(6914:東証1部) オプテックスグループ 2度目の修正予想も上回って着地

2018/03/07

OptexG

今回のポイント
・17/12期の売上高は前期比20.9%増の375億4百万円。主要事業すべて順調に推移し、特にFA事業が好調。シーシーエスの子会社化も寄与した。国内売上は同27.4%増の158億30百万円、海外売上は同16.5%増の216億74百万円だった。連結子会社化に伴い販管費も増加したが、増収効果で吸収し営業利益は同62.0%増の48億85百万円となった。売上、利益ともに過去最高を更新。17年11月の2度目の修正予想も上回って着地した。・18年12月期も良好な外部環境を受けて売上、利益とも拡大する見込み。売上高は前期比8.0%増加の405億円を予想。全セグメント増収。営業利益は同8.5%増の53億円の予想。配当は30円/株を予定。予想配当性向は26.5%。グループ力の更なる強化のため18年7月1日付でシーシーエス株式会社を完全子会社化する計画。また、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を目的とし18年4月1日付で1:2の株式分割を実施する予定。

・17年12月期はFA事業、MVL事業が引き続き好調なことに加え、第3四半期まで低調だったSS事業も盛り返し、計画を上回る着地となった。引き続き今期も増収増益を計画しているが、期初予想では伸び率は売上、利益ともに1桁にとどまる。今期以降はシーシーエス子会社化の単純な寄与が無くなるだけに、投資家が期待する変化率という観点からは「1+1」を2以上とする「PMI(Post Merger Integration)」に関する同社の手腕が問われることとなろう。また現在進行中と思われる次のM&Aの実現についても注目したい。

会社概要

世界シェア40%を誇る屋外用防犯センサや世界シェア30%・国内シェア60%の自動ドアセンサを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛けるオプテックス株式会社を中心とした持株会社。産業機器用センサ事業を手掛けるオプテックス・エフエー(株)、画像処理用LED照明事業で世界シェアトップのシーシーエス(株)、光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明で50%の世界トップシェアを有するレイテック社(英国)等の有力子会社を有する。

【1-1. 事業内容】

事業は、主力の防犯関連および自動ドア関連、EMS関連等からなる「SS(センシングソリューション)事業」、産業機器用センサを手掛ける「FA(ファクトリーオートメーション)事業」、画像処理用LED照明装置及びシステムを提供する「MVL(マシンビジョンライティング)事業」、スポーツクラブ運営を手掛ける「その他事業」に分かれる。

【1-2 .強みと特長:センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズム】

確実で安定したセンシングの実現には、複数の要素技術とノウハウ、そして物理的変化を制御する「アルゴリズム」が不可欠。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。

【1-3. 沿革】

1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサは極めて画期的な製品。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサでトップシェアを有するに至った(現在、国内シェア約60%)。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。
近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSIの受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。 また2016年5月には画像処理用LED照明で世界シェアNO.1のシーシーエス株式会社(6669、JASDAQ)を子会社化した。次世代経営への移管やグループシナジーの追求を目指し、2017年1月1日付で持株会社体制へ移行した。18年7月にグループ力の更なる強化のためシーシーエス株式会社を完全子会社化の予定。

17/12期のROEは好調な業績を受けて売上高当期純利益率が大きく改善したため、目標としている「10%以上」を達成した。

2017年12月期決算概要
大幅増収増益。売上、利益ともに過去最高を更新。

売上高は前期比20.9%増の375億4百万円。主要事業すべて順調に推移し、特にFA事業が好調。シーシーエスの子会社化も寄与した。国内売上は同27.4%増の158億30百万円、海外売上は同16.5%増の216億74百万円だった。
連結子会社化に伴い販管費も増加したが、増収効果で吸収し営業利益は同62.0%増の48億85百万円となった。
売上、利益ともに過去最高を更新。17年11月の2度目の修正予想も上回って着地した。

第4四半期(10-12月)の売上高は前年同期比0.2%増、経常利益は同3.8%減。対前期比では売上高9.0%増、経常利益0.5%増だった。

◎SS事業
(防犯関連)

日本 :第3四半期までは減収だったが、インフラ関連や大型重要施設向け屋外警戒用センサ販売が順調で増収に転じた。
AMERICAs :第3四半期までは減収だったが、北米でインフラ関連や金融機関向け警戒用センサの特需もあり増収となった。
EMEA :中東で大型重要施設向け屋外警戒用センサ及販売が堅調に推移し増収。
アジア :韓国及びオーストラリア向け警戒用センサの販売が好調で大幅増収。

