(2179:JASDAQ) 成学社 映像授業が受験生のニーズを取り込み2桁伸び

2017/07/12

seigakusha

今回のポイント
・17/3期の売上高は前期比2.0%増の108億88百万円。クラス指導が塾生数低迷で減収だったが、個別指導では主力の「個別指導学院フリーステップ」が堅調に推移するとともに、フランチャイズ展開も伸張。小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」も通年で寄与した。人件費、2017年4月に立ち上げた新規事業に向けた先行投資などで営業利益は同48.4%減の2億6百万円となった。

・18/3期の売上高は前期比6.6%増の116億9百万円の予想。個別指導の堅調な推移、「かいせい保育園」の認可保育所化、新規事業である「開成アカデミー日本語学校」の貢献などにより増収を見込む。営業利益は同7.6%減の1億91百万円の予想。認可保育所の新規開園を見込むなど、先行投資が継続的に発生する。認可保育所開園に伴う補助金収入、減損損失の負担軽減などで、経常利益、当期純利益は増益予想。配当は前期に比べ0.30円/株増配の10.40円/株の計画で、予想連結配当性向は35.4%。

・今期もクラス指導は厳しい環境が続くが、個別指導は主力ブランド「個別指導学院フリーステップ」が堅調であることに加え、「代ゼミサテライン予備校」も大学受験に特化した映像授業という点が受験生のニーズを取り込み2桁の伸びが続き、金額はまだ小さいもののフランチャイズ事業も2年で約3倍と急成長を遂げているなど、強固な収益基盤を構築中で全体のトップラインは今後も堅調に推移しよう。その意味でも、先行投資がいつ頃から実を結び始めるのかが大いに注目される。

会社概要

大阪府を中心とした近畿圏および東京都で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。2015年4月には、乳幼児から未就学児を対象にした保育事業を開始した。また、子会社において、英会話教室、学習塾の運営、学校法人等への講師派遣を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢、(株)global bridge 大阪、APLIS INTERNATIONAL EDUCATION CORP.の連結子会社4社。

(株)アプリス (100%) 広告の企画・立案・製作、学校法人等への講師派遣、飲食店の運営、英会話教室「IVY」の運営
(株)個夢 (100%) 「個別指導学院フリーステップ」の運営(旧ブランド「個別教育システム アイナック」からブランド統合)
(株)global bridge 大阪
(100%)
認可保育所「アイテラス保育園」の運営
APLIS INTERNATIONAL
EDUCATION CORP.
日本人を対象に英語教育を行う「Kaisei English Academy」の運営(2017年7月開始予定)
<沿革>

1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始した。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のFC事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には奈良県へ教室展開。15年3月には、徳島県、香川県にFC教室を開校し、四国にまで教室展開を拡大した。15年4月には、知育特化型保育園「かいせい保育園」(17年4月より認可保育所として運営)、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」を開園し、保育園事業を開始した。17年4月には、外国人留学生を対象にした「開成アカデミー日本語学校」を開校している。

M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所より学習塾を譲受し、「京大セミナー」(後に「開成教育セミナー」にブランド統合)を開校。同年12月には兵庫県東播磨地区で個別指導専門塾「個別教育システム アイナック」を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックス(13年に当社を存続会社として吸収合併)を設立し、同年3月より首都圏で学習塾の運営をスタート、11年12月には英会話教室の運営ならびに英語を公用語とする外国人講師の学校法人等への派遣を主な事業とする(株)アイビー(13年に子会社アプリスを存続会社として吸収合併)を連結子会社化した。15年12月には、認可保育所を運営する(株)global bridge 大阪の全株式を取得し連結子会社化、17年3月には、連結子会社がフィリピン共和国にてAPLIS INTERNATIONAL EDUCATION CORP.を設立し、連結子会社化している。
03年6月には飲食事業、04年7月には所有不動産の有効活用を目的とした不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在2店舗を運営している。

<事業内容>

事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上高構成比は、それぞれ98.4%、0.4%、1.2%(17/3月期)。

教育関連事業

クラス指導部門では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」の塾名で教室を展開しており、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、「ハイグレード個人指導ソフィア」、「アルスポート」のほか、高校生以上を対象に映像配信授業を行う「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」を展開している。また、「個別指導学院フリーステップ」ではFC事業を展開。その他の指導部門では、学校法人等への講師派遣、英会話教室「IVY」の運営、小学生の滞在型アフタースクール「かいせい こどもスクール」、知育特化型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」、「アイテラス保育園」の運営を行っている。
2017年3月末の教室数は、直営236教室、フランチャイズ21教室。

