(8931:JASDAQ) 和田興産 期初予想を上回り順調な進捗

2017/11/29

wadakohsan

今回のポイント
・18/2期上期は前年同期比2.0%の減収、同10.9%の経常減益。前年同期に大型物件の引渡があった反動で分譲マンション販売が同13.0%減少したものの、木造収益物件や素地売却等でその他不動産販売が前年同期の6.7倍に拡大。不動産賃貸収入も堅調に推移した。利益面では、用地価格及び建築コストの高止まりや前年同期の好採算物件の反動による分譲マンション販売の利益率低下が響いたが、期初予想を上回る着地。・通期予想に変更はなく、前期比10.0%の増収、同0.3%の経常増益。主力の分譲マンション販売が同3.8%の増加にとどまるものの、その他不動産販売が同153.1%増と伸びる他、前期の落ち込みの反動で戸建て住宅販売も同36.3%増加する見込み。分譲マンション販売における原価率の上昇と事業エリア拡大や大型物件の発売等に伴う販促費の増加を織り込んでいるため営業利益が同2.1%減少するものの、資金調達コストの減少で経常利益は同0.3%増加。配当は1円増配の期末28円と8期連続の増配予定。

・上期決算は前年同期の特殊要因により減収減益となったものの、営業利益以下の各利益が期初予想を上回り、通期予想に対する進捗率も、売上高59.5%、営業利益79.3%、経常利益90.3%、当期純利益87.1%と順調。一次取得者向けのリーズナブルな価格帯を望む地域では契約が鈍化している場所があるようだが、高い進捗率に加え、販促費等にも余裕を持たせていると思われ、通期の利益が予想から下振れする可能性は小さいだろう。

会社概要

明治32年(1899年)創業の老舗不動産会社。兵庫県神戸市・明石市・阪神間を主要地盤に、マンションや戸建て住宅の分譲、不動産賃貸及び土地有効活用等、地域密着型の不動産事業を展開。同社は用地仕入と企画に特化し、設計・建築・販売業務を他社に委託している。ブランド名「ワコーレ」を冠するマンション分譲は30戸~50戸程度の中規模マンションを中心とし、神戸市内では、「供給戸数」第2位、「供給棟数」19年連続第1位。2016年の近畿圏供給ランキングでは「供給戸数」第3位、「供給棟数」第2位を達成した。2017年8月末現在の累積供給実績は452棟17,135戸(着工ベース)。

【企業理念-共生(ともいき) 自分の生き方が他の人の幸せにつながる-】

人と人とのつながりを大切に、共に支え合い、自分の生き方が他の人の幸せにつながることを歓びとする「共生(ともいき)」の思想。同社はこの想いのもと、プロダクトコンセプトとして「PREMIUM UNIQUE (プレミアムユニーク)」を掲げ、住まう一人一人の気持ちに応えながら、自身の生き方にフィットするオンリーワンの住まいづくりを目指している。

【沿革】

1899年1月、神戸市で不動産賃貸業を創業。1966年12月に和田興産(有)として法人化され、79年9月に和田興産(株)に改組。分譲マンションの一棟卸等で実績をつくり、91年3月、自社ブランド「ワコーレ」による分譲マンション事業を本格化。95年1月の阪神淡路大震災後は、震災復興のための優良建築物等整備事業にも従事し地域の復興に貢献した。04年9月に株式を店頭登録(12月JASDAQ市場に上場)。07年6月に「ワコーレ」シリーズが着工ベースで10,000戸を突破し、08年3月には戸建事業推進室を新設して木造戸建事業を本格化した。

【事業セグメント】

事業セグメントは、「ワコーレ」ブランドで展開する分譲マンション販売、「ワコーレノイエ」ブランドで展開する戸建て住宅販売(販売は両事業共に外部委託)、収益物件や宅地等の開発・販売を手掛けるその他不動産販売、マンション(賃貸マンションブランド「ワコーレヴィータ」他)、店舗、駐車場等の賃貸を行う不動産賃貸収入、及び保険代理店手数料など報告セグメントに含まれない「その他」に区分される。17/2期の売上構成比は、分譲マンション販売84.1%、戸建て住宅販売4.3%、その他不動産販売3.8%、不動産賃貸収入7.5%、その他0.3%(セグメント利益の構成比は、分譲マンション販売70.7%、戸建て住宅販売△0.2%、その他不動産販売3.1%、不動産賃貸収入24.8%、その他1.6%)。

