(3667:東証1部) enish 「欅のキセキ」プロジェクトについて

2017/07/26

enish

6.26 プレスリリース “欅坂46公式ゲームアプリ「欅のキセキ」制作に関するお知らせ”の概要

2017年6月24日開催の取締役会において、同社は、欅坂46の公式ゲームアプリとなる「欅のキセキ」を正式に開発することについて決議した。

同社はゲーム事業で培ってきたノウハウを活かし、欅坂46初の公式ゲームアプリの開発・運営を行う。アプリ名は、欅坂46公式ゲームアプリ「欅のキセキ」。欅坂46とは、秋元康総合プロデュースによる乃木坂46に続く「坂道シリーズ」第2弾。2015年8月21日、乃木坂46結成から4年後の同じ日・同じ場所で結成された。応募総数22,509名の中から選ばれたメンバー46人で、2016年4月6日「サイレントマジョリティー」(作詞:秋元康、作曲:バグベア)でデビュー。2016年末には「第67回NHK紅白歌合戦」への出場も果たした。

ティザーサイト「http://keyakise.jp」(PC/スマートフォン共通)で公開されており、2017年内の配信を予定しているが、詳細は現在調整中。決まり次第、発表する。また、同社の17/12期実績に与える影響は精査中であり、重要な影響を与える見込みが生じた場合には、確定後速やかに発表する、としている。

「欅のキセキ」のティザーサイト。2017年内の配信を予定
安徳 孝平(アントク コウヘイ)社長プロフィール

ご多忙中にもかかわらず、取材に対応して頂いた安徳孝平社長は、1971年12月生まれ。
ヤフー(株)のリードエンジニアであった安徳孝平社長と公文善之氏(現取締役執行役員)が中心となって、2009年2月に設立した(株)Synphonieが同社の前身(2012年9月に(株)enishに社名を変更)。安徳社長は、会社設立当初は代表取締役を務めたが、その後、プロダクトの開発に専念。「世の中にまだ存在しない、作り手もユーザーもワクワクできるサービスを創り出す」という考えの下、同社をソーシャルアプリ事業に導いた。
2014年3月26日開催の第5回定時株主総会及びその後の取締役会を経て代表取締役社長に就任され、4年目を迎えられた。

(株)enishの安徳社長。「欅のキセキ」や新規事業の動向についてお話ししてくれた
社長インタビュー
欅坂46初の公式ゲームアプリ「欅のキセキ」プロジェクトについて
Q1:突然の発表で驚いていますが、「欅のキセキ」とは、どのようなゲームで、いつ頃リリースされるのでしょうか?

「欅のキセキ」というアプリは、シナリオにこだわり「欅坂46」の成長をドキュメンタリータッチのストーリーで表現します。「欅坂46」の魅力を十分に楽しめるコンテンツと本格的なパズルゲームでユーザーが満足できるものを予定しています。Android版とiOS版を予定しており、今年の秋をリリースのターゲットにしています。

Q2:秋頃のリリースとなりますと、リリースまで、あまり時間がないように思えます。間に合いますか?

開発期間は、短いと言えば短いのですが、既に(ゲームに登場する)メンバーがいて、ストーリーがあることは大きいです。通常ゲームというのは、世界観をつくって、キャラクターをつくって、ストーリーをつくって、と大変な作業を進めていくのですが、その点、IPものは、キャラクターがそろっていますから、オリジナルタイトルに比べると相対的に負担が軽いと言えます。もちろん版元様との協力関係を築けていることも大きいです。
加えて、非常に有力なIPですから、全社一丸となって取り組むという事で、ほかのプロジェクトから精鋭を集めてアサインしています。このため、短期間での開発が可能です。

Q3:そうなりますと、事前登録はいつ頃になりますか?

通常、リリースの2週間~1ヶ月程度前が、事前登録からインストールへの変換効率がいいので、リリース日が決まったら、その範囲で逆算して事前登録を開始する予定です。
強いIPなので、事前登録数も期待出来ますが、大切な事は、事前登録して頂いたユーザーにインストールしてもらう事です。しっかりとタイミングをみて事前登録を実施していく予定です。

Q4:なるほど、それだけ強力なIPという事ですね。ところで、「欅坂46」の皆さんはどのようにかかわるのでしょうか?

