(2437:JASDAQ) シンワアートオークション エネルギー関連事業が大幅増収で牽引

2017/10/04

ShinwaArtAuction

今回のポイント
・17/5期の売上高は前期比37.2%増の53億48百万円。エネルギー関連事業が大幅増収で牽引した。営業利益は同2.3%増の3億64百万円。オークション関連事業は損失だったが、エネルギー関連事業がカバーした。計画に対しては、エネルギー関連事業において、50kW 級の低圧型太陽光発電施設の販売数が順調に推移し、当初販売予定数よりも大幅に積み増すことができた。一方、オークション関連事業において、主力の近代美術の分野で市場全体の流通量が激減し、取扱高、売上高ともに当初予算を大きく下回った。このため、売上高は期初計画を上回ったものの、営業利益はオークション関連事業のマイナス分をカバーしきれず、未達となった。事業拡大及び直近の財務状況を勘案した上で、株主への利益還元を促進するため、配当については、当初予想の7.00円/株から0.2円増配し、7.20円/株とした。・18年5月期の売上高は前期比11.5%増の59億60百万円、営業利益は同18.6%増の4億32百万円を予想。オークション関連事業は、事業環境は厳しいもののカタログの見直しなどの取り組みにより黒字化を、連結子会社エーペックは太陽光発電に加え、今期よりスタートさせた海外不動産紹介を推進するなど、引き続き高成長を目指す。配当は前期と同じく7.20円/株を予定。予想配当性向は19.2%。

・今後のさらなる成長と企業価値の最大化を実現するためには、グループの成長戦略の立案機能と実現機能を分化し、グループ経営の意思決定の迅速化を図るとともに、グループ各社が事業環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築することが望ましいと考え、持株会社体制へ移行することとした。引き続き「日本近代美術再生プロジェクト」、「富裕層ネットワークの活用」の2つを事業戦略の根幹とし、セレクトサービスカンパニーとしてアートを始めとした富裕層向けの厳選されたサービスを提供するプラットフォームを構築する。

・子会社エーペックの太陽光発電施設販売が好調で増収・営業増益となったものの、同社の中核事業となるオークション関連事業は事業環境が厳しく損失を計上した。同社では持株会社制度への移行を機にオークションの在り方そのものを一から見直し、オークション関連事業で十分な利益の出せる体制作りに注力する考えだ。外部環境に影響される部分が大きいため同社の自助努力のみでは如何ともしがたい部分もあるだろうが、「日本の近代美術を再生させる。」というビジョンの実現に向けた同社の取り組みとその成果に期待したい。

会社概要

国内最大で上場している唯一のオークション会社。2015年の国内美術分野における高額落札作品市場シェアは約51%でシェアトップ。28年間で培った2万人を超える富裕層という顧客資産を活用した多様な事業展開が可能な事業基盤も大きな特徴。グループは、2017年5月末時点で、オークション関連事業を展開する同社のほか、子会社としてエネルギー関連事業を手掛けるエーペック株式会社、時計、宝飾品などを対象としたオークションを手掛けるJオークション株式会社の2社、孫会社(エーペックの子会社)として、医療機関向け支援事業の確立を進めているシンワメディコ株式会社、Shinwa Medico Hong Kong Limited、SHINWA MYANMAR COMPANY LIMITEDの3社、非連結子会社としてShinwa Medico Linking System Co., Ltd.、SHINWA APEC MALAYSIA SDN.BHD.の2社、持分法適用関連会社として香港での美術品を中心としたオークションの企画及び運営や美術品売買を手掛けるASIAN ART AUCTION ALLIANCE COMPANY LIMITEDの1社、持分法を適用していない関連会社として中国芸術品投資管理有限公司の1社の合計10社から構成される。