分譲マンション販売事業

神戸・明石地区(兵庫県神戸市、明石市周辺)、阪神地区(兵庫県芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市、宝塚市)を主要エリアとし、大手マンションデベロッパーと競合の少ない30戸~50戸程度の中規模マンションを中心に「ワコーレ」ブランドで展開。人気の高いエリアにフォーカスし、同一地域で異なるタイプのマンションを供給することで、消費者の多様なニーズの取り込みと高い販売効率を実現する販売戦略、複数の物件を同時に一つの常設マンションギャラリーで扱う事で販売コストを抑制するマンションギャラリー戦略等、独自の地域密着戦略で効率的な事業モデルを確立している事が強み。また、近年では大型プロジェクトへの対応や神戸・阪神間に隣接する大阪府北摂地域や兵庫県姫路市へのエリア拡大で新たな可能性を追及している。

戸建て住宅販売事業

2007年より「ワコーレノイエ」ブランドで、神戸市以西を中心に10戸程度の開発を行っている。数多く寄せられるマンション用地情報の中には、立地、面積、地形等の面で戸建分譲に適した物件も多い。また、分譲マンションの事業期間が2年弱であるのに対して当事業は1年程度と短いため資金の回転も効き、分譲マンション竣工の谷間を埋める事ができる。分譲マンション事業で培ったデザイン性や環境面を配慮した設計・企画力等を活かしパワービルダーとの差別化を図っている。

その他不動産販売事業

賃貸マンションをはじめとする収益物件の企画開発及び販売(1棟売り)、宅地等の販売を手掛けている。物件情報を有効活用する機能を担う他、資産の入れ替えに伴う賃貸物件(棚卸資産)の売却収益も当セグメントに計上される。投資家向け一棟売り賃貸住宅を強化するべく、用地取得や物件売却時の仲介業務等に強みを持つ東証2部上場の(株)日住サービス(8854)と資本・業務提携している。

不動産賃貸事業

住居系(賃貸資産全体の約75%)を中心に、店舗・事務所等、駐車場、トランクルーム等を運営。安定的なキャッシュ・フローが得られるビジネスとして創業時より継続する事業であり、市況に左右されがちな分譲マンション事業のウエイトが高い同社にあって、収益の安定化に寄与している。稼働率(入居率)の向上による安定収益の確保と物件入替によるポートフォリオの質の維持・向上を基本戦略とし、住居系は、一定期間経過後の入れ替えを念頭に、個人の富裕層等で購入希望者が多い2~3億円の物件を中心とした資産構成。稼働率は95%前後の水準を維持している。また、資産と負債を適切に管理する事で投資回収期間が長期にわたるリスク、及び資産が過大になる事に伴うリスクの軽減を図っている。各物件の表面利回りは9~10%と高く、間接経費の負担を賃貸事業の安定収益でカバーすることを目指している。

【強み】

同社の強みは、①日本有数の住宅地である神戸、明石、阪神間を事業エリアとしていること②同エリアにおいて「ワコーレ」ブランドが浸透している事。また、③不動産市況の変動による経営リスクにさらされがちな業界にあって、徹底したリスク管理により財務の健全性を維持し高い経営の安定性を有している事。そして、④「PREMIUM UNIQUE」のプロダクトコンセプトの下、中規模マンションを中心に事業展開する事で大手不動産会社や鉄道系不動産会社等との差別化に成功する一方、大規模マンションへの対応力も有する事である。近年では、物件選定には慎重ながら、大規模マンションへの対応を強化すると共に既存事業エリアと隣接する兵庫県姫路市や大阪府下(北摂地域)へ事業エリアを広げており、将来の成長を高める取組みとして注目されている。

日本有数の住宅地が事業エリア

日本有数の住宅地である神戸、明石、阪神間を主要な事業エリアとする事で旺盛な住宅需要を取り込むと共に情報力で比較優位を確立しており、地域に根差したコミュニティづくりでも定評がある。

関西における「ワコーレ」ブランドの浸透

関西において「ワコーレ」ブランドは浸透しており、そのブランド力は大手マンションデベロッパーに引けを取らない。日本経済新聞社大阪本社が実施した「第18回(2015年) マンションブランドアンケート」において、「個性がある」、「親しみがある」ブランド部門で第5位にランクインした。

