(2317:東証1部) システナ 増収増益で下期も好調見込み

2017/12/06

systena

今回のポイント
・18/3期上期は前年同期比15.9%の増収、同28.5%の営業増益。各事業との連携強化でシステムインテグレーターとして事業が拡大したソリューション営業の売上が同28.4%増と伸長。主力のソリューションデザイン事業も、車載、社会インフラ中心にソフト開発が好調に推移する中、ネットビジネス顧客のIoT関連のシステム構築・検証の増加も寄与し同8.9%の増収。利益面では、ビジネスの高付加価値化でソリューション営業の利益が同1.5倍に拡大した他、ソリューション営業とのシナジーでITサービスの利益も同29%弱増加した。

・業績予想に変更はなく、通期で前期比6.5%の増収、同19.3%の営業増益予想。未だ事業規模は小さいものの、国内外で新商材の展開を本格化する海外事業で売上の大きな伸びを見込む等、全てのセグメントで増収を見込んでいる。新規事業育成や新規顧客開拓に伴う先行投資等が続くものの、営業利益率が8.9%と0.9ポイント改善。3期連続の営業最高益更新が見込まれる。期末配当は1株当たり3円増配の21円を予定しており、年間で6円増配の42円(予想配当性向34.0%)。

・ソリューションデザイン事業において、注力分野である、車載、社会インフラ、インターネットサービスでの受注が好調に推移しており、IoT関連の取り込みも進んでいる。一方、ソリューション営業を中心とする旧カテナ事業では、ALL システナ体制による営業強化の成果が顕在化しつつあり、事業の高付加価値化も進みつつある。また、新規事業の育成に向け、米国での合弁会社設立やM&AによりIoT関連やセキュリティ関連の新たなビジネスの布石も打った。通期予想に対する進捗率は、売上高51.1%(前年同期実績46.9%)、営業利益49.2%(同45.7%)と順調。先行投資が続くものの特段の不安はなく、下期も上期の好調を維持する見込み。

会社概要

2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社11社及び持分法適用会社1社と共にグループを形成している。

【会社の経営の基本方針 -安定と成長のバランスを重視した経営-】

経営目標は、「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える」。その実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」と言う相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。

【目標とする経営指標】

・安定した高配当
・高い株主資本利益率
・高い売上高営業利益率

目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)は、19/3期に連結売上高560億円、営業利益55億円、ROE20%の達成と年間配当1株当たり52円の実施(配当性向40%以上)。
【事業内容】

事業は、ソリューションデザイン事業(17/3期売上構成比36.6%)、フレームワークデザイン事業(同9.1%)、ITサービス事業(同13.8%)、ソリューション営業(同38.4%)、クラウド事業(同1.7%)、コンシューマサービス事業(同0.7%)、海外事業(同0.3%)及び投資育成事業(同0.0%)に分かれる(調整額△0.6%)。

ソリューションデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision、(株)IDY、HISホールディングス(株)、Systena Vietnam Co.,Ltd.

モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「スマートデバイス/ロボット/AI」及びワークフローや受発注システム等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発及び検証の引き合いが活発である。また、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.が、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点としての機能を担っている。

フレームワークデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision、Systena Vietnam Co.,Ltd.

国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。現状では、業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めているが、ITサービス事業やソリューション営業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。また、ソリューションデザイン事業と同様にSystena Vietnam Co.,Ltd.がオフショア拠点としての機能を担っている。

ITサービス事業   (株)システナ、東京都ビジネスサービス(株)

システムやネットワークの運用・保守、ヘルプデスク、ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。

ソリューション営業事業   (株)システナ

ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。

クラウド事業   (株)システナ

クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「G Suite」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスや本年5月にサービスを開始したクラウド・データベースサービス「Canbus.\キャンバスドット」、スマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」などを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「G Suite」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。

コンシューマサービス事業   (株)GaYa

連結子会社(株)GaYaを中心とする事業である。(株)GaYaは、スマートフォン向けゲームコンテンツを開発し、大手SNSサイトへ提供している他、他社が開発・リリースしたゲームの運営受託も手掛けている。

海外事業   Systena America Inc. Systena Vietnam Co.,Ltd.

