(9441:JASDAQ) ベルパーク 前期比減収も利益率の改善を見込む

2017/03/15

BellPark

今回のポイント
・16/12期は前期比0.6%の減収、同11.4%の営業減益。総務省の新ガイドラインを受けて新規ユーザーの過度な優遇を目的とした販売慣行が是正され、新規販売を中心に携帯電話販売台数が減少した一方、光回線獲得件数は増加した。利益面では、正社員比率(非正規社員の正社員登用)の上昇により人件費が増加したほか、修理サービスが減益となった。尚、主力事業のソフトバンクショップの販売チャネルについては、前述の内容以外に店舗数の増加や付属品販売の注力により、売上高・営業利益は15/12期と同水準で着地した。1株当たり15円の期末配当を予定している(上期末配当15円と合わせて年30円)。

・17/12期予想は前期比6.3%の減収、同1.9%の営業増益。携帯電話販売台数減少のトレンドは継続するが、光回線、アクセサリー、IoT関連商材等の販売は増加を見込む。ただ、人材教育や店舗運営の効率化による営業費用の減少で営業利益率の改善が見込まれる。配当は上期末15円、期末15円の年30円を予定。

・キャリアショップは、携帯電話端末販売に加え、光回線、電気、ガス、保険、ネットショッピングへの案内、ロボット、ウェアラブル端末等の生活インフラサービスの商材を取り扱う総合窓口へと変化しつつある。1人の顧客、1つの家族に対する携帯電話、光回線、IoT商材等の様々なサービスを組み合わせたトータルコーディネートにより収益を追求していく必要があり、高いホスピタリティとコンサルティング能力を備えたショップスタッフを育成していく事が勝ち残るためのポイントとなる。同社は効率化を図りつつ、引き続き人材の教育・育成に力を入れていく考え。

会社概要

移動体通信事業者のキャリアショップ運営を主力事業とする独立系携帯電話販売代理店。連結子会社(株)ベルパークネクストとグループを形成し、東名阪を中心に282店舗のキャリアショップ網を有する(16年12月末現在)。店舗の内訳は、ソフトバンクショップ256店(直営198店・FC58店)、ドコモショップ8店(直営8店)、auショップ8店(直営8店)、ワイモバイルショップ10店(直営6店・FC4店)。(株)ベルパークがソフトバンクショップを中心に、auショップ、ワイモバイルショップ、Apple関連店舗の運営を行い、(株)ベルパークネクストがドコモショップの運営を行っている(ドコモショップは、(株)富士通パーソナルズ及びMXモバイリング(株)傘下の二次代理店として展開)。2016年8月に子会社(株)ベルブライド(非連結)を設立し、結婚相談所・結婚支援サービス事業を開始した。

【ミッション   -素敵な未来を-】

これから本格的に「IoT(Internet of things)」、「AI(人工知能)」、そして「ロボット」の時代が訪れようとしています。
「素敵な未来を」お客様に提供したい。
この新しい「ミッション」を胸に、私たちは、モバイルを軸に「IoT」、「AI」、「ロボット」等の様々なサービスを組み合わせて、お客様一人ひとりにあったコーディネートを提案し、素敵な未来を提供いたします。

【ビジョン   -人材を育成し、サービスを革新し、中長期に成長する企業グループを目指します。-】

「私たちが今後目指す姿」
当社は携帯電話の販売代理店です。1993年の創業以来、この分野で成長を続け、店舗数で業界TOP10の位置にいます。(2016年時点)

日本には三大財閥、三井、三菱、住友があります。現在の当社には、はるか遠くに仰ぎ見る連峰のように、偉大な企業群です。三井財閥は、松坂の商人、三井高利が創業した越後屋三井呉服店から。 三菱財閥は、岩崎弥太郎が創立した三菱商会から。 住友財閥は、二代目の住友友以が起こした銅精錬業を元に、どの財閥も一つの事業から巨大な企業集団へと成長していきました。財閥は当初から財閥ではなく、小さな会社規模から祖業を極めながら、時代の変遷の中で次の時代への事業を次々と起こしていったのだと思います。

ベルパークは、モバイルの代理店業が本業であり祖業です。私たちが中長期に成長するためには、恐れ多い言い方になりますが、三大財閥と同じように時代の変遷を見極めながら、新たな事業に取り組み続けたいと考えます。
現在の当社は、平たく言うと、技術系のメーカーではなく、金融系の会社でもなく、小売・サービス業に近い、「携帯電話の代理店」と言う、ここ20年に勃興した新興分野に位置します。この分野において、大手資本のバックがない独立系の会社として、成長してきた会社です。

当社の企業カルチャーをキーワードで表すと、「若さ」、「元気」、「思いやり」、「誠実」、「熱いチームワーク」であると思います。なんか青臭いなと思われるかもしれません。