徹底したリスク管理により財務の健全性を維持

リスク管理を徹底する事で財務の健全性を維持しており、金融機関との取引もバランスがよく、かつ、安定している。この結果、多くの企業が淘汰されてきた不動産業界にあって、創業から110年以上を超える社歴の中で赤字計上はリーマン・ショックの影響を受けた10/2期のみ。安定的な配当も継続している。

大手との差別化に成功。事業エリア拡大による成長余地も

近畿圏では、リーマン・ショック後の不動産不況で中堅・中小のマンション事業者の淘汰が進み、大手不動産会社や鉄道系不動産会社等に絞られてきたが、これらの不動産会社は大型物件や沿線開発を得意とするため、30戸~50戸程度の中規模マンションを中心に展開する同社とは用地取得等で競合するケースが少ない。ただ、同社は更なる業容拡大に向け、既存エリアにおいて大型物件の開発に取組むと共に、既存事業エリアと隣接する兵庫県姫路市や大阪府下(北摂地域)へ事業エリアを拡大中である。

2018年2月期上期決算
前年同期比2.0%の減収、同10.9%の経常減益

売上高は前年同期比2.0%減の205億39百万円。前年同期に大型物件の引渡があった反動で分譲マンション販売が同13.0%減少したものの、木造収益物件や専門学校への素地売却等でその他不動産販売が前年同期の6.7倍に拡大。不動産賃貸収入も堅調に推移し、連結売上高は概ね期初予想に沿った着地となった。
営業利益は同8.0%減の23億77百万円。その他不動産販売の売上総利益が貢献したものの、用地価格や建築コストの高止まりと前年同期の好採算物件反動による分譲マンション販売の利益率悪化が響いた。ただ、販促費が計画を下回った事等により期初予想を上回る着地となった。

分譲マンション販売

売上高161億90百万円(前年同期比13.0%減)、セグメント利益17億51百万円(同28.6%減)。「ワコーレ神戸中山手ザ・プライム」(神戸市中央区、総戸数19戸)、「ワコーレザ・六甲プレミアム」(神戸市灘区、総戸数21戸)、「ワコーレ池田ザ・レジデンス」(大阪府池田市、総戸数49戸)等、384戸(同29.9%減)の引渡を行ったが、前年同期に「ワコーレシティ神戸三宮」(147戸)や「ワコーレ深江駅前ガーデンズ」(88戸)等、大型プロジェクトの引渡があった反動で引渡戸数が減少した。契約戸数も264戸と同26.1%減少したが、契約済未引渡戸数は733戸と同3.7%増加した。完成在庫(未契約)は20戸(前年同期末6戸)。

尚、「ワコーレ神戸中山手ザ・プライム」(JR神戸線「元町」駅徒歩8分)は、神戸市の中央に位置する利便性の高さを特徴とし、2017年3月に引渡を完了した。「ワコーレザ・六甲プレミアム」(阪急神戸線「六甲」駅徒歩4分)は、平均販売価格が7,000万円弱(坪単価300万円)と、高級住宅街に位置する駅チカの高額物件。販売は好調に推移し、2017年5月に引渡を完了した。「ワコーレ池田ザ・レジデンス」(阪急宝塚線「池田」駅徒歩10分)は、地域拡大戦略に基づくプロジェクトであり、大阪府池田市で2棟目。2017年3月に引渡を完了した。

戸建て住宅販売

売上高6億68百万円(前年同期比13.8%減)、セグメント損失7百万円(前年同期は25百万円の利益)。引渡戸数が19戸と前年同期に比べて3戸減少したが、契約戸数は23戸と同4戸増加し、契約済未引渡戸数も13戸と同8戸増加した。2017年7月に総区画数90区画の大型物件「ワコーレノイエ 神戸鹿の子台」(神戸市北区)の販売を開始した。「ワコーレノイエ 神戸鹿の子台」は神戸電鉄三田線「道場南口」駅徒歩5分の好立地に加え、“全邸高断熱×高気密構造”による従来製品の約1.5倍の断熱性能、子どもの勉強や家事に使えるミセスコーナーやベビーカー収納に使えるシューズインクローク等、充実した設備もセールスポイント。第1期28区画を売り出したが、足元24区画の契約が完了。下期の収益貢献が期待できる。