米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査・インキュベーションを二本柱とし、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点との位置づけ。

投資育成事業

IoT、ロボット、FinTech等の企画・開発・販売を手掛ける戦略子会社(株)インターネットオブシングスと、有料職業紹介事業、人材育成・能力開発のための研修、及び業務アウトソーシング等を手掛ける(株)キャリアリンケージの2社(共に2016年4月1日設立)が新規事業の育成に取り組んでいる。

中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)
【ストラテジー  -自動運転、スマートシティ、ロボット、IoTソリューションの4分野に注力-】

今後10年間で最も伸びる分野に経営資源を集中させていく考えで、具体的なターゲットとして、自動運転、スマートシティ、ロボット及びIoTソリューションの4分野を挙げている。4分野は、いずれも無線通信技術が不可欠な事から同社の強みを活かす事ができる。また、ロボットはAIの領域でもあり、今後、幅広い用途や需要が期待でき、この分野でいち早く技術とノウハウの蓄積を図る事の意義は大きい。

【中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)  -成長工ンジンの再構築により、
19/3期の営業利益を2.5倍に-】
(1)重視する経営指標(KPI)と2019年3月期の目標
 売上高  56,000百万円(15/3期 36,951百万円)  配当   52円  (15/3期 30円)
営業利益 5,500百万円 ( 同  2,226百万円)  配当性向 40%以上(同 81.0%)
EPS    130円    ( 同      37円)  ROE   20%  (同 7.3%)
(2)主要セグメントの目標と取り組み
ソリューションデザイン事業

車載・ロボット、Webシステム開発・検証の実績を活かした交通・電力といった社会インフラへの展開及びネットビジネスの支援(新たなサービスの創造を支援する)等で、19/3期に売上高185億円、営業利益22億円(15/3期 売上高117.6億円、営業利益10.3億円)の達成を目指している。セグメント全体で売上高を1.6倍、営業利益を2.1倍に拡大させる考えで、中核となる車載・ロボットと社会インフラについては、合計で売上高3.7倍、営業利益4.8倍を見込んでいる(売上高19億円、営業利益1.8億円 → 売上高71億円、営業利益8.7億円)。

フレームワークデザイン事業

金融(保険・銀行)での開発実績やノウ八ウを活かして他業種の基幹システム関連等へ水平展開(ワークフロー開発や長期保守)を進めると共に、本部間協業の拡大によるストック型ビジネスへの転換を図り、19/3期に売上高65億円、営業利益8億円(15/3期 売上高42.4億円、営業利益3.9億円)の達成を目指している。売上を15/3期比1.5倍、営業利益を同2.1倍に拡大させたい考えで、本部間協業・新規サービスについては売上20倍、営業利益40倍を目指している。

ITサービス事業

ヘルブデスクやシステム運用保守で培ったノウ八ウの活用と本部間協業により高付加価値サービスへの転換を図る事で、19/3期に売上高70億円、営業利益7億円(15/3期 売上高51億34百万円、営業利益3億3百万円)の達成を目指している。高付加価値サービスとは、海外進出支援、ITサポート環境構築、社内システム環境整備、インフラ最適化、スマートデ八イス運用支援等。

ソリューション営業

19/3期に売上高200億円、営業利益8億円(15/3期 売上高151億93百万円、営業利益4億79百万円)の達成を目指している。サービス売上高を40億円に引き上げ、売上構成比を20%とする事で、15/3期に3.2%だった営業利益率を4.0%に高める。当事業が総合営業としてシステナの全ての商材・サービスを販売していく事を基本方針とし、オンプレミスのサーバーとクラウドサービスとの連携によるハイブリッド環境への対応強化、ストックビジネスの拡大及び本部間連携によるシナジー拡大に取り組んでいく。

