(7590:東証2部) タカショー 海外展開でも増収 営業利益は好調な伸び

2017/10/25

takasho

今回のポイント
・18/1期上期は前年同期比0.7%増収、経常利益は6.2倍に増加。国内ではプロユース部門が「エバーアートウッド」の好調などで増収だが、ホームユース部門では為替リスク対応施策に伴い減収。海外展開では増収となった。利益面では、人件費が増加する中、原価率の低減により営業利益は前年同期比9.1%増。為替差損の縮小により、経常利益、純利益は大幅増益。・通期予想に修正はなく、前期比4.6%増収、63.5%経常増益を計画する。上期実績の通期予想に対する進捗率は売上高52.2%、営業利益90.3%、経常利益90.9%、純利益105.2%と特に利益において高い。ただし、ここ数年利益が上期偏重になっていることも考慮し、3Q決算で見極めたいとして修正しなかった。配当は、1株当たり10円の期末配当を計画する。

・大幅な経常増益となったが、先行投資負担をこなしながら営業利益が伸びていることにも注目。上期の各利益の進捗率は高く、かなり保守的予想といえるだろう。増資による調達資金を活用し、国内外で積極的に設備投資を行ってきたが、その回収期に入りつつある。長期的には海外の拡大余地に注目したい。大幅増益ながらPBRは1倍を大きく割り込んでおり、株価の見直し余地は大きい。直近の年間EPSは34円、PERは13倍となることから利益指標でも割安感が生じている。

会社概要

「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材等の庭園資材を製造・販売。LED(発光ダイオード)ライト等の照明機器、池・滝・噴水等のウォーターガーデンや坪庭等も手掛けている。
製造は国内及び中国、販売は国内のみならず、欧州、アジア、オセアニアへも展開。商品の企画から製造、販売までを一貫して手掛けるグループ力を強みとし、日本においても確立した市場となりつつある「ガーデニング市場」のリーディングカンパニーとして期待されている。グループは、17年1月20日現在で連結子会社16社、関連会社3社。

【販売ルート】

営業部門は、販売ルート別に設計・施工が必要なハウスメーカーや工務店向け「プロユース」、ホームセンターへの卸売を中心にした一般消費者向け「ホームユース」、「輸出」に分かれる。個別ベースの売上構成比は、それぞれ60%、34%、6%(17/1期実績)。
「プロユース」では、プロユーザー向けのカタログ「PROEX(プロエクス)」を業界最大の約25万冊印刷し、造園業者、設計士、エクステリア施工店、商業施設等にダイレクトメールで配布している。カタログには商品を使った庭園イメージの写真が掲載されており、この写真を見ながら実際に施工する場所と庭園の簡単な図面を書いてファックスもしくはWebで発注すると、CAD(コンピュータによる設計支援システム)、CG(コンピュータ映像)を駆使した完成予想図と共に見積書を当日中に返送し、正式な注文があれば商品を短納期する仕組み作りが確立している。

事業戦略

基本コンセプトは「やすらぎのある空間づくり」。庭での暮らし方を提案するライフスタイルメーカーとして業容を拡大させていく考え。常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く都市環境庭文化に貢献するグローバルなオンリーワン企業を目指している。ビジョンとして「幸せな家族のくらしをつくり笑顔で健康的な空間をつくる」と掲げている。

長期的な数値目標として、25/1期に売上高500億円、営業利益50億円を掲げており、この目標達成に向け、企画からサービスまで一貫して手掛ける垂直ビジネス、中国での製造とワールドワイドでの販売を展開するグローバルビジネス、ハウスメーカーとの取組みや非住宅市場向け建材・外装等のトータル化ビジネス、LEDのイルミネーション、ソーラーライト、ローボルトライト等の近代化ビジネスの4つの取り組みを進めている。事業はプロユース、ホームユース、国際事業に分類される。