その他不動産販売

売上高23億77百万円(前年同期は3億51百万円)、セグメント利益5億11百万円(前年同期は2百万円の損失)。「ワコーレヴィアーノ神戸片山町一丁目」(神戸市長田区、総戸数9戸)など木造収益物件や専門学校への素地売却等、13物件の引渡を行った。内訳は、開発用土地等4件・18億33百万円、木造収益物件3件(28戸)・2億80百万円、その他6件・2億65百万円。「ワコーレヴィアーノ神戸片山町一丁目」は、専有面積26.00㎡~のワンルームタイプの集合賃貸住宅。神戸市営地下鉄「長田」駅から徒歩6分の好立地。周辺には大型スーパーや商店街、区役所や市民病院など生活利便施設が充実しており、最寄駅から三宮まで8分のアクセスも魅力。

不動産賃貸収入

不動産賃貸収入11億90百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益4億94百万円(同2.3%増)。住居系が高い稼働率を維持した事に加え、店舗・事務所も堅調に推移した。最適な賃貸ポートフォリオ構築のため、新たに賃貸住宅建築や老人ホームを取得予定である。

上記以外でその他項目では、リフォーム事業、保険代理店手数料収入、解約手付金収入及び仲介手数料等で売上高1億11百万円(前年同期比166.7%増)、セグメント利益30百万円(同10.6%減)を計上した。

プロジェクトにかかる用地仕入と資金調達により、上期末の総資産は780億46百万円と前期末に比べて18億28百万円増加した。販売用不動産の増加は分譲マンションと収益物件の増加によるもの。上期は、分譲マンション12物件・41億43百万円(前年同期13物件・25億78百万円)、収益物件およびその他13物件・12億08百万円(同10物件.7億23百万円)等、合計29物件・61億95百万円(同29物件・35億17百万円)の仕入を行った結果、仕掛販売用不動産が増加した。分譲マンション販売では、既に来期のラインナップがそろっているため再来期以降の物件の仕入を行っている。自己資本比率は25.2%(前期末24.6%)。

2018年2月期業績予想
(1)事業環境

金融緩和の継続による低金利・資金余剰により、不動産への投資意欲は根強い。分譲マンション市場では、首都圏において用地価格や建築コストの高止まりによる販売価格上昇の影響がみられるが、近畿圏では新規分譲マンションの価格上昇は緩やかで、現状、販売面での不安は少ないようだ。

同社資料によると、2017年上半期の近畿圏供給戸数は前年同期並み(前年同期比▲1.4%)の8,815戸。足元の契約率は好不調の目安とされる70%を上回っており、下期も前年同期並み(約1万戸)の供給が見込まれている。戸当たり平均価格(3,709万円、同▲2.7%)、平米単価(62.2万円、同▲0.2%)共に横ばいから若干の低下。また、神戸市・阪神間では、2017年上半期マンション供給戸数が、神戸市707戸(同▲9.6%)、兵庫県下680戸(同▲22.8%)。戸当たり平均価格が、神戸市3,644万円(同▲13.1%)、兵庫県下4,667万円(同▲0.8%)、平米単価が、神戸市58.4万円(同▲6.4%)、兵庫県下61.4万円(同±0.0%)。

通期予想に変更はなく、前期比10.0%の増収、同0.3%の経常増益を見込む

売上高は前期比10.0%増の345億円。このうち主力の分譲マンション販売は、24棟の竣工・700戸の引渡を予定しており、同3.8%増の274億円を見込む。また、その他不動産販売が開発用地や小型の賃貸マンション等の販売で30億円と同153.1%増加する他、55戸の引渡を計画している戸建て住宅販売が18億50百万円と同36.3%増加する見込み。一方、不動産賃貸収入は保守的に同6.2%減の22億円を見込んでいる。

利益面では、用地価格及び建築コストの高止まりで分譲マンション販売を中心に原価率の上昇が見込まれ、売上総利益は小幅な増加にとどまる見込み。地域拡大や大型物件の発売等に伴う販売活動の積極展開と体制整備に向けた人員拡充に伴う販管費の増加により、営業利益は30億円と同2.1%の減少が見込まれる。ただ、17/2期に計上された用地仕入に伴う資金調達費用が今期は低減されることで営業外損益の改善、経常利益は22億円と同0.3%増加する見込み。

