(2179:JASDAQ) 成学社 塾生が増加し順調に拡大 CM積極投入

2017/12/21

seigakusha

今回のポイント
・18/3期第2四半期の売上高は前年同期比2.6%増の50億52百万円。売上面では、塾生数の減少によりクラス指導部門で減少したものの、主力の「個別指導学院フリーステップ」を中心に塾生数が増加したことから個別指導部門で増加した他、認可保育所の開園によりその他指導部門でも増加した。営業損失は3億23百万円と前年同期から1億32百万円拡大した。売上高の伸びでコストの増加を吸収できなかった。

・18/3期の会社計画は、前期比6.6%増の増収、同7.6%減益の期初予想から修正なし。売上高は、個別指導の堅調な推移、「かいせい保育園」の認可保育所化、新規事業である「開成アカデミー日本語学校」などの貢献を見込む。営業利益は、新たな認可保育所の開園等、営業開始が来期以降の先行投資が継続的に発生するため、費用の増加を売上の伸びでは吸収できず減益となる予想。配当も前期に比べ0.30円/株増配の10.40円/株の期初計画を据え置き。予想連結配当性向は35.4%。

・少子化が進むものの、同社の主力ブランドである「個別指導学院フリーステップ」は塾生が増加し売上高も順調に拡大している。こうした環境下、同社は年明け以降新規CMを積極的に投入する予定である。また、来期においても関西と関東において「個別指導学院フリーステップ」の教室を積極的に増加する計画である。広告宣伝費の増加と新教室の増加がいかに「個別指導学院フリーステップ」の塾生数と売上高の増加に結び付くのか注目される。

会社概要

大阪府を中心とした近畿圏および東京都で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。2015年4月には、乳幼児から未就学児を対象にした保育事業を開始した。また、子会社において、英会話教室、学習塾の運営、学校法人等への講師派遣を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)global bridge 大阪、APLIS INTERNATIONAL EDUCATION CORP.の連結子会社4社。

(株)アプリス (100%) 広告の企画・立案・製作、学校法人等への講師派遣、飲食店の運営、英会話教室「IVY」の運営
(株)global bridge 大阪
(100%)
認可保育所「アイテラス保育園」の運営
APLIS INTERNATIONAL
EDUCATION CORP.
日本人を対象に英語教育を行う「Kaisei English Academy」の運営

*連結子会社であった(株)個夢は事業展開の効率性を図るため2017年10月1日付で当社が吸収合併。

<沿革>

1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始した。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のFC事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には奈良県へ教室展開。15年3月には、徳島県、香川県にFC教室を開校し、四国にまで教室展開を拡大した。15年4月には、知育特化型保育園「かいせい保育園」(17年4月より認可保育所として運営)、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」を開園し、保育園事業を開始した。17年4月には、外国人留学生を対象にした「開成アカデミー日本語学校」を開校している。

M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所より学習塾を譲受し、「京大セミナー」(後に「開成教育セミナー」にブランド統合)を開校。同年12月には兵庫県東播磨地区で個別指導専門塾「個別教育システム アイナック」を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックス(13年に当社を存続会社として吸収合併)を設立し、同年3月より首都圏で学習塾の運営をスタート、11年12月には英会話教室の運営ならびに英語を公用語とする外国人講師の学校法人等への派遣を主な事業とする(株)アイビー(13年に子会社アプリスを存続会社として吸収合併)を連結子会社化した。15年12月には、認可保育所を運営する(株)global bridge 大阪の全株式を取得し連結子会社化、17年3月には、連結子会社がフィリピン共和国にてAPLIS INTERNATIONAL EDUCATION CORP.を設立し連結子会社化、同年7月より「Kaisei English Academy」を運営している。
03年6月には飲食事業、04年7月には所有不動産の有効活用を目的とした不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在2店舗を運営している。

<事業内容>

事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上高構成比は、それぞれ98.6%、0.3%、1.1%(18/3月期第2四半期)。

教育関連事業

クラス指導部門では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」の塾名で教室を展開しており、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、「ハイグレード個人指導ソフィア」、「アルスポート」のほか、高校生以上を対象に映像配信授業を行う「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」を展開している。また、「個別指導学院フリーステップ」ではFC事業を展開。その他の指導部門では、学校法人等への講師派遣、英会話教室「IVY」の運営、小学生の滞在型アフタースクール「かいせい こどもスクール」、認可保育所「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」、「アイテラス保育園」の運営を行っている。
2017年9月末の教室数は、直営245教室、フランチャイズ23教室。

