(4783:JASDAQ) 日本コンピュータ・ダイナミクス 1Qは大幅な増益増収 2Qに更なる期待

2017/08/29

NCD

今回のポイント
・18/3期1Qは5.7%増収、経常損益は前年同期15百万円の損失から1億5百万円の利益に転じた。システム開発事業での受注獲得が順調に進んでいることや、サポート&サービス事業での増員要請が継続していること、さらにパーキングシステム事業での駐輪場利用料収入が好調に推移していることなどから、大幅な増収増益となった。

・通期予想に修正はなく18/3期は3.9%増収、79.9%経常増益を計画する。尚、新たなライフスタイルや技術環境の変化に迅速かつ適切に対応できる、更なる成長企業を目指すため、中期経営計画「Vision2020」を5月に策定しており、引き続き進行していると思われる。尚、予想配当は17/3期の記念配当額を維持した12円(上期6円・下期6円)を見込む。

・例年静かな1Qだが、今期はしっかりとしたスタートとなっており、事業基盤がより強固になっていることが分かる。目を引くのは粗利率の大幅な改善、これが営業利益、経常利益の黒字転換を引き出した。情報サービス産業各社の売上は検収が集中する9月末と3月末に偏る傾向があり、書き入れ時の2Qが楽しみなところ。これまでいくつかのクリエーティブな新商品を輩出してきたが、その成果が収益貢献することにも期待したい。

会社概要

独立系ソフトウェア開発会社のパイオニア。コンサルティングからシステム運用までを手掛けるシステム開発事業、システムの運用管理とテクニカル・サポートを主体としたサポート&サービス事業、及び自転車駐輪場システムの開発・運用を行なうパーキングシステム事業を展開。システム開発事業やサポート&サービス事業は優良顧客との継続的な取引が特徴。また、国内トップシェアを誇るパーキングシステム事業は成長性に富み、収益性も高い。

事業拠点は本社(東京都品川区西五反田)のほか、江東サービスセンター(東京都江東区東陽)、福岡営業所(福岡市博多区千代)、長崎営業所(長崎市出島町)を構えている。連結子会社(いずれも100%出資)は、国内にはIT関連事業、パーキングシステム事業を行うNCDテクノロジー(株)(東京都品川区西五反田)、IT関連事業を行う(株)ゼクシス(大阪市中央区北浜)がある。また、少子高齢化に伴う日本企業の人材採用難を解決する一端として、アジア諸国より人材を斡旋する業務を目的とする子会社East Ambitionを今年2月に設立した。海外では中国天津市に天津恩馳徳信息系統開発有限公司(NCD China)があり、アジア日系企業向けサービスや日本向けオフショア開発を行っている。
17/3期の売上構成比はシステム開発事業36.8%、サポート&サービス事業28.0%、パーキングシステム事業35.0%、その他0.2%。社名の”日本コンピュータ・ダイナミクス”には、「コンピュータをダイナミックユースして社会に貢献する(Dynamic use of Computer)」と言う創業時の思いが込められている。尚、2017年3月16日付けで創立50周年を迎えた。

【特徴と強み】
「システム開発事業・サポート&サービス事業」

IT関連事業であるシステム開発事業とサポート&サービス事業では、長期継続を特徴とする優良な顧客資産が強みの一つだ。主な取引先として、東京ガス、西部ガス、メットライフ生命、日本生命、三井住友海上火災、東京海上日動、富士ゼロックスグループ、パナソニックグループ、ソニーグループ、商船三井、日本水産、KADOKAWA、エスアールエル、高砂熱学工業、竹中工務店、福岡県庁、ぐるなび、日本トイザらス等、一般企業から官公庁まで幅広い業種に対応している。システム開発事業では、アプリケーションからインフラまでの企画・提案と設計構築までを行う。

パートナー企業との協業サービスも同社の強みである。

サポート&サービス事業ではアプリケーションシステムからインフラまでの保守・運用と業務サポートを提供する。

「パーキングシステム事業」

成長の牽引役であるパーキングシステム事業は、IT企業としては異色であるが、放置自転車問題が深刻化する中で、同社のコア事業であるIT技術とコンサルティング力を人々の暮らしに役立てたいという思いと自治体からのシステム開発に対する要望に加え社会貢献の意味もあり、1999年にいち早く参入した。
オフィス街及び駅周辺での放置自転車の増加、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて公共交通手段に代わる自転車(コミュニティサイクル)の活用に関して同社への期待は大きい。
「ITとパーキングで、未来をかえていく」をコンセプトに、全国の街から駐輪問題をなくすため、IT技術とコンサルティング力で貢献する。