飲食事業

大阪市内に飲食店舗を2店舗運営している。

不動産賃貸事業

不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。

<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>

学習塾業界では、少子化の影響、顧客ニーズの多様化から、顧客の学習塾に対する選別基準が厳しくなっている。同社では、業界内の競争激化に対応すべく、教務内容の充実によるサービス水準の向上、英会話教室の運営、学校法人への講師派遣を通じて、総合教育企業として発展を目指している。
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子ども達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子ども達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、ICT時代に対応できる授業コンテンツの提供も含め、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。

2017年3月期決算概要
個別指導が堅調で増収も先行投資などで減益

17/3期の売上高は前期比2.0%増の108億88百万円。クラス指導が塾生数低迷で減収だったが、個別指導では主力の「個別指導学院フリーステップ」が堅調に推移するとともに、フランチャイズ展開も伸張。小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」やM&Aも寄与した。
人件費、「開成アカデミー日本語学校」など新規事業に向けた先行投資などで営業利益は同48.4%減の2億6百万円となった。

(教育関連事業)

増収・減益。
クラス指導部門では塾生数の減少が影響し減収となったものの、個別指導部門では「個別指導学院フリーステップ」を中心とした塾生数の伸びおよびフランチャイズ展開が堅調に推移したこと、その他の指導部門では前期より順次開園している小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」が通年で寄与した。
ただ、継続的な人員確保のための人件費および人材募集コストが増加したこと、今春より事業を開始した「開成アカデミー日本語学校」の開校および認可保育所の開園にむけた人員採用、設備投資を実施したことで費用が増加し減益となった。

<クラス指導部門>
市場規模が縮小している影響もあり引き続き状況は厳しい。塾生の募集期にあたる夏期講習会の参加者数が低調であったことや、その後の通塾につながる塾生数の伸び悩みが影響し、11月末時点における塾生数は減少が続いている。また、12月以降の塾生数においてもトレンドは変わらず、塾生数は前年割れとなっている。

<個別指導部門>
主要ブランドである「個別指導学院フリーステップ」においては、特色である「大学受験に強いフリーステップ」、「点数アップに強いフリーステップ」を継続的にアピールし集客力を高めている。また、一時期低迷していた「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」が持ち直したことで、塾生数は増加した。

<その他の指導部門>
前期より事業を開始した小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」が寄与した。

(不動産賃貸事業)

減収・減益。
事業拡大に伴い自社利用スペースを拡大したため、賃貸スペースが縮小した。

(飲食事業)

減収・損失幅縮小。
個人消費の伸び悩み等の影響により、厳しい店舗運営環境が続いており減収となったが、顧客層を絞り込んだ店舗運営、食材仕入および人員配置の効率化が奏功し、営業損失は縮小した。

現預金、現預金の減少などにより、流動資産は前期末比1億23百万円減少。建物の増加などで固定資産は同3億52百万円増加。資産合計は同2億28百万円増加の68億29百万円となった。
仕入債務が減少したが短期借入金が増加し、流動負債は2億20百万円の増加。長期借入金の減少などで固定負債は同71百万円減少したことで、負債合計は同1億48百万円増加の45億43百万円となった。
利益剰余金の増加により純資産は同80百万円増加の22億85百万円となった。
この結果、期末の自己資本比率は前期末とほぼ変わらず33.5%となった。

税金等調整前当期純利益の減少などで営業CFのプラス幅は縮小した。
有形固定資産の取得による支出の拡大、長期貸付けによる支出などで投資CFのマイナス幅は拡大し、フリーCFはマイナスとなった。
長期借入れによる収入の減少などで財務CFのマイナス幅も拡大。
キャッシュポジションは低下した。

(4)トピックス
◎顧客満足度調査において部門賞を受賞

株式会社イード(東証マザーズ、6038)が運営する教育情報サイト「リセマム(http://resemom.jp/)」が、塾の顧客満足度調査を実施し、イード・アワード2016「塾」を発表。

成学社の「個別指導学院フリーステップ」は、高校生・大学受験生を対象とした個別指導カテゴリーで、「講師が良い塾」、「授業が分かりやすい塾」の2部門で部門賞を受賞した。

◎「安心塾バイト認証」を取得

公益社団法人全国学習塾協会による「安心塾バイト認証(※)」を取得した。
個別指導において非常勤講師として活躍する大学生アルバイトの重要性が高まるなか、労働環境の整備、待遇の適正性が第三者機関に評価されたことで、アルバイト応募者数も増加することが期待できる。

