(3254:東証1部) プレサンスコーポレーション 好調な販売状況続く

2018/03/14

pressance

今回のポイント
・「不動産に高付加価値を創造する」というビジネスモデルの下、近畿圏、東海・中京圏を中心にファミリー向け及びワンルームマンションを企画・開発・分譲・管理する独立系マンションディベロッパー。分譲マンション供給戸数は近畿圏で8年連続、東海・中京圏で6年連続第1位。全国でも第2位にランクインされる。豊富な供給実績と高いシェア、強力な営業力、健全な財務内容などが大きな強み。

・18年3月期第3四半期の売上高は前年同期比38.5%増の1,010億24百万円。不動産販売事業における全ての商品セグメントで好調な売れ行きとなった。営業利益は同35.7%増の168億91百万円。販管費も同25.1%増加したが、増収効果で吸収し2桁増益となった。経常利益は同34.7%増の165億57百万円。売上高、利益ともに期初計画を上回る順調な進捗となった。

・通期予想を上方修正した。ファミリーマンションの販売が好調に推移していることを受けて、売上高は前期比29.3%増の1,306億64百万円の予想。全体的に好調な販売状況が続いており広告宣伝費用等の追加的コストが抑えられたこと、一定の増員が既に達成され積極的な増員機会に備えた予備費が未消化であること等を受けて、販管費は期初予想を下回る見込みであり、営業利益は同28.7%増の201億44百万円と最高益更新を見込んでいる。また、利益の拡大を受けて、期末配当は期初予想よりも4.4円増額の16.9円/株を予定している。年間では29.4円/株。予想配当性向は13.0%。

・マンション販売事業の第3四半期終了時点での進捗率は修正予想に対しても既に100%近いことから、投資家の視線は今期の着地にとどまらず、来期以降の将来展望にも向けられるであろうが、潤沢な受注残高は業績の大きな下支えとなり、更にどれほど上積みされるのかが大いに注目される。

会社概要

「不動産に高付加価値を創造する」というビジネスモデルの下、近畿圏、東海・中京圏を中心にファミリー向け及びワンルームマンションを企画・開発・分譲・管理する独立系マンションディベロッパー。分譲マンション供給戸数は近畿圏で8年連続、東海・中京圏で6年連続第1位。全国でも第2位にランクインされる。豊富な供給実績と高いシェア、強力な営業力、健全な財務内容、優れた商品力などが大きな強み。

【沿革】

大手マンションディベロッパーにおいて実績を上げていた山岸忍社長が、1997年10月に不動産販売を行う事を目的とし同社の前身である(株)日経プレステージを設立。1998年には初の自社ブランドマンションである「プレサンス難波東」を販売した。2000年には初の自社開発物件である「プレサンス心斎橋EAST」を販売するなど着実に実績を積み上げた。2002年、商号を現在の「株式会社プレサンスコーポレーション」に変更。
近畿圏から事業エリアを拡大し、2003年には東海エリアで初めての自社開発物件である「プレサンス名古屋城前」の販売を行うなど業容は順調に拡大し、2007年12月に東京証券取引所市場第2部に上場した。
2008年に東京支店を開設し、首都圏での事業展開も開始。着実な事業拡大であったため、同年発生したリーマンショックの影響を大きく受ける事も無く成長を続け、2013年10月、東証1部にステップアップした。

【企業理念】
「一隅を照らす」

「一隅を照らす」とは、「一人一人が自身が置かれたその場所で精一杯努力し、他の人々のためにも働くことでまわりを明るく照らす。それがひいては社会全体を明るく照らし、世界の人々の平和や幸福の実現に結びつく。」という比叡山延暦寺(滋賀県)を開創し天台宗を開いた伝教大師・最澄上人の教え。滋賀県出身の山岸社長が同社の礎としている。

また、「一人一人が、自身が置かれたその場所で精一杯努力すること」に大きな価値を見出しており、「凡事徹底」という考え方を全社の行動指針としている。

【市場環境など】
◎市場環境

一般社団法人不動産協会の調査によれば、平成28年度(平成28年4月~平成29年3月)の分譲マンション供給戸数は、近畿圏、中部圏、首都圏、3大都市圏合計でそれぞれ、12,820戸、2,157戸、30,459戸、45,436戸。
同社資料(出所:不動産経済研究所)によれば、同社は分譲マンション供給ランキングにおいて、近畿圏で8年連続第1位(2017年3,845戸)、東海・中京圏、名古屋市内でそれぞれ6年連続、7年連続第1位(2017年1,148戸)に加え、全国でも第2位(2017年5,267戸)と高いシェアを有している。

