(2428:東証1部) ウェルネット 積極プロモーション展開

2017/09/27

wellnet

今回のポイント
・17年6月期の売上高は前期比2.6%減収の102億60百万円。非対面決済市場が引き続き拡大しているが、大口取引先の取引条件見直しに加え、OEMが縮小した。営業利益は同46.5%減少の10億99百万円。大手事業者への価格対応などで粗利率は低下し粗利額も減少した一方、人材増強やコンシューマ向けプロモーションなど積極的な政策投資で販管費が大幅に増加した。計画(レンジの中間値)に対しては売上、営業利益ともに未達となった。

・17年6月期決算発表(2017年8月7日)時点では、「バスもり!」や「支払秘書」の認知度向上、アプリダウンロード数増大のために積極的なプロモーション活動を展開する中で、業績に影響を与える未確定な要素が多く業績予想を数値で示すことが困難であるため18年6月期の業績予想は公表していない。今後、合理的に予測可能となった時点で公表する予定。配当は前期と同じく50円/株の予定。

・第3四半期までの対通期予想(レンジ中間値)進捗率は売上高71.3%、営業利益81.8%と概ね順調だったが、結果的には売上高は計画を下回り、利益も最小値は上回ったが最大値には及ばなかった。利益未達は人材増強やプロモーションの展開など投資を優先させたためではあるが、売上高の増加スピードがいつごろから上昇し始めるのか、底値横這いが続く株価の今後とともに注視したい。

会社概要

消費者が商品やサービスを購入した際の電子決済スキームを販売事業者に提供。
「リアルタイム」と「ワンストップ」をキーワードに、商品やサービスを購入する消費者には時間と場所の制約を受けずに、いつでもどこでも欲しいものを購入できる「利便性」を、直接の顧客である販売事業者には「販売機会の極大化」を可能とする「快適な直売プラットフォーム」を提供することを基本コンセプトに事業を展開。
主力サービスであるマルチペイメントサービスは、国内大手航空会社、大手高速バス会社、大手通販会社等豊富な導入実績を誇る。創業以来、常にチャレンジを続ける企業DNAも大きな特徴。

【沿革】

北海道のガス、燃料販売会社の(株)一高たかはしの、新規事業開発をミッションとした子会社として誕生。
当時すでにコンビニエンスストアの店頭での公共料金の支払い取り扱いは始まっていたが、これが通信販売に拡大するとの動きを捉えて事業化に着手した。
請求書の印刷・発送から収納情報の処理まで一貫運用する「請求書発行代行サービス」、コンビニエンスストアの店頭で24時間365日支払が可能な「コンビニ収納代行サービス」を開発。販売事業者にとって多額の開発コストが不要なパッケージソフトを無償で配布したことにより、同社システムは急速に普及した。
続いて、紙の請求書を使用せずリアルタイムで電子請求・電子決済を同社1社との接続で実現できる、現在の中心システムを開発。利便性及び様々な収納機関と接続するための開発や契約が不要な点が評価され、航空会社、バス会社等による導入が進み、業績は順調に拡大。2004年JASDAQに上場した。
その後も、amazon、ヤフーショッピング、ヤフオク!、LCC(格安航空会社)、JR西日本、九州といった大手企業への「マルチペイメントサービス」提供が進んでいる他、数多くの実績を誇る電子チケットサービスの提供等にも注力している。

【市場環境】

経済産業省の「平成28年度我が国情報経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」(2017年4月24日発表)によれば、日本の消費者向け電子商取引市場(BtoC)の市場規模は2016年で15.1兆円と前年に比べ9.9%の増加となった。2010年から2016年までのCAGR(年平均成長率)は11.7%となっている。

また、EC化率(商取引のうちどの程度がインターネットを通じて行われているか)は物販系分野5.43%とまだまだ小さいものの、着実に上昇している。

【事業内容】

「リアルタイム」と「ワンストップ」をキーワードに、サービスや商品を購入する消費者には時間と場所の制約を受けずに、いつでもどこでも欲しいものを購入できる「利便性」を、同社の直接の顧客である販売事業者には「販売機会の極大化」を可能とする快適な「直売プラットフォーム」を提供している。

