(3667:東証1部) enish プラウザゲーム減収も欅坂46公式アプリリリースで業績好転の可能性

2017/11/15

enish

今回のポイント
・17/12期3Q(累計)は売上高27億92百万円(前年同期比26.2%減)、営業損失7億32百万円(前年同期は2億55百万円の損失)。4Q(10-12月)にリリースを予定している「欅のキセキ」の開発やプロモーションを強化しつつも経費全体で抑制効果が現れたが、タイトル譲渡の影響等によるブラウザゲームの減収で売上総利益が落ち込んだ。ただ、四半期ベースでは前四半期比4.5%の減収と売上の減少に歯止めがかかりつつある。・「モバイルゲーム事業を取り巻く環境の変化が激しく、業績も短期的に大きく変動する可能性がある事等から、信頼性の高い業績予想数値を算出することが困難となっている」として業績予想の開示を見合わせている。ただ、10月18日に人気アイドルグループ“欅坂46”の初となる公式アプリ「欅のキセキ」をリリースしており、4Q以降、業績が一変する可能性がある。会社側の説明によると、「欅のキセキ」の出だしは順調。App Storeでは4.8(5点満点)と高い評価を受けており、ダウンロード数がリリース後8日間で150万を突破した。

・今後の課題は、大型IP「欅のキセキ」を軸にしたゲーム事業の強化と非ゲーム事業の拡大による安定収益基盤の構築。ゲーム事業では「12オーディンズ」の大型アップデートが予定されており、非ゲーム事業では月額ファッションレンタルサービス「EDIST. CLOSET」のサービス体制の整備が進んでいる。

会社概要

レストラン経営シミュレーションゲーム「ぼくのレストランII」やアパレルショップの経営シミュレーションゲーム「ガルショ☆」等の人気作品を有するソーシャルアプリの企画・開発・運営会社。「Link with Fun」というスローガンの下、「世界中にenishファンを作り出す」事をミッションとして掲げている。社名の「enish(エニッシュ)」は、人と人との縁(えん、えにし)に由来する。

基本方針は、「女性を軸に事業展開」、「ゲーム事業の強化」、及び「非ゲーム事業への投資」。女性向け事業を基本軸とし、ゲーム事業の更なる成長と非ゲーム事業の拡大により安定した収益基盤の構築を目指している。非ゲーム事業では、ファッションレンタルサービス「EDIST.CLOSET」、婚活アプリ「metune」、及びゲーム周辺事業といった新規事業を育成中である。

【沿革】
【人気アイドルグループ“欅坂46”の初となる公式アプリ「欅のキセキ」
(パズルゲーム)を10月18日にリリース】

10月18日に、App Store、Google Play、Yahoo!ゲーム プレイヤー上で、「欅のキセキ」の配信を開始した。グループが歩んだ成長の軌跡と、メンバーが努力し続ける事で起こした奇跡をたどるドキュメンタリータッチのパズルゲーム。ファンにグループやメンバーを知ってもらえるように工夫されており、メンバーが写真や動画で登場する。基本プレイは無料(アイテム課金制)。「新米マネージャー」になって、オーディションからメンバーの成長を見守ろう!

リリース後、好調に推移しており、App Storeでの評価は4.8(5点満点)、レビューは5.7万件、売上ランキングの最高は17位。リリース2日でダウンロード数が100万を突破し、リリース8日で150万を突破した。第4四半期からの業績寄与となるが、同社ではコストダウンが進み損益分岐点売上高が低くなっているため、「欅のキセキ」の寄与で増収に転じれば損益が大きく改善する。

「12オーディンズ」は、世界を滅ぼしかけた魔龍の爪あとが残るウルザールを舞台に、プレイヤーは「約束の地」を求めて旅立つ。個性豊かなキャラクターとの出会い、交錯する思いと人間模様、徐々に明らかになっていくストーリー。ジョブシステムと多彩な装備やスキルを駆使した戦略性と共に、派手なエフェクトと3Dで表現される爽快なリアルタイムバトルを堪能できる。2017年1月にリリース1周年を迎え、累計ダウンロードが200万ダウンロードを突破した。Funmily社との独占ライセンス契約の下、提携先を通して、台湾・香港・マカオでの配信も決まっている。

2017年12月期第3四半期決算
売上高27億92百万円(前年同期比26.2%減)、7億32百万円の営業損失(前年同期は2億55百万円の損失)

売上高は前年同期比26.2%減の27億92百万円。ネイティブアプリ(「12オーディンズ」)は漸減傾向だが、ブラウザゲームの売上は堅調に推移。ブラウザゲームは、「ドラゴンタクティクス」(2016年12月譲渡)や「プラチナ☆ガール」(2017年4月譲渡)を譲渡した影響が大きいが「ぼくのレストラン2」と「ガルショ☆」の主力2タイトルが想定通りに推移した。

損益面では、第4四半期にリリース予定の「欅のキセキ」の開発やプロモーションを強化しつつも経費全般では抑制効果が現れ、売上原価が27億57百万円と同15.1%減少し、販管費も広告宣伝費を中心に7億67百万円と同3.2%減少したが、売上の減少による売上総利益の落ち込みが響き、営業損失が前年同期の2億55百万円から7億32百万円に拡大した。