【グローバルビジネス】

文化性のあるものを海外から日本に取り入れる一方、中国の九江工場で製造した、木製品、ソーラーライト、ワイヤー製品等を、世界に輸出している。中国の九江工場では随時増強しているだけでなく、先端の技術を取り入れた自動化も進めている。敷地面積は既に20,000坪に及ぶが、手狭になってきており隣接地の購入も視野に入れている。
販売は広範囲で展開している。米国においては、一昨年2月に当社100%子会社である英国の販売会社(ベジトラグ社)が100%出資し「ベジトラグUSA」を設立し、米国への販売の強化を進めている。また、昨年5月にはベトナムにショールームを設立した。
この他、ドイツ、オーストラリア、韓国に展開している。ワールドワイドに展開するためには、ガーデニング市場が4兆円規模と言われている英国(日本は6,000億円程度)のような大きなマーケットに販社を置く必要があると言う。

【トータル化ビジネス】

エクステリア(新築外構)、ガーデン(庭での暮らしの提案)、コントラクト(非住宅市場向け建材、外装)に力を入れている。「ガーデンとは、囲われた楽園」という語源から、囲うものが無ければガーデンは成り立たないという独自の発想の下、この囲うものをエクステリアと捉え、タカショーらしい独自性を重視した製品開発を進めている。
ハウスメーカーとの取組みでは、「エバーアートウッド」等が高い評価を受けており、大手メーカーのエクステリア&ガーデンカタログに掲載される商品が増えている。「5th ROOM」(庭は、リビング、ダイニング、キッチン、ベッドルームに続く5番目の部屋であり、家と庭の持つ良い部分を重ね合わせた空間である)や「スマートリビングガーデン」(後述)と言ったコンセプトも共感を呼んでいる。

コントラクト(非住宅市場向け建材、外装)分野では、景観建材事業を展開している。「エバーアートウッド」や「エバーバンブー」等の提案を強化していく考え(「エバーアートウッド」は国土交通省から不燃材料として認定されており、外装だけではなく、内装にも対応可能)。豊富な商品の組み合わせにより、各施設にふさわしい庭空間、建物外観や内装をトータルに提案、全国で数多くの納品事例を誇る。
この他、庭のプロフェショッナル集団を目指す「リフォームガーデンクラブ」を通じて問屋や施工店とのコミュニケーションを図る。更に10年2月に「エクステリア&ガーデンライティングマイスター制度」や「ウォーターガーデンマイスター制度」と言った制度を、14年5月には「エクステリア&ガーデンマイスター制度」を設立した。業界の活性化に向けた取り組みも盛況だ。取引先を対象に来期に向けた商品政策等を見ることができる自社展示会「第14回タカショーガーデン&エクステリアフェア」が7月28、29日に行われ、盛況となった。施工店へのネットワークに対しても積極的に支援している。タカショーリフォームガーデンクラブの会員数は約700社。「共に学び、共に成長する」をモットーに全国交流会・地域研修会を全国で200回以上開催してきた。
また、市場への啓発活動も推進している。14年6月には広島に、15年9月には、首都圏ショールームも新設した。首都圏ショールームでは市場拡大が期待される関東エリアにおけるサービスの向上ならびに販売強化を目的に商品の色合いや質感を実際に確認できる体感型の展示や、最新情報を備え、顧客の要望に応えられる体制を整えたものとなっている。都心部では、新東京サンプルルームにおいて、材料・資料・協力商品をコンパクトに集約展示し、デザインや設計、施工の対応に注力する。大阪では4月1日に箕面市で移転オープンした。

Webサイトも整備、ユーザー目線の使いやすいサイトに一新した。Webカタログ展開では建材カタログのプラットフォーム「カタらボ」に掲載している。

【近代化ビジネス】

「スマートリビングガーデン」の一環として、LEDのイルミネーション、ソーラーライト、ローボルトライト等、自然エネルギーの利用や省エネタイプの商品開発や販売を通してガーデンから出来る省エネ・節電をテーマに庭からのエコを提案している。「スマートリビングガーデン」とは、スマートハウスの発想と庭から始まるエネルギーマネジメントシステムGEMSを融合させ、家と庭で「省エネ」、「創エネ」、「畜エネ」の実現する庭であり、こうした庭づくりを目指す同社の提案活動の事。14年10月には屋外照明の100%LED化を実現した。「タカショーローボルトライトシステム」は一般社団法人HEAD研究会主催の「第4回ベストセレクション賞」を受賞して評価を受け、市場への知名度も上がっている。