写真や動画で登場してもらいます。写真撮影、動画撮影、ボイス収録等で、協力してもらいました。順調に進んでいます。
「欅のキセキ」のテーマは、“ドキュメンタリー”です。「欅坂46」は、デビューしてから1年数ヶ月しか経っていないのでグループやメンバーに関する情報が少ないのがポイントです(注:2016年4月デビュー)。このため、ドキュメンタリータッチのストーリーとして、よりファンの方々にグループやメンバーを知っていただける形にしました。しっかりと取材をする必要がありましたから、「欅坂46」のメンバーの方にもご理解を頂き、取材に協力して頂きました。

「欅のキセキ」のテーマは、“ドキュメンタリー”
Q5:ところで、なぜ御社が開発・運用を担うパートナー企業として選ばれたのでしょうか?

コンペの結果、当社を選んで頂きました。たまたまなのですが、企画の担当者だった当社の執行役員がプレゼンの責任者でもあった訳ですが、「欅坂46」の大ファンでもありました。グループ(欅坂46)に対する、彼の情熱と愛情と理解は、私が理解できる範囲を大きく超えている部分があるのですが、逆にプレゼンに当たっては、その辺りを版元様に大いに評価して頂きました。
また、プレゼンの際に実際に動くものを提示できた事も良かったのではないかと思います。

Q6:企画が優れていた事に加え、プラスアルファの強力な要素があった訳ですね。話は変わりますが、AKB48の「AKBステージファイター」や乃木坂46の「乃木恋」とゲームユーザーが重なるのでしょうか?

AKB48と坂道シリーズ(「欅坂46」と「乃木坂46」)とは、あまりファンが重なっていません。また、坂道シリーズでも、まるかぶりしている訳ではなく、それぞれのファンは独立しています。やはり、ユーザーの中心はグループのファンです。ただ、グループのファン以外にもゲームを楽しんで頂けるように工夫しています。

注:「AKBステージファイター」はAKBセンターを拳で奪い合うカードバトルゲーム(GREE、2011年10月リリース)。「乃木恋」は乃木坂46とホンキで恋するスマホゲーム(2016年4月リリース)。
Q7:なるほど、「欅坂46」という強力なIPを使ったアプリでリリースが楽しみです。ただ、IPものはIPのコスト回収という課題があります。今回のプロジェクトは有力なIPを使用するだけに、コストが気になるところです。今回のプロジェクトは株主や投資家の皆さんが、期待できる契約内容でしょうか?

具体的な契約内容を、お話する事はできませんが、従来のIPモノの契約条件と比べると、良心的な契約条件となっていますから、大きな利益が期待できると考えています。
また、ゲームアプリをつくる際、イラストを描いたりするアートの業務は時間とお金がかかるのですが、今回は登場するメンバーが、実在する人物ですから、写真を撮って、それを素材として使う事ができます。大量のイラストを作成する必要がありませんから、負担の大きいイラストコストを、だいぶ抑える事ができます。

Q8:業績へのインパクトをイメージするとしたら、どのような感じでしょうか?AKB48の「AKBステージファイター」が480万ユーザー、乃木坂46の「乃木恋」が300万ダウンロード突破、といった報道を耳にしていますが?

秋頃のリリースですから、下期の業績に反映されてきます。
ベンチマークは、AKB48の「AKBステージファイター」や乃木坂46の「乃木恋」で、各グループのファーストタイトルを想定しています。アプリはファンの方々の関心も非常に高く、ここ一年の「乃木恋」のセールスランキングを見ても数億円の月次売上を記録しています。「欅坂46」は非常に勢いのあるアイドルグループなので、同程度の業績を目指したいと考えています。

Q9:4月28日に発行した新株予約権も、今回のプロジェクトに関連するものだったのでしょうか?

申し訳ありません。既に発表している内容以上の事はお答えできません。

新規事業について
Q10:御社は非ゲームの新規事業育成にも力を入れていますね。

現在、ゲームの売上が99%を占めていますが、ゲーム業界は非常に競争が激しくなってきています。今回の「欅のキセキ」は超突貫でつくるのですが、通常、1本の作品をつくるのに、5億円程度、1年半から2年が必要です。リリース後は数億円の広告宣伝費を投じる必要があります。当たれば、1ヶ月で投下資金を回収できる事もありますが、やってみないとわからないという面が強く、ボラティリティが高い事業です。これに全力を注ぎつつ、安定的に収益を得られる事業の育成に取り組んでいるのが現状です。

その一つ目が、「EDIST.CLOSET」と言うファッションレンタルサービスです。サービスを開始(2016年1月)して1年数ヶ月が経ちました。当初は「服を借りる」という事に対する理解を得る事、浸透させる事に時間がかかり苦戦しました。広告を打っても、「服を借りる」事に対する理解がない中では、効果がありませんので、人気のあるインスタグラマーやブロガーに集まって頂き、記事を書いてもらう等、様々な集客方法に挑戦してきました。試行錯誤の結果、1年くらい経って、ようやく「ファッションを借りる」事に対する理解が広がり、認知度も高まってきたようです。去年の暮ぐらいから、多くの新規ユーザーの獲得ができるようになってきました。引き続き、様々な方法で認知度の向上に取り組み、集客力を強化していきたいと思います。