【沿革】

1987年8月に発足した、美術品の業者交換会「親和会」が前身。1990年9月に、第1回シンワアートオークション近代日本絵画オークション(現 近代美術オークション)を開催。1991年6月に商号をシンワアートオークション株式会社とした。
その後、1996年 第1回近代日本陶芸オークション(現 近代陶芸オークション)、1997年 第1回茶道具特別オークション、1999年 第1回絵画・版画・工芸(現 近代美術PartIIオークション)など様々なオークション開催実績を積み重ねて業容を拡大。2005年4月、大阪証券取引所ニッポン・ニューマーケット 「ヘラクレス」(現 東証JASDAQ市場)に上場した。
2013年4月に、エーペック株式会社を株式取得により子会社化したほか、シンワメディカル株式会社(現 シンワメディコ株式会社)を設立するなど、オークション事業を中心事業と位置付けつつ、同社の重要な顧客資産である富裕層を対象とした収益の多角化も進めている。

【市場環境】

国内美術オークション市場規模(落札総額)はバブル崩壊後の1992年には14億円まで縮小したが、1999年には公開オークションが始まった1990年の水準を抜き、2007年には218億円まで拡大した。リーマンショックの影響により2011年には100億円割れまで減少した後、2016年は150億円と回復しているものの、2007年のピークにはまだ及ばない。

後で述べるように、同社では日本美術品は極端に過小評価されていると考えており、「日本近代美術再生プロジェクト」によって市場規模を最低でも1,000億円まで拡大させることを目指している。

【事業内容】

オークション関連事業、エネルギー関連事業、その他(医療機関向け支援事業)の3事業を展開している。

①オークション関連事業

オークション事業とオークション関連その他事業により構成される。

(1)オークション事業

取り扱い作品・価格帯により、近代美術オークション、近代陶芸オークション、近代美術PartIIオークションを定期的に開催している他、ワインや西洋美術等のオークションも随時開催している。
また、2013年10月に設立した子会社Jオークション株式会社では、ブランド雑貨、時計、宝飾品のオークションを開催している。

売上高の主たる構成要素は、落札価額に対する手数料収入(落札手数料及び出品手数料)。落札手数料は、落札価額の200万円以下に対し15.0%、200万円超5,000万円以下に対し12.0%、5,000万円超に対し10.0%、出品手数料は、落札価額の10.0%(いずれも別途消費税)となっている。
また、同社が仕入れた後に、同社の在庫商品としてオークションやプライベートセールで売却する場合もある。この場合は、オークションでの落札価額またはプライベートセールでの販売価格を商品売上高としてそのまま売上高に計上する。このため、在庫商品の取扱高の増減が、売上高変動のひとつの要因となる。
その他、カタログの販売、出品者から徴収するカタログ掲載料等で構成されるカタログ収入、有料会員から徴収する会費収入がある。

(2)オークション関連その他事業

プライベートセールを中心に展開している。
プライベートセールは、オークション以外での相対取引の総称で、プライベートセールでの販売も、オークション取引と同様に、販売価格をベースに出品者(販売委託者)及び購入者から手数料を徴収する場合と、同社が作品を買取り、その在庫商品を購入希望者に販売する場合がある。
その他、貴金属等買取サービス等もある。

2017年5月期は年間28回開催し、出品数は7,583点であった。

②エネルギー関連事業

エーペック株式会社で、富裕層及び法人向けに50kW級の低圧型太陽光発電施設の分譲販売を行っている。
また、高圧型太陽光発電施設の分譲販売も行い、一部を自社保有して売電事業を行っている。
加えて新たな収益の柱を目指し、マレーシアにおいてSHINWA APEC MALAYSIA SDN.BHD.を取得しPKS事業(パーム油生産の副産物であるパーム椰子殻(PKS)を用いた天然バイオマスエネルギー事業)を開始した。

③医療機関向け支援事業

エーペックの子会社であるシンワメディコ株式会社がシンワアートオークションの重要な顧客資産である「富裕層」を対象として、医療ツーリズムの事業化を進めている。
高度医療サービス、高度再生医療サービス、高度医療健診を提供する医療機関と提携し、日本を含めたアジアの富裕層にこれらのサービスを紹介する。また、同時に医療コーディネーター業務や医療通訳養成講座を開始した。