配当は1円増配の期末28円を予定しており、8期連続の増配となる(予想配当性向は20.0%)。

分譲マンション販売

引渡戸数は24棟・700戸(前期比8.1%減)を計画しており、第1四半期250戸(実績244戸)、第2四半期155戸(同140戸)に対して、第3四半期160戸、第4四半期135戸と上期偏重の計画。上期の引渡戸数は384戸で進捗率は54.9%。下期は9棟・295戸の引渡を計画しているが、このうち238戸(契約率80.7%)は上期末時点で契約済。上期末の完成在庫は「ワコーレ豊中少路ザ・レジデンス」14戸、「ワコーレ西明石ステーションマークス」5戸等の20戸と同社にしては比較的多かったが、10月23日現在では11戸に減少しており、前期末時点の完成在庫である「ワコーレ姫路クロススクエア」(姫路市忍町、総戸数32戸)9戸は上期中に完売し、引渡を終えている。

発売戸数は、前期比32.4%増の740戸を計画。前期発売予定であった「ワコーレ ザ・神戸トアロード」(神戸市中央区、総戸数193戸)を今期発売に変更したため、今期は発売戸数が大幅に増加する。一方、契約戸数の計画は同3.4%増の740戸。
「ワコーレ ザ・神戸トアロード」は、JR東海道本線「三ノ宮」駅徒歩8分、阪急神戸線「神戸三宮」駅徒歩7分。山の手の住環境とトアロード界隈の商業地の利便性を兼ね備えた希少価値の高い立地がセールスポイント。2名の建築家によるコラボレーションプロジェクトであり、40㎡台~150㎡超まで全38タイプの間取りを展開。共用施設や居住者向け管理サービスも充実している。2017年10月上旬に発売を開始し、2019年8月下旬の引渡を予定している。

仕入戸数は同11.6%増の740戸を計画。首都圏ほどではないが、用地価格や建築コストの高止まりで分譲マンション販売価格が上昇しているため慎重に仕入を行う考えだが、大阪での大型物件の仕入もあり、3期ぶりに仕入戸数が増加する。また、戦後、関西圏を中心に地域の商業施設として発展した「小売市場」の再開発(エリアリノベーション)にも注力する。現在、「(旧)岡本市場」再開発プロジェクトとして、「ワコーレ岡本ザ・レジデンス」(神戸市東灘区、総戸数38戸)が進行中。阪急神戸線「岡本」駅徒歩6分、JR神戸線「摂津本山」駅徒歩8分、と2線2駅をフラットアクセスで徒歩利用でき、教育環境にも恵まれている。阪急「岡本」駅徒歩6分圏内で全邸南向きのマンションは約13年ぶりの発売となり希少性も高い。住居専有面積は70㎡台~100㎡超となっている。

戸建て住宅販売

下期は「ワコーレノイエ 神戸鹿の子台」の販売・引渡に注力し、通期で55戸の引渡を計画している(前期は38戸)。

その他不動産販売

下期は木造収益物件4棟・27戸の木造収益物件の引渡を予定しており、通期では7棟・55戸を計画。また、木造収益物件13棟105戸、鉄骨収益物件20棟・309戸の仕入を済ませており、来期以降も高水準の引渡が続く見込み。

不動産賃貸収入

下期は72戸の大型賃貸物件の建築を行うとともに、稼働中の老人ホームを取得予定である。

今後の注目点
前年同期に大型の好採算物件があった反動で上期決算は減収減益となったものの、営業利益以下の各利益が期初予想を上回り、通期予想に対する進捗率も、売上高59.5%、営業利益79.3%、経常利益90.3%、当期純利益87.1%と順調。一次取得者向けのリーズナブルな価格帯を望む地域では契約が鈍化している場所もあるようだが、高い進捗率に加え、販促費等にも余裕を持たせていると思われ、通期の利益が予想から下振れする可能性は小さいだろう。
また、来期についても高い利益水準が維持できると考える。主力の分譲マンション販売において、一部地域での需要の弱さに加え、徐々に用地価格及び建築コストの高止まりの影響も出てきたが、不動産賃貸収入が安定している事に加え、収益物件の開発が好調に進んでいる事がその理由。上期は不動産賃貸収入とその他不動産販売の売上総利益の合計(12億08百万円)が販管費(17億54百万円)の69%をカバーした。不動産賃貸収入の営業利益率は41%を超えており、その他不動産販売は、神戸・阪神間での地域密着の強みを活かした豊富な物件情報と、素地販売や収益物件開発などの幅広い対応力が事業拡大の原動力となっている。ラインナップに鉄骨収益物件を加えた事で(既に20棟・309戸の仕入が完了)、来期以降、更なる収益貢献が期待できよう。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年05月26日
基本的な考え方