新規ユーザーが順調に伸びている「EDIST.CLOSET」(https://www.edist.jp/
Q11:「EDIST.CLOSET」は競合するサービスがあると聞いています。御社の強みを教えて下さい。

競合は大きなところで2社あります。(株)エアークローゼットさんの「エアークローゼット」と、“「earth music & ecology”を主力ブランドとするSPA(製造小売り)、(株)ストライプインターナショナルさんの「mechakari」(メチャカリ)です。「エアークローゼット」は、20代の女性をターゲットとし、自分の好みを登録しておくと、エアークローゼット側のスタイリストが洋服を選んで送ってくれます。ですから何が来るか、わかりませんが、それはそれで楽しい部分があると思います。「mechakari」は自社商品のレンタルです。アパレルブランドによる自社商品レンタルサービス、或いは“earth music & ecology”ファンに対するレンタルサービスと言う事ができると思います。ターゲットは、10代から20代前半の若い女性で、「エアークローゼット」とは異なります。

これに対して、当社の「EDIST.CLOSET」のターゲットは、働く女性、ママですから2社とは異なります。スタイリストがコーディネイトしたワンセットをレンタルしますが、数ヶ月先まで送られてくるセットが事前にわかります。ターゲット、サービス共に「エアークローゼット」や「mechakari」とは異なります。ただ、「エアークローゼット」にしても、「mechakari」にしても、競合という意識はありません。むしろ、「ファッションを借りる」と言うマーケットを3社でつくっていきたいと考えています。

Q12:収益性の面では、いかがでしょうか?

収益性も期待できます。「EDIST.CLOSET」は、月々の金額が決まっているのと(プレミアム会員:3ヶ月契約で月額8,300円、一般会員:1ヶ月毎の契約で月額8,800円。いずれも税抜き)、プレミアム会員として入会して頂けるお客様が多くなっていますので、半年から1年程度のLTV(Life Time Value)を計算できます。ゲームのように爆発的に伸びる事はありませんが、ゲームよりは長い期間収益貢献してくれると考えています。
秋に向けて、コーディネイト・セットのラインナップの拡充を図る計画ですし、お客様がコーディネイト・セットを選ぶ事ができるサービスの導入も予定しています。

Q13:「Yahoo!ゲーム プレイヤー」のリリースは興味深く読ませて頂きました。「Yahoo!ゲーム プレイヤー」とは、スマートフォン向け人気ゲームアプリをパソコンで楽しむ事ができるPC用アプリケーションです。御社にはどのような収益機会があるのでしょうか?

ヤフーさんが「Yahoo!ゲーム プレイヤー」をつくる際に開発を協力した、という事しかお話しできません。それ以上の事は契約上の制約で説明する事ができないのです。
ブラウザゲームは、GREE、Mobage、mixi等、一つのタイトルを複数のプラットフォームで配信する事ができ、売上を積み上げる事ができましたが、スマートフォンの場合は、App StoreとGoogle Playの2つだけです。また、プラットフォーマーはそのプラットフォーム上で配信する場合、様々なプロモーションを企画してくれましたが、App StoreやGoogle Playに支援等は期待できません。一方、開発費や広告費は増えていますから、プラットフォームを横展開していくニーズはゲーム会社にあると思います。最近のスマホゲームは、“ながら”でする事が多いのですが、このサービスであれば、パソコンの画面にスマホの画面を表示させてゲームをしながらtwitterでチャット等といった使い方ができるようになります。

Q14:詳細がわからないまでも、確かにニーズがあると思いますから、今後の展開が楽しみですね。話は変わりますが、VR/AR/AI等の技術的な取り組みについては、いかがでしょうか?昨年8月に、AR技術カンパニー Kudan(株)と業務提携して、AR技術を活用したサービスの開発を開始しました。

現状では、いろいろ調査をしていて、仕込み中である、としか言えません。KudanさんとARに関する提携を行い、その後も、AppleがARに力を入れてきていますし、VRも相当進んできています。技術的な取り組みは進んでいますから、後は、どのようなコンテンツ、どのようなサービスと結びつけるかです。VR機能については、「欅のキセキ」で導入予定ですので、楽しみにして下さい。

注:AR技術は、眼鏡型ディスプレイ、スマートフォンなど多様なデバイスで、現実空間の物体等に情報を重ねる事で新たな認識を与える技術。VR(Virtual Reality:仮想現実)技術よりも広範な領域で大きく発展していくと期待されている(同社資料より)。
業績見通しについて
Q15:御社は業績予想を開示されていませんが、お話を伺っていると、下期以降の業績に大きな期待が持てそうですね。

ハイ、そのつもりで進めています
「欅のキセキ」を軸に、「EDIST.CLOSET」なども黒字化に寄与するので、業績は急速に回復できると考えています。

Q16:「欅のキセキ」プロジェクトのプレスリリースを受けて株価が急騰しました。投資家の皆さんへメッセージはありますか?