このイメージをさらに等式で表すと、
ベルパークの企業カルチャー = 「若さ」×「元気」×「思いやり」×「誠実」×「熱いチームワーク」
ベルパークの強み = 「人材育成力」×「企業カルチャー」
という事になるかと思います。

私たちは、これからも絶え間なく人材を育成し続け、私たちの成長と共に革新的なサービスを次々と生み出し、その革新的なサービスでお客様に感動しご満足いただくことで中長期で成長できる企業グループになることを目指したいと思います。

【バリュー】

(1)私たちは、自分たちの可能性を信じ、チャレンジし続けます。
(2)私たちは、自由闊達な社風を尊重し、活発な議論のもと、創造性を発揮し、成長し続けます。
(3)私たちは、お客様や従業員、取引先、株主および地域社会などの ステークホルダーとの相互繁栄に取り組み続けます。

*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
2016年12月期決算
前期比0.6%の減収、同11.4%の営業減益

売上高は前期比0.6%減の896億29百万円。光回線獲得件数が増加したものの、新規販売を中心に携帯電話販売台数が減少。Apple社の正規サービスとして手掛けるApple製品の修理サービスの売上も減少した。
営業利益は同11.4%減の28億46百万円。光回線獲得件数の増加による手数料収入の増加等で売上総利益が微増したものの、正社員登用に伴う人件費(5億21百万円増の88億82百万円)を中心に販管費が増加した。主力事業のソフトバンクショップの販売チャネルについては、前述の内容以外に店舗数の増加や付属品販売の注力により、売上高・営業利益は15/12期と同水準で着地した。

尚、ソフトバンク携帯電話総販売台数は前期比5.8%減の686千台。機種変更が476千台と同7.6%増加したものの、新規販売が209千台と同26.6%減少した。また、期末のキャリア認定ショップ数は、ソフトバンクショップ256店舗(15/12期末251店舗)、ドコモショップ8店舗(同8店舗)、auショップ8店舗(同8店舗)、ワイモバイルショップ10店舗(同10店舗)の計282店舗(同277店舗)。

事業領域拡大に向けた挑戦

非連結子会社 株式会社ベルブライド(東京都千代田、代表取締役 吉澤正弥)を設立して結婚相談所・結婚支援サービス事業に進出した。ベルブライドは、専任コンシェルジュによるオーダーメイド婚活で成婚率業界No.1を目指す。店舗は、永田町・麹町本社と渋谷マークシティ店の2店舗。

期末総資産は前期末に比べて38億16百万円増の340億21百万円。携帯電話販売台数の減少で売上債権・仕入債務が減少する一方、M&A等を念頭に50億円の長期借入を行ったため、現預金が増加した。自己資本比率は52.0%(前期末53.8%)。

税引前利益が減少する中、法人税等の増加で運転資金が増加したものの、10億13百万円の営業CFを確保した。一方、投資CFでは、キャリアショップの快適性向上を図るため、什器の刷新や内装工事等のクレンリネス向上に取り組んだ事もあり、有形固定資産の取得による支出が増加した。

2017年12月期業績予想
前期比6.3%の減収、同1.9%の営業増益

携帯電話販売台数減少のトレンドは継続するが、光回線、アクセサリー、IoT関連商材等の販売増を見込む。ただ、人材教育や店舗運営の効率化による営業費用の減少で営業利益率の改善が見込まれる。
また、上期は年度末商戦の縮小で減収・減益を見込んでいるが、下期はiPhoneの新製品効果で増収・増益に転じるとみている。

配当は1株当たり上期末15円、期末15円の年30円を予定。株主への利益還元を安定的に維持継続していく方針で、大きな成長機会に備えて内部留保を着実に積み上げていく。
また、株主優待を実施しており、上期末と期末の年2回、1単元(100株)以上保有の株主に一律クオカード1,000円分を贈呈している。

事業環境予測と経営方針
【事業環境】

2015年9月の安倍首相による通信料金の値下げ指示を受けて、2016年4月にスマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドラインの運用が開始された。これにより、移動体通信事業者(MNO)の新規ユーザーを過度に優遇する販売慣行が是正され、仮想移動体通信事業者(MVNO)のシェア上昇につながった。また、2016年5月には電気通信事業法が改正され、説明の充実や契約内容の書面交付の義務化等、消費者保護ルールが強化された。更に2017年に入ると、1月に、あんしんショップ認定制度が開始され、電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドラインも改正された。そして、2月にはモバイルサービスの提供条件・端末に関する指針の運用も始まった。

ユーザーの選択肢を拡大させるべく、「競争促進」をキーワードに、MNOへの対抗勢力として、MVNOを後押しする政策が進められている。このため、同社は、2017年もMNO系の販売代理店にとっては厳しい事業環境が続くとみているが、キャリアショップがMNOの売上と収益に貢献する重要な拠点である事に変わりはなく、MNOと販売代理店にとって、利用者のためになるサービスとは何かを戦略的に考え直すチャンスである、とも考えている。

