(6552:東証マザーズ) GameWith ネットワーク広告運用を社内対応に PV単価改善に取り組む

2017/10/18

gamewith

今回のポイント
・18/5期1Q(6-8月)の売上高6億71百万円(前年同期比148%増)、営業利益3億47百万円(同425%増)。前期から取り組んでいる広告運用体制の構築による成果でページビュー(PV)単価の改善が進む中、広告主による大型タイトルのリリースに伴う特需(大規模プロモーション)もあり売上が拡大。・通期予想に変更はなく、売上高20億70百万円(前期比30.9%増)、営業利益7億87百万円(同20.1%増)。通期予想に対する進捗率は、売上高32.4%、営業利益44.1%と順調。しかし、「第1四半期は社内計画を大きく上回る着地となったが、一過性の要因や今後の季節要因も見込まれる」として業績予想を据え置いた。第2四半期以降も、利益率をコントロールしつつ、人材投資や新規サービスへの投資を継続していく考え。

・外部に委託していたネットワーク広告の運用を今年の1月から社内対応に切り替えた。現在、PDCAを回しながらPV単価の改善に取り組んでおり、「広告運用の精度向上 ⇒ PV単価の改善」と成果が顕在化しつつある。また、同社のもう一つの収益源であるタイアップ広告も、広告主からの引き合いが強く案件数が増加しているようだ。2Q以降、ネットワーク広告、タイアップ広告共に、更なる取り組みの成果が期待できよう。

会社概要

ゲーム情報メディア「GameWith」の運営・管理を行うメディア事業を展開。「GameWith」はゲーム攻略情報、ゲームのレビュー、コミュニティ機能並びに動画配信等のコンテンツを提供。ゲームに必要な記事や機能を提供する事でユーザーを集客し、広告枠を広告主に提供する事で収益をあげている。

【沿革】

2013年、マンションの一室でスタート。ブラウザからアプリへと、ゲームを楽しむ環境が変わり、スマホゲーム自体の内容が高度化する中、ゲームの攻略情報のニーズが高まりつつあった事が起業の背景にある。「本当に知りたいゲームの情報を得られる場所が存在すればもっとゲームを楽しむ事ができる」という想いから、同年6月にゲーム情報サイトの運営を目的とする(株)GameWithを設立。同年9月にゲーム情報メディア「GameWith」をリリースした。当初はゲームの攻略情報を中心にユーザー同士が分からない事を質問しあうQ&Aサイトだったが、2014年5月に攻略記事の本格的な作成体制を構築。これを契機にページビューが急増した。その後、2015年9月にゲームレビューを開始し、2016年9月にゲーム攻略等の動画配信を開始。2017年3月にはコミュニティ機能の提供も開始している。
会社設立から4年後の2017年6月に東証マザーズに株式を上場した。

【事業内容 -ゲームユーザーとゲーム会社の間に立って、両者にとって必要なものを事業化-】

ゲーム情報メディア「GameWith」を通してゲームに必要な記事や機能を提供する事でユーザーを集客すると共に、広告枠を広告主に提供する事で収益化している。インターネット広告市場は高い成長を続けており、またスマートフォンにおける広告市場も高い成長が続いている。

ゲーム情報メディア「GameWith」の主なコンテンツ

「GameWith」の主なコンテンツは、ゲームを有利に進めるための情報を提供する「ゲーム攻略」、ゲームを見つけるための情報を提供する「ゲームレビュー」、ゲームユーザー同士で交流できる機能を提供する「コミュニティ」、専属のゲームタレントがYouTube等で動画を配信する「動画配信」の4つ。ゲーム攻略情報で集客したユーザーをゲームレビュー等の各サービスへ循環させる事で、相乗効果を生み出している。

ゲーム攻略

主にスマートフォンゲーム等の攻略情報に関する記事を提供している。人気ゲームの上位ランカーをライターとして採用・教育し、組織的に記事作成を行う事で、イベントに素早く対応し、正確な記事を高頻度で更新する仕組みを構築。ゲーム内でのイベントやアップデー卜に合わせて夕イムリーに記事を提供している。

