(8912:東証2部) エリアクエスト 引き続きサブリース事業の拡大取り組む

2018/02/21

areaquest

今回のポイント
・18/6期上期は前年同期比57.3%の増収、同149.1%の経常増益。サブリースを中心にしたストック型収入の増加と採算の良い販売用不動産の売却で売上・利益共に大きく伸びた。ストック型収入の先行指標となる長期預り保証金は前期末比5.3%(年率10.6%)増加した。株主に対して安定した利益還元をするべく、今期より上期末配当を実施する考え。1株当たり1円を予定している。

・通期予想は前期比11.0%の増収、同12.2%の経常増益。「臨時株主総会関連費用、人件費及び接待交際費の上昇が見込まれる」として利益予想のみ修正した。ストック型収入の拡大による売上構造改革は順調に進んでおり、売上は期初予想に沿った着地が見込まれる。1株当たり1円の期末配当を予定しており、上期末配当と合わせて年2円となる見込み。

・同社は不動産セクターに属するため、業績が不動産市況の影響を受けると思われがちだが、現在の事業規模に比べてマーケットが極めて大きいため、ほとんど影響はない。影響を受けるとしたら、不動産市況よりも企業の出店意欲であり、足元、出店意欲が回復傾向にある。このため、同社グループは、顧客満足度の継続的改善、告知看板の拡充、DMによる告知活動等、引き続きマーケテイング活動を通してサブリース事業の拡大による収益基盤の強化と成長力の強化に取り組んでいく考え。

会社概要

東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の駅前店舗を対象にしたサブリースやビル管理・メンテナンス(清掃、設備保守、警備管理等)を中心に契約更新・契約管理(売買仲介を含む)等も手掛ける「ストック収入型ビジネス」と、テナント誘致等の「成功報酬型ビジネス」を展開。グループは、グループマネジメントが中心の同社の他、テナント誘致等を手掛ける(株)エリアクエスト店舗&オフィス、ビル管理等の(株)エリアクエスト不動産コンサルティングの連結子会社2社。「エリアクエスト」と言う社名には、「地域に根差して(エリア)、不動産の価値を追求する(クエスト)」と言う思いが込められている。

【代表者プロフィールと会社沿革】

代表取締役社長を務める清原雅人氏は1967年2月2日生の50歳。予備校までを熊本で過ごし、一浪して明治大学法学部に入学。卒業後は野村證券に入社。大阪で4年、名古屋で3年、営業の腕を磨いた。1998年4月に友人と起業し、2000年1月に独立してエリアリンク(株)を設立(2001年3月に社名を(株)エリアクエストに変更)。2003年2月に(株)エリアクエストを東証マザーズに上場させ、2014年11月に本則市場(東証2部)での上場を果たした。現在、(株)エリアクエスト、(株)エリアクエスト店舗&オフィス、及び(株)エリアクエスト不動産コンサルティングの代表取締役社長を務める。

会社設立から上場後数年間はテナント誘致で業績を拡大させたが、需要一巡とリーマン・ショックによる景気悪化が重なり06/6期から4期連続の最終赤字。「業績の立て直しには、謙虚にビルオーナー等との信頼関係構築に取り組む事が必要」との認識の下、日常的に発生する設備の不具合・老朽化によるトラブルやテナント管理の問題への対応等、迅速かつ丁寧なアフターフォローに力を入れた。この取り組みが成果を上げ、管理物件やサブリース物件が増加し17/6期で6期連続の増収・増益。

【特徴・強み 1都3県の駅前商業地においてテナント誘致に強いビル管理サービスを提供】
特徴1 ビル管理事業(サブリースを含む) 清掃業務は「顧客満足度No.1」を自負
特徴2 更新及び契約管理事業
(売買仲介を含む)
トラブルの未然防止と、トラブルが起きてしまった場合の迅速対応
特徴3 テナント誘致事業 ビル管理事業とのシナジー

