(2714:JASDAQ) プラマテルズ ホビー分野等独自の取り組みが成果

2017/11/29

plamatels

今回のポイント
・18/3期上期は前年同期比14.9%の増収、同66.7%の営業増益。エンジニアリング系樹脂やスチレン系樹脂といった付加価値の高い樹脂が、電気・電子、自動車部品、医療機器、ゲーム機等向けに増加した他、衛生材料向けPET樹脂や建材等向けの塩化ビニール樹脂・材料等も増加した。利益面では、樹脂価格の安定で売上総利益率が改善し変動費や人件費を中心にした販管費の増加を吸収。営業外損益、特別損益も改善し最終利益が同97.0%増加した。・「当上半期は、従来の樹脂原料の取扱いが堅調に推移したことに加え、国内子会社を中心とした医療機器及びゲーム機向けの取扱いが増加し、また、海外法人を中心とした衛生材料の販売も伸びた」として通期の予想を上方修正。前期比7.6%の増収、同22.5%の営業増益を見込む。期末配当は1株当たり9円を予定しており、上期末配当と合わせて年18円。3期連続の増配となる。

・原油価格の落ち着きと為替の円安傾向で取り扱い数量増が売上に反映されるようになってきた。加えて、海外を強化している衛生材料向けPET樹脂や優良顧客の好調が反映されているホビー分野等、独自の取り組みが成果を上げている事や顧客資産と言う強みの一つが活かされている事もポイント。ただ、上方修正された通期予想も、下期の見通しは慎重。通期予想に対する進捗率は、売上高51.8%(前年同期42.5%)、営業利益60.0%(同39.4%)。

会社概要

合成樹脂(プラスチック)の専門商社。原料メーカーから仕入れた樹脂原料やコンパウンド(樹脂原料に添加剤を加え機能を強化した成形材料)をセットメーカーや成形メーカー及び樹脂の二次加工メーカーに販売している。最終用途は、電子・電機・OA事務機器、医療機器、玩具、住宅建材、自動車等。連結子会社12社、持分法適用関連会社1社(コンパウンド工場への出資)等と共にグループを形成し、子会社が合成樹脂製品の製造・販売も手掛ける。また、総合商社の双日(株)グループにおいて合成樹脂部門を担う双日プラネット(株)が株式の46.6%を保有している。尚、同社は化学品卸業界に属し、プラスチック専門商社として唯一の上場企業である。

【経営理念】

合成樹脂の専門商社として、次の4項目を経営理念として掲げている。

①合成樹脂市場におけるメーカーとユーザーのベストマッチングを推進する役割を果たす
②顧客の立場に立った発想で合成樹脂の戦略的パートナーとしての機能を発揮する
③商いは人なりの精神を重視し、組織の人々との協調を重視する
④よき企業市民として、地球環境と地域社会に配慮しつつ、適正な利潤を出し、以って社会貢献を果たす

そして、これら企業理念実現のため、会社の経営方針として以下の項目を掲げている。

・中長期的な企業価値の最大化を目指す経営
・ステークホルダーから信頼される経営
・環境問題に積極的に取り組む経営
・常にQCD(QUALITY,COST,DELIVERY)の改善を図り、CS(顧客満足)を高める努力を継続する経営
【プラスチックと同社事業の特性】

石油精製の過程で得られるナフサ(粗製ガソリン)を高温熱分解すると、「エチレン・プロピレン(気体)」、「ベンゼン(液体)」等、プラスチックのもとになる粗原料がつくられる。これらは水素と炭素が結びついた分子であり、この分子をつなぎ合わせて「ポリエチレンやポリプロピレン」等のプラスチック原料がつくられる。これらのプラスチック原料に、耐熱性を向上したり、壊れにくくしたり、着色するための添加剤を加え、加工しやすいように3~5mm程度の粒子状にしたものを「ペレット」と言う。同社は500社の仕入先と1,300社(国内800社、海外500社)の顧客を有し、原料メーカーから仕入れて、OA機器、家電、医療機器、自動車部品メーカー等の顧客に販売している。