飲食事業

大阪市内に飲食店舗を2店舗運営している。

不動産賃貸事業

不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。

<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>

学習塾業界では、少子化の影響、顧客ニーズの多様化から、顧客の学習塾に対する選別基準が厳しくなっている。同社では、業界内の競争激化に対応すべく、教務内容の充実によるサービス水準の向上、英会話教室の運営、学校法人への講師派遣を通じて、総合教育企業として発展を目指している。
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子ども達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子ども達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、ICT時代に対応できる授業コンテンツの提供も含め、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。

2018年3月期第2四半期決算概要
個別指導部門、その他指導部門が堅調で増収も先行投資などで損失拡大

売上高は前年同期比2.6%増の50億52百万円。売上面では、塾生数の減少によりクラス指導部門で減少したものの、主力の「個別指導学院フリーステップ」を中心に塾生数が増加したことから個別指導部門で増加した他、認可保育所の開園によりその他指導部門でも増加した。
利益面では、売上高の伸びでコストの増加を吸収しきれず、前年同期から損失が1億32百万円拡大し3億23百万円の営業損失となった。事業拡大に伴う人件費や積極的な広告宣伝活動に伴う費用が増加したこと、認可保育所「かいせい保育園」の開園に伴い備品費等が発生したこと、7月にフィリピン共和国セブ島に開校した「Kaisei English Academy」の投資が先行したことなどが影響した。一方、「かいせい保育園」および「かいせいプチ保育園」の来春開園(予定)に伴い行政からの補助金収入(3億13百万円)を営業外収益に計上したことにより、経常損失は縮小した。

同社グループの主要事業である教育関連事業は、塾生数が期首より月を追うほどに増加すること、講習会・特別授業の実施月の売上高が増加することで収益性が高くなる構造となっているため、塾生数が少なく講習会等の影響が少ない上期は、収益性が低く営業損失を計上する傾向にある。

(教育関連事業)
前年同期比増収もセグメント損失拡大

売上高は前年同期比2.9%増の49億81百万円、セグメント損失は同1億26百万増の3億4百万円。
売上高面では、クラス指導部門では前年同期比で教室数が減少していることに加え、塾生募集期の結果が想定よりも低調となったため前年同期比で減収となった。一方、個別指導部門では「個別指導学院フリーステップ」を中心とした塾生数が堅調に推移したことから増収となった。また、その他の指導部門では2017年4月に認可保育所「かいせい保育園」を開園したことが寄与し、園児数、売上高とも大幅に増加した。
利益面では、事業拡大に伴う人件費の増加、積極的な広告宣伝活動に伴う費用の増加、「かいせい保育園」の開園に伴う備品費等の発生、7月にフィリピン共和国で開校した日本人向けに英語教育を行う「Kaisei English Academy」の投資が先行したため、セグメント損失が拡大した。

また、18/3期第2四半期累計期間において、直営教室5教室(大阪府1教室、兵庫県2教室、京都府1教室(フランチャイズ運営から転換)、東京都1教室)、かいせい保育園2園、開成アカデミー日本語学校1校、KaiseiEnglish Academy1校(フィリピン共和国)およびフランチャイズ教室3教室(大阪府1教室、京都府2教室)を新規に開校した。

(不動産賃貸事業)
前年同期比減収減益

売上高は前年同期比31.7%減の17百万円、セグメント利益は同28.4%減の15百万円。
事業拡大に伴い自社利用スペースを拡大したため、賃貸スペースが縮小した。

(飲食事業)
前年同期比減収セグメント損失拡大

売上高は前年同期比10.7%減の53百万円、セグメント損失は同1.8百万円増の6百万円。
個人消費の伸び悩み等の影響により、厳しい店舗運営環境が続いており減収となった。また、来客者の減少をコスト削減で補いきれずセグメント損失が拡大した。

人件費は、事業拡大が見込めないクラス指導部門を中心とした人員配置の見直しを実施。個別指導における1コマ当たりの講師の人件費が増加傾向。家賃は、教室数の増加に伴い前年同期比増加も期初の想定よりも新規開校が少なかったため計画を下回った。広告宣伝費は、期初より塾生募集を強化するため、積極的に投入したものの計画範囲内で収束した。その他費用は、保育園、新規ブランドの立ち上げ等にかかる設備投資費用が発生した他、教室運営費用、求人コストなど全般的に増加傾向となった。

17/9月末の総資産は、17/3期末比2億74百円増の71億3百万円。資産サイドでは未収入金と有形固定資産等が、負債・純資産サイドでは、短期借入金と長期借入金等が主な増加要因。17/9月末の自己資本比率は31.4%と17/3期末の33.5%から2.1ポイント低下した。

