(2157:東証1部)コシダカHD 首都圏でブランドが浸透 既存店売上高安定

2018/01/11

koshidaka

今回のポイント
・17/8期は前期比8.0%の増収、同27.8%の営業増益。資本装備率の向上や各店舗での収益力強化に向けた取り組みが成果を上げ、カラオケ事業の利益が同75.1%増と伸長。カーブス事業、温浴事業の利益率も改善した。2007年6月のJASDAQ上場以降、売上高の過去最高更新が続いており、営業利益も10期連続で最高益を更新。2016年11月に東証1部に市場変更となり、2017年3月には設立50周年を迎えた。・18/8期予想は前期比7.8%の増収、同19.0%の営業増益。3事業そろって増収・増益となり、いずれも売上・利益が過去最高を更新する見込み。収益性の改善が続くカラオケ事業の利益が同32.9%増と伸び、黒字体質が定着してきた温浴事業は営業利益率が当面の目標としてきた10%を超える。カーブス事業は出店を継続すると共に、コスト構造の改善に向けた取り組みを進める。配当は1株当たり上期末20円、期末20円の年40円を予定(上期末2円、期末2円の年4円の増配)。

・出店を強化している首都圏で「まねきねこ」ブランドが浸透し既存店売上高が安定してきた事と店舗オペレーションの改善でカラオケ事業の収益性改善が目覚ましい。各店舗での小さな取り組みの積み重ねだが、約500店舗で成果を上げればインパクトは大きい。カーブス事業は、会員数100万人に向けた取り組みと共に、ロイヤリティ支払条件の見直し等、コスト構造の改善にも取り組む。浴事業は営業と省エネの両面でノウハウの蓄積が進んでおり既存店が堅調。事業の拡大に前向きだ。

会社概要

“総合余暇サービス提供企業”を標榜し、「アミューズメント」、「スポーツ・フィットネス」、「観光・行楽」、「趣味・教養」の4分野で「既存業種新業態」戦略を推進している。現在、カラオケ事業とフィットネス(カーブス)事業を二本柱に、上場以来、増収・増益を続けており、新規事業として取り組んでいる温浴事業も基盤固めが進んでいる。
尚、「既存業種新業態」とは、既に世の中にある業種や業態において、「余暇」を切り口とした発想で、今までになかった付加価値を生み出すビジネス。

【企業理念 -豊かな余暇生活の実現と希望に溢れた平和な世界の構築に貢献-

企業理念は、「進化させた有意なサービス・商品を常に考案し、そして全世界の人々に提供し続けることによって、豊かな余暇生活の実現と希望に溢れた平和な世界の構築に貢献すること」。この企業理念の下、①安近短の身近な余暇の分野において既存業種新業態を追求する、②各国地域並びに各業種の実情に即した最適な業態、仕組みを開発する、③顧客のニーズを探求し、驚きと感動を与える質の高いサービス・商品を常に提供する、④強い志と企業家精神を持って活躍する人材を育成する、及び⑤業態間のシナジーを図り、グループ力を最大限に発揮する、の5つをビジョンとして掲げている。

【事業セグメントとグループ】

事業は、「まねきねこ」やひとりカラオケ専門店「ワンカラ」を運営するカラオケ事業、“女性専用30分健康体操教室”として中高年齢層をターゲットに女性専用フィットネスクラブ「Curves(カーブス)」を展開するカーブス事業、温浴事業(各種温浴設備を備えた施設の運営)、及び不動産管理事業に分かれる。グループは、持株会社である(株)コシダカホールディングス、及びその傘下で各事業を展開する連結子会社9社と非連結子会社3社。

非連結子会社は、TV電話ソフト「スカイプ」を使って海外のネイティブ講師とパソコンで英会話学習をするオンライン英会話事業「e英会話」関連の(株)イングリッシュアイランドとEEIKAIWA INC.、及びKOSHIDAKA R&C Co., Ltd.。