同社に所属するライターがゲーム夕イ卜ル毎にプロジェクトチームを編成し、実際にゲームを攻略して記事を作成。ゲームに特化したライターが複数人で記事を作成する事で質の高いゲーム攻略情報の提供を可能にしている。それぞれのゲームの上位ランカーの中でも、トップ0.1%に入るゲーマーを厳選採用し、入社後はそのゲーマーを教育・研修、マニュアル、記事作成ツール、分業化等、整備された社内体制の下で、ライターとして育成していく。
新しいゲームがリリースされると、需要がピークアウトしてきたゲームのライターがアサインされるが、もともとゲームの素養が高い人材のため、新しいゲームでも高いパフォーマンスを示してくれるという。

また、2014年5月には、同社が作成した攻略情報に対して一般ユーザーから募った意見や間違いの指摘を反映させるべく、ゲーマーのためのクラウドソーシング「GameWorks」を開始。より正確性の高いゲーム攻略情報の提供を目的としている。この他、2016年5月には、攻略情報に関連するアプリをリリース。従来Webサイトで提供を行っていた攻略情報をアプリ化してリリースする事で、ユーザーはより快適に同社のコンテンツを利用する事ができるようになった。ゲームの共闘メンバーの募集に係る自動マッチング機能等も設けている。2017年8月末現在、9つのiOSアプリと1つのAndroidアプリをリリースしており、今後もユーザー数、ページピュー数等、同社の基準に照らして新たな展開を検討していく。

ゲームレビュー

利用者が新たにゲームを始めるきっかけとなるゲームのレビュー情報を提供。新作ゲームの情報が発表されると同社所属のライターがレビュー記事を作成する(一部のゲームについては自社スタジオで動画制作も行い、よりゲームの良さが伝わりやすいレビュー記事が作成される)。ゲーマーはレビュー記事をみる事でリリース前から新作ゲームの内容を把握する事ができるだけでなく、「GameWith」の事前登録機能を利用する事で新作ゲームがリリースされた際には通知を受け取る事もできる。
また、ゲームレビューでは、ゲームの紹介記事の他、速報性に優れた同社独自のランキング情報や網羅的なゲームのデータベースが提供されている。アプリストアにはない付加価値を提供する事で、「GameWith」上で優先的にゲームを探してもらうための差別化戦略を行っている。

コミュニティ

会員登録(無料)する事でゲーマー同士がコミュニケーションを取る事が出来る機能を提供。同じゲームでプレイするゲーマーを繋げる事でゲームへの熱量を向上させる事を目的としており、メディア全体の活性化や媒体価値の向上に繋がるだけでなく、ゲーム自体をより長くプレイしてもらうことでゲーム会社にも寄与する。

動画配信

当初、同社所属の攻略情報のライターが、ユーザーに分かりやすく攻略情報を伝えるために動画配信をしていたが、現在はリアルタイムでのゲームプレイ動画の配信や動画ならではの魅力的なコンテンツの企画・運営を行っている。なお、これらの動画出演者は、主に同社所属の攻略情報のライターから選出しており、動画配信者の発掘・育成からプロモーションまで行えることも同社の強みとなっている。同社所属の動画出演者による動画再生数が増加してきた事を踏まえて、2016年9月から動画中に広告を挿入する事で広告収入を得ている他、動画出寅者がゲームのブロモーションだけでなく、商品の販売促進を行うサービスも広告商材として販売している。

ゲーム情報メディア「GameWith」を介した広告収入

同社はコンテンツを提供するなかで、広告主または広告代理店に対して、アドネットワーク等を利用した「ネットワーク広告」または「タイアップ広告」として広告枠を販売する事等で収益を得ている(アドネットワークとは、広告媒体のWebサイ卜を多数集めて形成される広告配信ネットワークの事)。

ネットワーク広告は、「GameWith」のインターネット広告枠の他に、動画配信を行う際の広告枠や攻略情報アプリ内の広告枠を、アドネットワークを通して販売する事で広告収入を得るもの。
一方、タイアップ広告は広告主となるゲーム会社との相対の交渉の下で行う広告であり、アプリゲームの認知度向上やユーザーの定着率向上等を目的としたプロモーションの一環としてゲーム会社は同社に広告を発注。
同社はゲームレビューのサービスとして無料でアプリゲームの紹介を行っているが、ゲーム会社が同社に広告を発注することで、より付加価値の高いサービス(バナー広告やゲーム紹介動画を含む記事広告、ゲームの攻略情報の作成・管理・運用等)を提供。これにより同社が無料で提供しているゲームレビューでは効果が限定的となる各ゲームの認知度向上やユーザーの定着率改善に向けた施策となる。なお、タイアップ広告は17/5期に体制が整備されたばかりで、販売力の強化はこれからである。