報告セグメントは「決済・認証事業」の単一セグメント。以下では同社が手掛けている主要サービスを紹介する。

≪決済サービス≫
①マルチペイメントサービス

紙の請求書を使わず、リアルタイムの電子請求・電子決済を同社1社との接続で行うことができる。
事業者は、コンビニ、銀行、郵便局、クレジットカードなど様々な収納機関と接続するための開発や契約を個別に行う必要が無い。

(特長)

事業者は、購入者・利用者の決済物件確定後にウェルネットにデータを提供するだけ。購入者・利用者への支払方法の案内はウェルネットが担当する。
請求のペーパーレス化、収納情報のリアルタイム取得が可能なため、間際でも利用可能。
購入内容(金額)に変更があった場合でも、最新の金額による決済が可能。
情報授受用モジュールはウェルネットが無償提供するため、システム接続が容易。
最新の決済システムの開発、対応はウェルネットが行うので、都度のシステム開発が不要。
2000年7月から稼動開始し、国内主要航空会社の全て、主要高速バス会社、その他大手通信販売などが利用。
運用センターは24時間有人監視体制を敷いており、365日・24時間の決済サービスを提供。
ペーパーレス決済では国内最大級のインフラ網を構築している。

②ペーパーレス決済サービス
紙の請求書とペーパーレスの電子請求・電子決済(リアルタイム)の両方を1つのサービスで実現できる。

(特長)

お客様に送っている払込票(請求書)データを、ウェルネットフォーマットで管理画面にアップロードするのみ。ウェルネットが事業者に代わり払込票(請求書)を郵送する。
払込票には電子決済の申込サイトへの案内があり、お客様自身がPC・スマホでウェルネット提供の手続サイトで簡単手続。
次回からペーパーレス決済の対象のお客様として郵送の必要がなくなる。

③支払秘書
スマートフォンアプリ「支払秘書」を活用することで、コンビニや銀行ATMへ行く必要がなく、その場で各種支払いを完了させることができる。

(特長)

お客様に送っている払込票のバーコードをカメラで読み取るだけで、即時に支払いが可能。
クレジットカードを持っていない層に即時性のある決済方法を提供。
提携先の銀行口座から随時引落も可能。
毎月の公共料金などの支払を登録しておくと、支払期限までにアプリが通知するため、支払い忘れを防止が期待できる。
≪送金サービス≫
①ネットDE受取(送金)サービス

キャンセルに伴う返金など、販売事業者から消費者への振込を、インターネットを利用して、より効率的に行うサービス。
消費者は販売事業者から受け取ったIDを利用して専用サイトにアクセスし、振込みを受けるための口座情報を入力する。

(特長)

消費者が入力した情報をもとに口座確認が行われ、自動的に振込処理が行われるため、販売事業者自らが口座確認を行う必要が無く、事務負担が軽減される。
返金処理の当日対応が可能なため、販売事業者にとっては顧客満足度向上につながる。
販売事業者は返金システムの開発が不要。
口座情報を保持する必要もないため、個人情報保護に関するリスクを低減できる。
②コンビニ現金受取(送金)サービス

「ネットDE受取サービス」同様、販売事業者から消費者へキャンセルに伴う返金などを行うサービスだが、「ネットDE受取サービス」と異なり、銀行口座が不要。
ローソンの店頭KIOSK端末「Loppi」に消費者が販売事業者から交付された現金受取番号とIDを入力し、発行された引換券を店頭レジへ持参すると現金を受け取ることができる。

(特長)

販売事業者は消費者の口座情報を持つリスクを回避できる。
郵便振替や銀行振込の手数料が発生しないことから、コスト削減が可能。
口座情報の誤りによる差し戻しなども発生せず、スムーズに返金を受け取ることができる。
≪Billingサービス≫
①コンビニ収納代行サービス