【ライフサポートビジネス】

12年4月に日本初の本格的なガーデンセンター「GARDENER’S JAPAN(ガーデナーズジャパン)」を本社隣接地にオープンした。「GARDENER’S JAPAN」は施設の半分が緑に包まれ、オープンガーデンのような長時間滞在したくなる楽しい空間造りに特徴がある。通販サイト「青山ガーデン(http://www.aoyama-g.co.jp/)」との連動を強化していく考え。

Gardeners Japan:和歌山県海南市南赤坂3-3  TEL:073-482-3333
FAX:073-482-3332
【国内生産体制の拡充】

12年、13年に増資を行い、国内でも生産体制を拡充させてきた。今後の需要増に対応する体制が整いつつある。

2018年1月期上期決算
前年同期比0.7%の増収、経常利益は6.2倍に増加

18/1期上期の売上高は前年同期比0.7%増の93億96百万円。
プロユース部門ではアルミ製人工木「エバーアートウッド」を用いたユニットフェンスや「アートフェンス」シリーズの販売が順調に推移したことや、これらを構成する部材である「エバーアートウッド」 がガーデンエクステリアとして使用されることから販売が順調に推移した。さらに、木、石、塗り壁、和風など様々な天然素材を再現したアルミ複合板「エバーアートボード」ならびに夜の庭を演出するローボルト(12ボルト・ 24ボルト)LEDライト等の照明機器の販売が順調に推移した。しかし、ホームユース部門では為替リスクの低減を目的に、一部の海外生産品において三国間取引していたものを当事者会社間の直接取引に変更した結果、売上高は前年同期と比べて減少した。海外展開では、販売子会社において大型ホームセンターとの新規口座開設や定番商品の投入、また為替リスクの低減を目的とした当事者会社間による直接取引への変更等の結果、前年同期と比べて増加した。
利益面では、販管費が全体的にはほぼ前年並みに推移した。販売力および製造量増加に向けた人材の採用による人件費が増加する中、原価率の低減により営業利益は前年同期比9.1%増の5億25百万千円となった。海外では商品の供給元を中国製造子会社に集約し原価コスト削減、生産性の向上を図った。販管費は前年同期比5.7%増加したものの、自社生産品への集約等により売上総利益率が前年同期比2.3ポイント増加し44.5%となっている。営業外では、為替の影響により為替差損を35百万円計上したものの、前年同期4億5百万円から大幅に縮小した。経常利益は前年同期比517.1%増の4億78百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比1,684.9%増の2億84百万円となった。
期初の会社予想との比較では売上高はほぼ予想並みであったが各利益は大幅に上回った。企画、製造、販売までをグループ会社で一貫することにより自社製品比率を高めるなどの施策が進んだことによる原価率の低減、及び販管費が経費削減効果により計画を下回ったこと等によるもの。

プロユース事業

「非住宅・商業施設部門」の売上が前年同期比21%増となった。また、「一般住宅・エクステリア部門」においても同3%増となった。これらにより、売上高は前年同期比3.0%増の54億77百万円となった。

ホームユース事業

ホームセンター向けの季節商品販売が伸び悩んだこと等から、売上高は前年同期比7.2%減の30億39百万円となった。

国際事業

大型ホームセンター等の取引本格化やネット販売開始等に伴い前年同期比26.7%増の9億11百万円となった。また海外販売比率は9.7%となり前年同期比2.0ポイント上昇した。