期待されていることは株主様からの問い合わせからも感じています。アプリリリース後、業績において結果で示すことがさらなる株価の評価につながると考えています。ゲーム業界の競争が激化する中、ブラウザのプラットフォームに回帰する会社、IPに特化する会社、ゲーム以外に事業領域を広げている会社、ゲーム事業から撤退した会社、ゲームの買収や運用の代行に力を入れている会社等、各社各様に取り組みを進めています。

こうした中で、我々は、現在「欅のキセキ」が成功するよう注力していますが、今後についても毎期、1~2本の新規タイトルをリリースしていきたいと考えていますので、「欅のキセキ」の次のタイトルの準備も進めています。
今回のタイトルは、ご縁があって非常に強いIPを獲得できたので期待できますが、ボラティリティが高いゲームの一本足経営から脱するべく、ゲーム以外の事業も育成していく考えです。投資家の皆様には、今後ともご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

「業績は急速に回復できる」と安徳社長の言葉から今後への強い期待と自信が伺えた
丁寧なご回答を頂き有難うございました。「欅のキセキ」については、自信のほどをうかがい知る事ができました。また、「EDIST.CLOSET」についても理解が進み、改めて興味を持つ事ができましたし、「Yahoo!ゲーム プレイヤー」はゲーム業界全体と言う視点からも、興味深いものでした。
ゲーム業界は競争が激化する中で、ゲーム各社が生き残りをかけてパラダイムシフトが起こりつつあるように感じます。女性ユーザーに対する強みを活かしつつ、新たな取り組みにチャレンジしていく御社の今後に期待したいと思います。
取材を終えて
「欅のキセキ」については、慎重に言葉を選んでの受け答えではあったものの、安徳社長の自信のほどをうかがい知る事ができた。強力なIPである事がその背景にある事も確かだが、リリースまで数ヶ月となった現在に至るまで、版元の高い評価を得つつ開発が順調に進んでいる事の証左であると考える。
それにしても、担当の執行役員の方が、大のアイドルファン、大の欅坂ファンだったとは…。これも何かの縁(えにし)と言ったところだろうか。こんなところからも、起死回生のヒットの予感。ちなみに、社名のenishは「縁(えにし)」を由来とする。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書   更新日:2017年04月06日
基本的な考え方

当社は、企業価値を継続的に高めていくためには、迅速な意思決定や適切な業務執行と共に、経営の健全性と透明性を高める経営監視システムを強化し、機能させることが極めて重要だと認識し、ステークホルダーの信頼維持のため、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。

<実施しない主な原則とその理由>

■原則5-2 経営戦略や経営計画の策定・公表
モバイルゲーム事業を取り巻く環境の変化が激しく、当社の業績も短期的に大きく変動する可能性があること等から、具体的な数値目標を算出することが困難となっているため、決算業績及び事業の概況のタイムリーな開示に努め、具体的な数値目標については開示を見合わせます。

<開示している主な原則>

■原則1-4 いわゆる政策保有株式
当社は、モバイルゲーム及び周辺サービス事業に注力するため、当面は、上場株式を保有しない方針であります。なお、今後、政策保有をする場合、中長期的な企業価値向上の観点から、個別に賛否を判断いたします。

■原則1-7 関連当事者間の取引
関連当事者取引については、取引条件及びその決定方法の妥当性について取締役会で審議し、意思決定を行う方針であります。
また、取締役会での意思決定後も、経理部門が取引の内容等の事後的なチェックを実施しています。

■原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針
当社は、株主との建設的な対話を促進するため、経営陣幹部等を中心に様々な機会を通じて株主と対話を持つよう努めております。
また、広くIR活動を行うため、IR担当役員として取締役執行役員管理部長を指定し、IR担当部署として管理本部経営企画を指定するとともに、経理、総務等の関連部門と有機的な連携に努めております。
アナリストや投資家および株主にタイムリーに情報提供するとともに、お問い合わせに迅速かつ適切に対応するよう努める一方で、対話に際してのインサイダー情報の管理を徹底するよう努めております。なお、株主の意見や懸念につきましては、必要に応じて経営陣幹部や取締役会に報告しております。

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