第3四半期(7-9月)は売上高8億54百万円(前四半期比4.5%減)、営業損失2億99百万円(前四半期は2億30百万円の損失)

前四半期との比較では、ブラウザゲームのタイトル譲渡の影響を受けないため、売上の減少は4.5%にとどまったが、ネイティブアプリ「欅のキセキ」のリリースに向け、外注費・制作費やプロモーション費用も増加した。
尚、「欅のキセキ」は10月18日に、App Store、Google Play、Yahoo!ゲームプレイヤー上でそれぞれ配信を開始した。

第3四半期末の総資産は前期末に比べて3億32百万円減の18億44百万円。「欅のキセキ」の開発やプロモーションに加え、来期以降の新規タイトル開発等を念頭に借り入れを行った。自己資本比率48.2%(前期末77.4%)。

第4四半期以降の取り組み

大型IP「欅のキセキ」を軸にゲーム事業を強化すると共に非ゲーム事業を拡大する事で安定した収益基盤を構築する。

【ゲーム事業】

サウンドプロデューサー秋元康氏による「欅のキセキ」のオリジナル楽曲制作も決定しており、TVCM等で積極的に「欅のキセキ」のプロモーションを展開していく。一方、既存タイトルではバトルRPGゲーム「12オーディンズ」の大規模アップデートを予定しており、引き続き新機能の開発に取り組んでいく。ブラウザゲームでは、「ぼくのレストラン2」(リリース後7年1ヶ月)と「ガルショ☆」(リリース後6年8ヶ月)の2タイトルに集中し、きめ細やかな対応で運営を強化する。

【非ゲーム事業】

旬の洋服をコーディネートして届ける月額ファッションレンタルサービス「EDIST. CLOSET」、占い婚活アプリ「metune」、及びゲーム周辺事業を展開していく。
「EDIST. CLOSET」では、秋冬モデルの商品数を夏の2倍の14セットに増やし、サイズもワンサイズから複数サイズに拡充した。第4四半期以降、発送サイクルの改善(スピーディーに)、コート等のアウターのレンタル開始、更には異業種とのコラボによる新たな価値提供等、顧客満足度の向上に向けた取り組みを強化する。10月3日には、女性のデイリーファッションをサポートするファッション&ライフスタイルメディア「EDIST.+one」をリリースした。
この他、「metune」は、現在、機能面などを含めたサービスの見直しを進めている。また、ゲーム周辺事業として、enishが開発を担当し、ヤフー株式会社が運営する「Yahoo!ゲーム」のスマートフォン向け人気ゲームアプリをWindowsパソコンで楽しむことができるPC用アプリケーション「Yahoo!ゲーム プレイヤー」に、新たに「欅のキセキ」と「ビーナスイレブンびびっど!」が配信された。

今後の注目点
期待のゲームアプリ「欅のキセキ」が順調に立ち上がったようだ。リリース後に投入するコンテンツや運営計画も長期的な視点で策定済みと言う。坂道シリーズの先輩である“乃木坂46”のアプリ「乃木恋」は、App StoreやGoogle Playのランキングにおいて高い水準で推移しており、「欅のキセキ」が「乃木恋」に準じたパフォーマンスを示せば同社の業績は一変する。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書   更新日:2017年04月06日
基本的な考え方

当社は、企業価値を継続的に高めていくためには、迅速な意思決定や適切な業務執行と共に、経営の健全性と透明性を高める経営監視システムを強化し、機能させることが極めて重要だと認識し、ステークホルダーの信頼維持のため、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。

<実施しない主な原則とその理由>

■原則5-2 経営戦略や経営計画の策定・公表
モバイルゲーム事業を取り巻く環境の変化が激しく、当社の業績も短期的に大きく変動する可能性があること等から、具体的な数値目標を算出することが困難となっているため、決算業績及び事業の概況のタイムリーな開示に努め、具体的な数値目標については開示を見合わせます。

<開示している主な原則>

■原則1-4 いわゆる政策保有株式
当社は、モバイルゲーム及び周辺サービス事業に注力するため、当面は、上場株式を保有しない方針であります。なお、今後、政策保有をする場合、中長期的な企業価値向上の観点から、個別に賛否を判断いたします。

■原則1-7 関連当事者間の取引
関連当事者取引については、取引条件及びその決定方法の妥当性について取締役会で審議し、意思決定を行う方針であります。
また、取締役会での意思決定後も、経理部門が取引の内容等の事後的なチェックを実施しています。

■原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針
当社は、株主との建設的な対話を促進するため、経営陣幹部等を中心に様々な機会を通じて株主と対話を持つよう努めております。
また、広くIR活動を行うため、IR担当役員として取締役執行役員管理部長を指定し、IR担当部署として管理本部経営企画を指定するとともに、経理、総務等の関連部門と有機的な連携に努めております。
アナリストや投資家および株主にタイムリーに情報提供するとともに、お問い合わせに迅速かつ適切に対応するよう努める一方で、対話に際してのインサイダー情報の管理を徹底するよう努めております。なお、株主の意見や懸念につきましては、必要に応じて経営陣幹部や取締役会に報告しております。

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