(4317:JASDAQ) レイ 厳しい環境続くも上期営業赤字から黒字に転換

2017/06/28

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今回のポイント
・17/2期は前期比1.2%の減収、同22.4%の営業減益。下期はコンサートや舞台案件の取り込みが進んだが、競合案件の受注で苦戦した上期の落ち込み(前年同期比9.1%の減収)をカバーできず売上が減少。利益面では、大型プロジェクトの頓挫による2Q(6-8月)の損失計上(営業損失:△2億04百万円)が響いた。1株当たり6円の期末配当を予定。・18/2期予想は前期比6.1%の増収、同21.1%の営業増益予想。受注競争の激化で厳しい事業環境が続くが、特定案件での損失計上が響いた前期の反動で営業利益率の改善が見込まれる。上期は営業損益が前年同期の赤字から黒字に転換。下期は前年同期比で営業減益が見込まれるものの、季節要因で増加するイベント・展示会の取り込みにより上期比で営業増益が見込まれる。1株当たり6円の期末配当を予定。

・同社の強みは、制作領域と技術領域を持ち、映像、イベント、クリエイティブ、そしてプロモーションという4つの異なる領域をカバーし、顧客ニーズに合った総合的な提案やワンパッケージのサービスができる事。大手広告代理店向けビジネスを拡大させつつ、上記の強みを活かせる広告主からの直接受注やMICE(後述)関連ビジネスの比率を高めていく考え。

会社概要

セールスプロモーション(SP)やテレビコマーシャル(TVCM)等の、企画、制作、プロモーション、更にはイベントまでをカバー。ポストプロダクション(編集スタジオ)機能や映像機器を保有し、実制作部隊を備える事で、顧客ニーズに合った総合的な提案やサービスができる事が強み。グループは、同社と(株)クレイ、(株)マックレイの連結子会社2社、及び持分法関連会社の上海光泉会展有限公司。

【経営理念】
・会社はステージ、社員をアクター、経営者を演出家、そしてお客様と株主の皆様を観客と、置き換えることができると考えております。
・最先端のステージ(会社)で、アクター(社員)、演出家(経営者)全員が、それぞれプロ意識に徹し、十分にその実力を発揮し、多くの観客(お客様と株主の皆様)から拍手をいただくことは大変素晴らしく、当社グループの理想とするところです。
・当社グループは、その理想の下、常に会社組織、投資機材の一層の拡充、最先端化と全社員の絶え間ない質的向上を経営の基本方針としております。

同社は、小さなベンチャー企業から発展し、広告、プロモーションや番組等の映像制作ビジネスを立ち上げてきた。その発展を支えてきたのは上記の経営理念である。この経営理念の下、強みであるデジタル映像制作加工技術及びデジタル映像演出技術を活かせる市場機会への俊敏な取り組み、そして市場より得られたリターンをデジタル技術に再投資する事で能力を高め、その高められた能力を基に新たな市場機会に挑戦する、と言う不断のイノベーションを経営戦略として推進している。

【経営方針】

同社は創業36年を迎える現在の立ち位置を、次の30年に向けた第二の創業と位置付けており、キーワードとして「100億をベースにさらなる躍進」を掲げている。現在、大手広告代理店からの直接・間接(制作会社経由)の受注が全体の50%を占めており、残りの50%はエンターテイメントやMICE関連だが、次の30年に向けた企業創造では、深耕と領域拡大で大手広告代理店向けビジネスの拡大を図りつつ、エンターテイメントやMICE関連の売上構成比を引き上げていく(広告主からの直接受注や学会関連のビジネスの拡大)。また、業界再編を顧客フィールドの拡大につなげるべくM&Aの可能性も探っていく。

【事業セグメント】

事業は、SP(セールスプロモーション)やTVCM(テレビコマーシャル)等の企画制作を行う広告ソリューション事業と保有する各種映像インフラを活用した実制作やデジタル映像機材のレンタルを行うテクニカルソリューション事業に分かれる。同社グループは、企画制作領域と実制作領域をカバーする事で一貫したサービスを提供できる事が強みだ。テクニカルソリューション事業の全売上高の5%が広告ソリューション事業向けの内部売上であり、95%が顧客向けの売上である。
17/2期の売上構成比は、それぞれ48.3%、51.7%。連結調整前利益の構成比は、それぞれ9.2%、90.8%。