◎同業他社

上の表に示されている企業と同社を様々な角度から比較してみた。

他社と比較すると、規模は決して大きくないながらも、完成在庫の少なさ、高収益性(経常利益率、ROE)が目を引く。ただPBRは1倍を超えている一方で、PERは依然低水準にとどまっている。
多くの投資家に対する更なる認知度の向上および成長戦略の理解促進が必要となる。

【事業内容】

事業セグメントは、投資型分譲マンションであるワンルームマンションおよび実需向け居住型分譲マンションであるファミリーマンションの企画・開発・分譲販売を中心とした「不動産販売事業」と、ワンルームマンションの賃貸管理事業、賃貸事業、建物管理事業などを手掛ける「その他」の2セグメント。

◎商品構成

同社が手掛けるマンションの概要は以下の通り。
物件平均価格はワンルームで約1,700万円、ファミリーで約3,200万円となっている。

*一棟販売は、マンション一棟またはその一部をマンション販売業者に卸売する形態。
*その他住宅販売は、中古住宅流通事業、戸建分譲事業等、新築マンション以外の住宅の販売。
*その他不動産販売は、商業用店舗、開発用地等の住宅以外の不動産の販売。
*不動産販売附帯事業は、マンションの販売代理手数料、不動産販売事業に附随して発生する事務手数料等。
◎事業エリア

自社ブランドマンションの販売を開始した1998年11月以降2017年12月末までの累計販売戸数は、近畿圏、東海・中京圏中心に全国で568棟、37,242戸となっている。

2017年3月期の地域別供給戸数を見ると、近畿圏が68.9%、東海・中京圏が27.4%などとなっている。

ワンルームマンションは、近畿圏、東海・中京圏、ファミリーマンションは両圏に加え東京、沖縄を事業エリアとしている。首都圏は、市場規模は大きいものの、土地仕入コスト、販売価格等の要因からワンルームマンションは手掛けず、ファミリーマンションのみ分譲している。
今後は近畿圏、東海・中京圏におけるブランド力、シェアを更に向上させるとともに、新規エリア「広島」、「博多」への展開も進めていく。

【特長と強み】
①豊富な供給実績と高いシェア

前述の様に、同社は本社所在地の近畿圏のみならず、東海・中京圏において分譲マンション供給実績No.1であることに加え、全国レベルでも第2位にランクイン(2017年)という実力を有している。
高いシェアは、スケールメリットによる建築コストの低減や情報収集力の向上など大きなメリットをもたらしている。

②販売力の強さ

営業基本方針を「マンション完成までに完売」とし実践している。ワンルームマンションの販売において、同社では、営業部門全体で1物件を集中的に販売している。同一条件の物件を全員で販売することにより、社内競争が促され、営業員の士気向上に繋がっている。
また自社開発の同一ブランドのみを販売していることから、営業スタッフは物件の仕様や特長について細かい点まで熟知しているため、顧客の信頼も高い。加えて、セミナーの開催など様々な手法で、潜在的なユーザーの掘り起こしに力を入れており、需要や市況変化への対応力が高い。
さらに、成長力の源泉は何をおいても人材だ。そのため人材教育には大変力を入れている。同社の強みである販売力の強さは、同社の教育力の現れでもある。
新入社員を一日でも早く戦力化する事が重要だが、そのために新入社員は先輩社員と常に行動を共にし、先輩社員のお客様への電話対応、資料作成、訪問時の会話など、成約に至るあらゆるシーンを繰り返し、繰り返し目で見て、耳で聞き、実践して成果が出る体験を積み重ねる。こうした成功体験の積み重ねによって、新入社員であっても、一人でクロージングできるまで自ずと成長していく。

