から、運用支援、更新支援、規格改訂支援、各種セミナーなど、Pマークや各種ISOに関わるサポートを実施。 ![]() (3)ペーパレスソリューション
おまか請求
請求書・支払通知書・納品書をWeb化でコスト削減するツールを提供。顧客登録・受注登録・料金計算、請求書発行(WEB公開)・収納代行・督促支援業務などを含んだ請求代行サービス。請求に関する業務を代行し、顧客の請求コストの削減と業務負担の軽減を図る。また、おまか請求ではユーザーがクラウドサービスを安全に利用できるよう各種セキュリティ対策を実施している。 ![]() ワンビリングサービス
複数サービスの請求書をひとつにまとめて請求するサービス。請求書が何通も届くことなく、1請求書にまとめて請求される。請求書を一本化することで、各社からの請求書の煩雑さの解消や事務処理の簡素化が図られるなど、業務効率が向上する。 ![]() |
2018年3月期第3四半期決算 |
![]() 前年同期比4.9%の増収、同1.2%の経常減益
売上高は前年同期比4.9%増の114億95百万円。売上面は、光回線サービス「iSmartひかり」の拡大等によりIP&Mobileソリューション事業で増加した他、(株)保険ステーションにおいて保険業法の改正の影響を受けつつも一人当たりの売上高が増加したこと等によりコンサルティング事業で増加した。一方、大型案件が終了した影響を受けたドキュメント・ソリューション事業で減少した。 ![]() ![]() 連結の売上総利益は1億7百万円の増加。売上総利益率は0.5%ポイントの低下となった。個別ベースの売上総利益は、ネット系他のストック収益の拡大が寄与し、全体として1億12百万円増加した。一方、大型案件の終了した影響を受けたドキュメント・ソリューション事業において減少したことから子会社の売上総利益は5百万円の減少となった。 ![]() 販管費は、IP&Mobileソリューション事業における収益性の高いネット系ストック収益(「iSmart接続」)の獲得に伴う前払販売奨励金の償却費の増加やコンサルティング事業における人員の増加に伴うコスト増などにより前年同期比1億28百万円増加した。 ![]() IP&Mobileソリューション事業 売上高84億15百万円(前年同期比5.5%増)、セグメント利益2億39百万円(同12.7%増)
主にVoIPサービス、モバイルサービス等の情報通信サービス全般を提供。光回線サービス「iSmartひかり」の拡大等により前年同期比で増収、増益となった。 ドキュメント・ソリューション事業 売上高12億57百万円(前年同期比2.1%減)、セグメント利益59百万円(同51.6%減)
主に普通印刷、印刷物のプランニング・デザイン等を行う。厳しい競争環境に加え、大型案件が終了した影響を受け前年同期比で減収、減益となった。 コンサルティング事業 売上18億22百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益1億14百万円(同8.4%増)
主に経営支援コンサルティング、保険サービス及びセキュリティサービス等を行う。(株)保険ステーションにおいて、保険募集人の減少と保険業法の改正の影響を受けてのコスト増等が一段落した結果、前年同期比で増収増益となった。 ![]() 17/12月末の総資産は、17/3期末比4億1百円増の76億21百万円。資産サイドでは現預金とのれん等が、負債・純資産サイドでは、短期借入金と長期借入金等が主な増加要因。17/12月末の自己資本比率は29.8%と17/3期末の31.0%から1.2ポイント低下した。 |
2018年3月期業績予想 |
![]() 前期比3.1%の増収、同2.8%の経常増益
18/3期の会社計画は、売上高が前期比3.1%増の155億20百万円、経常利益が同2.8%増の7億20百万円の期初予想から修正なし。売上高は、ISPサービス(「iSmart接続」)を中心とするネット関連やおまか請求などから生じるストック収益の拡大を図りつつ、iSmartひかり(光コラボレーションモデル)の提供を通じて通話系のストック収益の拡大を図る計画。ドキュメント・ソリューション事業のとコンサルティング事業の回復は想定していない。 ![]() ![]() 同社は、顧客ニーズに合わせ、一次事業者として、或いは一次事業者の業務委託先として、光コラボ事業を営む。業務受託の範囲としては、受注受付、案件ステータス管理、料金計算、請求など多岐にわたる。今後は、再卸先及び業務委託先企業数を積極的に拡大する方針。 ![]() 同社は、保険ショップである「みんなの保険工房」を譲受した。同ショップは、集客の高い店舗であり、今後出店増加と人員増強による保険事業の業績拡大が期待される。 ![]() |
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<参考:コーポレートガバナンスについて> |
![]() ◎コーポレートガバナンス報告書
コーポレート・ガバナンス・コード適用以降直近のコーポレート・ガバナンス報告書提出日、2017年6月21日。 <基本的な考え方> <コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について> ![]() <開示している主な原則> ![]() <その他> *1 社是 補充原則4-1-2 中期計画達成状況の株主説明を実施しない理由を参照。 |

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