広告ソリューション事業

企業のSP、キャンペーン、イベント、展示会、ショールーム等の企画制作・運営を手掛けるSP・イベント部門とTVCMの企画制作を行うTVCM部門に分かれ、(株)レイと(株)クレイが事業を手掛けている。
尚、広告の制作は、クライアント及び広告代理店が方向性や戦略を決定し、戦略に基づいて企画・制作会社が詳細な実施計画を立案し、実制作作業を各種業者に発注する。

テクニカルソリューション事業

広告ソリューション事業が提案する企画制作を実現する事業だが、現在、グループ外への売上が全体の95%を占め、広告ソリューション事業向けの社内売上は5%にとどまる。イベント、展示会、コンサート、学会、会議等で使われる映像システム、特殊演出システム、ビジネスプレゼンテーション機器等のレンタル・オペレーションサービスを行う映像機器レンタル部門と、デジタル映像を中心に各種映像(テレビコマーシャル・番組等)の編集及びDVD・ブルーレイディスク・CG制作等を行うポストプロダクション部門に分かれている。
広告ソリューション事業と同じく請負事業で、主に制作会社から受注しているが、設備の償却負担がコストに占める割合が大きく、各種機材の稼働率が利益面での課題となる。

【強み   ワンパッケージサービス】

同社の強みは、制作領域と技術領域を持つ事で、映像、イベント、クリエイティブ、そしてプロモーションという4つの異なる領域をカバーし、顧客ニーズに合った総合的な提案ができる事。広告ソリューションで培ってきた企画制作力と、 IT・デジタル・映像を強みとしたテクニカルソリューションを駆使して、顧客の様々なニーズに、どの立ち位置からでも、どの段階からでも柔軟にサポートしていく。

※MICE
企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨(Incentive)、国際機関・団体、学会が行う国際会議(Convention)、及び展示会・見本市、イベント( Exhibition/Event)の頭文字をとったもの。多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントの総称。

広告フィールドに軸足を置いて事業を展開しているため、大手広告代理店向けの売上(直接及び制作会社経由の間接)が多いものの(広告代理店との取引は大手広告代理店のみ)、売上高の過半には届いておらず、エンターテイメントやMICE関連等の売上が過半を超えている。深耕と領域拡大で大手広告代理店向けビジネスを拡大させつつ、一般企業等の広告主からの直接受注やMICE関連ビジネスの売上構成比を引き上げていく考え。

*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。

17/2期は大型プロジェクトの頓挫による損失計上が響き、売上高営業利益率が悪化し(16/2期:3.11%→17/2期:1.92%)、ROEの低下要因となった。18/2期は売上高当期純利益率が2.3%に改善する見込み。

2017年2月期決算
前期比1.2%の減収、同22.4%の営業減益

(株)電通発表によると、2016年の国内総広告費は前年比1.9%増の6兆2,880億円と、5年連続で前年実績を上回った。一方、同社の売上高は前期比1.2%減の113億14百万円。下期はコンサートや舞台を中心に案件の取り込みが進んだものの、競合案件の不調による上期の落ち込み(前年同期比9.1%の減収)をカバーできなかった。利益面では、賞与を中心にした人件費の調整や広告宣伝費・旅費交通費の抑制に努めたものの、大型プロジェクトの頓挫による第2四半期(6-8月)の損失計上(営業損失:△2億04百万円)が響き、営業利益は3億63百万円と同22.4%減少した。

広告ソリューション事業

売上高54億70百万円(前期比7.3%減)、営業利益86百万円(同69.5%減)。上期の競合案件の取りこぼしや今期の売上計上を見込んでいた案件の来期へのずれ込み等で売上高が減少。利益面では、売上の減少に加え、第2四半期に発生した大型プロジェクトの頓挫による損失の計上が響いた。

テクニカルソリューション事業

売上高58億44百万円(前期比5.2%増)、営業利益8億56百万円(同6.1%増)。映像機器レンタル部門は、積極的に進めていた機材投資の効果でコンサートや舞台等の大型案件の取り込みが進み売上が増加。機材関連の経費増を吸収して利益率も改善した。一方、ポストプロダクション部門は、編集スタジオの稼動は堅調だったものの、受注単価の改善が進まなかった。