④その他

エーペックが保険事業を手掛けているほか、2017年7月より海外不動産の紹介事業を開始した。
また太陽光発電所の開発は、少なからず樹木の伐採を伴う。同じくエーペックの子会社であるシンワ・ミャンマーはグローバルな視点で、農業や林業に従事するミャンマーの人々を支援することをミッションとしている。

【特徴と強み】
①国内最大のオークション会社

国内美術分野における2,000万円以上の高額落札作品市場における同社シェアは2015年で51.4%であった。
同社には近代美術に精通している鑑識眼の高いエキスパートが複数名在籍しているため、出品作、特に高級品の適格な評価が可能で、「高級品ならシンワ」というブランディングが確立されており、そのポジショニングに揺るぎは無い。
また唯一の上場企業でもあり、信頼性の高さという点でも他社を大きく引き離している。

②富裕層との強固なネットワークを活かした事業展開

オークションの参加者である主要顧客は出品者、落札者共に富裕層が大多数である。
富裕層は、資産運用、節税、相続など様々なニーズを有している。同社は27年に亘って培ってきた約2万人を超す富裕層のデータベースを有しており、オークション以外にも多様なビジネスチャンスが展開可能な事業基盤を有している。
エネルギー関連事業、医療機関向け支援事業は、そうした事業基盤の上で展開しているものであり、今後も、様々な事業の構築を進めて行く。

レバレッジは上昇したが、売上高当期純利益率の低下によりROEは前期をやや下回った。
安定的な高ROE維持のためには引き続き一層の収益性の向上が期待される。

2017年5月期決算概要
増収・減益

売上高は前期比37.2%増の53億48百万円。エネルギー関連事業が大幅増収で牽引した。
営業利益は同2.3%増の3億64百万円。オークション関連事業は損失だったが、エネルギー関連事業がカバーした。
計画に対しては、エネルギー関連事業において、税制上の需要を取り込み50kW級の低圧型太陽光発電施設の販売数が順調に推移し、合計で193基の販売、売上高4,421百万円と当初販売予定数よりも大幅に積み増すことができた。一方、オークション関連事業において、主力の近代美術の分野で市場全体の流通量が激減し、オークション関連事業の実績が、取扱高、売上高ともに当初予想に対して大きく未達となった。
このため、エネルギー関連事業の売上増により、売上高は期初計画を上回ったものの、営業利益はオークション関連事業のマイナス分をカバーしきれず、未達となった。
事業拡大及び直近の財務状況を勘案した上で、株主への利益還元を促進するため、配当については、当初予想の7.00円/株から0.2円増配し、7.20円/株とした。

①オークション関連事業
Ⅰ)オークション事業

オークション開催回数は前期の30回に対し28回。これに伴い、出品数も前期の8,150点を下回る7,583点となった。
平均落札単価は近代美術オークション、近代美術PartIIオークションは前年をそれぞれ21.9%、24.4%下回った。
近代陶芸オークションの平均落札単価は前年を7.3%上回った。

II)オークション関連その他事業

プライベートセール部門では、積極的な取り扱いに努めたが、前期は高額作品の成約があったため取扱高、売上高ともに前期を下回った。

②エネルギー関連事業

50kW級の低圧型太陽光発電施設に関しては、合計193基(前期は101基)を販売した。累計では358基となった。生産性向上設備投資促進税制の優遇税制措置適用期限の17年3月末までに114基を販売。その後の需要停滞を予想していたが、利回りに着目した需要が根強くその後も好調だった。
その他、自社保有の太陽光発電施設による売電事業も寄与した。
エネルギー関連事業の新たな収益源を開発すべく、マレーシアにおいて「SHINWA APEC MALAYSIA SDN. BHD.」を取得し、PKS事業(パーム油生産の副産物であるパーム椰子殻(PKS)を用いた天然バイオマスエネルギー事業)を開始した。