CFの面から見ると、前年同期との比較で、前受金の増加幅拡大などにより営業CFのマイナスが縮小した。一方、有形固定資産の取得による支出の増加などにより投資CFのマイナスが拡大したことからフリーCF のマイナスも拡大した。一方、また、短期借入金の増加などにより、財務CFのプラスが拡大した。

2018年3月期業績予想
前期比6.6%の増収、同7.6%の営業減益予想

18/3期の会社計画は、売上高が前期比6.6%増の116億9百万円、営業利益が同7.6%減の1億91百万円の期初予想から修正なし。売上高は、「個別指導学院フリーステップ」を中心とした個別指導の事業拡大、認可保育所及び2017年4月に開校した日本語学校の貢献などにより前期比増収を見込む。
営業利益は、新たな認可保育所の開園等、営業開始が来期以降の先行投資が継続的に発生するため、費用の増加を売上の伸びでは吸収できず減益となる予想。一方、認可保育所開園に伴う補助金収入、減損損失の負担軽減などにより、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は増益となる見込み。
配当も前期に比べ0.30円/株増配の10.40円/株の期初計画を据え置き。予想連結配当性向は35.4%。

(教育関連事業)

クラス指導部門は、引き続き環境は厳しく減収計画であるが、小学生を中心とした低学年の取り込みを強化し、将来への成長へつなげる。
塾生数(例年ピークとなる11月末時点)は前期比399名減少の8,501名を計画。

個別指導部門は、堅調な「個別指導学院フリーステップ」を中心としつつ、代ゼミサテライン予備校の開講教室拡大など、高校生の取り込みを強化する。フランチャイズも引き続き好調で前期比7.7%増収予想。
塾生数は前期比1,221名増加の17,126名を計画。

その他の指導部門では、認可保育所「かいせい保育園」の開園、外国人留学生を対象とした「開成アカデミー日本語学校」の開校により大幅増収を予想。
塾生数は前期比194名増加の546名を見込む。

(不動産賃貸事業)

自社利用への変更を見込み減収予想。

(飲食事業)

既存店舗の運営効率を改善し、早期の黒字化を目指す。

人件費は、人手不足の中、優秀な人材確保のため増加傾向。人材確保が先行する保育園の開園のため今後も高止まる見込み。家賃も適正な水準に家賃を抑えつつ、新規開校を継続し営業拠点を拡大するため今後も増加傾向。広告宣伝費は、教室の新規開校、新規事業の展開を見据え、前期に続き増加を予想。目安としている売上高比6%以内で効果的な広告宣伝活動を実施する方針。その他費用も教室運営費用、求人コスト、設備投資費用等、継続的に来期以降の事業展開に向けた費用が発生する見込み。

(4)教室展開

全体の直営教室は2017年9月末比5教室増加し、2018年3月末で250教室となる予想。
クラス指導は同1教室増加し、2018年3月末で101教室となる予想。将来の成長につながる地域を厳選して事業展開する。
個別指導は同4教室増加し、2018年3月末で196教室となる予想。塾生数の伸びが期待できる東京都で積極的に開校を行う。
その他指導部門は下期の新規開園、新規開校の予定はなく、2018年3月末で15教室となる予想。来春の認可保育所「かいせい保育園」を3カ所開園、「かいせいプチ保育園」。1カ所開園を準備中。

フランチャイズ教室は2017年9月末比1教室増加し、2018年3月末で24教室となる予想。年間10教室程度の開校を目指す。

今後の注目点
少子化が進むものの、同社の主力ブランドである「個別指導学院フリーステップ」は塾生が増加し売上高も順調に拡大している。こうした環境下、同社は年明け以降新規CMを積極的に投入する予定である。また、来期においても関西と関東において「個別指導学院フリーステップ」の教室を積極的に増加する計画である。広告宣伝費の増加と新教室の増加がいかに塾生数の増加に結び付き、「個別指導学院フリーステップ」の売上高を拡大させるのか、今後の広告宣伝費と設備投資の費用対効果が注目される。
また、その他指導部門の保育事業では、来春予定している「かいせい保育園」3箇所と「かいせいプチ保育園」1箇所の開園以降、売上高が急拡大する可能性を秘めている。保育事業は急激に園児が増加する事業ではないものの、1児童当たりの保育料が高く、行政からの補助金も入ることから将来性豊富である。今後の保育事業の立ち上がり状況と収益性、更には、「かいせい保育園」の新たな開園の動きにも期待を込めて注目していきたい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

最終更新日:2017年6月28日
JASDAQ上場企業としてコーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。

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