2018年5月期第1四半期決算
(1)18/5期の基本戦略

スマートフォン広告市場の拡大が見込まれる18/5期の基本戦略は、「PV単価の改善」と「コミュニティの収益化」。前17/5期は、広告運用体制の強化、広告枠の増枠、及び表示方法の最適化、といったに取り組みにより、PV単価の引き上げに成功した。18/5期も、引き続き、これら施策を講じる事で「PV単価の改善」を図る。「コミュニティの収益化」では、ゲーム攻略等からの誘導によるコミュニティの集客強化とコミュニティの機能追加及びアプリ化でユーザー数の増加を図り、広告の掲載による収益化につなげる。

売上高が前年同期比2.5倍、営業利益が同5.2倍に拡大

売上高は前年同期比148%増の6億71百万円。前期から取り組んでいる広告運用体制の構築効果でPV単価が改善する中、ゲーム会社の大型タイトルのリリースに伴う特需(大規模プロモーション)が売上を押し上げた。営業利益は同5.2倍の3億47百万円。人員増強やサーバ投資等で固定費を中心に営業費用が増加したものの、売上の増加で吸収した。同社は、人件費、その他の人材関連費用、地代家賃及びサーバ費等の固定費が営業費用全体の70~80%を占め限界利益率が高い。

PV単価改善で成果を上げる一方、コミュニティでのアクティブユーザー獲得に若干の遅れ

前期から取り組んでいる広告運用体制の構築効果が顕在化しつつあり、5月、6月とPV単価の改善が続いた。7月から8月にかけては、取り組みの成果に加え、ゲーム会社の大型タイトルのリリースに伴う特需が利益を押し上げた。

一方、2017年3月に提供を開始したコンテンツである「コミュニティ」でのアクティブユーザーの獲得は計画に対して若干遅れ気味。「ゲームにおいては、未だゲーマー同士がコミュニケーションを取るといった文化が確立していないが、コミュニティがあれば、同じゲームを楽しむ仲間と盛り上がる事ができ、かつ、ゲームをしていない時でもコミュニティを見る事でコミュニケーションを楽しむ事ができる」、「ゲーム攻略はゲームで行き詰まった時に利用されるためゲームに行き詰まらないと利用されないが、コミュニティであれば、気が向いた時や空いている時間に気軽に利用してもらえる」、「このため、コミュニティを活性化させる事で、これまで取り切れていなかった利用機会を取る事が可能」というのが同社の考え。アプリのリリースやダイレクトメール機能等の機能追加で利用率や操作性の改善を図る考え。アプリについては、ほぼ開発は完了している模様。

また、顧客基盤を活かし、ゲーム会社の開発・運用に役立つサービスの事業化も検討中。ゲーム業界において不可欠な存在になる事を目指した長期的な取り組みであり、詳細については時宜を捉えて説明していく考え。

東証マザーズ上場に伴う資金調達と第1四半期の好決算で第1四半期末の総資産は22億74百万円と前期末に比べて4億58百万円増加した。自己資本比率85.9%(前期末78.5%)。なお、6月30日の東証マザーズ上場時の公募増資(50千株)及びその後のオーバーアロットメントの売出に係る第三者割当増資(110千株)で2億82百万円強を調達した。

2018年5月期業績予想
通期予想に変更はなく、前期比30.9%の増収、同20.1%の営業増益予想

通期予想に対する進捗率は、売上高32.4%、営業利益44.1%、経常利益44.0%、当期純利益46.7%、と順調。しかし、「第1四半期は社内計画を大きく上回る着地となったが、一過性の要因や今後の季節要因も見込まれる」として業績予想を据え置いた。第2四半期以降も、利益率をコントロールしつつ、管理面も含めた人材投資や新規サービスへの投資を継続していく考え。