③その他

医療機関向け支援事業では、日本を含めたアジアの富裕層向けに最先端の医療技術や質の高い医療サービスを紹介することを収益の柱とするべく、提携医療機関を大幅に増強した。

売上債権の増加などで、流動資産は前期末比14億60百万円増加した。固定資産は有形固定資産(機械装置及び運搬具)の増加などで同10億12百万円の増加。資産合計は同24億73百万円増加の64億32百万円だった。
短期借入金の増加、長期割賦未払金の計上などで負債合計は同22億35百万円増加の44億21百万円。
利益剰余金の増加などで純資産は同2億37百万円増加の20億10百万円となった。
この結果、自己資本比率は前期末比13.4%低下し、31.2%となった。

売上債権の増加などで営業CFはマイナスに転じた。
有形固定資産の取得による支出の増加などで投資CFのマイナス幅は拡大し、フリーCFのマイナス幅も拡大した。
短期借入金の増加などで財務CFのプラス幅は拡大した。
キャッシュポジションは低下した。

(4)トピックス
◎ウェルスマネジメント分野に参入

これまでに構築してきた富裕層ネットワークを更に強化し、更なる事業拡大に取り組むため、新たな事業として海外不動産販売の紹介を中心とするウェルスマネジメント分野に参入することとした。

(参入の背景および事業の概要)
日本国内の中古住宅市場では、築年数と共に不動産そのものの価格が下落することが多く、投資対象としては家賃収入によって得られるインカムゲインが収益の柱となっている。
一方、海外、例えば米国の中古住宅市場は非常に充実しており、日常的なメンテナンス、リノベーションを行う習慣が根付いているため、築年数の古い物件であっても値上がりすることは多く、インカムゲインのほかにキャピタルゲインも望めるため、投資物件として近年大いに注目されている。

そこで同社グループは、有望な投資機会を探している富裕層を対象に米国テキサス州の中古不動産物件購入希望者を日本国内で開拓し、現地の中古不動産販売業者を紹介する。
税務面においては、海外不動産に精通し、数多くの税務コンサルティングを手掛けている税理士法人ネイチャー国際資産税と同社及びエーペックとの間で業務提携契約を締結した上で、中古不動産物件購入希望者に対してネイチャー国際資産税を紹介する等のサービスを提供する。

2018年5月期業績予想
2桁の増収・増益

売上高は前期比11.5%増の59億60百万円、営業利益は同18.6%増の4億32百万円を予想。
オークション関連事業は、事業環境は厳しいものの、カタログ発行の回数やWEBでの掲載等を含めたオークション運営方法の見直しなどの取り組みにより黒字化を、連結子会社エーペックは太陽光発電に加え、今期よりスタートさせた海外不動産紹介を推進するなど、引き続き高成長を目指す。
配当は前期と同じく7.20円/株を予定。予想配当性向は19.2%。

新事業構想・事業戦略

2013年6月にスタートした5年間の中期経営計画は今期最終年度に入った。
同社では次の中期経営計画を見据えたうえで、新たな事業構想・事業戦略を構築中である。

(1)新生SWHグループ構想
今後のさらなる成長と企業価値の最大化を実現するためには、グループの成長戦略の立案機能と実現機能を分化し、グループ経営の意思決定の迅速化を図るとともに、グループ各社が事業環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築することが望ましいと考え、持株会社体制へ移行することとした。
シンワアートオークションを分割会社とする会社分割により、オークション関連事業を、シンワアートオークションが100%出資する分割準備会社Shinwa Auction 株式会社(2017年8月1日設立)に継承させる。吸収分割の効力発生日は2017年12月1日の予定。

持株会社体制移行後は、持株会社であるShinwa Wise Holdhings株式会社の下、これまでのオークション事業を手掛けるShinwa Auction 株式会社、画廊事業を手掛けるShinwa Prive 株式会社(2017年6月設立)、太陽光発電所開発販売や海外不動産紹介などを行うエーペック株式会社などの事業会社により、様々な事業を展開する計画だ。

