(3254:東証1部) プレサンスコーポレーション 例年以上に順調な業績推移を見込む

2017/03/08

pressance

今回のポイント
・「不動産に高付加価値を創造する」というビジネスモデルの下、近畿圏、東海・中京圏を中心にファミリー向け及びワンルームマンションを企画・開発・分譲する独立系マンションディベロッパー。近畿圏、東海・中京圏における分譲マンション供給戸数はそれぞれ第1位。全国でも第4位にランクインされる。豊富な供給実績と高いシェア、強力な営業力、健全な財務内容などが大きな強み。・17年3月期3Qの売上高は前年同期比4.5%増の729億61百万円。売上高は増加したが、開発用地取得費の上昇や建築工事費の高止まりにより売上総利益率は1.9%低下。比較的利益率の低い一棟販売の引渡比率の増加のため、営業利益は同13.7%減の124億47百万円、経常利益は同13.9%減の122億92百万円。
前年同期比では増収減益となったが通期予想に対する進捗率は概ね順調。

・17年3月期の通期業績予想に変更は無い。売上高は前期比27.7%増加の1,008億39百万円の予想。建築コストの上昇等で粗利率は今期も低下し、販促費用増加、人員増強を計画していること等から販管費も約3割増加するが、増収により吸収し、営業利益は同10.0%増加の154億66百万円の予想。期末配当は1株当たり12円40銭(3円65銭増額)、年間で21円15銭を予定、配当金の額は16年10月実施の1:4の株主分割を考慮。

・第3四半期の進捗率は売上高で72.4%、営業利益で80.5%。過去数年と比べるとややスローではあるが、マンション販売事業に関しては、第3四半期終了時点での受注進捗 (通期売上高予想に対する3Q時点での期末引渡予定) 98.4%は例年を上回っており、順調な業績推移といえるだろう。ただ、投資家の関心は今期の着地もさることながら、徐々に来期及びそれ以降の成長軌道に移っていくことになろう。引き続き、ホテル事業を含めた新エリアでの事業展開など各種施策の展開を注目したい。

会社概要

「不動産に高付加価値を創造する」というビジネスモデルの下、近畿圏、東海・中京圏を中心にファミリー向け及びワンルームマンションを企画・開発・販売する独立系マンションディベロッパー。近畿圏、東海・中京圏における分譲マンション供給戸数はそれぞれ第1位。全国でも第4位にランクインされる。豊富な供給実績と高いシェア、強力な営業力、健全な財務内容などが大きな強み。

【沿革】

大手マンションディベロッパーにおいて実績を上げていた山岸忍社長が、1997年10月に不動産販売を行う事を目的とし同社の前身である(株)日経プレステージを設立。1998年には初の自社ブランドマンションである「プレサンス難波東」を販売した。2000年には初の自社開発物件である「プレサンス心斎橋EAST」を販売するなど着実に実績を積み上げていく。
2002年、商号を現在の「株式会社プレサンスコーポレーション」に変更。
近畿圏から事業エリアを拡大し、2003年には東海エリアで初めての自社開発物件である「プレサンス名古屋城前」の販売を行うなど業容は順調に拡大し、2007年に東京証券取引所市場第2部に上場した。
2008年に東京支店を開設し、首都圏での事業展開も開始。着実な事業エリア拡大であったため、同年発生したリーマンショックの影響を大きく受ける事も無く成長を続け、2013年、東証1部にステップアップした。

【企業理念】
「一隅を照らす」

「一隅を照らす」とは、「一人一人が自身が置かれたその場所で精一杯努力し、他の人々のためにも働くことでまわりを明るく照らす。それがひいては社会全体を明るく照らし、世界の人々の平和や幸福の実現に結びつく。」という比叡山延暦寺(滋賀県)を開創し天台宗を開いた伝教大師・最澄上人の教え。滋賀県出身の山岸社長が同社の礎としている。