今後の注目点
PV数は季節性があり、またゲーム会社のイベント開催やプロモーションにより月によっても変化するが、概ね7~9万PV/月で推移している模様。このため、第1四半期の売上の増加は、ほぼPV単価の上昇によるもので、単純計算では増収率並みの14~15%上昇した事になる。このうち、大型プロモーションのインパクトがどの程度あったか気になるところだが、アドネットワーク事業者を介しているため正確には把握できない。5、6月のPV単価の上昇は純粋に広告運用体制の構築によるもので、6月は1月と比べると、80%程度上昇していると思われる。従来、外部に委託していたネットワーク広告の運用を、今年の1月から社内対応に切り替え、現在、5人体制でPDCAを回しながらPV単価の改善に取り組んでいる。表示方法の最適化や広告枠の適切な配置(PVが多いにもかかわらず広告枠の増枠余地があったページの見直し)等、細かい事の積み重ねだが、着実に広告オペレーションの精度が向上しPV単価の改善につながっている。また、同社のもう一つの収益源であるタイアップ広告も案件数が増加している。ゲーム会社と対面営業を行うタイアップ広告は、アドテクノロジーを使って広告を自動配信するネットワーク広告と異なり、営業部門の組織的、かつ、地道な営業活動が不可欠。これまではサービス開発を先行しており十分な対応ができていなかったが、今期からコンテンツを制作する部門毎に予算を割り振り、販売目標をもって営業活動している。第2四半期以降、ネットワーク広告、タイアップ広告共に更なる取り組みの成果が期待できよう。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年08月23日
基本的な考え方

当社は、「ゲームをより楽しめる世界を創る」というミッションのもと、ゲームに携わる全ての人や企業にとって最適な環境を作る事業運営体制の構築に向け、健全性と透明性が確保された迅速な意思決定を可能とする体制の整備を進めるとともに、コンプライアンスの徹底やリスク管理を含めた内部統制の強化を図っております。これらの取組みを通じて、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実を目指し、企業価値の最大化に努めてまいります。

<実施しない原則とその理由>

当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則の全てを実施しています。

<開示している主な原則>

【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、取引・協業関係の維持・拡充のための手段として、他社の株式を取得・保有する場合があります。当該保有に関しては、企業価値向上につながることを政策保有方針の基本とし、発行会社と当社事業における中長期の協力関係の維持・強化、取引関係等の円滑化及び事業機会の創出・発展に資する可能性から判断します。
政策保有株式の議決権の行使については、(1)発行会社が当社の政策保有方針に適う目的・事業を有していること、(2)企業活動の適時かつ適切な情報開示を行っていること、(3)持続的な成長につながる事業基盤を有していることなどを総合的に勘案し、議案の内容と中長期的な企業価値の向上について検討し、「職務権限規程」に定める然るべき決裁者が賛否を判断します。

【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社は、当社の取締役が利益相反の疑義がある取引を行う際は、法令及び取締役会規則に則り取締役会の承認を得ることにより、適切に監視しております。なお、利益相反の疑義がある取引を実行した場合には、法令の定めに基づき、重要な事実を適切に開示します。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、企業価値の持続的成長を目的とし、株主とのより強固な信頼関係を構築するため、コーポレート・ガバナンス、経営戦略、資本政策、業績・財務状況、サービス内容とそのリスク等について、中長期的な視点から、株主との建設的な対話を継続する体制を整備しています。

– 株主との対話は、代表取締役社長による統括のもと、個別面談については実施責任者である経営企画室長が、面談の目的と効果、株主の属性などを考慮の上、代表取締役社長及び取締役管理部長等の参加も含め、対応者と対応方法を検討、実施しております。
– IR担当者は、事業部門や管理部門をはじめとする社内各部門から必要情報を収集するとともに、緊密な社内連携を通じて、わかりやすい説明を工夫し、株主との対話を充実させています。
– 当社は株主の皆様に、当社の経営方針、コーポレート・ガバナンス、戦略、事業の現状などについて、理解を深めていただく活動を継続しています。
– 機関投資家との対話としては、個別面談の他、半期毎の決算説明会を適宜開催しております。また、ホームページの株主・投資家向け専用ページを通して、これらのイベント情報を個人投資家へも開示するとともに、個人投資家向けの会社説明会も開催しています。
– 株主との対話を通して把握した株主の関心や懸念などは、部門長以上の経営幹部に随時報告し、経営分析や情報開示のあり方の検討などに生かしております。
– 株主との対話においては、社内規則の定めるところに従い、インサイダー情報を適切に管理しております。
– 当社では決算情報に関する対話を控える「沈黙期間」を設定しております。

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