相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系樹脂原料の取扱が40%超

2017年3月期における売上高の81.9%がプラスチック原料で(この他、製品15.7%、関連機械・シート2.4%。17/3期)、相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系(41.0%)やスチレン系(18.3%)の樹脂原料が中心。エンジニアリング系樹脂原料とはポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート等で、用途はOA・事務機器、光学機器(カメラ等)、精密部品(ギア等の機構部品)等。一方、スチレン系樹脂原料とは、ポリスチレンやABS樹脂等で、エアコン、冷蔵庫等の白物家電、パソコン・同周辺機器、FAX、及び玩具等で使われている(この他、家電・医療機器向け等のオレフィン系樹脂10.9%、建材向け等の塩化ビニール系材料4.7%、その他樹脂3.3%、PET樹脂3.7%)。

2017年3月期における販売先業界別の構成比は、日本メーカーが圧倒的な強みを持つ事務機器・OA・光学機器向けが39.3%、スチレン系・オレフィン系が中心の家電(白物家電)・電子(PC・周辺機器)向けが14.5%、オレフィン系のポリプロピレン等の医療機器向け9.3%、塩化ビニール系材料が中心の建材7.5%、自動車4.2%、ホビー3.8%、パッケージング2.8%、衛材2.7%、その他15.9%。

重点仕入先と仕入商品及び用途

旭化成グループ    スチレン系樹脂原料  : 冷蔵庫、エアコン等
東洋インキグループ  コンパウンド     : OA・事務機器
帝人グループ     エンジニア系樹脂原料 : カメラ・プリンター外装

この他、双日グループ、JNCグループ、三井化学グループ、出光興産グループ等からの仕入も多い。

【コアコンピタンス】

高付加価値商材の拡販の原動力となっているのが、(1)合成樹脂原料に関する高い専門性、(2)商社としてのネットワークを駆使した、メーカーを巻き込んでの提案力、及び(3)顧客との質の高いコミュニケーションが可能とする少量多品種即納体制、の3点。いずれも合成樹脂専門商社に不可欠な要素であり、最もQCDに厳しい日本の優良企業との継続的取引の中で同社が磨き上げてきたコアコンピタンスである。高い専門性を背景にメーカーと一体となって提案営業を進める事でビジネスを広げ、少量多品種の即納対応及び顧客密着型の営業展開で顧客満足度を高めている。

【国内外に広がるネットワーク】
国内営業拠点 東京本社、大阪支社、中部支社(名古屋支店、静岡支店)、九州支店(大分)、東北支店
【成長戦略】

国内は、顧客密着型の営業を徹底する事で顧客と共に成長を図る。一方、海外は、アジア全体に生産拠点を拡大する顧客の動向に合わせて、同社も海外拠点整備の重点エリアを中国からアジアに広げ、顧客ニーズに応えていく。

海外
インド・東南アジアを中心とした世界的な人口の増加及び生活水準の向上による消費の拡大で、消費材・耐久消費材の素材である合成樹脂の市場も拡大傾向にあり、実際、同社の重要顧客企業も生産拠点をアジア全体に拡大している。こうした需要顧客企業の動きに対応して、同社は海外拠点整備の重点エリアを中国だけなく、アジアに広げ、変化する顧客ニーズを確実に捉える体制の構築と各拠点の強化に努めている。更にアセアン経済共同体発足の機運に合わせ、2017年7月にベトナム・ホーチミン市に100%出資の現地法人を設立し、日本国内及びベトナムを中心としたアセアン地域でのビジネス展開の連携強化を図る。
国内
強みである顧客密着型の営業を徹底する事で国内でのシェアアップを図ると共に、海外拠点を有機的に活用する事で海外進出日系企業との取り組み拡大にもつなげていく考え。
尚、同社の顧客は、精密機器、医療機器、家電・電子等の勝ち組企業が多く、いずれの顧客も国内外での生産バランスに配慮した経営を行っている。このため、国内でも取引の拡大余地を残している。
2018年3月期上期決算
前年同期比14.9%の増収、同66.7%の営業増益