新企隊本部

新企隊本部を発足させた目的は二つあり、一つは、IoT、セキュリティ、FinTech、ロボティクス、コンテンツをキーワードとする高付加価値な事業創造を通じて、ストックビジネス(ロイヤリティ・ビジネス)の拡大を図る事。この一環として、関係事業を集約し投資効率の向上と営業連携の強化に取り組む。もう一つは、海外事業を早期に軌道に乗せる事。早期の黒字化に向け、海外子会社独自で事業活動を行うビジネスモデルから、システナ本体との連携強化によるALLシステナの経営資源を有効活用するビジネスモデルへの転換を図る。19/3期に売上高40億円、営業利益10億円の収益寄与を目指している(15/3期売上高9.2億円、営業利益0.4億円)。17/3期は海外子会社が発掘した米国のベンチャー企業と日本での独占販売契約を締結した。18/3期はIoTプラットフォーム「C2M」(プラズマ社)と次世代認証システム「FIDO」(ストロングオース社)の国内事業が本格化する。

2018年3月期上期決算
前年同期比15.9%の増収、同28.5%の営業増益

売上高は前年同期比15.9%増の251億45百万円。フレームワークデザイン事業やITサービス事業等との連携強化でシステムインテグレーターとして事業が拡大したソリューション営業の売上が同28.4%増と伸長。主力のソリューションデザイン事業も、車載や社会インフラ中心にソフト開発が好調に推移する中、ネットビジネス顧客のIoT関連システムの構築・検証の寄与もあり同8.9%の増収。フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、更には自社商材・サービスの拡充が進んだクラウドの売上も増加した。

営業利益は同28.5%増の21億68百万円。ソリューション営業の売上構成比の上昇で売上総利益率が低下したものの、ビジネスの高付加価値化でソリューション営業の利益が同1.5倍に拡大した他、ソリューション営業とのシナジーでITサービスの利益も同28.9%増加。ソリューションデザイン事業の利益率も10.4%から10.7%に増加した。
投資有価証券売却損の減少及び為替差損がなくなった事による営業外費用の減少と実効税率の低下で四半期純利益は15億32百万円と同44.9%増加した。

上期末の総資産は前期末に比べて3億09百万円減の248億98百万円。CFの改善で現預金が増加した他、利益剰余金を中心に純資産が増加する一方、売上債権・仕入債務が減少した他、投資有価証券の売却等で投資その他も減少した。自己資本比率62.5%(前期末58.2%)。

税前利益が増加する一方、運転資金が減少した事で前年同期は8億27百万円にとどまった営業CFが23億66百万円に増加した。

セグメント別動向と見通し
ソリューションデザイン事業

18/3期上期は売上高87億92百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益9億37百万円(同11.6%増)。注力分野である、車載、社会インフラ、インターネットサービスでのシステム開発及びIoT事業を進める顧客向けの開発案件が増収をけん引。利益率も改善した。

通期予想は売上高181億52百万円(前期比7.3%増)、営業利益21億87百万円(同14.8%増)。引き続き、車載、社会インフラ、インターネットサービス及びロボットの4分野を中心に営業展開し、IoT・AI関連の取り込みにも力を入れる。車載では、車内空間の快適性向上に向けた情報分野(インフォテインメント)の好調に加え、安全分野(自動運転、先進運転支援システム)やエコカー(HV・EV)の普及に向けた省燃費分野(エンジン・コントロール・ユニット)の取り込みも進んでいる。社会インフラでは、航空管制システム及び交通・電力・防衛・xEMS(エネルギーマネジメントシステム)の開発プロシェクトの取り込みや、公共事業関連を得意とする顧客開拓がポイントになる。インターネットサービスでは、大手通販会社のeコマース・ペイメント分野及びスマートデバイスを活用したWebビジネス分野での受注が拡大しており、IoT・AIをキーワードとしたインターネットサービスプロジェクトの取り込みも図る。また、受託開発ラボも拡充する。ロボットでは、ロボットの開発関連に加え、ロボットを活用したソリューションの開発及びコンサルティング、IoT・AIをキーワードとしたロボット活用プロジェクトがターゲットとなる。

