(2179:JASDAQ) 成学社 2017年3月期第3四半期業績レポート

2017/02/22

seigakusha

今回のポイント

・17/3期3Qの売上高は前年同期比2.7%増の83億15百万円。クラス指導が塾生数低迷で減収だったが、個別指導では主力の「個別指導学院フリーステップ」が堅調に推移するとともに「代ゼミサテライン予備校」が復調したほか、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」やM&Aの寄与で増収となった。人件費、新規事業に向けた先行投資などで営業利益は同18.6%減の4億94百万円となった。

・業績予想に変更は無い。売上高は前期比2.4%増の109億29百万円の予想。保育事業の通期寄与、個別指導の堅調な推移により前期比増収を見込む。営業利益は同36.9%減の2億53百万円の予想。人件費の増加に加え、来春開校予定の日本語学校の先行投資などで減益を予想。配当は前期に比べ0.30円/株増配の10.10円/株の計画で、予想連結配当性向は33.1%。

・塾生数は、個別指導部門が微増にとどまる一方、クラス指導部門減少の影響が大きく、総数は直近5年の最低となった。ただ、単価の高い個別指導分野の増加もあり、第3四半期の進捗率は売上高で76.1%と、過去数年と比較してもほぼ同水準であり、計画通りの進捗と見られ、大きな下振れ要因は少ないようだ。一方株価を見ると、配当利回り、株主優待等の要因で極めて底堅い展開が続いているが、PER水準等を考慮すると、個別指導分野の成長性向上、新規分野の収益寄与が欠かせないだろう。

会社概要

大阪府を中心とした近畿圏および東京都で学習塾を展開しており、小学生から高校卒業生(大学受験浪人生)までを対象としてクラス指導と個別指導の2部門による学習指導を行っている。2015年4月には、乳幼児から未就学児を対象にした保育事業を開始した。また、子会社において、英会話教室、学習塾の運営、学校法人等への講師派遣を行っている他、飲食事業や不動産賃貸事業も手掛けている。グループは、同社の他、(株)アプリス、(株)個夢、2015年12月に子会社化した(株)global bridge 大阪の連結子会社3社。

<沿革>

1982年7月、個人経営の学習塾「開成教育セミナー」を大阪府豊中市で創業。1987年1月に(株)成学社として法人組織に改組した。早くから個別指導にも力を入れ、90年12月に「個別指導学院フリーステップ」として個別指導形態の進路指導及び学習指導を開始した。97年から99年にかけては兵庫県、滋賀県へ教室展開。2001年10月には「個別指導学院フリーステップ」のFC事業を開始した。02年7月には京都府へ教室展開し、同年12月には対象を高校生に広げた「開成ハイスクール」を開始。05年9月には奈良県へ教室展開。15年3月には、徳島県、香川県にFC教室を開校し、四国にまで教室展開を拡大した。15年4月には、知育特化型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」を開園し、乳幼児から未就学児までを対象とする保育園事業を開始した。

M&Aにも積極的に対応しており、08年3月に(株)ファイブランズより学習塾を譲受し、「エール進学教室」を開校。08年8月のJASDAQ上場を経て、09年3月には(株)進学教育研究所より学習塾を譲受し、「京大セミナー」(後に「開成教育セミナー」にブランド統合)を開校。同年12月には兵庫県東播磨地区で個別指導専門塾「個別教育システムアイナック」を運営する(株)個夢の全株式を取得し連結子会社化した。更に10年2月には連結子会社(株)東京フェリックス(13年に当社を存続会社として吸収合併)を設立し、同年3月より首都圏で学習塾の運営をスタートした。11年12月には英会話教室の運営ならびに英語を公用語とする外国人講師の学校法人等への派遣を主な事業とする(株)アイビー(13年に子会社アプリスを存続会社として吸収合併)を連結子会社化した。また、15年12月には認可保育所を運営する(株)global bridge 大阪の全株式を取得し、連結子会社化した。
03年6月には飲食事業、04年7月には所有不動産の有効活用を目的とした不動産賃貸事業も開始した。飲食事業については、05年10月に(株)アプリスに移管し、現在2店舗を運営している。