ビル管理事業や更新及び契約管理事業は2003年3月に100%子会社化した(株)日本総合ビルメンテナンスがベースになっているが、ビル管理事業では、清掃を中心にした日常対応に留まらず、水回り、電気、空調、ガス、エレベーターといった設備面での臨時対応をこなし(問題が発生すれば、いち早く駆けつけて対応)、更新及び契約管理事業では、更新及び契約管理に加え、消防法上問題となる共用部分の不正使用といったビルオーナー等の貸主共通の悩み事にも対応する等、同社ならではのサービスが加えられている。
一方、テナント誘致は同社にとって祖業であり、会社設立から3年1カ月でマザーズ上場を果たす原動力となった。独自に分類した63業種・約3,000社の店舗テナントをデータベース化し、このデータベースに基づき営業活動が行われている。また、物件毎に、ビル管理事業、更新及び契約管理事業、及びテナント誘致事業の各事業部門から担当者が選出され、各担当者は担当業務をこなすと共に、チームを組んでテナント誘致に取り組んでいる。

【成長をけん引するサブリース事業】

12/6期以降、サブリースに力を入れている。サブリースは空室で賃料収入がなくても、賃料をビルオーナー等に払わなければならないが、テナント誘致での強みを活かす事ができ、もとより、人の流れの多い1都3県の駅前商業地に物件を絞り込む事でリスク低減を図っている。
また、サブリース物件の開拓に当たっては、地域特性や立地に応じて物件の用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりするリノベーションの提案も行っている。もともと同社がサブリースする物件は築年数が古い物件が多いため、リフォームはもとより、水回り、電気、空調、ガス等、躯体以外の設備の修繕が必要な物件が少なくない(物件によっては鉄骨を入れ床の補強を行った事もあった)。こうした費用は同社が負担するため、ビルオーナーは自ら負担する事なく、資産価値を高めると共に安定収益を享受できる。一方、同社は先行投資負担を織り込んだ収益性を試算した上で提案を行っているため、テナントが埋まれば先行投資を吸収して確実に利益を上げる事ができる。

広告宣伝にもサブリース物件を活用

オーナーの同意を得てサブリース物件を含めた同社の管理物件への広告看板設置を進めている。前年7月(12日)には34箇所の設置だったが、2017年7月31日現在、80箇所。年内100箇所を目指している。同社の認知度の向上に寄与し、看板効果で問い合わせも増えている。広告看板は1箇所20万円程度の設置費用は必要だが、オーナーの同意を得てサブリース物件を含めた同社の管理物件に無料で設置させてもらっている。

17/6期に続き、18/6期も販売用不動産の売却を計画しており、売上・利益の押し上げ要因になる。ただ、18/6期に保有する販売用不動産を売り切る考えで、その後の仕入れについては慎重に行うため19/6期以降については販売用不動産の売却による収益を見込んでいない。

一方、コスト面では、17/6期に着手した営業部門や管理部門の強化(人員増強)と社員の処遇改善に向けた取り組みが本格化するため販管費が増加する。このため、19/6期は販売用不動産の売却収益がなくなる一方、販管費が増加するため減収・減益となるが、販売用不動産の売却収益を除くベースでは増収・増益を維持する。20/6期には前期比増収・増益に転じ、販売用不動産の売却収益が寄与した18/6期の利益水準を確保できる見込み。

※販売用不動産売却のインパクトは、17/6期が売上高3億10百万円、営業利益1億30百万円。18/6期は売上高5億60百万円、営業利益1億60百万円を見込んでいる(15/6期、16/6期は売却の実績がなく、19/6期、20/6期は見込んでいない)。
2018年6月期上期決算
前年同期比57.3%の増収、同149.1%の経常増益

売上高は前年同期比57.3%増の16億03百万円。契約の累積効果でサブリースを中心にしたストック型収入が増加する中、5億円程度の販売用不動産の売却収入を計上した模様。
営業利益は同144.4%増の3億44百万円。売上の増加と採算の良い販売用不動産の売却による利益率の改善で売上総利益が同68.9%増加し、不動産売却にかかるコンサル等の支払手数料や業務委託費を中心にした販管費の増加を吸収した。

1円の上期末配当を予定している。

上期末の総資産は前期末と比べて1億97百万円増の34億23百万円。借方では、販売用不動産の売却による営業CFの増加で、現預金や余資運用に伴う投資有価証券が増加した。一方、貸方では純資産が増加。上期末の自己資本比率は46.1%(前期末43.8%)。