フレームワークデザイン事業

18/3期上期は売上高21億66百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益2億80百万円(同0.9%増)。保険・銀行システムの制度改定への対応案件や品質強化案件等、既存顧客で追加受注があり売上が増加した。本部間連携を軸に、既存顧客の新たなニーズの掘り起こしや、ネット系銀行、カード会社、決済関連会社等の分野での新規顧客開拓にも力を入れており、この上期は販促活動の成果で運用自動化ツールの導入支援サービスの引き合いが増加した。

通期予想は売上高46億50百万円(前期比10.5%増)、営業利益6億44百万円(同7.9%増)。収益性の高い案件ヘシフ卜すると共に、品質と生産性の向上で競争力を強化する。足元、損害保険会社のシステム再構築案件が堅調に推移する中、決済サービスをキーワードとしたプロジェクトへの参画に力を入れている。本部間連携やプロダクトベンダーとの協業(営業・マーケティングチャネルの活用)により、クラウド、データ分析及び運用自動化ツール等を強化する。

ITサービス事業

18/3期上期は売上高33億99百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益3億74百万円(同28.8%増)。従来、顧客の社内IT部門に対してヘルプデスク等のサービスを提供していたが、高付加価値化と合わせて同一顧客のプロフィット部門に対する営業を強化しており、徐々に成果が現れてきた。この上期は、社内IT部門への仮想化デスクトップやWindows10の導入案件に加え、プロフィット部門でのスマートデバイスの導入等の高付加価値なスポット案件が寄与した。

通期予想は売上高69億90百万円(前期比9.8%増)、営業利益7億75百万円(同19.0%増)。「シェア拡大、バイの拡大、売上拡大」を追求すると共に、高収益なビジネスモデルの構築に取り組む。高収益化に向けては、「へルプデスク」、「システムオペレー夕ー」といった人員の動員力を強みとしたビジネスを脱し、これまでに培ってきた丿ウハウや英語対応力を活かせる「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO(Project Management Office:プロジェクトの統括的な管理やサポートを行うための機能)]、「LAB(研究開発)」といったサービス単位での請負型業務にシフトしていく。

ソリューション営業

18/3期上期は売上高102億74百万円(前年同期比28.4%増)、営業利益5億46百万円(同49.6%増)。Windows10へのPCリプレース需要が顕在化しつつあるものの、サーバー・ストレージ等のシステム系ハードウェアの低迷が続いている。これまで物販が中心だったソリューション営業には逆風だが、物販から提案型システムインテグレーターへの構造改革の成果が顕在化しつつある。この上期は「働き方改革」をキーワードに、「モバイル」、「セキュリティ」、「クラウド」を中心にした需要喚起が奏功し、ロードマップの把握から、IT機器の導入、インフラ構築、システム開発、保守運用に至る高付加価値のワンストップサービス案件が拡大した。

通期予想は178億円(前期比0.2%増)、営業利益7億60百万円(同7.1%増)。オンプレミス(自社所有運用)からハイフリツド(オンプレミス+クラウド)にシフトする顧客システムへの対応を強化する考えで、サービス部門の人員を増員すると共にALLシステナ体制による営業活動を展開する。クラウド事業で開発した自社商材とサービスを組み合わせて顧客ニーズに応じつつストックビジネス化を図る他、サービス案件の評価・検証等の新商材・新ソリューションの立ち上げも計画している。この他、(株)インターネットオブシングスとの連携を強化してセキュリティをキーワードとするIoT関連商材の拡販を図る。

クラウド事業

18/3期上期は売上高4億38百万円(前期比12.7%増)、営業利益48百万円(同19.5%減)。新サービス「Canbus.(キャンバスドット)」の提供を開始した。「Canbus.」は「部門からはじめるIT経営」をコンセプトとし、散在していたデータを資産に変え、あらゆる部門のIT経営を促進するクラウドデータベースである。情報システム部門だけでなくプロフィット部門等での利用も見込め、提供開始から4ヶ月で利用社数が200社を超えた。