同社のバーコード付払込取扱票付請求書を発行するシステムと同社が契約するコンビニなどの請求代金回収経路を通じて、売掛金の回収業務を代行するサービス。
コンビニ・郵便局で支払可能なバーコード付払込取扱票付請求書は、同社が開発した払込取扱票発行・収納情報受信ソフト「コンペイ君」を使用することで、販売事業者自身が自ら簡単に印刷することができ、かつ入金情報受信及び入金消込も「コンペイ君」で行うことができる。
収納情報は、支払いがあった翌営業日(郵便局からの振込は2営業日後)に配信され、入金消込処理が自動化される。
現在、通信販売をはじめ燃料代金・各種会費等の主として後払い代金収納に利用されている。

(特長)

全国のコンビニエンスストア14チェーン、約58,000店舗(2017年6月時点)で24時間365日支払可能なので、郵便局・銀行の営業時間を気にする必要が無い。
パッケージソフトウェア「コンペイ君」を無償で提供するため、販売事業者はわずかな期間で運用開始可能。
自社で払込取扱票を印字でき、収納データもバーコードの数字だけなので顧客情報漏洩の心配が無い。
②請求書発行代行サービス

同社がバーコード付払込取扱票付請求書(銀行振込の場合は払込依頼書付請求書)の印刷・封入・封緘・郵送までを代行し、かつ入金確認及び入金消込まで、トータルに請求書発行・収納業務をサポートする。
特に物流を伴わないサービス等(ガス料金、各種会費)の代金収納に利用されている。
また、情報授受と収納情報授受を自動的に行うサービス(請求書発行・収納代行パッケージ「ところくん」)も提供している。

≪バスIT化ソリューション「バスもり!®」≫

同社は2001年3月、都市間高速バスの予約済みチケットを24時間コンビニで購入できるサービスを日本で初めて実用化し、以降100社を超えるバス事業者と契約、数百路線のバスチケット発券を行っている。また、電子チケット領域においては航空券用ケータイチケットを皮切りに、たとえば札幌ドームなどでチケット発券・認証の実績とノウハウを積み重ねてきた。
これらノウハウの集大成ともいえるのが「バスIT化プロジェクト」である。

バス事業者・利用者双方の利便性を飛躍的に高めることができる革新的なサービスで、バス利用者は、安心・確実に目的地までのバス便を検索・予約できる一方、バス事業者も、効率的な在庫管理をリアルタイムで行い、販売機会の増大と確実な決済を行う事が出来る。

バスユーザー向け「地図上でバス路線を表示、チケットを買うことができるスマートフォンアプリ(商品名:バスもり!ナビ)を大幅に進化させたスマートフォンアプリ(商品名:バスもり!)と、タブレット端末を利用したバス会社向けの「高速バス予約情報のリアルタイム管理サービス(商品名:バスもり!MONTA)」の2つのシステムで構成されている。

2017年8月現在、「バスもり!」アプリのダウンロード数は約5万、スマホチケット路線は166路線に上る。
2017年3月には後述の新機能「スマホ定期」をリリース、また年内に「電子もぎり」、「電子回数券」の開始を予定するなど、「バスIT化プロジェクト」の推進に注力している。

【バスユーザー向け「都市間高速バスを便利にする高速バス検索・予約・購入・乗車スマートフォンアプリ(商品名:バスもり!)】

高速乗車券において従来は各バス会社が運営するWebサイト上にて予約購入、または電話予約での申込みが一般的だったが、サービスを利用することで、乗車したいルートの高速バス乗車券を簡単な操作だけで、乗車直前まで予約・購入(一部路線では座席指定可能)・変更・払戻ができるようになった。
チケットもコンビニ発券に加え、スマホ画面に表示される電子チケットが加わり、24時間いつでもどこでも手元のスマホでチケット購入できるため、ユーザーの利便性は飛躍的に向上した。
最新の高速バスに関するニュースや支払期限が近い予約はプッシュ通知を受け取ることができるほか、バス乗り場までの経路案内が可能である。
電子チケットの認証方法については、既に提供を開始している車載用タブレット端末「バスもり!MONTA」に加え、「認証端末」がない場合には「電子もぎり」で認証できる機能を「バスもり!」に加えることで(2017年12月予定)ほとんどのバス路線に対応できるようになるため「電子チケット」の対象路線も拡大する。