主なサービスは以下の通り
・「EcoStation21」 :時間貸し無人駐輪場管理事業
・「ecoport」    :コミュニティサイクル事業
・「ECOPOOL」    :月極め駐輪場管理事業
・駐輪場総合コンサルティング(土地活用・導入・運営)
・自転車駐輪場管理システムの販売(設計・施工・開場)/運用管理
・自転車駐輪場管理システムの運用管理

同社は各自治体の管理運営する駐輪場の指定管理者として事業を全国展開、以下のように多くの自治体や事業者を顧客としている。

管理施設数及び管理台数も着実に伸びている。

NCDサポートセンター

NCDサポートセンターを置き、24時間365日対応で利用者対応から運営管理までをサポートする

「家余り×自転車ブーム」を背景に駐輪場による土地活用の提案を展開

同社では、土地所有者に向け、「駐輪場」での土地活用の提案活動を展開する。
売却以外の土地活用を検討する際に、アパート・マンション経営、駐車場経営などが一般的に候補に挙がるが、「駐輪場」での土地活用もメリットが多く、積極的に提案活動を行っている。「駐輪場」での経営は、初期投資が少ない、他への転用が容易、経営がそれほど難しくないという点では駐車場経営と同様である。しかし、自転車は車と比較して1台あたりの設置スペースが小さくて済むため、駐車場よりもさらに狭小地や、変形地に対応しやすいという特徴がある。
「駐輪場」経営を推奨する背景には近年社会的にクローズアップされている「家余り」問題がある。総務省の住宅・土地統計調査(2013年時点)によると、全国の空き家の数は820万戸で5年前比63万戸の増加。1963年の52万戸から一貫して増加を続けている。また、2013年の総住宅数に占める空き家の割合は13.5%で7戸に1戸の割合となっている。
つまり、土地活用の方法としてアパート・マンション経営を選択した際、借り手が見つからず空室になるリスクが以前より増している。このことから「駐輪場」に適した土地であれば、「駐輪場」経営を選択することが収益性を高めると考えている。
もう一つの大きな社会的な背景として、自転車ブームが継続していることが挙げられる。同社の「駐輪場」設置場所も増加傾向が続いている。

駐輪場以外の新たなBtoC向けサービスを展開

同社の成長を支えるパーキングシステム事業だが、BtoC向けサービスが育ちつつある。

“もっと自転車とその持ち主に関わり、快適な自転車ライフを応援したい“との思いから、自転車ライフ提案型ショップ「B-SPACE(ビースペース)」を昨年2月、品川区にオープンした。通勤通学の足、健康増進、趣味の多様化に伴い、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ自転車に乗るユーザーが増えている中、店舗での対面販売を通してさらなるBtoC向けサービスの展開に向けた顧客ニーズの取り込みを行っている。
<「B-SPACE」のサービス>
■ショップ・・・自転車・パーツ・アクセサリーの販売とメンテナンス

■スタジオ・・・映像装置を活用したトレーニングスペース(教室・講座・セミナーを開催)
■パーキング・・・室内駐輪スペース【会員制】(利用方法は様々! B-SPACEで着替えて出勤など!)

■OTHER・・・更衣室、ロッカー、シャワールーム

また、ライフサイクルを提案する各種自転車と自転車関連商品は、実店舗である「B-SPACE」に加えてネットショップの「B’s supply」においても販売している。

R&D
高速データ検索基盤ソリューション「Dynamic Search Engine」

ITの主要動向である「ビッグデータの分析・活用」に着目し、産学共同開発の「メモリー型コンピューティング」技術を利用した高速データ検索基盤製品「Dynamic Search Engine」の新デバイス『3次元データマッチング専用デバイス』を昨年8月に発表した。

国内最大規模の大学と産業界のマッチングイベント『イノベーション・ジャパン2016』(昨年8月)と日経BP社が主催する 国内最大級のエンタープライズICTの総合展『ITpro EXPO』(昨年10月)にてビッグデータ検索専用デバイス(DBP.J)、全文検索専用デバイス(SOP.J)と3次元データマッチング専用デバイス(3D SOP.J)の3つのデバイスを出展。