通期予想は売上高9億50百万円(前期比19.0%増)、営業利益1億12百万円(同1.8%減)。「Canbus.」、「Cloudstep」、「Web Shelter」といった自社商材の販売を強化し高付加価値ビジネスへの転換を推進する(自社商材の比率を前期の39%から58%に引き上げる)。「Canbus.」については、拡販に向け、営業、開発及びサポートの人員を増員すると共に積極的なクロスメディア戦略を展開する。「Cloudstep」、「Web Shelter」については、顧客満足度向上によるサービス継続率向上と新規獲得に向け、機能とサポートの両面を強化すると共にエンジニアを増員する。
尚、17/3期の売上構成比は、「G Suite」が61%を占め、「Cloudstep」25%、「Web Shelter」14%。18/3期の目標は、「G Suite」42%、「Cloudstep」27%、「Web Shelter」24%、「Canbus.」7%。

海外事業
Systena America Inc.

18/3期上期は売上高37百万円(前年同期51百万円)、営業損失73百万円(同 営業損失64百万円)。米国に進出した日系製造業からのIoTや技術支援の引き合いが活発だったが、上期の活動の中心はLoRaWANプロダクトの拡販に向けた取り組み。LoRaWANとは、少ない消費電力で広いエリアをカバーする新しい無線通信方式(通信規格)で、IoT向けの通信ネットワークで徐々に利用が広がっているが普及はこれから。5月のシリコンバレー、6月のニューヨークでのIoTExpo出展時に得た、米国、欧州、中東、アジア、中南米の政府や企業からのリードに対して営業を全面展開しており、並行して各国の周波数にチューンナップしてPoC(Proof of Concept:実証検証)を実施している。

通期予想は売上高5億51百万円(前期88百万円)、営業損失50百万円(同 営業損失1億58百万円)。LoRaWANを利用したIoTソリューション(LoRaWAN機器、センサー、IoTルーターの販売を含む)をグローバル展開する他、米国に進出した日系企業の技術支援や米国ベンチャーのIoT・セキュリティ関連製品の日本での販売にも取り組む。LoRaWANを利用したIoTソリューションでは、End to End LoRa IoTソリューションのリーディングカンパニーとして認知度向上を図るべく、第3四半期にスマートパーキングに特化した展示会「NPA2017」と世界最大のIoTExpo「IoT TECH EXPO」に出展した。この他、米国ベンチャー2社(後述)との海外での事業展開等、新たなビジネスも進めていく。

10月 3日~ 5日 NPA2017(全米パーキング協会)
11月29日~30日 IoT TECH EXPO(シリコンバレー)

Systena America Inc.による合弁会社(持分法適用関連会社)の設立

2017年12月1日、Plasma Business Intelligence, Inc.(米国テキサス州。以下、PBI社)と合弁会社O.N.E, Inc.(米国テキサス州)を設立し、持分法適用関連会社とする計画。O.N.E, Inc.は、資本金6百万米ドル(6億81百万円)、Systena America Inc.の出資比率50%。
Plasma Business Intelligence, Inc.は、AT&T、Cricket Wireless、HPE、Landmark Australia、Zoom Inc.等を顧客とし、IoTプラットフォームの販売やIoTソリューションの提供を手掛けている。合弁会社は、PBI社が持つIoT技術とシステナグループが持つモバイル・ロボティクス分野の技術を融合させ、グローバルにIoTビジネスを展開していく。

Systena America Inc.による株式取得(持分法適用関連会社化)

2017年12月1日、JIGDATA, INC.(米国カリフォルニア州。以下、JIGDATA社)の20%相当分の持ち分を取得し、持分法適用関連会社化する計画。取得額は8百万米ドル(9億08百万円)、Systena America Inc.の議決権所有割合20%。
JIGDATA社はデータ・通信の暗号化とFIDO認証で独自のテクノロジーを持つ米国シリコンバレーのベンチャー企業。同社の技術は、既に米国内外の軍事機関、各国の中央銀行、大手金融機関や大手民間企業で幅広く利用されている。今回調達した資金を活用して、より小型の製品を開発し、地方政府・行政機関、医療・ヘルスケア、或いは中小企業へ販売先を広げていく。一方、Systena America Inc.はJIGDATA社のセキュリティ基盤の上に各業種別のアプリケーションを開発し販売していく(アジアでの独占的な販売権も取得)。