(自動ドア関連)

日本 :自動ドア用センサ、工場向けシャッター用センサ販売が堅調で増収。
AMERICAs :第3四半期までは減収だったが、北米大手顧客向け自動ドア用センサ販売が順調に推移し増収に転じた。
EMEA :欧州大手顧客向け自動ドア用センサ販売が低調。

海外では競合先の新製品に押された。

◎FA事業

日本 :半導体、二次電池、フラットパネルディスプレイなど、電子部品、食品業界向けに変位センサ、画像センサ、画像検査用LED照明の販売が好調に推移し大幅増収。
EMEA :OEM先への販促推進活動の効果により変位センサの販売が順調で大幅増収。
アジア:中国での省人化設備投資活況に伴い、スマートフォン業界向けを中心として、変位センサの販売が順調で大幅増収。

◎MVL照明事業

日本 :ソリューションの拡充と提案の強化が進行し売上げは順調に拡大した。
AMERICAs :北米地域でのスマホ向け大型受注や継続案件により堅調だった。
EMEA :欧州地域の半導体市場が堅調で、大手顧客向けの売上が継続的に拡大した。
アジア:中国での合弁解消により売上が減少したが、マレーシアなど新興国での売上が増加した。

売上増に伴う現預金、売上債権、たな卸資産の増加で流動資産は41億71百万円の増加。無形固定資産の減少により固定資産は同2億83百万円減少し、資産合計は38億88百万円増加の415億69百万円となった。
仕入債務等の増加により負債合計は同5億36百万円増加の95億62百万円。
非支配株主持分が減少したが資本剰余金、利益剰余金が増加し、純資産は同33億52百万円増加の320億6百万円。
この結果、自己資本比率は前期末の65.0%から5.1%上昇し70.1%となった。

利益増で営業CFのプラス幅は拡大。前期にあった連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が無くなり投資CFのマイナス幅は縮小し、フリーCFのプラス幅は拡大した。
短期借入金が減少し財務CFのマイナス幅は拡大した。
キャッシュポジションは上昇した。

(4)トピックス

◎シーシーエス株式会社の完全子会社化
MVL事業を手掛けるシーシーエス株式会社を2018年7月1日付で株式交換により完全子会社化することとした。
画像処理用LED照明事業におけるオプテックス・エフエーとシーシーエスの一層の連携を進め、経営資源の集中と選択及び経営の効率を図る。また、より効果的なM&Aやアライアンスを推進するためにはオプテックスグループとシーシーエスが全体最適視点で連携することが必要と考えた。
完全子会社化に当たり株式交換を選択したのは、オプテックスグループ企業グループとして今後さらにFAにおける画像処理関連事業に注力するとともに、LEDに関する技術を企業グループ全体で活用して業績貢献していくに当たり、シーシーエス株主に引き続きオプテックスグループ企業グループ株主として支援してもらうことで、企業価値のより一層の向上を図り、株主利益の最大化を目指したいと考えたため。
18年4月1日にオプテックスグループが実施予定の1:2の株式分割を考慮すると、シーシーエス普通株式1株にオプテックスグループ普通株式1.4株を交付する。分割考慮前では0.70株。
シーシーエス株式会社は18年6月26日を最終売買日とし、翌6月27日に上場廃止となる予定。

◎株式分割を実施
流動性の向上と投資家層の拡大を目的とし18年4月1日付で1:2の株式分割を実施する予定。
最低単元による購入金額は50万円を下回る見込み。
また同時に1単元(100株)に満たない数の株式を所有している株主に対し、単元未満株式の買増制度を導入することとした。

2018年12月期通期業績予想
増収増益

今期も良好な外部環境を受けて売上、利益とも拡大する見込み。
売上高は前期比8.0%増加の405億円を予想。全セグメント増収。
営業利益は同8.5%増の53億円の予想。
配当は30円/株を予定。予想配当性向は26.5%。