(※)「安心塾バイト認証制度」とは
2016年12月に公益社団法人全国学習塾協会が定めた、学習塾に従事するアルバイト講師の適正な労働環の保護と、学習塾業の健全な発展と信頼性向上を図るため、学習塾業界においてアルバイト講師の労働条件を適正に確保している事業者に「安心塾バイト認証」を付与する制度。厚生労働省と文部科学省の連名により公表された「学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表」に則った運営を行っている事業者を評価する。
◎英語教育実施のための会社をフィリピンに設立

連結子会社である株式会社アプリスが、フィリピン共和国に英語教育実施のための子会社を設立した。

(背景)
成学社は「乳幼児から社会人までの教育および保育を基本とする教育企業」を事業ドメインに掲げ、あらゆる教育の分野での事業の拡大、発展を図っている。
こうしたなか、英会話教室を運営しているアプリスは、日本に近く、英語が公用語の国であるフィリピン共和国で日本人向けに本格的な英語教育を実施するための子会社「APLIS INTERNATIONAL EDUCATION CORP.」を設立した。

APLIS INTERNATIONAL EDUCATION CORP.はフィリピン・セブ市で英語学校「Kaisei English Academy」を運営、英語初級者・中級者の日本人を対象に英語教育を行う。2017年7月開校予定。

(「Kaisei English Academy」の概要)
特徴は以下の通り。
① Spiral Learning System
セブ語学学校では初のシステムである1日2回のテストと授業が連動し、短期間での英語力アップを図る。

② Japanese Life Style
環境変化によるストレスを極力軽減するため、日本での生活に近い環境を整えている。また、日本人スタッフが常駐し、生活をサポートする。

③ 多様なコース設定
4コマのマンツーマンレッスン、2コマのグループレッスン、1コマのサポート自習をセットとした「General ESL Course」、よりコマ数の多い「Power ESL Course」、中学生および高校生向けの「英検対策Course」を設置するほか、個人の要望に応じて授業のアレンジを行う。

2018年3月期業績予想
増収・営業減益、経常増益

売上高は前期比6.6%増の116億9百万円の予想。個別指導の堅調な推移、保育事業の通期寄与、新たに開校する日本語学校の貢献などにより前期比増収を見込む。
営業利益は同7.6%減の1億91百万円の予想。新たな認可保育所の開園を見込むなど、先行投資が継続的に発生する。
認可保育所開園に伴う補助金収入、減損損失の負担軽減などで、経常利益、当期純利益は増益予想。
配当は前期に比べ0.30円/株増配の10.40円/株の計画で、予想連結配当性向は35.4%。

(教育関連事業)

クラス指導部門は、引き続き環境は厳しく減収計画だが、小学生を中心とした低学年の取り込みを強化し、将来への成長へつなげる。
塾生数(例年ピークとなる11月末時点)は前期比399名減少の8,501名を計画。

個別指導部門は、堅調な「個別指導学院フリーステップ」を中心としつつ、代ゼミサテライン予備校の開講教室拡大など、高校生の取り込みを強化する。フランチャイズも引き続き好調で前期比7.7%増収予想。
塾生数は前期比1,221名増加の17,126名を計画。

その他の指導部門では、認可保育所「かいせい保育園」の開園、外国人留学生を対象とした「開成アカデミー日本語学校」の開校により大幅増収を予想。
塾生数は前期比176名増加の528名を見込む。

(不動産賃貸事業)

自社利用への変更を見込み減収予想。

(飲食事業)

既存店舗の運営効率を改善し、早期の黒字化を目指す。

(3)教室展開

全体の直営教室は前期末比21教室増の257教室を計画。
クラス指導は前期末比3教室増の103教室を計画。夏期講習会、新年度の開校時期に合わせて開校を進める。
個別指導は前期末比16教室増の203教室を計画。塾生数の伸びが期待できる東京都で積極的に開校を行う。
その他指導部門は前期末比2教室増の13教室を計画。2017年4月に認可保育所「かいせい保育園」を2カ所開園。来期の開園に向けた準備に注力し、5月以降の今期中開園予定は無い。

フランチャイズ教室は前期末比11教室増の32教室を計画。年間10教室程度の開校を継続する。

今後の注目点
今期もクラス指導は厳しい環境が続くが、個別指導は主力ブランド「フリーステップ」が堅調であることに加え、「代ゼミサテライン予備校」も大学受験に特化した映像授業という点が受験生のニーズを取り込み2桁の伸びが続く。また、金額はまだ小さいもののフランチャイズ事業も2年で約3倍と急成長を遂げているなど、強固な収益基盤を構築中で全体のトップラインは今後も堅調に推移しよう。
その意味でも、先行投資がいつ頃から実を結び始めるのかが大いに注目される。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

最終更新日:2017年6月28日
JASDAQ上場企業としてコーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。

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