【バス会社向けの「高速バス予約情報のリアルタイム管理サービス:バスもり!MONTA】

モバイルデータ通信によるリアルタイム在庫管理を実現した「バスもり!MONTA」は以下のような機能が特長で、乗務員の負荷を軽減し、販売機会の極大化をもたらす。

① 電子座席表:現在運行しているバスの予約状況、空席状況が把握できる。
② 乗車券販売:決済が済んでないユーザーが乗車した場合 乗車区間の料金を表示できる。
③ 乗車券確認・認証:ユーザーの乗車券を認証し オンライン処理を行い、予約情報を更新する。

「バスもり!®」導入によりユーザー、バス会社はそれぞれ以下のようなメリットを受けることができる。

2016年10月2日から東京FMをキーステーションとするJFN38局でバスもり!のプロモーションを目的としたFM番組「BUSTALGIA(バスタルジア)」の放送を開始した。この番組は観光地というよりは、余り知られていない場所にスポットを当てて、バスで行く街とポエムで紹介、聴取者に「バスに乗ってその場所に行ってみたい」と思ってもらうことを目指す。
1年が経過した2017年10月からは、番組名を「バス旅スト」とし、更に強力なプロモーション番組を放送する。

≪「SUPER SUB」サービス≫

チケット発行・決済・認証をワンストップで提供するオンラインチケットソリューション。
個別開発やサーバーのつなぎ込みといった複雑なステップが不要なため、企業のみならず一般個人も主催者登録が可能。
航空会社、バス会社といった既存の大口事業者に加え、低コストで効率的に利用事業者数を増大させることを狙い、2012年6月に提供を開始した。

(特長)

イベント等の主催者は、開催期間、会場、チケット単価など基本的情報を同社が提供する登録画面に入力するだけで、簡単にイベント受付、チケット受付・販売ページを作成することができる。(現在はPCサイトのみ)
同画面のリンクを自分のイベントページに設置するだけでチケット販売を開始できる。
参加申込者はPC、スマートフォン、携帯電話からチケットを購入できる。
チケット種類は電子チケット、コンビニで発券する紙チケット双方が利用でき、発券されたチケットにはQRコードが付き、専用のアプリで入場認証を行う。確実に認証でき、スムーズなイベント運営をサポートする。紙チケットだけを利用することもでき、その場合認証アプリは不要。
マルチペイメントサービス同様、豊富な決済手段を提供している。
申込から導入、チケット発売までおおよそ3週間程度と短期間で稼動させることができる。
初期費用、月額基本料は無料。コストはチケット発行手数料の5%のみで、運用コストは格安。
常設施設の入場券のみならず、期間限定イベント、ライブ、講演会・セミナー、地域イベント、有料パーティー、同窓会など、10~5,000人規模のイベントに適している。

同社のROEは一般的に日本企業が目標とすべきと言われている8%を上回っている。レバレッジが2倍を上回っており(自己資本比率は前期38.7%)、これが要因と見られるかもしれないが、同社の場合、収納代行預り金が現預金と流動負債に両建で計上されているためであり、これを考慮すると財務は極めて安定しており、高ROEの主要因はその高い売上高純利益率である。

【特徴と強み】
①豊富な導入実績&強固な顧客基盤

同社のマルチペイメントサービスは、導入時の開発費および収納機関との個別契約が不要というハードルの低さが評価され、下記の様に業界を代表するリーディングカンパニーに導入されている。
特にリアルタイム性が求められる航空会社、バス会社からの評価の高さは同社にとって大きな財産となっている。
この強固な顧客基盤は同社を支える重要な「見えざる資産」と評価できるだろう。

②常にチャレンジを続ける企業DNA

E-Billingサービス、Billingサービス、各種送金サービス、ケータイチケットサービスなど、同社の開発した様々なシステムはほぼ全てが日本で初めて実用化されたものとなっており、加えて同システムの優秀さは、上記実績が証明している。
同社は大企業の系列であるわけではなく、ヒト・モノ・カネといった経営資源が決して豊富な状態でスタートした訳ではない。
にもかかわらず電子決済の分野で「デファクトスタンダード」とも言える地位を確立することができた大きな要因の一つには、同社が創業時から生まれ持つ、「常にチャレンジを続ける」という企業DNAがあるのだろう。

