(8912:東証2部) エリアクエスト サブリース物件の開拓も順調

2017/08/23

areaquest

今回のポイント
・17/6期は前期比25.8%の増収、同57.6%の経常増益となり、6期連続の増収・増益。テナント誘致の仲介関連事業が伸び悩んだものの、ストック収入型ビジネスであるサブリース事業の新規獲得が順調に進み、ビルメンテナンスとのシナジーも顕在化しつつあるようだ。加えて、販売用不動産の売却が売上・利益を押し上げた。3Q決算発表期の修正予想に沿った着地だが、初予想を大きく上回った。2円の期末配当を予定している。・18/6期予想は前期比11.0%の増収、同19.6%の経常増益。契約の積み上げ効果と新規獲得でサブリース収入等のストック収入型ビジネスの売上が増加する他、販売用不動産の売却も見込んでいる。引き続きサブリースの新規獲得に取り組み、ビル管理とのシナジーを追及していく。配当は2円の期末配当を予定している。

・サブリース物件の開拓が順調に進んでおり、現在、駅前の一等地に190件程度を展開している。サブリースは契約の積み上げによる安定成長が期待できるだけでなく、長期預り保証金の増加が示すようにキャッシュ・フローにも貢献している。また、「バランスシートには表れないが、駅前一等地の190件が持つ資産価値にも注目して欲しい」と言うのが清原社長の思いだ。

会社概要

東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の駅前商業地において、サブリースやビル管理・メンテナンス(清掃、設備保守、警備管理等)を中心に売買仲介や契約更新・契約管理等も手掛ける「ストック収入型ビジネス」と、テナント誘致等の「成功報酬型ビジネス」を展開。グループは、グループマネジメントが中心の同社の他、テナント誘致等を手掛ける(株)エリアクエスト店舗&オフィス、ビル管理等の(株)エリアクエスト不動産コンサルティングの連結子会社2社。「エリアクエスト」と言う社名には、「地域に根差して(エリア)、不動産の価値を追求する(クエスト)」と言う思いが込められている。

【代表者プロフィール】

清原 雅人(1967年2月2日生、49歳)   明治大学 法学部卒業
予備校までを熊本で過ごし、その後、明治大学に入学。卒業に5年を要したが、卒業後は野村證券に入社。大阪で4年、名古屋で3年、営業の腕を磨いた。1998年4月に友人と起業し、2000年1月に独立してエリアリンク(株)を設立(2001年3月に社名を(株)エリアクエストに変更)。2003年2月に(株)エリアクエストを東証マザーズに上場させ、2014年11月に本則市場(東証2部)での上場を果たした。現在、(株)エリアクエスト、(株)エリアクエスト店舗&オフィス、及び(株)エリアクエスト不動産コンサルティングの代表取締役社長を務める。

【特徴・強み 1都3県の駅前商業地においてテナント誘致に強いビル管理サービスを提供】
特徴1 ビル管理事業(サブリースを含む) 清掃業務は「顧客満足度No.1」を自負
特徴2 更新及び契約管理事業
(売買仲介を含む)
トラブルの未然防止と、トラブルが起きてしまった場合の迅速対応
特徴3 テナント誘致事業 ビル管理事業とのシナジー

ビル管理事業や更新及び契約管理事業は2003年3月に100%子会社化した(株)日本総合ビルメンテナンスがベースになっているが、ビル管理事業では、清掃を中心にした日常対応にととまらず、水回り、電気、空調、ガス、エレベーターといった設備面での臨時対応をこなし(問題が発生すれば、いち早く駆けつけて対応)、更新及び契約管理事業では、更新及び契約管理に加え、消防法上問題となる共用部分の不正使用といったビルオーナー等の貸主共通の悩み事にも対応する等、同社ならではのサービスが加えられている。
一方、テナント誘致は同社にとって祖業であり、会社設立から3年1カ月でマザーズ上場を果たす原動力となった。独自に分類した63業種・約3,000社の店舗テナントをデータベース化し、このデータベースに基づき営業活動が行われている。また、物件毎に、ビル管理事業、更新及び契約管理事業、及びテナント誘致事業の各事業部門から担当者が選出され、各担当者は担当業務をこなすと共に、チームを組んでテナント誘致に取り組んでいる。

【成長をけん引するサブリース事業】

12/6期以降、サブリースに力を入れている。サブリースは空室で賃料収入がなくても、賃料をビルオーナー等に払わなければならないが、テナント誘致での強みを活かす事ができ、もとより、人の流れの多い1都3県の駅前商業地に物件を絞り込む事でリスク低減を図っている。
また、サブリース物件の開拓に当たっては、地域特性や立地に応じて物件の用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりするリノベーションの提案も行っている。もともと同社がサブリースする物件は築年数が古い物件が多いため、リフォームはもとより、水回り、電気、空調、ガス等、躯体以外の設備の修繕が必要な物件が少なくない(物件によっては鉄骨を入れ床の補強を行った事もあった)。こうした費用は同社が負担するため、ビルオーナーは自ら負担する事なく、資産価値を高めると共に安定収益を享受できる。一方、同社は先行投資負担を織り込んだ収益性を試算した上で提案を行っているため、テナントが埋まれば先行投資を吸収して確実に利益を上げる事ができる。

広告宣伝にもサブリース物件を活用

オーナーの同意を得てサブリース物件を含めた同社の管理物件への広告看板設置を進めている。前年7月(12日)には34箇所の設置だったが、2017年7月31日現在、80箇所。年内100箇所を目指している。同社の認知度の向上に寄与し、看板効果で問い合わせも増えているが、看板設置料は無料。コストは看板の製作費用と設置費用のみである。