【キャリアショップの将来像】

キャリアショップは、携帯電話端末販売に加え、光回線、電気、ガス、保険、ネットショッピングへの案内、ロボット、ウェアラブル端末等の生活インフラサービスの商材を取り扱う総合窓口へと変化しつつある。今後も技術革新を背景にIoTを活用した様々な商品・サービスが登場し、これに合わせてライフスタイルも大きく変化していくと予想される事から、同社は、キャリアショップが未来生活の相談窓口としての役割を担っていく、と考えている。

言い換えると、販売台数の減少傾向が続く中で、1人の顧客、1つの家族に対する携帯電話、光回線、IoT商材等の様々なサービスを組み合わせたトータルコーディネートにより収益を追求していく事になる。このため、高いホスピタリティとコンサルティング能力を備えたショップスタッフを育成していく事が勝ち残るためのポイントとなる。

【重要性を増す人事戦略】

人材育成には定着率の向上(退職率の引き下げ)が必須であり、そのためにはショップスタッフの労働環境を整備する必要がある。同社は16/12期に、正社員化の推進と共に、6連休取得やノー残業DAYの推進、更には細やかなメンタルケアができる体制整備(特定店舗に在籍しない流動スタッフを増員し、相談しやすい体制を構築)に取り組み、退職率を大幅に引き下げる事ができた。MNOと二人三脚で、引き続きショップスタッフの労働環境整備に取り組んでいく考え。

尚、「ソフトバンク接客No.1グランプリ2016」(エントリー数約14,000名)において、同社の社員が、1位(グランプリ獲得)と3位に入賞した。グランプリ獲得は2年連続である。また、同グランプリのファイナリスト14名中7名を同社の社員が占めた。

【中期定性目標】

中長期で安定した成長を継続するため、そして、顧客、株主、従業員、取引先等を含む全てのステークホルダーからの期待に応えるため、下記の通り、中期定性目標を策定した。中期定性目標の達成に向け、人材育成に力を入れ新しいサービスを創造していく考え。

1. 情報通信機器販売サービス事業で着実な成長を続ける。
人材の採用と育成、店舗運営の効率化、移転改装、適切な投資金額により店舗網拡大を図っていく。
2. 事業ポートフォリオの拡大に挑戦する。
既存事業で培ってきた人材育成、店舗運営ノウハウ等を活かせる他業種のM&A、新規事業開発の専門チームによるIoT商材・サービスの開発等を積極的に行う。
3. 強固な財務基盤を維持し、安定的な株主還元を実施する。

尚、2017年1月16日に株式会社メディロム(東京都港区、代表取締役 江口康二)の発行済株式総数の1.71%の株式を取得した。(株)メディロムは、リラクゼーションスタジオ運営やヘルスケアIT開発を通して健康増進分野から医療分野までを一貫して支援している。今回の株式取得により、(株)ベルパークの強みである通信や小売の分野と、(株)メディロムの強みであり、今後大きな成長が見込めるヘルスケア等の分野との融合を模索していく。
(株)メディロムは2000年7月の設立で、2016年12月末現在の資本金が4億4,120万円(資本準備金を含む)。

今後の注目点
消費者保護と通信事業者間の競争促進を目的としたサービス見直しの動きや、MVNO事業者及びMNOのサブブランドのシェア増加等で、引き続きキャリアショップの運営は厳しい環境が続きそうだ。こうした中、同社は髙いホスピタリティとコンサルティング能力を備えたショップスタッフの育成・拡充に取り組みつつ、IoT時代にあるべきサービスの姿を模索していく事になる。
中長期の成長に向けては、中期定性目標に示された、情報通信機器販売サービス事業の着実な成長と.事業ポートフォリオの拡大が必要になるが、足元では、人材教育や店舗運営の効率化が進んでいる模様で、四半期の業績推移を見ると販管費のトレンドが変わりつつある事がわかる。会社予想通り、下期に増収基調に転じれば、業績は回復軌道に乗ってくるのではないだろうか。事業領域の拡大には、もう少し時間が必要だが、強固な財務基盤を有し、成長投資のためのキャッシュも潤沢。今後の展開に期待したい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年01月06日
基本的な考え方

当社は、経営環境の変化に迅速に対応でき、経営の透明性が確保される経営管理体制を構築することをコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方としております。経営環境の変化に迅速に対応するため、取締役会を重要事項の意思決定及び業務執行状況の監督を行う機関と位置付け、迅速な意思決定を推進してまいります。また、経営の透明性の確保については、コンプライアンス及びリスク管理体制の強化並びに適時開示の徹底等に努めてまいります。

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