(3)成長戦略
①各事業の市場環境と成長戦略

◎防犯関連:監視カメラとセンサの融合
(市場環境)
センサのみによる異変検出は誤報など正確性の観点から課題が多い。そのため、例えば英国では警官が現場に駆け付けるか否かはセンサによる感知のみでなくカメラ画像による確認を行った後に判断することとなっている。また米国では州によっては誤報による駆け付けは罰金扱いとなる。
加えて、こうしたレジデンシャル(住宅等)向けのみでなく、世界各地でテロが頻発する一方で新興国において重要施設などインフラの整備が加速するなか、ハイエンド向けにおいても画像確認の必要性は増大している。

こうしたVisual Verification(画像確認)ニーズの拡大に対応し、世界の屋外用防犯センサの市場は、現在の約300億円から500億円程度まで成長すると同社では考えている。

(強化する戦略)
こうした需要を取り込むための具体的なアクションとして、2017年7月、レジデンシャル市場において世界大手セキュリティメーカーとのタイアップにより、「センサ」で検出し、「カメラ」で撮影、その信号を「ワイヤレス」で送信する新製品をリリースした。
また、2018年には自社ブランドの新製品を発売する予定だ。

屋外・一体型を製品として有しているのは同社のみであり、この新製品を皮切りに、レジデンシャル市場に加えハイエンド市場においても、同社が掲げる「IoS(Internet of sensing solution)」のコンセプトの下、世界ナンバーワンの市場シェアを有する「屋外事前防犯」において新たなソリューションの拡販を進める。

◎FA事業
(市場環境)
人手不足やこれを受けた人件費高騰により工場の省人化、自動化需要は増大し、「ロボット関連市場」はさらに拡大すると思われる。
また、米国市場においては、IT関連需要が増加するとともに、製造業の国内回帰に伴い設備投資需要も拡大している。

(強化する戦略)
国内外でロボットビジョン用カメラ、変位センサ、画像検査用LED照明などの販売を更に強化する。
2018年3月には米国に販売子会社「OPTEX FA INC.」を設立する。ヨーロッパ、中国に次いで、今後、更なる成長が見込める米国FA 市場に本格的に参入し販売網の拡充、自動車産業をはじめとする新市場の開拓(新規顧客の獲得)、現場提案型営業の展開により売上の拡大を図る。販売システムをこれまでの代理店販売から直接販売に切り替え、顧客のニーズをきめ細かく汲み上げ、顧客との信頼関係をより強固なものとしていく考えだ。

◎MVL事業
(市場環境)
人件費の高騰で検査工程の自動化が加速している。また、「半導体・電気・電子部品業界」からの需要は引き続き堅調で、高品質・高度な検査用LED照明の要望は増加している。

(強化する戦略)
顧客は照明、電源といったデバイスが欲しいのではなく、検査対象物が「よく見える」という状態を望んでいる。
そこで、カメラ、レンズ、画像処理を含むソリューション提案の拡充を進める。
またそのためのファシリティーとしてテスティングルームをの増設を進めるほか、世界15か国の拠点を有するオプテックスグループの海外ネットワークを有効に活用する。

②経営指標と業績目標

経営指標としては、「売上成長率15%以上」、「売上高営業利益率15%以上」、「ROE10%以上」を目指している。

売上拡大のスピードアップに関しては、「ベンチャースピリット溢れる企業集団を目指す」という中期方針の下、防犯、ファクトリーオートメーション関連のM&A戦略を引き続き推進するとともに、新会社設立、分社などによりグループ全体の成長を図る。
売上高営業利益率の引き上げに関しては、継続的なコストダウンに取り組むほか、為替の影響をいかにして吸収するかがポイントとなるため、国内売上比率の引上げ、海外生産体制の拡充にも注力する。

2019年の業績目標としては、売上高500億円、営業利益75億円を掲げている。売上高に関しては、今後、4~5社、計50~60億円程度のM&Aを実施する計画だ。

今後の注目点
17年12月期はFA事業、MVL事業が引き続き好調なことに加え、第3四半期まで低調だったSS事業も盛り返し、計画を上回る着地となった。引き続き今期も増収増益を計画しているが、期初予想では伸び率は売上、利益ともに1桁にとどまる。
今期以降はシーシーエス子会社化の単純な寄与が無くなるだけに、投資家が期待する変化率という観点からは「1+1」を2以上とする「PMI(Post Merger Integration)」に関する同社の手腕が問われることとなろう。また現在進行中と思われる次のM&Aの実現についても注目したい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

更新日:2017年4月10日

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