(7839:東証1部) SHOEI 足元では拡販策が奏功 生産能力の増強

2017/09/06

shoei

今回のポイント
・17/9期3Q(累計)は前年同期比1.9%の増収、同1.7%の営業増益。ドル、ユーロ共に前年同期に比べ円高水準で推移したものの、主力の欧州が販売数量の増加で吸収して同7.9%増加。この他、販売数量が2.2倍に拡大した中国をけん引役にその他地域が同36.5%増と伸び、日本も堅調に推移した。利益面では、積極的な広告宣伝費の投下やベースアップによる人件費の増加等があったものの、生産性の向上と経費節減努力等で前年同期と同水準の営業利益率を維持した。・上方修正された通期予想は前期比11.0%の増収、同0.2%の営業減益。一時的な注文・生産の集中により一部売上が来期に期ずれするものの、為替が想定よりも円安水準で推移している事と好調な受注、更には、米国における拡販策が奏功しつつある事を踏まえて、業績予想を上方修正した。期末配当は1株当たり78 円を予定しており、前回予想から14 円増額した。

・主力の欧州で販売数量が増加しており、前期に本格参入した中国も順調。米国は減収となったものの、足元、拡販策が奏功しつつあり、生産キャパの制約を受けた国内も需要が引き続き堅調等、好材料が多く、現状では来期の見通しも明るい。一方、課題は生産能力であり、同社は生産性向上による生産能力の増強に取り組んでいる。この一環として、今期はFRP成形機の更新を前倒しで実施、また、2020年には60万個の生産体制にする為、生産設備も増設中。

会社概要

世界ナンバーワンのヘルメット・メーカー。オートバイ用を中心に、航空機用や戦車用等の官需用のヘルメットを製造している。販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界約70ヵ国超を網羅。「SHOEI」ブランドはその安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、高級ヘルメットの代名詞となっている。独自の技術とノウハウ、優れたデザイン力を持つ。
また、「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業戦略も同社の特徴。三位一体の事業戦略を進める事で、顧客満足度、株主及び役職員の満足度向上に努めている。グループは、同社の他、米国、独(2社)、仏、伊の連結子会社5社。

経営方針  3つの世界一を実現

「世界一の品質」     … Made In Japanのグローバルブランド
「世界一のコスト競争力」 … ヘルメット業界唯一のトヨタ生産方式でコスト管理
「世界一楽しい会社」   … お客様、株主の皆様、並びに従業員、役職員の満足度を追及

【事業内容】

売上高の約90%を占める二輪乗車用ヘルメットでは、高品質・高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県一関市)の国内2工場で生産。国内生産にこだわる事で、高い品質の維持と技術の流出防止を実現している。

【中長期的安定成長と安定利益の実現に向けた基本方針】

(1)健全な財務内容の堅持(自分の会社は自分で守る)
(2)付加価値と生産合理化によるMade in Japanの維持(ものづくりの伝承)
(3)投資の継続
(4)新市場を含め、世界中のプレミアムヘルメット市場でナンバーワンを目指す
(5)ボトムアップによる全員参加型会社運営
(6)利益の公平、公正な分配(50%配当性向,従業員への配分、会社への分配
(内部留保))

短期的な支払い能力を示す流動比率が533.5%(16/9期末。以下同じ)、長期的な財務の安全性を示す固定比率が21.3%、無借金経営で自己資本比率78.0%。(1)健全な財務内容の堅持(自分の会社は自分で守る)、が着実に実行されている事が貸借対照表からみてとれる。

また、茨城及び岩手の国内2工場で全量を生産する事で(2)Made in Japan(ものづくりの伝承)を実現し、(3)投資の継続(新製品開発、コストダウン、品質向上、より確かな安全)及び海外子会社と一体になって、(4)新市場を含め、世界中のプレミアムヘルメット市場でナンバーワンを目指している。

2017年9月期第3四半期決算
事業環境は総じて良好

高級二輪乗車用ヘルメット市場は、欧州において、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン等の主要国で二輪新車販売が増加しヘルメット販売も増加。アジアも、全体的に拡大しているが、特に中大型二輪車販売が急増している中国でヘルメット販売の伸びが大きい。日本市場は、二輪新車販売は減少しているものの、中古車販売が増加し全体として登録台数が増加し、ヘルメット市場も増加した。一方、北米市場は、米国での二輪新車販売の停滞が続いており、ヘルメット市場は横ばいで推移した。

円高の影響を吸収して、前年同期比1.9%の増収、同1.7%の営業増益

売上高は前年同期比1.9%増の108億47百万円。ドル、ユーロ共に前年同期に比べ円高水準で推移したものの、主力の欧州が販売数量の増加で吸収して同7.9%増加。この他、販売数量が2.2倍に拡大した中国をけん引役にその他地域が同36.5%増と伸びた他、日本も堅調に推移した。
尚、数量ベースでは同3%の増加。前期からの船積の期ずれ及び第3四半期から第4四半期への同様の期ずれが発生している。