(2)グループ事業戦略
セレクトサービスカンパニーとしてアートを始めとした富裕層向けの厳選されたサービスを提供するプラットフォームを構築する。

①グループ事業戦略の根幹

引き続き「日本近代美術再生プロジェクト」、「富裕層ネットワークの活用」の2つを事業戦略の根幹とする。

<1.日本近代美術再生プロジェクト>

「世界最高峰の質を有する日本近代美術作品の評価があまりにも低すぎる。」との想いから、同社が日本近代美術の盟主として、資本力・経験・ネットワークを用いて日本近代美術を再生させるための取組み。

芸術的価値および経済的価値の向上に寄与する啓蒙活動を継続するとともに、収益性を高めて、現在100~150億円程度の市場規模を10年後には最低1,000~2,000億円まで拡大、下支えする事を目指しているが、実現のためには、特に資本力の必要性を強く意識している。

デフレサイクルでも底堅く市場を支える事ができるプラットフォームを確立するには、市場規模の10%程度の資金を安定化のために使う必要があることから、1,000~2,000億円の市場を維持・発展させるためには、最低でも100億円以上の純資産を確保する事が必要と考えている。

そのためには企業規模の拡大が不可欠で、現在16億円のグループ純資産を、アベノミクスによるインフレの追い風の下、オークション事業の収益力を強化するとともに時機を見て公募増資も実施し2023年までには最低でも150億円に拡大する。
またオークション事業の経常利益を50億円まで増大させた後、2023年にはグループ連結経常利益100億円達成のための第3次中期経営計画を発表。
1990年9月のピーク10,000から2016年11月現在342まで下落しているシンワアートオークション近代美術インデックス(※)を,ピークの三分の一である3,000程度で定着させることを目指している。

シンワアートオークション近代美術インデックス(※)
過去のシンワアートオークション「近代美術オークション」において落札された作品について、1点あたり平均単価の過去3回分の平均を算出し、1990年9月開催の「近代美術オークション」を10,000としてインデックス化したもの。

<2.富裕層ネットワークの活用>

日本近代美術の再生を企業の使命として銘じているSWHグループとして、オークション関連事業の収益力強化に加え、富裕層という顧客資産を有効に活用した様々な事業を展開した、グループ収益力の拡大が必要と考えている。
美術品オークションを通じて28年間にわたり培ってきた富裕層ネットワークを活用し、オークション以外の富裕層関連ビジネスを展開する。

②新事業構想

以下のような新たな事業構想の実現に向けて準備を進めている。

(新事業構想1:シンワアートミュージアム運営・管理)

Shinwa Auction 株式会社によるオークション機能に加え、顧客の多様なニーズに今まで以上に積極的かつきめ細やかに対応するために画廊機能を持つ子会社Shinwa Prive 株式会社を2017年6月に設立した。

オークション会社がオークションの開催のみならず自ら画廊・ギャラリーを運営し、プライベート・セール形式で美術品を顧客に販売するのが世界的な流れとなっている。
Shinwa Prive 株式会社は美術品という「動産」のプライベート・バンクとして良質な美術品を希望する顧客に提供する。
また、海外不動産紹介、資産防衛手段としてのダイヤモンド販売など富裕層向けウェルス・マネジメントを展開するほか、支援する作家の個展、文化イベント企画、パーティ企画などイベントの企画・運営を手掛ける。

(新事業構想2:文化支援・文化情報発信活動)

日本のアーティストのみでなくミャンマーや東南アジアのアーティストの発掘・支援に力を注ぐ。
また日本の現代美術や海外のアートに関する情報を、ウェブ、SNSなどを通じて積極的に発信するほか、引き続き文化イベントの協賛も行う。
ミャンマーのアーティスト支援に関しては、2017年8月エーペックが、ミュージックセキュリティーズ株式会社の運営する「セキュリテ」で、ミャンマーの国民的アーティスト「Lun Gywe」の作品購入を目的とした、投資型クラウドファンディングを開始した。