また、「一人一人が、自身が置かれたその場所で精一杯努力すること」に大きな価値を見出しており、「凡事徹底」という考え方を全社の行動指針としている。

【市場環境など】
◎市場環境

2016年1月~12月に全国の主要都市で発売された民間マンションは、7万6,993戸、首都圏、近畿圏は減少するも東北、中・四国、九州では大幅増となった。
首都圏3万5,772戸(11.6%減)、近畿圏1万8,676戸(1.3%減)、東海・中京圏4,782戸(2.6%減)、中国3,211戸(64.2%増)、四国1,145戸(56.2%増)、九州8,479戸(19.9%増)である。

同社は分譲マンション供給ランキングにおいて、近畿圏で7年連続第1位(2,435戸)、東海・中京圏で6年連続第1位(768戸)に加え、全国でも第4位(3,225戸)と高いシェアを有している。

◎同業他社

上の表に示されている企業と同社を様々な角度から比較してみた。

他社と比較すると、規模は決して大きくないながらも、完成在庫の少なさ、高水準な自己資本比率、低水準な有利子負債依存度、高収益性(経常利益率、ROE)が目を引く。
ただPBRは1倍を超えている一方で、PERは上昇したものの依然低水準にとどまっている。
多くの投資家に対する更なる認知度の向上および成長戦略の理解促進が必要となる。

【事業内容】

事業セグメントは、投資型分譲マンションであるワンルームマンションおよび実需向け居住型分譲マンションであるファミリーマンションの企画・開発・分譲を中心とした「不動産販売事業」と、ワンルームマンションの賃貸管理事業、建物管理事業などを手掛ける「その他」の2セグメント。

◎商品構成

同社が手掛けるマンションの概要は以下の通り。
価格帯はワンルームで約1,600万円、ファミリーで約3,200万円となっている。

◎事業エリア

自社ブランドマンションの販売を開始した1998年11月以降2016年12月末までの累計販売戸数は、近畿圏、東海・中京圏中心に全国で483棟、31,499戸となっている。

直近、2016年3月期の地域別供給戸数を見ると、近畿圏が67%、東海・中京圏が26%などとなっている。

ワンルームマンションは、近畿圏、東海・中京圏、ファミリーマンションは両圏に加え東京、沖縄を事業エリアとしている。首都圏は、市場規模は大きいものの、土地仕入コスト、販売価格等の要因からワンルームマンションは手掛けず、ファミリーマンションのみ分譲している。
今後は近畿圏、東海・中京圏におけるブランド力、シェアを更に向上させるとともに、新規エリア「広島」、「博多」への展開も進めていく。

【特長と強み】
①豊富な供給実績と高いシェア

前述の様に、同社は本社所在地の近畿圏のみならず、東海・中京圏において分譲マンション供給実績No.1であることに加え、全国レベルでも第4位にランクイン(2016年)という実力を有している。
高いシェアは、スケールメリットによる建築コストの低減や情報収集力の向上など大きなメリットをもたらしている。

②販売力の強さ

ワンルームマンションの販売において、同社では、営業部門全体で1物件を集中的に販売している。同一条件の物件を全員で販売することにより、社内競争が促され、営業員の士気向上に繋がっている。
また自社開発の同一ブランドのみを販売していることから、営業スタッフは物件の仕様や特長について細かい点まで熟知しているため、顧客の信頼も高い。
加えて、セミナーを開催するなど様々な手法で、潜在的なユーザーの掘り起こしに力を入れており、需要や市況変化への対応力が高い。

さらに、営業力の強化成長力の源泉は何をおいても人材だ。そのため人材教育には大変力を入れている。当社の強みである販売力の強さは、当社の教育力の現れでもある。
新入社員を一日でも早く戦力化する事が重要だが、そのために新入社員は先輩社員と常に行動を共にし、先輩社員のお客様への電話対応、資料作成、訪問時の会話など、成約に至るあらゆるシーンを繰り返し、繰り返し目で見て、耳で聞き、肌で体験させる。こうした成功体験の積み重ねによって、新入社員であっても、一人でクロージングできるまで自ずと成長していく。

これらの要因により、早期完売と安定した売上を実現している。

③健全な財務内容

高利益率、少ない完成在庫、早期の資金回収、プロジェクト融資の早期返済などにより高い自己資本比率を維持しており、有利な土地仕入が可能となっている。

2016年3月期は建築コストの上昇により粗利率や経常利益率は前期よりも低下したが、高水準を維持している。
また積極的な土地仕入を行ったため借入が増加し自己資本比率は低下したが、財務の健全性に影響の出るレベルではない。