これらの要因により、早期完売と安定した売上を実現している。

③健全な財務内容

高利益率、少ない完成在庫、早期の資金回収、プロジェクト融資の早期返済などにより高い自己資本比率を維持しており、有利な土地仕入が可能となっている。

2017年3月期は用地仕入れ価格ならびに建築コストの上昇により粗利率や経常利益率は低下傾向にある。
また、積極的な土地仕入を行ったため借入が増加し自己資本比率は低下、有利子負債依存度も上昇したが、財務の健全性に影響の出るレベルではないと会社側は考えている。

④優れた商品力

「立地」、「設備」、「価格」の3点において購入者に対し高い満足度を提供している。
「立地」においては利便性と先進性を重視し、都心部の主要駅からワンルームマンションは徒歩5分圏内、ファミリーマンションは徒歩10分圏内の物件を厳選する。
「設備」においては高級感、快適性、機能性を重視し、浴室換気乾燥機付きユニットバス、ガス温水式床暖房、防音サッシ、遮音フローリングを標準装備として物件に高い付加価値を加えている。
「価格」については、高級感を持たせながらもリーズナブルな販売価格設定によって、高いコストパフォーマンスを実現している。この様な取り組みにより、同社物件は長期にわたる高い資産価値・ブランド価値を有している。

⑤圧倒的な情報収集力

マンションディベロッパーにとっては、良質なマンション用地情報を、仲介業者、金融機関などからいかにして他社に先駆けて収集することができるかが、業容拡大のための重要なポイントである。
リーマンショックで同業他社が多くの完成在庫を抱えて新たな土地の仕入に踏み切れなくなった際、財政状況が良好だった同社はこれを好機と捉え積極的な仕入れ活動を展開した。

仲介会社等にとっては、不況期でも仕入を積極的に行う同社の存在は極めて重要であった。また、大手ディベロッパーに比べると、意思決定のスピードが迅速である点も仲介会社等にとっては大変魅力的であったため、「取引のメリットが大きい会社」と評価され、「新しい土地情報はまずプレサンスへ」という関係性が構築された。

リーマンショックの影響が鎮静化した現在でもこの関係はより強固なものとなっており、同社競争力の高さの一因となっている。
意思決定のスピードが迅速である点およびブランド力の向上によって、本来であれば大手ディベロッパーに持ち込まれるような大型案件も先に同社に持ち込まれるケースも増えているという。

⑥安定した収益力

2007年12月に上場した同社はこれまでに、最初に期初予想を発表した2009年3月期以降、2017年3月期まで9回の決算を発表してきた。売上高、経常利益の期初予想と実績の乖離を検証すると、売上高未達は数回あるが、経常利益に関しては未達は1度も無い。
不動産市況に大きく影響されることなく安定・継続して収益を上げることができる点も同社の大きな特長といえよう。

高いマージン(売上高当期純利益率)を背景に高ROEを実現している。
過去3年間の営業利益、ROE、時価総額の3つの指標で一定の基準を満たしているため、2015年8月に「JPX日経400インデックス」(※1)銘柄に選定された。また、2015年12月には新指数「JPX日経中小型株指数」(※2)銘柄にも指定された。今後も高ROEの維持に注力する考えだ。

※1 JPX日経400インデックス
資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」400銘柄で構成される株価指数。
※2 JPX日経中小型株指数
時価総額や売買代金で中小型株の範囲を決め、過去3年間のROEと営業利益累計額を使って順位を決定。複数の独立社外取締役がいる・英訳資料を作成している、といった定性条件等も加味して投資魅力の高い会社200銘柄で構成される株価指数。
2018年3月期第3四半期決算概要
2桁の増収増益

売上高は前年同期比38.5%増の1,010億24百万円。不動産販売事業における全ての商品セグメントで好調な売れ行きとなった。
営業利益は同35.7%増の168億91百万円。販管費も同25.1%増加したが、増収効果で吸収し2桁増益となった。経常利益は同34.7%増の165億57百万円。
売上高、利益額ともに期初計画を上回る順調な進捗となった。

全ての商品セグメントで、数量・金額がともに増加した。また仕入強化によって一棟販売が拡大している。
今期よりホテル物件の引渡し(売上計上)がスタートした。

積極的に開発用地を取得したこと等により、販売用不動産と仕掛販売用不動産が増加した。これを受けて、資産合計は前期末と比べ、391億円増加の2,244億円となった。長短期借入金と社債を含む有利子負債の増加等により、負債合計は同270億円増加の1,527億円となった。この結果、自己資本比率は前期末から0.9ポイント低下し31.1%となった。