【成長戦略】

72.3兆円の国内余暇市場(公益財団法人 日本生産性本部「レジャー白書2016」)は同社にとって無限とも言える広さだ。特にシニア市場は、団塊の世代(1947年~49年までの間に出生した世代)が75歳を迎えるまでの間、高い成長が見込まれている。こうした中、同社は「総合余暇サービス提供企業」をコンセプトに、「アミューズメント(カラオケ)」、「スポーツ・フィットネス(カーブス)」、「観光・行楽(温浴)」、「趣味・教養」の4分野において、事業間シナジーを追求すると共に「既存業種新業態」戦略を推進する事でグループ売上高1,000億円の早期達成を目指している。

2017年8月期決算
前期比8.0%の増収、同27.8%の営業増益

売上高は前期比8.0%増の552億83百万円。新規出店効果でカラオケ事業の売上が同7.1%増加した他、順調な新規出店・会員獲得と会員向け物販の増加でカーブス事業の売上が同9.5%増加。新規出店を行わなかった温浴事業の売上も同5.5%増加した。

営業利益は同27.8%増の61億46百万円。資本装備率の引き上げで店舗オペレーションの効率化が進んだカラオケ事業を中心に売上総利益率が26.1%と1.6ポイント改善。カラオケ事業の店舗増等による販管費の増加を吸収した。為替差益(79百万円)や店舗移転補償金(73百万円)を計上する一方、為替差損(1億77百万円)がなくなった事等で営業外損益も改善。カラオケ事業店舗の移転・閉店に伴う除却損・減損(3億円強)及びカラオケコマンダー「すきっと」の減損損失(3億円)の計上等で特別損失が増加(1億66百万円→6億62百万円)したものの、税効果会計の影響もあり、当期純利益は32億55百万円と同71.3%増加した。

国内の期末店舗数は、前期末(457店舗)に比べて42店舗増の499店舗。内訳は、まねきねこ488店舗(前期末447店舗)、ワンカラ11店舗(同10店舗)。首都圏を中心に46店舗(建築31店舗、居抜き15店舗)の新規出店を行うと共に、37店舗でリニューアルを実施。新規出店46店舗のうち25店舗は首都圏で、内訳は、東京都11店舗、神奈川県6店舗、千葉県6店舗、埼玉県2店舗。一方、4店舗を閉店した(前期は建築32店舗、居抜き15店舗の計47店舗の新規出店と25店舗のリニューアル、及び2店舗の閉鎖)。
海外の期末店舗数はシンガポール10店舗、韓国14店舗の24店舗(前期末、シンガポール11店舗、韓国13店舗の計24店舗)。

既存店売上高は前期比98.4%。ただ、「まねきねこ」ブランドが浸透し1都3県の既存店は堅調に推移しており、利益貢献している。

国内既存店(△4億68百万円)や海外売上が減少したものの、国内新店の寄与(26億02百万円)で吸収して売上高が296億14百万円と前期比7.1%(19億70百万円)増加した。資本装備率の向上と店舗オペレーションの効率化等で売上総利益率が20.8%と2.3ポイント改善する中、販管費は前期比3.9%の増加にとどまりセグメント利益が同75.1%(8億80百万円)増加した。各店舗が、営業時間、時間別料金設定、及び人員配置について、経営データに基づく最適化を図った事が店舗オペレーションの効率化につながっていると言う。

営業費用は、人件費(3億99百万円増)、地代家賃(3億76百万円増)、減価償却費(1億46百万円増)が増加したものの、資本装備率の向上で人件費率は27.2%から26.7%に低下。広告の効率化で広告宣伝費は1億24百万円減少した。

海外は、シンガポール、韓国共に前期比減収。シンガポールは店舗の「まねきねこ」化を進め、リニューアルによる閉店があったため売上・利益が減少した。ただ、期末までに全店舗の「まねきねこ」化が完了しており、「まねきねこ」としてリニューアルオープンした店舗はいずれも堅調。韓国は、これまで店舗での飲食ができない業態だったが、認可を取得し日本同様に飲食可能な業態にリニューアルを進めている。リニューアル店舗の立ち上がりが順調なため見通しは明るいようだ。

グループ直営店も含め104店舗(前期122店舗)の新規出店を行った結果、国内期末店舗数(グループ直営店+FC)は1,823店舗と前期末(1,722店舗)に比べて101店舗(5.9%)増加。グループ直営店も55店舗から58店舗に増加した。会員数も、821千人と前期末(772千人)に比べて同49千人(6.3%)増加。会員の年齢別構成比は、50代22.5%、60代39.9%、70代26.1%と50代以上が88.5%を占め、この他、30代3.5%、40代8.0%。