宮澤社長は、ビジネスの意味、醍醐味を「自分の可能性を信じ続け、自分があったら便利だなと思う仕組みを自らリスクをとって開発し、すぐに提供できる具体的な形として提供する事」と考えている。
また、インタビューの中でも、「自社でなければできないものを世の中に送り出す事こそが同社の存在意義であり、それが無ければ企業として存在する意味が無い」と述べていた。

社員数は100名程度と小さな所帯ではあるが、「ウェルネットアレテー」に代表される理念、心得をしっかりと掲げていることも企業DNA継承のカギとなっていると思われる。

2017年6月期決算概要および2018年6月期の業績見通し
減収・減益

売上高は前期比2.6%減収の102億60百万円。非対面決済市場は引き続き拡大しているが、大口取引先の取引条件見直しに加え、OEMが縮小した。
営業利益は同46.5%減少の10億99百万円。大手事業者への価格対応などで粗利率は低下し粗利額も減少した一方、人材増強やコンシューマ向けプロモーションなど積極的な政策投資で販管費が大幅に増加した。
計画(レンジの中間値)に対しては売上、営業利益ともに未達となったが、利益は、最小計画値は上回った。

現預金の増加で、流動資産は前期末に比べ13億円の増加。現預金には流動負債に計上されている回収代行業務に係る収納代行預り金(翌月には事業者へ送金される。)113億円が含まれている。固定資産はほぼ変わらず。資産合計は同13億円増加の224億57百万円となった。
一方負債面では、収納代行預り金の増加などで流動負債が同11億円増加。負債合計も同10億円増加し、136億77百万円となった。
自己株式が同3億円減少し、純資産は同2億円増加し87億80百万円となった。
この結果、自己資本比率は前期末の40.0%から1.3%低下し38.7%となった。
(ただし、上記収納代行預り金を資産、負債から控除して計算すると、78.5%となる。)

税引前当期純利益の減少などで営業CFのプラス幅は縮小した。
有価証券の取得による支出増などで投資CFのマイナス幅は拡大し、フリーCFのプラス幅も縮小した。前期にあった自己株式の取得による支出が無くなり、財務CFのマイナス幅は縮小した。
キャッシュポジションは上昇した。

(3)2018年6月期業績見通しについて

17年6月期決算発表(2017年8月7日)時点では、「バスもり!」や「支払秘書」の認知度向上、アプリダウンロード数増大のために積極的なプロモーション活動を展開する中で、業績に影響を与える未確定な要素が多く18年6月期の業績予想を数値で示すことが困難であるため公表していない。
今後、合理的に予測可能となった時点で公表する予定。
配当は前期と同じく50円/株の予定。

(4)トピックス
◎フィンテックサービス「支払秘書」をサービス開始

2017年8月、スマートフォンアプリを活用した電子マネーサービス「支払秘書」の提供を開始した。

(サービスの概要)
「支払秘書」は、同社が電子マネー本格化時代の到来をにらみ、5年前から独自に開発を進めてきたサーバー型電子マネーサービス。
各種支払いをスマートフォン内の支払秘書アプリを活用することで、従来は振込用紙やクレジットカードで支払いを行っていた決済を、その場で完了させることができる。
これにより、ユーザーはいつでもどこでも支払いが出来るようになることに加え、プリペイド式の電子マネーであることから、金銭の管理が容易にできる。また、事業者からの請求後、支払期日が近づいても決済が完了していない場合は、アプリ内の「お知らせ機能」で払い忘れを防止する。

第一弾として、関西電力株式会社の電気料金の支払いが「支払秘書」の「振込用紙のバーコード読取り・決済機能」で利用可能となった。主にコンビニで料金を支払う若者の利用を想定している。

「支払秘書」への電子マネーチャージは同社が提携する銀行、およびコンビニなどマルチペイメントサービス提携先から行うことができる。まず三井住友銀行と提携しシステム接続を完了させたほか、広島銀行とは契約締結済みであるほか、複数の銀行との提携を進めている。