コンシューマサービス事業

18/3期上期は売上高2億65百万円(前年同期比91.3%増)、営業利益83百万円(前年同期 営業損失31百万円)。TVCMや人気IPコラボ企画等、露出強化が奏功し、協業アプリ「アルテイルクロニクル」のユーザー数が増加し、月間売上が過去最高を更新。一方、新規タイトルの開発を絞り込んだ効果で開発費が減少した。

通期予想は売上高3億67百万円(前期比8.8%増)、営業利益26百万円(前期 営業損失7百万円)。前期の売上構成比は、既存タイトル44%、受託タイトル25%、新規タイトル31%だったが、当期の計画は、それぞれ68%、15%、17%。既存タイトルと受託タイトルで売上の80%を確保し、新規タイトル依存から脱却し収益の安定化を図る考え。受託タイトルについては、現在受託している2タイトルを第3四半期以降も運営が可能なタイトルへ成長させるべくチューンナップを継続する。また、3タイトル目の受託案件が10月に稼働した。新規タイトルについては、前期からタイトル数を減らしているが、第4四半期に大規模タイトル1本のリリースを予定している。

2018年3月期業績予想
業績予想に変更はなく、通期で前期比6.5%の増収、同19.3%の営業増益予想

売上高は前期比6.5%増の492億53百万円。全てのセグメントで増収を見込んでいる。特に海外事業は、米国ベンチャーのIoT関連製品やフィンテック関連製品の日本での販売や、LoRaWANを利用したIoTソリューションのグローバル展開で売上が大きく伸びるとみている。

営業利益は同19.3%増の44億04百万円。新規事業育成や新規顧客開拓に伴う先行投資に加え、ブランド強化に向けた投資も続く見込みだが、成長分野が伸びるソリューションデザイン事業やサービスの高付加価値化が進むITサービス事業及びソリューション営業の収益性が向上する他、前期は損失を計上したコンシューマサービス事業、海外事業及び投資育成事業の損益が改善する見込み。加えて、営業外損益の改善や税負担率の低下も見込まれる。

期末配当は1株当たり3円増配の21円を予定しており、年間で6円増配の42円(予想配当性向34.0%)。

今後の注目点
主力のソリューションデザイン事業において、注力分野である、車載、社会インフラ、インターネットサービスでの受注が好調に推移しており、IoT関連の取り込みも進んでいる。一方、ソリューション営業を中心とする旧カテナ事業では、ALLシステナ体制による営業強化の成果が顕在化しつつあり、事業の高付加価値化も進みつつある。また、新規事業の育成に向け、米国での合弁会社設立やM&AによりIoT関連やセキュリティ関連の新たなビジネスの布石も打った。
通期予想に対する進捗率は、売上高51.1%(前年同期実績46.9%)、営業利益49.2%(同45.7%)、経常利益49.1%(同47.8%)、純利益50.9%(同48.1%)。下期は(通期予想と上期実績の差分)、前年同期比1.8%の減収、同11.5%の営業増益にとどまる見込みだが、特段の不安はなく上期の好調を維持する見込み。通期業績は上振れが期待できる。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年06月27日
基本的な考え方

当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。
このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります

<開示している主な原則>

【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、政策保有株式として上場株式を保有しない方針であります。なお、旧カテナ株式会社との合併により引き継いだ政策保有株式については、平成29年3月期において全株売却いたしました。

【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社は、取締役の利益相反取引・競業取引を取締役会の付議・報告事項としており、取引毎に取締役会による事前承認・結果の報告を実施しております。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。
https://www.systena.co.jp/ir/management_policy/disclosure.html
また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。

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