新規出店の減少で加盟金収入等のスポット売上が52百万円減少したものの、会員向けショッピング売上が11億77百万円増と伸びた他、ロイヤリティ収入等のベース売上も7億36百万円増加し(この他、直営店売上が1億92百万円増)、売上高が237億20百万円と同9.5%増加。相対的に原価率の高い物販が増加したものの、売上総利益率も改善し販管費の増加を吸収。セグメント利益が46億72百万円と同10.3%増加した。

小学生以下無料、1万冊コミック&リラックスルームの「まねきタウン」、岩盤浴、ビンゴ大会等、集客施策が好評を得て既存店のみで売上を16億37百万円と前期比5.5%増加させた。利益面では、目標とする営業利益率8%には届かなかったものの(仕入高、広告宣伝費、人件費部品消耗品費他が増加)、水道光熱費が減少する等で継続的に取り組んでいる省エネ努力の成果は現れた。

(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

期末総資産は前期末と比べて101億72百万円増の436億90百万円。借方では、CFの改善と2017年5月24日払い込みによる1,000千株の公募増資と自己株式1,000千株の処分を実施し45億86百万円を調達(発行価格及び処分価格2,392円)した事で現預金が増加した他、新規出店で有形固定資産も増加。貸方では、有利子負債(リース債務除く有利子負債:98億20百万円→97億37百万円))が減少する一方、純資産が増加した。自己資本比率は49.6%と前期末(40.4%)と比べて9.2ポイント改善した。
CFの面では、税引前利益の増加とカラオケ事業での資金効率の改善で営業CFが大幅に増加する中、公募増資と自己株式の処分で財務CFが大幅に増加した。

2018年8月期業績予想
前期比7.8%の増収、同19.0%の営業増益を見込む

3事業そろって増収・増益となり、いずれも売上・利益が過去最高を更新する見込み。カラオケ事業は売上の増加と資本装備率の向上等による収益性の改善が続き、営業利益が前期比32.9%増と伸びる。黒字体質が定着してきた温浴事業は既存店のみのため売上は微増だが、営業利益率が当面の目標としてきた10%を超える。カーブス事業は会員数100万人に向け、サービスの充実と店舗網の構築に力を入れる。また、ロイヤリティ支払条件の見直し等、コスト構造の改善に向けた取り組みも進める。

(2)セグメント別取り組み

カラオケ事業では、店舗網の強化に向け、1都3県、駅前繁華街に45店舗(建築25店舗、居抜き20店舗)の新規出店を計画している。また、引き続き資本装備率の向上にも取り組み、タブレット端末「まねきPad」の活用や自動精算機の導入等で業務の自動化・効率化を図る。
営業面では、AI(人工知能)やIoTの導入等、開発を伴う新しいサービスの創造に取り組む考えで、近々、AIを使った新しいコンテンツが導入される予定。海外では、シンガポールや韓国で収益体質の強化が進んでいる事を踏まえ、東南アジア(インドネシア、ベトナム、フィリピン)で事業機会を模索していく。現地企業とパートナーシップを組んでの事業展開を考えている。

カーブス事業では、会員数100万人に向け、サービスの充実と店舗網の構築に取り組む考えで、85店舗の新規出店を計画。サービスの充実により現在の低い退会率を維持し、既存店との競合に配慮しながら新規出店する。また、社会問題解決型企業として、自治体との連携や運動習慣の啓蒙活動にも取り組んでいく。米国総本部へのロイヤリティ支払条件の見直し等、コスト構造の改善に向けた取り組みも進める。

温浴事業では、引き続き施設とコンテンツ拡充に取り組む。具体的には、小学生入館無料等の各種キャンペーンを継続する他、まねきタウン等、ゆったりと滞在できる施設の構築や飲食部門の強化に取り組む。また、熱交換器の導入拡大やその他の新たな施策等、省エネルギー設備の進化に力を入れる他、新規出店も検討する。