期末総資産は前期末に比べて38百万円増の84億79百万円。借方では、キャッシュ・フローの改善で現預金が増加する一方、たな卸資産が減少。有形固定資産は全体では減少したものの、編集スタジオ設備の増設で建物及び構築物が増加した。器材投資は4億30百万円(前期は6億87百万円)。貸方では、仕入債務や純資産が増加する一方、長期借入金の約定返済により有利子負債が減少した。自己資本比率43.9%(前期末42.2%)。

たな卸資産や税金費用が減少する一方、仕入債務が増加した事等で資金効率が改善し、前期は8億14百万円だった営業CFが12億15百万円に増加した。

2018年2月期業績予想
前期比6.1%の増収、同21.1%の営業増益予想

通期業績は、特定案件での損失計上が響いた前期の反動で営業利益が同21.1%増の4億40百万円と伸びる。

上期については、営業損失となった前年同期との比較で営業損益が大幅に改善するものの、受注競争の激化で営業利益率は低位にとどまる見込み。映像機器レンタル部門は、足元、大型案件の受注がないため、機材関連の経費が増加する中、売上の減少が見込まれる。一方、他の3部門は引き合いが堅調ながら、価格要請の強まりで利益面での苦戦が予想される。

下期については、前年同期比では増収・減益を見込むものの、季節要因で増加するイベント・展示会の取り込みにより上期比では増収・増益となる見込み。

尚、器材投資は前期の4億30百万円を上回る6億44百万円(レンタル用60%、ポストプロダクション用40%)を計画しており、人材の採用と育成への投資についても継続的に取り組んで行く。

(2)今後の方針

同社は創業から30有余年が経過した現在の立ち位置を、次の30年に向けた第二の創業と位置付けており、キーワードとして「100億をベースにさらなる躍進」を掲げている。18/2期の各事業・各部門の方針は次の通り。

18/2期方針

広告ソリューション事業
SP・イベント部門では、事業拡大に向け、100人規模(現在約70人の1.5倍)の組織を目指して採用を再加速させる。TVCM部門では、ハイクオリティなCM制作を軸として、インテグレート・ダイレクトをコンセプトにプロダクション機能を強化していく。

テクニカルソリューション事業
映像機器レンタル部門では、仕掛ける営業を継続的に進め、組織的プレーで新たなビジネスを開拓していく。また、利益率向上のためのコスト意識と外注費の削減に加え、新たなジャンルや顧客の開拓にチャレンジする。ポストプロダクション部門では、CM依存からの脱却を目指して、映像業界で全方位営業を展開する。

今後の注目点
同社の強みは、制作領域と技術領域を持ち、映像、イベント、クリエイティブ、そしてプロモーションという4つの異なる領域をカバーしている事。このため、顧客ニーズに合った総合的な提案やワンパッケージのサービス提供が可能だ。制作業務が中心の広告代理店向けでは強みを十分に活かせないが、企業(広告主)との直接取引やMICE関連では総合的な提案やワンパッケージサービスが強みを発揮する。加えて、MICE関連は映像機器レンタルとのシナジーも期待できる。同社は、大手広告代理店向けビジネスを拡大させつつ、広告主との直接受注やMICEビジネスの比率を高めていく考え。非広告代理店取引の拡大により潜在成長力を顕在化させる事ができるか、注目していきたい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書      更新日:2016年11月04日
基本的な考え方

当社は、株主をはじめとした全てのステークホルダーの皆様の信頼に応え、継続的な企業価値の向上と健全で透明性が高く、環境の変化に柔軟に対応できる経営を重要な課題と位置付け、経営効率の更なる向上を図りつつ、業務遂行の意思決定機関である取締役会の充実、コンプライアンス遵守等、コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取組みを推進しております。また、企業活動の展開にあたり、法令を遵守し、社会倫理に従って行動するという観点から、当社グループの役員及び従業員の基本的な行動の規範を定めた「レイグループ行動規範」を策定し、役員、従業員に遵守、徹底を図っております。

<実施しない主な原則とその理由>

当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。

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