(新事業構想3:富裕層ビジネスから派生する新たな展開)

富裕層向けであった太陽光発電所開発販売から、再生エネルギー事業というカテゴリーで、PKSバイオマス事業に参入した。
この他、上場企業としての堅固なガバナンス、コンプライアンスの下での信頼性の高いアーティストファンドの組成・販売、富裕層に関心の高い健康・長寿に関連したウェアラブルウォッチ販売(健康管理のためのデータ収集・分析)、急速な発展が期待され事業基盤を構築中のミャンマーにおける各種事業などを検討中である。
ミャンマー事業に関しては、少額資金を融資することによりミャンマーの多くの農業従事者及び小規模事業主の生活水準の向上をはかることができることへの意義と必要性を見出し、エーペックの100%子会社「SHINWA MICROFINANCE COMPANY LIMITED」によるマイクロファイナンス事業を開始した。

(新事業構想4:ブロックチェーンへの取り組み)

オークション市場の更なる拡大や活性化には、新たな決済手段としての仮想通貨の利用が重要であると同社では考えている。
なかでもビットコインは、革新的で信頼性の高い「ブロックチェーン技術」をベースに、24時間いつでも、世界中どこでも利用できる利便性の高さと、非常に安価な取引手数料を実現したことから急速に広がりをみせている。

こうした中、同社グループはビットコインの利用に対し積極的な取り組みを進めている。

まず、2017年2月、40年以上にわたり金融業を中心に製造・公共・流通等のシステム開発を手掛け、現在、積極的にブロックチェーン実証実験のサポートに注力している株式会社カイカ(JASDAQ、2315)と共同でブロックチェーン実証実験を開始すると発表した。
この実証実験は、シンワアートオークションが行っているオークション事業における美術品所有権管理及びエスクロー業務について、ブロックチェーン技術の適用性を確認するためのもので、シンワアートオークションはこの実証実験を皮切りにエスクロー業務のプラットフォーム化を目指す。また、子会社であるエーペックは、主たる事業であるエネルギー事業とブロックチェーンの親和性を確認するためにこの実証実験に参画する。

続いて2017年3月、ビットコインの利便性、特に一層の増加が期待されるインバウンドのオークション参加者のニーズに対応できるものと考え、2017年7月開催のオークションからビットコイン決済を導入することを決定した。

加えて、2017年4月、株式会社フィスコ(JASDAQ、3807)のグループ会社で、ビットコインをはじめとする仮想通貨の取引仲介、仮想通貨建てファイナンス、金融派生商品の開発・運用を手掛けるほか、将来的にはブロックチェーンを利用した様々なサービス提供を目指す株式会社フィスコ仮想通貨取引所と資本業務提携契約締結に向けた基本合意を行った。
今回の提携では、シンワアートオークションがフィスコ仮想通貨取引所の株式を取得するほか、仮想通貨に関する実証実験や共同開発、ブロックチェーン技術を使った美術品の登録システムの実証実験や共同開発も進める予定である。

(新事業構想5:富裕層プラットフォームの構築)

現在の富裕層に加え今後富裕層となる人も対象とした情報配信ウェブプラットフォーム「Shinwa High Net Worth SHNW.com」を構築する。

今後の注目点
子会社エーペックの太陽光発電施設販売が好調で増収・営業増益となったものの、同社の中核事業となるオークション関連事業は事業環境が厳しく損失を計上した。
同社では持株会社制度への移行を機にオークションの在り方そのものを一から見直し、オークション関連事業で十分な利益の出せる体制作りに注力する考えだ。
外部環境に影響される部分が大きいため同社の自助努力のみでは如何ともしがたい部分もあるだろうが、「日本の近代美術を再生させる。」というビジョンの実現に向けた同社の取り組みとその成果に期待したい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

最終更新日:2017年9月1日

<実施しない主な原則とその理由>
「当社は、JASDAQ上場会社として、コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。」と記載している。

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