2018年3月期第1四半期決算
前年同期比5.7%の増収、経常黒字に転じる

売上高は前年同期比5.7%増の37億85百万円、経常損益は前年同期15百万円の損失から1億5百万円の利益に転じた。システム開発事業での受注獲得が順調に進んでいることや、サポート&サービス事業での増員要請が継続していること、さらにパーキングシステム事業での駐輪場利用料収入が好調に推移していることなどから、前年同期と比較して大幅な増収増益となった。
システム開発事業、サポート&サービス事業、パーキングシステム事業いずれも増収、特にパーキングシステム事業が大幅な増収。売上総利益率が16.2%と前期比3.2ポイントの大幅な改善、販管費率を横這いにとどめ、営業損益は前年同期17百万円の損失から1億3百万円の利益に転じた。法人税等が正常化し純利益は前年同期比大幅増の68百万円。

システム開発事業は売上高13億23百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益1億12百万円(同67.0%増)、営業体制強化策が軌道に乗り、順調に案件獲得が進んだことにより増収となった。さらに地道なプロジェクト進捗管理活動、品質管理強化活動が功を奏し、利益率向上に寄与したことにより大幅な増益となった。サポート&サービス事業は売上高10億90百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益34百万円(同11.6%減)。順調な増員要請に基づく事業拡大が続いているが、新たなIT基盤領域獲得のための先行投資費用がかさみ、増収減益となった。パーキングシステム事業は売上高13億65百万円(前年同期比12.3 %増)、営業利益2億27百万円(同77.0%増)。自治体の指定管理案件の受注が順調に伸びていることや、駐輪場利用料収入が着実に増加しており、大幅な増収増益となった。

18/3期1Q末の総資産は前期末比1億90百万円増加し、110億42百万円となった。現預金が6億62百万円増加した一方、売上債権が4億52百万円減少した。
負債は前期末比1億69百万円増加し、84億70百万円となった。短期借入金が2億47百万円増加した一方、賞与引当金が2億18百万円、長期借入金が27百万円減少した。
純資産は前期末比21百万円増加し、25億71百万円となった。
自己資本比率は、前期末の23.5%から23.3%となった。

*2017年3月期が減益となったのは、金利低下に伴い退職給付債務に用いる割引率が低下したことによる数理計算上の差異が発生し、これを1年で償却するため。これら特殊要因を除外すると増益である。

2018年3月期業績予想
前期比3.9%の増収、79.9%の経常増益を予想

通期予想に修正はなく18/3期予想は3.9%増収、79.9%経常増益を予想する。尚、新たなライフスタイルや技術環境の変化に迅速かつ適切に対応できる、更なる成長企業を目指すため、以下の中期経営計画「Vision2020」を5月に策定しており、引き続き進行していると思われる。尚、予想配当は17/3期の記念配当額を維持した12円(上期6円・下期6円)を見込む。

中期経営計画「Vision2020」
今後の注目点
1Qは前年同期が21.1%の大幅増収であっただけにその反動も考えられたが、きっちり5.7%の増収を確保した。例年静かな1Qだが、今期はしっかりとしたスタートとなっており、事業基盤がより強固になっていることが分かる。目を引くのは粗利率の大幅な改善、これが営業利益、経常利益の黒字転換を引き出した。情報サービス産業各社の売上は検収が集中する9月末と3月末に偏る傾向があり、パーキングシステム事業で地方自治体等との取引も多い同社は3月期末への偏重が顕著である。書き入れ時となる2Qが楽しみなところ。これまで高速データ検索基盤製品「Dynamic Search Engine」を始め、いくつかのクリエーティブな新商品を輩出してきたが、その成果が収益貢献することにも期待したい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

最終更新日:2017年6月27日。

<基本的な考え方>
当社の基本的なコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、継続繁栄の条件として、機動性のある業務執行体制とコンプライアンスを重視した経営を念頭に、内部統制の充実に努めることです。

<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
ジャスダック上場企業として、基本原則をすべて実施している。

<その他>
指名・報酬委員会の設置
コーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目的とし、平成29年6月23日付けで「指名・報酬員会」を設置した。取締役会の諮問機関として経営陣の選任・解任や報酬等に関する方針を審議し、その決定プロセスの客観性及び透明性を確保する。

指名・報酬委員会の構成
3名(うち2名は独立社外取締役、委員長は独立社外取締役から選定)

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