BS上のたな卸資産(販売用不動産と仕掛販売用不動産の合計)から建築代金等を控除した取得済用地のマンション事業土地代金は、ワンルームマンションで275億65百万円(6,187戸)、ファミリーマンションで549億9百万円(6,701戸)。今期以降の毎期の引渡戸数をワンルームとファミリーでそれぞれ2,000戸前後と仮定すると、ワンルームマンションは2021年1月までの今後3.1年分の、ファミリーマンションは2021年5月までの今後3.4年分の売上を超える用地を既に取得した形である。
同様に、一棟販売用事業土地代金は111億56百万円(2,604戸)で、前期売上実績900戸に対し2020年11月までの今後2.9年分の売上に相当する用地を取得している。
ホテル販売用事業土地代金は125億42百万円(2,052戸)で2020年3月期売上予定分まで取得済である。

(4)トピックス
◎ホテル事業の展開

2017年10月以降新たに1物件(秋田市中通3丁目 238室)を追加した。現時点で20棟のホテルを事業化している(内18棟が開発済み及び開発中、1棟がリノベーション、1棟が既築買取)。

同社では、以下2つの取り組み方を念頭におきつつ、継続的にトラックレコードを積み重ねた上で、REITやファンドへの売却等を視野に入れ、多角的にホテル事業を推進している。

2018年3月期業績予想
通期予想と配当予想を上方修正。

ファミリーマンションの販売が好調に推移していることを受けて、通期業績予想を上方修正した。
売上高は前期比29.3%の1,306億64百万円の予想。全体的に好調な販売状況が続いており、広告宣伝費用等の販売促進のための追加的なコストが抑えられたことに加え、一定の増員が既に達成され積極的な増員機会に備えた予備費が未消化であることから、販管費は期初予想を下回る見込みであり、営業利益は同28.7%増の201億44百万円の予想。売上、利益ともに過去最高を更新する見込み。
また、利益の拡大を受けて、期末配当を期初予想よりも4.4円増額し16.9円を予定している。年間では29.4円/株。予想配当性向は13.0%。

「今期引渡し予定」は、第3四半期(累計)実績と第4四半期今期中引渡し(売上計上)予定の合計で、第3四半期時点で今期中の売上見通しが立っている戸数および金額。修正予想に対しても進捗率は既に100%に近い。

通常、竣工時に物件が引き渡された際に、受注残高は売上高に振替計上される。
来期以降の分として既に1,044億40百万円の豊富な受注残を有している。

足元の市場環境

首都圏と比較すると、近畿圏のマンション価格は実需の範囲内にあると推測される。近畿圏全体と中心部の平均価格と㎡単価が逆転しているが、これは一戸当たりの面積が中心エリアで減少しており、販売価格が購入者にとって、手が届きやすい水準となっていることを示している。

(注)・金額は消費税込み販売価格
・大阪市、近畿圏はワンルームマンションの価格を含んだ平均値

70㎡換算の戸当たり価格を比較すると、市場価格(参考値)は首都圏都区部で7,581万円、大阪市で5,075万円となっている一方で、同社ファミリーマンションの価格(参考値)は大阪市内で4,494万円、名古屋市内で4,284万円。
同社マンションの高いコストパフォーマンス(価格競争力)が目を引く。

(近畿圏のマンション市況)

2016年から2017年にかけて近畿圏で新規発売された民間分譲マンションの戸数は884戸(4.7%)増加した。以下の地域では発売戸数が2016~2017年で増加している。

2016年から2017年にかけて、戸当たり平均価格は5年ぶりに低下したが、㎡当たりの価格は5年連続で上昇している。月間契約率については好不調の目安となる70%を年間通して上回っている(上期76.9%、下期75.5%)。

今後の注目点
マンション販売事業の第3四半期終了時点での進捗率は修正予想に対しても既に100%近いことから、投資家の視線は今期の着地にとどまらず、来期以降の将来展望にも向けられるであろうが、潤沢な受注残高は業績の大きな下支えとなり、更にどれほど上積みされるのかが大いに注目される。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

最終更新日:2017年6月26日

<実施しない主な原則とその理由>
「当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則について、すべてを実施しています。」と記している。

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