営業利益は同1.7%の増加にとどまったものの、25億46百万円と高水準を維持した。円高の影響を生産性向上等で吸収して前年同期と同水準の原価率を確保した結果、売上総利益が同1.9%増加。積極的な広告宣伝費の投下やベースアップによる人件費の増加等があったものの、経費節減努力もあり、販管費は小幅な増加にとどまった。為替差益の減少(61百万円→15百万円)で営業外収益が減少したものの、税負担率の低下(33.0%→31.1%)で最終利益は17億55百万円と2.2%増加した。

為替レートは、同社売上換算レート(期中平均)が、1ドル=111.40円(前年同期113.27円)、1ユーロ=120.16円(同128.37円)。海外子会社換算レート(2017年3月31日)が、1ドル=112.19円(前年同期112.68円)、1ユーロ=119.79円(同127.70円)。

主要国での販売が増加した欧州は金額ベースで前年同期比7.9%の増加。販売数量が前年同期比16%増加して対ユーロでの円高の影響を吸収した。北米では、代理店の在庫調整及び北米における同社売れ筋製品の切替タイミング等の影響で販売数量が同33%減少したものの、単価の上昇で金額ベースでは同28.4%の減少にとどまった。日本市場は、引き続き堅調に推移しているものの、同社のタイトな生産状況を反映して販売数量が同5%減少。毎年、バイクシーズンを前に新製品を投入するが、今期は欧米向け製品の生産を優先し、新製品投入を延期した。その他地域は同36.5%の増収。前期に本格参入した中国市場で販売数量が同121%増と大きく伸び、アジア全体でも同41%増加した。

第3四半期末の総資産は前期末に比べて13億26百万円増の147億80百万円。自己資本比率77.1%(前期末78.0%)。

2017年9月期業績予想
上方修正された通期予想は前期比11.0%の増収、同0.2%の営業減益

一時的な注文・生産の集中により一部売上が来期に期ずれするものの、為替が想定よりも円安水準で推移している事と好調な受注、更には、米国における拡販策が奏功しつつある事を踏まえて、業績予想を上方修正した。7-9月については、1USドル=112.66円、1ユーロ=129.33円で、必要な為替予約を実行済みである。下期の前提(1USドル=110.00円、1ユーロ=127.00円)よりも円安水準で予約できたため、発生する為替差益28百万円を営業外損益に織り込んだ。

通期の為替レートは、同社換算レート(期中平均)が、1USドル=110.83円(前期109.57円)、1ユーロ=121.90円(同125.15円)。海外子会社換算レート(2017年6月30日現在):1USドル=112.00円(前期102.91円)、1ユーロ=127.97円(同114.39円)。

利益予想を上方修正したため、期末配当予想も上方修正した。期末配当は、1株当たり連結当期純利益(156円11銭)の50%相当額である78円00銭(前回予想比14円00銭増)を予定している。

今後の注目点
主力の欧州で販売数量が増加しており、前期に本格参入した中国も順調。米国は減収となったものの、足元、拡販策が奏功しつつあり、生産キャパの制約を受けた国内も需要が引き続き堅調等、好材料が多く、現状では来期の見通しも明るい。国内では、新製品の販売(製品名「RYD」)が生産キャパの問題から18/9期第1四半期(10-12月)に延期されている。一方、課題は生産能力であり、同社は生産性向上による生産能力の増強に取り組んでいる。この一環として、今期はFRP成形機の更新を前倒しで実施している。これにより品質のバラツキがなくなるため、生産性向上が期待できる上、コストダウンも図れる。2020年には、60万個の生産体制にする為、生産設備も増設中。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書        更新日:2016年12月22日
基本的な考え方

当社は、法令の遵守に基づく企業倫理の重要性を認識するとともに、変動する社会、経済環境に対応した迅速な経営意思の決定と、経営の健全性の向上を図ることによって株主価値を高めることを経営上の最も重要な課題の一つとして位置づけております。

<開示している主な原則>

【原則1-4】政策保有株式
当社は、政策保有株式はもちろん、リスクの高い有価証券投資は行っておりません。

【原則1-7】関連当事者間の取引
当社は、子会社との販売代理店取引、代理店管理委託取引、マーケティング委託取引及びこれらに付随関連する取引以外に関連当事者取引を行う予定はなく、過去にもこれらの取引以外の関連当事者取引の実績はありません。また、役職員並びにその関係者の支配する会社との取引を、コンプライアンス規程にある「行動指針」にて公私の区別を厳しくする旨、定めており子会社との取引以外の関連当事者取引に関しては一切行いません。

【原則5-1】株主との建設的な対話に関する方針
株主、投資家の皆様には、常に公平な姿勢で接するように努めており、経営陣並びにIR担当部署(経営管理部)による、個人投資家向け説明会の開催並びに機関投資家、マスコミ、金融機関対象の決算説明会を始めワンオンワンミーティング等により、積極的な対話に努めております。
また、外国人投資家の持ち株比率は32.3%(平成27年9月期)であり、外国人投資家との透明度の高い誠実な対話とIR活動を続けております。

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