大阪進出

ここ数年で9物件の不動産を購入しているが、2016年7月に物件(大阪府吹田市 吹田駅)を購入して大阪に進出した。その後、高槻駅前(大阪府高槻市)でサブリース第1号を稼働させている。

*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
2017年6月期決算
前期比25.8%の増収、同57.6%の経常増益

売上高は前期比25.8%増の23億41百万円。テナント誘致の仲介関連事業が伸び悩んだものの、ストック収入型ビジネスであるサブリース事業の売上が増加し、サブリース物件にかかるビルメンテナンスも増加した。また、販売用不動産の売却が売上を押し上げた。

利益面では、不動産販売の寄与もあり、売上総利益率が35.8%と0.2ポイント改善。業容の拡大に伴い減価償却費や地代家賃等が増加したものの、販管費全体では小幅な伸びにとどまり、営業利益が4億20百万円と同60.4%増加。支払利息や社債発行費等、金融費用の増加を吸収して経常利益も4億01百万円と同57.7%増加したが、税負担が発生したため(法人税等合計:△38百万円→1億31百万円)、最終利益は2億55百万円と同13.4%減少した。

期末総資産は前期末と比べて4億23百万円増の32億26百万円。CFの改善と好業績を反映して現預金と純資産が増加した他、業容拡大で敷金保証金が増加。一方、建物及び土地の販売用不動産への振り替え等で有形固定資産が減少した他、長期借入金を中心に有利子負債も減少した。投下資本利益率15.0%(前期19.8%)、自己資本比率43.8%(前期末42.7%)。

利益の増加で営業CFの黒字が増加する一方、販売用不動産の取得費用の減少投資CFのマイナス幅が縮小したため、前期は1億46百万円のマイナスだったフリーCFが2億36百万円の黒字に転じた。新規借り入れの減少や増配等で財務CFはマイナスになった。また、セールアンド割賦バックによる収入99百万円を計上している。

2018年6月期業績予想
前期比11.0%の増収、同19.6%の経常増益予想

契約の積み上げ効果と新規獲得でサブリース収入等のストック収入型ビジネスの売上が増加する他、販売用不動産の売却収入も見込んでいる。引き続きサブリースの新規獲得に取り組み、ビル管理とのシナジーを追及していく考え。販売用不動産の仕込みは前期に完了しているようだ。

配当は1株当たり2円の期末配当を予定している。

今後の注目点
サブリース物件の開拓が順調に進んでおり、現在、都心の駅前一等地に190件程度を展開している。サブリースはストック収入による安定成長に加え、長期預り保証金の増加が示すようにキャッシュ・フローにも貢献している。また、「バランスシートに表れないが、駅前一等地の190件が持つ資産価値にも注目して欲しい」と言うのが清原社長の思いだ。加えて、17/6期は、販売用不動産の売却が、売上高を2.4億円程度、営業利益を1億円程度、それぞれ押し上げたとものと思われる。18/6期も販売用不動産の売却を見込んでいるため、売却の期ずれ等で業績が下振れする可能性がない訳ではないが、サブリースの積み上げ効果でベースとなる売上・利益は着実に増加する。また、販売用不動産の寄与も保守的にみているようだ。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書        更新日:2017年1月16日
基本的な考え方

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、その重点を株主利益向上に置き、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要な課題と認識しております。その一環といたしまして、意思決定の迅速化、経営の透明化等を意識しコンプライアンスの徹底等が機能する体制の構築に取り組んでまいります。

<開示している主な原則>
【原則1-4】(いわゆる政策保有株式)

当社は、いわゆる政策保有株式については、その保有の意義が認められる場合を除き、保有しないことを基本方針としており、現時点では、政策保有株式を保有しておりません。しかしながら、今後、事業戦略上の重要性等を目的として保有する場合があります。その場合は、毎年、取締役会で中長期的な経済合理性や将来の見通しを検討し、企業価値向上の効果等が乏しいと判断される銘柄については、売却を行ってまいります。議決権行使にあたっては、投資先企業の中長期的な企業価値、株主価値の向上につながる観点等から検討し、総合的に判断した上で適切に行使します。

【原則1-7】(関連当事者間取引)

当社は、当社及び関連当事者間の取引について、当該取引が当社や株主共同の利益を害することが無いよう、取引内容及び条件の妥当性について、取締役において審議することとしております。

【原則5-1】(株主との建設的な対話に関する方針)

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためには、株主・投資家との積極的且つ建設的な対話が重要であると考え以下の体制の整備及び取り組みを行っております。

・定時株主総会において、総会終了後に「株主懇親会」を開催し、株主から株主総会議案以外の質問も受け付け、代表取締役社長が適宜、回答するように努めている。
・管理部を株主と対話する事務局とし、管轄する取締役を開示責任者とし、各部署連携に努め、迅速且つ的確な対応に尽力する。
・代表取締役社長が説明を行うIR説明会を年2回以上開催し、中期事業計画も含め説明を行い、当社ホームページにおいて開示する。
・重要な株主の意見等については毎月開催される取締役会へ報告を行い、取締役及び監査役との情報共有を図る。
・株主及び投資家との対話にあたってはインサイダー情報を伝達しないことを方針とし、IR担当部署が適宜確認し、直接対話する者に対して指導を行う。
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