④優れた商品力

「立地」、「仕様」、「価格」の3点において購入者に対し高い満足度を提供している。
「立地」においては利便性と先進性を重視し、都心の主要駅から徒歩10分圏内の物件を厳選する。
「仕様」においては高級感、快適性、機能性を重視し、浴室換気乾燥機付きユニットバス、ガス温水式床暖房、防音サッシ、遮音フローリングを標準装備として物件に高い付加価値を加えている。
「価格」については、高級感を持たせながらもリーズナブルな販売価格設定によって、高いコストパフォーマンスを実現している。
この様な取り組みにより、同社物件は長期にわたる高い資産価値・ブランド価値を有している。

⑤圧倒的な情報収集力

マンションディベロッパーにとっては、良質なマンション用地情報を、仲介業者、金融機関などからいかにして他社に先駆けて収集することができるかが、業容拡大のための重要なポイントである。
リーマンショックで多くの同業他社が土地の仕入に踏み切れなくなった際、財政状況が良好だった同社はこれを好機と捉え積極的な仕入れ活動を展開した。

仲介会社等にとっては、不況期でも仕入を積極的に行う同社の存在は極めて重要であった。また、大手ディベロッパーに比べると、意思決定のスピードが迅速である点も仲介会社等にとっては大変魅力的であったため、「取引のメリットが大きい会社」と評価され、「新しい土地情報はまずプレサンスへ」という関係性が構築された。
リーマンショックの影響が鎮静化した現在でもこの関係はより強固なものとなっており、同社競争力の高さの一因となっている。
意思決定のスピードが迅速である点およびブランド力の向上によって、本来であれば大手ディベロッパーに持ち込まれるような大型案件も先に同社に持ち込まれるケースも増えているという。

⑥安定した収益力

2007年12月に上場した同社はこれまでに、最初に期初予想を発表した2009年3月期以降、2016年3月期まで8回の決算を発表してきた。売上高、経常利益の期初予想と実績の乖離を検証すると、売上高では未達の期があったものの、経常利益に関しては未達となったことは上場以来1度も無い。
不動産市況に大きく影響されることなく安定・継続して収益を上げることができる点も同社の大きな特長といえよう。

高いマージン(売上高当期純利益率)を背景に高ROEを実現している。
過去3年間の営業利益、ROE、時価総額の3つの指標で一定の基準を満たしているため、2015年8月に「JPX日経400インデックス」(※1)銘柄に選定された。また、2016年12月には新指数「JPX日経中小型株指数」(※2)銘柄にも指定された。今後も高ROEの維持に注力する考えだ。

※1 JPX日経400インデックス
資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」400銘柄で構成される株価指数。
※2 JPX日経中小型株指数
時価総額や売買代金で中小型株の範囲を決め、過去3年間のROE営業利益累計額を使って順位を決定。複数の独立社外取締役がいる・英訳資料を作成している、といった定性条件等も加味して投資魅力の高い会社200銘柄で構成される株価指数。
2017年3月期第3四半期決算概要
増収減益も順調な進捗

売上高は前年同期比4.5%増の729億61百万円。売上高は増加したが、開発用地取得費の上昇や建築工事費の高止まりにより売上総利益率は1.9%低下。比較的利益率の低い一棟販売の引渡比率の増加のため、営業利益は同13.7%減の124億47百万円、経常利益は同13.9%減の122億92百万円。
前年同期比では増収減益となったが通期予想に対する進捗率は概ね順調となっている。

(不動産販売事業)

ワンルームマンション「プレサンスシリーズ」のプレサンス新大阪ザ・シティ(総戸数186戸)等の販売が順調に推移したが、前述の通り、ファミリーマンションの引き渡しが前年同期を下回った。

(その他)