CFの面では、販売用不動産の売却による利益の増加と運転資金の減少で前年同期は1億11百万円だった営業CFが5億70百万円に増加。余資運用の一環としての投資有価証券の取得による支出(3億41百万円)等で投資CFが3億30百万円のマイナスとなったものの、2億40百万円のフリーCFを確保した。

2018年6月期業績予想
前期比11.0%の増収、同12.2%の経常増益

「臨時株主総会関連費用、人件費及び接待交際費の上昇が見込まれる」として利益予想を修正した。一方、売上高については、ストック型収入の拡大による売上構造改革が順調に進んでいる事を反映して期初予想に沿った着地が見込まれる。

1株当たり1円の期末配当を予定しており、上期末配当と合わせて年2円となる見込み。

尚、2018年4月13日に臨時株主総会を開催する予定。臨時株主総会では、取締役2名選任、監査役1名選任、及び補欠監査役1名選任の3件の議案を決議する。

今後の注目点
同社は不動産セクターに属するため、業績が不動産市況の影響を受けると思われがちだが、現在の事業規模に比べてマーケットが極めて大きいため、ほとんど影響はない。影響を受けるとしたら、不動産市況よりも企業の出店意欲であり、足元、出店意欲が回復傾向にある。このため、同社グループは、顧客満足度の継続的改善、告知看板の拡充、DMによる告知活動等、引き続きマーケテイング活動を通してサブリース事業の拡大による収益基盤の強化と成長力の強化に取り組んでいく考え。
ストック型収入の先行指標となる長期預り保証金が、この半年間で5.3%増加した。下期もこのペースを維持できれば、年率11%弱の増加となり、来期も2桁成長が期待できる。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年11月17日
基本的な考え方

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、その重点を株主利益向上に置き、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要な課題と認識しております。その一環といたしまして、意思決定の迅速化、経営の透明化等を意識しコンプライアンスの徹底等が機能する体制の構築に取り組んでまいります。

<実施しない主な原則とその理由>

【補充原則4-10-1】(独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合の諮問委員会の設置等の対応)
当社は、独立社外取締役が取締役会の過半数に達しておりませんが、社外取締役による問題提起を含め建設的な議論・意見交換を尊ぶ気風の醸成を行っております。したがって、取締役会は、取締役の指名・報酬などの特に重要な事項の検討や決定に関して、その機能の独立性・客観性の確保及び説明責任は果たすことができる構成となっていると認識しております。

<開示している主な原則>

【原則1-4】(いわゆる政策保有株式)
当社は、いわゆる政策保有株式については、その保有の意義が認められる場合を除き、保有しないことを基本方針としており、現時点では、政策保有株式を保有しておりません。しかしながら、今後、事業戦略上の重要性等を目的として保有する場合があります。その場合は、毎年、取締役会で中長期的な経済合理性や将来の見通しを検討し、企業価値向上の効果等が乏しいと判断される銘柄については、売却を行ってまいります。議決権行使にあたっては、投資先企業の中長期的な企業価値、株主価値の向上につながる観点等から検討し、総合的に判断した上で適切に行使します。

【原則5-1】(株主との建設的な対話に関する方針)
当社は、持続的な成長と中長期的案企業価値向上のためには、株主・投資家との積極的且つ建設的な対話が重要であると考え以下の体制の整備及び取り組みを行っております。

・定時株主総会において、総会終了後に「株主懇親会」を開催し、株主から株主総会議案以外の質問も受け付け、代表取締役社長が適宜、回答するように努めている。
・管理部を株主と対話する事務局とし、管轄する取締役を開示責任者とし、各部署連携に努め、迅速且つ的確な対応に尽力する。
・代表取締役社長が説明を行うIR説明会を年2回以上開催し、中期事業計画も含め説明を行い、当社ホームページにおいて開示する。
・重要な株主の意見等については毎月開催される取締役会へ報告を行い、取締役及び監査役との情報共有を図る。
・株主及び投資家との対話にあたってはインサイダー情報を伝達しないことを方針とし、IR担当部署が適宜確認し、直接対話する者に対して指導を行う。
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