(3)株主還元   上場以来、10期連続の増配

配当は1株当たり上期末20円、期末20円の年40円を予定しており、上期末2円、期末2円の年4円の増配となる。また、株主優待として、2017年8月31日現在の株主名簿に記載または記録された100株以上の株式を保有している株主に一律5,000円相当の株主優待券と所有株式数に応じたカタログギフトを贈呈する。カタログギフトについては、100株以上保有の株主に3,000円相当のカタログギフトを、1,000株以上保有の株主に5,000円相当のカタログギフトを、それぞれ贈呈している。

今後の注目点
カラオケ事業の収益性改善が目覚ましい。要因は、出店を強化している首都圏で「まねきねこ」ブランドが浸透し既存店売上高が安定してきた事と店舗オペレーションの改善。店舗オペレーションについては、タブレット端末の活用や自動精算機の導入等による資本装備率の向上で自動化・効率化を図ると共に、繁閑に合わせたパート・アルバイトの増減や時間別料金の導入等の取り組みを店舗単位で実施している。細かい取り組みではあるが、約500店舗で成果を上げればインパクトは大きい。また、資本装備率の向上で労務負担が軽減された事でアルバイトの応募・採用状況も改善されていると言う。一方、自社開発のカラオケコマンダー「すきっと」は、コラボ企画等が一部のヘビーユーザには好評だが、一般ユーザの取り込みにはつながっていないため事業を縮小する。
カーブス事業については、新規出店の余地が徐々に狭められてきたが、3年後のフランチャイズ契約更改時にロイヤリティの支払条件について話し合う考え。同社は日本エリアのエリアフランチャイザーとして、ロイヤリティの見返りに教育研修等を含めてFCを指導・支援しているが、米国総本部は同社に対して本部としての役割を果たしていない。ちなみ、カーブス事業が成功しているのは日本だけで、おひざ元の米国でも苦戦しているようだ。
温浴事業は、一時期は先行きが懸念されたが、営業と省エネの両面でノウハウの蓄積が進んでおり既存店が堅調。物件の選定には慎重を期す考えだが、事業の拡大には前向きだ。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書       更新日:2016年12月01日
基本的な考え方

当社グループは、株主に対する企業価値の最大化を図るために、経営の透明性と健全性を維持しつつ、変化の激しい経営環境の中における企業競争力の強化のために、迅速な意思決定と機動的な組織運営を実現することをコーポレート・ガバナンスの基本的な方針とし、体制を整備し諸施策を実施しております。当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を経営の重要課題としています。この課題を実現するために、当社グループは、株主やお客様をはじめ、当社に係るすべてのステークホルダーの立場を尊重し良好な関係を構築するとともに、以下の当社グループ「経営理念」及び、それを具体化した「行動基準」を定めております。

「経営理念」
私達の使命は、進化させた有意なサービス・商品を常に考案し、そして全世界の人々に提供し続けることによって、豊かな余暇生活の実現と希望に溢れた平和な世界の構築に貢献することである。

「行動基準」
1.創業の精神          6.公明正大
2.お客様第一主義        7.コンプライアンス
3.新しいサービスの創造     8.地球環境保全意識の堅持
4.おもてなしの心の研磨     9.自ら成長する人材
5.先義後利の精神        10.豊かな機会

<開示している主な原則>

【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、政策保有株式について、保有しないことを基本方針とします。

【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社は、役員や主要株主との重要な取引(関連当事者間の取引)については、取締役会の決議事項と定めております。また、決算期ごとに、取締役及び主要株主に対して、関連当事者間の取引の有無につき確認書の提出を義務づけております。

【原則5-1 株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取組みに関する方針】
(基本的な考え方)
当社は、株主との建設的な対話を通じて、当社への理解を促進し、持続的な成長および中長期的な企業価値の向上に繋げてまいります。

(担当部門)
当社は、株主からの対話(面談)の申込みに対しては、IR担当部門が対応することとしております。また、株主の対話(面談)の目的等を確認したうえで、必要に応じて、IR部門を担当する役員等の経営陣幹部が面談に臨むことといたします。

(個別面談以外の対話の手段)
当社は、決算説明会等を通じて、取締役による定期的な情報発信を行ってまいります。

(インサイダー情報の漏えい防止)
当社は、インサイダー情報の管理については、社内規程である「内部情報管理及び内部者取引防止規程」に基づき、情報管理の徹底を図り、インサイダー情報の漏えい防止に努めてまいります。

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