◎「バスもり!」に路線バスの定期券購入が可能となる機能「スマホ定期券」を装備

2017年3月、路線バスの定期券購入が可能となる機能「スマホ定期」をジェイアールバス関東株式会社と共同開発し、バス予約・購入・乗車スマートフォンアプリ「バスもり!」に装備した。
「スマホ定期券」でバスに乗車できるこのサービス導入は日本初の試みであり、関東・東北・北海道の各JRバスで利用が開始された。

(スマホ定期券の概要)
これまで路線バスの定期券は、各バス会社の窓口か駅にあるみどりの窓口で申し込み・購入するのが一般的であったが、「バスもり!」を使うことにより、スマートフォンアプリ上の簡単な操作だけで乗車したいルートの路線バス通勤定期券、通学定期券の購入・発券(スマホ定期券)が可能となる。
(JRバス関東の一部路線及びJRバス東北の路線については2017年4月1日以降、順次準備出来次第利用可能になる。)

◎入学手続から入学金・授業料納付までを全てWEB化した「WEB入学手続ソリューションサービス」をリリース

2017年6月、2017年度入学手続から、大学向けに「WEB入学手続ソリューションサービス」の提供を開始すると発表した。

(サービスの概要)
「WEB入学手続ソリューションサービス」は、合格発表から入学手続および入学金・授業料の納付手続をワンストップで提供するクラウド型サービス。
納付方法については、日本で初めて銀行振込をWEB化した。大学は振込用紙の発行・発送が不要となり、学生は手続時に一括または分割の納付手段を選択した後、振込先口座情報や金額が印字された状態で振込用紙の印刷が可能で、これにより納付金額の不一致削減を実現した。
学生にとっても、入学に必要な手続および入学金・学費の納付手続をWEB上で完結できるので、利便性が大きく向上する。
現在の導入実績は、東海大学、兵庫大学・兵庫大学短期大学部、九州産業大学。

新中期経営5か年計画について

「最終年度2021年6月期経常利益50億円」の達成を目指す新中期経営5か年計画における重点取り組みテーマとして、「①電子マネー時代への対応」、「②垂直統合モデルの構築」、「③筋肉質の企業体質維持・向上」の3つをかかげており、それぞれ、「支払秘書の立上げ・拡大」、「バスもり!シリーズの拡充」、「業務・経営システム高度化」を具体的な取り組みとして挙げている。

「支払秘書」、「バスもり!」については前述の通り。
「筋肉質の企業体質維持・向上」については、以下のような変革を進めている。

スリムで実効性のある経営体制を目指し、経営と執行の分離を進めている。
経営の透明性、客観性を担保するために監査等委員会設置会社に移行すると同時に、5名の取締役の過半数3名を社外取締役(監査等委員)とすることとした。2017年9月開催予定の定時株主総会での承認を条件として実施する。
目標達成に向けた体制整備に向け、執行役員を3名増加させ、支払秘書およびバスもり!の拡大に向けて営業スタッフを増強している。また、外注費を抑制・削減し内製化を進めるため正社員の採用も進めている。奨学金制度「道新みらい君・ウェルネット奨学金」の活用や高等専門学校(高専)との関係構築により優秀な人材の確保が可能となっている。

株主還元については、配当性向50%、配当最低額50円/株としている。

今後の注目点
第3四半期までの対通期予想(レンジ中間値)進捗率は売上高71.3%、営業利益81.8%と概ね順調だったが、結果的には売上高は計画を下回り、利益も最小値は上回ったが最大値には及ばなかった。利益未達は人材増強やプロモーションの展開など投資を優先させたためであるが、売上高の増加スピードがいつごろから上昇し始めるのか、底値横這いが続く株価の今後とともに注視したい。

<参考1:新中期経営5か年計画の概要>
【概要】

非対面決済およびその周辺を事業ドメインとし、その中で確立したノウハウと実績により業績を伸ばしてきたが、非対面決済市場は今後も一定の伸長を見込んでおり、引き続き現状のビジネススキームの維持発展を目指す。
この新中期経営5か年計画期間中においては、フィンテックの急速な進展、実用化が見込まれ、またIoTの利活用が始まるなど、同社を取り巻く事業環境は今後も大きな変化が見込まれる。同社ではこの変化を新たなビジネスチャンスに変えるための投資を積極的に行い、最終年度2021年6月期経常利益50億円の達成を目指している。