その他

昨年まで実施していた「ガーデニング雑誌」の製作・販売から撤退したことから返本処理によりマイナスとなった。

18/1期上期末の総資産は前期末比8億17百万円増加し、182億87百万円となった。流動資産では売上高の増加に伴い受取手形及び売掛金が前期末比5億37百万円増の31億89百万円となった。また、自社生産品の販売への集約を進めるにおいて原材料及び貯蔵品が同1億18百万円増の9億20百万円となった。固定資産では、大阪ショールームの新設や中国製造子会社の工場を増築したことから建物及び構築物が同1億5百万円増の32億11百万円となった。一方、無形固定資産において減価償却が進み同85百万円減の4億63百万円、繰延税金資産が88百万円減の22百万円となった。
流動負債においては、借入金の返済が進み短期借入金が前期末比2億3百万円減の40億69百万円、1年以内返済予定の長期借入金が同1億49百万円減の4億67百万円となった。一方、売上高が順調に推移したことから仕入高が増加し、支払手形及び買掛金(仕入債務)が同10億33百万円増の40億99百万円となった。固定負債では、借入金の返済が進んだことにより長期借入金が同1億17百万円減の5億48百万円となった。純資産においては、利益剰余金の増加等により同2億14百万円増の75億35百万円となった。
自己資本比率は前期末比0.6ポイント減少し40.8%となった。
尚、有利子負債は前年同期47億93百万円から増加しているが、これは新規投資によるもの。ベジトラグUK商業拡大による増資資金1億40百万円、中国製造子会社ライティング生産ライン稼働に伴う設備等増資資金1億円を投じている。

上期末の現金及び現金同等物の残高は前期末比1億57百万円減少し、22億87百万円となった。
営業CFは、前年同期比2億1百万円収入が増加し10億37百万円の収入となった。投資CFは、39百万円の支出が減少し3億23百万円の支出となった。これらによりフリーCFは、前年同期比2億40百万円収入が増加し7億13百万円の収入となった。財務CFは、5億62百万円の支出(前年同期は1億86百万円の収入)となった。

2018年1月期業績予想
4.6%の増収、同63.5%の経常増益予想

通期予想に修正はなく、18/1期は売上高が前期比4.6%増の180億10百万円、経常利益は同63.5%増の5億27百万円を計画する。上期実績の通期予想に対する進捗率は売上高52.2%、営業利益90.3%、経常利益90.9%、親会社株主に帰属する当期純利益105.2%と特に利益において高い。ただし、ここ数年利益が上期偏重になっていることも考慮し、3Q決算を見極めたいとして修正しなかった。配当は、1株当たり10円の期末配当を計画する。

以下、期初に利益改善に向けた以下の施策。

■売上高施策

① セールスフォース本格運用による顧客管理

今期より受決率を4pアップ

② ショールーム展開による集客アップ

首都圏ショールームに続き大阪ショールーム新設 ほか5ヶ所 本格稼働

③ 住宅業界市場への本格参入

EXパッケージの展開
■利益率改善施策

④ 機械化による生産効率向上で原価低減

製造子会社における新規参入設備の本稼働:今期より2~3pアップ

⑤ 為替変動リスクの軽減

外貨貸付金の回収/外貨債権流動化の導入/商流移行(海外販社へ)

⑥ 販管費見直しによる経費削減

人件費の削減/コンサル料等固定費見直し/拠点の集約:今期より2%削減
今後の注目点
為替の影響は軽微となったことを主因に大幅な経常増益となったが、先行投資負担をこなしながら営業利益が伸びていることにも注目したい。上期の各利益の進捗率は高く、前下期は経常利益2億45百万円、純利益1億37百万円を計上していることからもかなり保守的予想といえるだろう。特に売上総利益率が上期44.5%に対して通期予想が41.6%となっているが、下期にここまで大きく売上総利益率が落ち込むとは考えにくい。
増資による調達資金を活用し、国内外で積極的に設備投資を行ってきた。これまでの利益の圧迫要因ともなっていたが、その回収期にも入りつつある。V字回復のシナリオが見えてきた印象。今期は新たにIoT商品ブランドの展開準備を進めているが、今後の取り組みも楽しみなところ。長期的には海外の拡大余地に注目したい。
大幅増益ながらPBRは1倍を大きく割り込んでおり、株価の見直し余地は大きい。また、前下期から今上期の直近年間EPSは34円、PERは13倍となることから、利益指標において割安感が生じていることにも注目。
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