売上高は前年同期比14.9%増の288億29百万円。エンジニアリング系樹脂やスチレン系樹脂といった付加価値の高い樹脂が、家電・電子、自動車部品、医療機器、ゲーム機等向けに増加した他、衛生材料向けPET樹脂や建材等向けの塩化ビニール樹脂・材料等も増加した。
利益面では、樹脂価格の安定で売上総利益率が6.6%と0.4ポイント改善。運賃・支払手数料等の変動費と人件費を中心にした販管費の増加を吸収して営業利益が5億81百万円と同66.7%増加。為替差損の減少(37百万円→12百万円)で営業外損益が改善した他、減損損失がなくなり特別損益も改善し当期純利益は3億74百万円と同97.0%増加した。

売上の増加による運転資金の増加と資金調達で上期末の総資産は265億35百万円と前期末に比べて23億49百万円増加した。自己資本比率36.9%(前期末38.3%)。

2018年3月期業績予想
上期決算を踏まえて通期業績を上方修正!前期比7.6%の増収、同22.5%の営業増益を見込む

「当上半期は、従来の樹脂原料の取扱いが堅調に推移したことに加え、国内子会社を中心とした医療機器及びゲーム機向けの取扱いが増加し、また、海外法人を中心とした衛生材料の販売も伸びた」として通期の予想を上方修正した。

期末配当は1株当たり9円を予定しており、上期末配当と合わせて年18円。3期連続の増配となる。

今後の注目点
原油価格の落ち着きと為替の円安傾向で取り扱い数量増が売上に反映されるようになってきた。加えて、海外を強化している衛生材料向けPET樹脂や優良顧客の好調が反映されているホビー分野等、独自の取り組みが成果を上げている事や強みの一つである顧客資産が活かされている事もポイント。言い換えると、事業環境の好転に依存しているだけでない。ただ、上方修正された通期予想も、下期だけをみると、上期比、前年同期比共に減益予想。原油や為替の市況の影響を受ける事もあり、会社側は慎重な姿勢を崩していないようだ。通期予想に対する進捗率は、売上高51.8%(前年同期42.5%)、営業利益60.0%(同39.4%)、経常利益59.2%(同35.3%)、当期純利益61.4%(同35.2%)。営業利益が10億円を超えると、リーマン・ショック前の08/3期以来となる。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書      更新日:2017年06月30日
基本的な考え方

当社グループでは、事業活動を通じて利益を上げ、中長期的に株主価値を増大させるという株主の期待に応えることが、企業経営の基本使命であると考えています。また、株主を含むすべてのステークホルダーに対する責任を果たし、社会規範に沿った事業活動を行うとともに、社会に貢献するという考えに立ち、コーポレート・ガバナンスの向上を目指しております。
当社では、コーポレート・ガバナンスの要件の一つである「透明性と説明責任」の確保のために、7名の取締役のうち3名は社外取締役(うち2名は非業務執行取締役)とするとともに、その独立性を確保しております。
監査役会は常勤監査役1名、非常勤監査役2名の合計3名で構成され、3名全員が社外監査役であります。これにより経営に対する透明性を確保し、監視・監査機能を果たすとともに、社外監査役は、独立性を確保しております。また、社外監査役3名のうち2名は株式会社東京証券取引所に対し、独立役員として届け出ております。このほか社長直属の内部監査チームを設け、業務が適切に運営されているか内部監査を実施するとともにグループ会社の監査も実施しております。
コンプライアンスの徹底とリスクマネージメントはコーポレート・ガバナンスの強化の重要な要素と捉え、当社グループの全役職員が法令の遵守と規範に基づき行動することを徹底しております。そのために「行動規範」、「コンプライアンスマニュアル」を制定しグループ全体で徹底を図っております。

<実施しない原則とその理由>

当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

コラム&レポート Pick Up