自社保有の賃貸不動産が順調に稼働し、受取家賃収入が増加した。

販売用不動産は前期末比76億54百万円増加の118億28百万円。仕掛販売用不動産は同199億10百万円増加の1,082億86百万円。
短期有利子負債、長期有利子負債とも増加し、有利子負債合計は同298億96百万円増加の866億3百万円となった。
この結果自己資本比率は前期末より4.0%低下し、36.4%となった。

BS上のたな卸資産(販売用不動産と仕掛販売用不動産の合計)から建築代金等を控除した取得済用地のたな卸資産は、ワンルームマンションで192億22百万円(5,307戸)、ファミリーマンションで429億77百万円(5,622戸)。
今期以降の毎期の引渡戸数をワンルーム1,600~1,700戸、ファミリー1,500~1,800戸と仮定すると、どちらも2019年3月期までの3期分超の用地を既に取得した形である。

(4)トピックス
◎配当予想を修正

今期業績が堅調に推移していることなどから、2017年2月7日に増配を発表した。期末配当予想は従来の8.75円/株から3.65円/株増額し、12.40円/株へ。2016年10月1日付の株式分割(1:4)を考慮した年間配当予想は21.15円/株。予想配当性向は12.0%。

2017年3月期業績予想
業績予想に変更無し。7期連続の増収増益で過去最高を更新へ

通期業績予想に変更は無い。売上高は前期比27.7%増加の1,008億39百万円と1,000億円を突破する見込み。
開発用地の取得費の上昇やマンションの建築工事費が高止まりしているものの、住宅取得支援制度が継続して実施されること、雇用情勢が改善傾向を示していること等から、都心部のマンション契約率は、今後も堅調に推移すると会社側は見ている。
用地取得費および建築コストの上昇で粗利率は今期も低下し、広告・モデルルームなどの販促費用が増加すること、事業規模拡大に伴い人員増強を計画していること等から販管費も約3割増加するが、増収により吸収し、営業利益は同10.0%増加の154億66百万円の予想。

マンション販売事業の今期売上高予想945億円に対し、第3四半期終了時点で98.4%の受注進捗となっている。
ワンルームマンションの販売が好調なため、進捗率は例年を上回っている。
一棟販売の進捗率が100%を上回っているのは、自社保有の固定資産を第1四半期に販売用不動産に振り替え、第2四半期に販売したため。

概ね順調な進捗となっている。

(4)トピックス
◎ファミリーマンション事業

主な大型プロジェクトの販売進捗状況は以下の通り。

①「プレサンス レジェンド 堺筋本町タワー」

地上30階建、総戸数337戸の同社では大阪初となる超高層免震タワーマンションプロジェクト。40㎡台のコンパクトタイプから、 130㎡超のファミリータイプまでを用意する。また、パーティルーム、スカイラウンジ、フィットネス等多彩な共用施設の設置を予定している。

2016年1月から販売を開始し、2016年12月末までで259戸(契約率76.9%)が契約済みとなっている。
2018年1月下旬の引渡に向け順調に推移している。
第3期は2017年1月より販売開始。

②「プレサンス レジェンド 琵琶湖」

滋賀県琵琶湖畔に総486邸のファミリーマンションを建設。琵琶湖畔では過去最大級プロジェクトで、全邸レイクビューを実現する。京都市内はもちろん大阪方面へのアプローチもスムーズな立地で、周辺には大型ショッピング施設など、生活施設も充実している。
2016年8月より販売を開始し、2016年12月末までの5ケ月間で優先分譲住戸275戸(契約率56.6%)が契約済みとなっている。
2018年5月上旬の引渡に向けて好調な滑り出しとなっている。
第1期は2017年1月より販売開始。

今後の注目点
第3四半期の進捗率は売上高で72.4%、営業利益で80.5%。過去数年と比べるとややスローではあるが、マンション販売事業に関しては、第3四半期終了時点での受注進捗98.4%は例年を上回っており、順調な業績推移といえるだろう。ただ、投資家の関心は今期の着地もさることながら、徐々に来期及びそれ以降の成長軌道に移っていくことになろう。
引き続き、ホテル事業を含めた新エリアでの事業展開など各種施策の展開を注目したい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

同社は最新のコーポレートガバナンス報告書を2016年6月23日に提出している。

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