【各種プロジェクト】

A.フィンテックサービス「支払秘書」
現在の同社の収益の柱は「リアルタイムの現金決済」だが、今後は電子マネー・キャッシュレス決済がさらに伸長する可能性が高いとみて、2011年に構想し、その後要件定義・開発を進めてきた電子マネーサービス「支払秘書」が2017年8月リリースされた。

スマートフォンアプリの「支払秘書」はサーバー管理型電子マネーで以下の機能を持っている。

① 提携銀行からリアルタイムに電子マネーをチャージできる。他の収納機関からもチャージ可能。
② 督促自動化機能で、事業者は郵便による督促が不要になる。
③ 「秘書」のリマインド機能により支払の「うっかり忘れ」を防止でき、回収率向上にもつながる。

サービスや商品を提供する事業者サイドから見ると購入と同時に即時決済されるようになるため、販売機会を逃さない。
また今までコスト的に見合わなかったデジタルコンテンツ等の多頻度少額決済にも対応できるようになるとともに、最近ニーズが高まっているワンクリック決済への対応も可能。
更に、後払い決済領域事業者は、従来の紙の請求書から電子請求に替わることにより請求書発行コストを低減する事が可能である。

「支払秘書」の普及については、以下のようなプロモーションを進め、アプリの普及拡大を強力に推進する。

① 既に同社決済を導入している事業者への訴求
② 提携銀行と共同で営業
③ 月間数百万回に及ぶ決済時に消費者が利用する「(同社提供の)支払い方法案内画面」に新たな決済手段として表示
④ 消費者向けの積極的なプロモーション

B.バスIT化プロジェクト
バスIT化プロジェクトの基幹を担う「バスもり!シリーズ」の開発・投入・プロモーションを積極的に展開する。
前期までに都市間高速バス向け認証用車載端末「バスもり!MONTA」、地図から探してそのままチケット購入できるスマホアプリ「バスもり!ナビ」をリリースしたが、2016年8月には「バスもり!ナビ」を大幅に進化させたスマートフォンアプリ「バスもり!」を投入した。

いかに多くの消費者にこのアプリを認知・ダウンロード・利用してもらえるかが収益化に向けた重要な要素となるため、「バスもり!」のプロモーションを積極的に展開する。

C.オープンイノベーション
「IoT」、「フィンテック」等、同社の事業領域周辺では大きな変革が起きており、同時に大きなビジネスチャンスが広がっている。
同社ではこのチャンスを取り込むための積極的な施策を行っていく。
具体的には様々な知見・技術を持つ大学・事業体・企業などとの連携を強化し、ビジネスチャンスに的確に対応する他決済周辺プラットホームビジネスの開発、提携及び、金融サービス研究開発投資を目的としたCVC「ウェルネットベンチャーキャピタル」設立準備を完了している。

D.収益構造可視化、業務自動化システムを構築
投資対効果を高めるため、各サービス毎の生産性、収益性によってPDCAを的確に実施する基礎情報を可視化する。会社規模の拡大によって間接部門の肥大化を招かないようにするため、業務処理のリレーショナル化を推進する。

E.正しい企業活動を行う「ガバナンス」
同社は会社の存在意義と社員の行動指針を以下の「ウェルネットアレテー」として定め、実効性のあるガバナンスを目指している。商材が変わっても同社の根幹をなす行動哲学として引き続き社員へ浸透させていく。
(アレテーとはギリシャ語で、「徳」、「優れた者」、「卓越したもの」を意味する。)

<参考2:コーポレートガバナンスについて>
*2017年9月27日開催予定の第35回定時株主総会での承認を条件として、監査等委員会設置会社へ移行する予定。
◎コーポレート・ガバナンス報告書

最終更新日:2016年9月29日

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>
同社ウェブサイトの会社概要「コーポレートガバナンス」で「コーポレートガバナンス・コード当社取組方針」として開示を行っている。

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