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、健全かつ透明性が高く効率の良い経営体制の確立を最重要課題と考え、その充実に取組んでおります。また、当社は小規模な組織でありますが、相互牽制や独立性にも配慮したシンプルで効率的な組織体系を構築しており、意思決定の迅速化と透明性の高い経営の実現を一層強固なものとするため、以下の5項目を重点にガバナンス体制の整備に努めております。

1.取締役会における実質的な議論に基づく監督機能の発揮
2.常務会による経営の意思決定のための重要事項の適時適切な審議
3.監査役による実効性の高い監査の実施
4.内部監査室の設置、内部統制委員会の開催等による内部管理体制の整備
5.コンプライアンス体制の実現に向けた法律事務所等の外部機関との連携
<実施しない原則とその理由>

当社はコーポレートガバナンス・コードの「基本原則」をすべて実施しております。

<参考:ESGへの取組みについて>

同社はESGへの取組みとして、居住者の、安心、安全、健康に配慮した住宅づくりに取り組むと共に、自然災害時の住宅補償や青少年育成支援を通して社会貢献にも力を入れている。ガバナンスの面では、コーポレート・ガバナンス報告書による説明の通り、健全かつ透明性が高く効率の良い経営体制の確立を最重要課題と考え、ガバナンス体制の整備と充実に取組んでいる。

<環境>

神戸市準拠の環境性能を分譲マンションに採用している他、スマートマンションへの取組みも進めている。また、木造住宅については、木造住宅用制震装置を標準搭載しており、この他、木造に限らず、住宅全般についてシックハウス対策を講じている。

<社会>

兵庫県が2005年9月から全国に先駆けて導入した住宅再建共済制度「フェニックス共済」(自然災害で被害を受け、再建、補修等を行う際に給付金が支払される)に加入し、兵庫県下で同社が販売する分譲マンションは全てについて、引渡から1年間の共済掛金を負担している。また、建築業の人手不足の深刻化を踏まえて、建築業を志す学生が仕事内容を具体的にイメージできるよう、施工中の分譲マンションを大学授業の教材として提供している他、こども絵画コンクール「ぼく・わたしの住みたい家」の主催、ヴィッセル神戸サッカースクールパートナーや神戸新聞社子育て支援プロジェクト「すきっぷ」への協賛等、青少年の育成を通しての社会貢献にも力を入れている。

<ガバナンス>

ガバナンスの面では、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方に示した通り、健全かつ透明性が高く効率の良い経営体制の確立と意思決定の迅速化と透明性の高い経営の実現を強固なものとするべくガバナンス体制の整備に取組んでおり、取締役会の客観的・中立的な経営監視機能の重要性に鑑み、独立社外取締役及び独立社外監査役を選任している。また、ステークホルダーに対し、適時、公正、公平な情報開示について方針を明確化するため、ディスクロージャーポリシーを作成しIRサイトに掲載している他、IR活動として、決算関連資料や各種指標のIRサイトへの掲載、アナリスト、機関投資家向けの決算説明会の実施(年2回東京と神戸)、及び個人投資家向け会社説明会(不定期)を実施している。

<その他>

「働きやすい職場環境づくり」にも取組んでおり、従業員が働きやすい職場環境づくりを念頭に、有休休暇、時間単位休暇をはじめとした各種福利厚生制度の充実に努めている。また、女性の就業環境改善のため産前産後休暇・育児休暇や時短勤務制度を制定している他、従業員の健康維持のため、産業医を交えた衛生委員会を毎月開催すると共に、健康診断やメンタルヘルスチェックを実施する等、社員の健康状態の把握にも努めている。

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