<事業内容>

事業は、教育関連事業、不動産賃貸事業、及び飲食事業に分かれ、売上高構成比は、それぞれ98.3%、0.5%、1.2%(16/3月期)。

教育関連事業

クラス指導部門では、「開成教育セミナー」、「エール進学教室」の塾名で教室を展開しており、学力別クラス編成に基づいた指導を行っている。一方、個別指導部門では、小学生以上を対象とした「個別指導学院フリーステップ」、「ハイグレード個人指導ソフィア」、「アルスポート」のほか、高校生以上を対象に映像配信授業を行う「開成教育グループ代ゼミサテライン予備校」を展開している。また、「個別指導学院フリーステップ」ではFC事業を展開。その他の指導部門では、学校法人等への講師派遣、英会話教室「IVY」の運営、小学生の滞在型アフタースクール「かいせい こどもスクール」、知育特化型保育園「かいせい保育園」、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」、「アイテラス保育園」の運営を行っている。
2016年12月末の教室数は、直営234教室、フランチャイズ20教室。

飲食事業

大阪市内に飲食店舗を2店舗運営している。

不動産賃貸事業

不動産を効率的に活用するため、所有不動産の一部を賃貸している。

<日本有数の教育企業として、充実した教育サービスと教育コンテンツを提供>

学習塾業界では、少子化の影響、顧客ニーズの多様化から、顧客の学習塾に対する選別基準が厳しくなっている。同社では、業界内の競争激化に対応すべく、教務内容の充実によるサービス水準の向上、英会話教室の運営、学校法人への講師派遣を通じて、総合教育企業として発展を目指している。
日本の将来を展望した場合、「グローバル化された世界に生きる子ども達が、確かな知識と学力、そして変化に対応できる柔軟な思考力と発想力を培う事が何より大切」と言うのが同社の考え。そして、そのために最も必要とされるものが「教育力の充実」であるとの確信の下、子ども達の可能性を最大限に引き出すための教育活動を行っている。
少子化によって学習塾のこれからの成長性を悲観する見方もあるが、同社はむしろ教育新時代を迎えて、業界の将来は極めて明るいものと確信しており、これまでのライブ中心の授業に加え、ICT時代に対応できる授業コンテンツの提供も含め、新時代対応型の教育企業として確実な成長を目指している。

2017年3月期第3四半期決算概要
個別指導が堅調で増収も先行投資などで減益

17/3期3Qの売上高は前年同期比2.7%増の83億15百万円。クラス指導が塾生数低迷で減収だったが、個別指導では主力の「個別指導学院フリーステップ」が堅調に推移するとともに「代ゼミサテライン予備校」が復調したほか、小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」やM&Aの寄与で増収となった。
人件費、新規事業に向けた先行投資などで営業利益は同18.6%減の4億94百万円となった。

(教育関連事業)

増収・減益。
クラス指導部門より単価の高い個別指導部門の塾生数の堅調な推移、フランチャイズ教室の増加、前期より順次開園している保育分野の通年寄与により、増収となった。
ただ、事業拡大に伴う人件費の増加、雇用環境の改善に伴う人材募集費用の増加、2017年4月に事業を開始する「開成アカデミー日本語学校」および認可保育所「かいせい保育園」の開園に向けた先行投資により減益となった。

<クラス指導部門>
市場の縮小傾向に加え、塾生数の伸びにつながる夏期講習会の参加者数が低調に推移した影響を受けている。

<個別指導部門>
主要ブランド「個別指導学院フリーステップ」が堅調に推移するとともに「代ゼミサテライン予備校」が復調している。

<その他の指導部門>
前期より事業を開始した小規模認可保育所「かいせいプチ保育園」が寄与したことにより増加した。

(不動産賃貸事業)

減収・減益。
前年とほぼ同水準のテナント入居状況であった。

(飲食事業)

減収・損失幅縮小。
個人消費の伸び悩み等の影響により、厳しい店舗運営環境が続いており減収となったが、顧客層を絞り込んだ店舗運営、食材仕入および人員配置の効率化が奏功し、営業損失は縮小した。

現預金は減少したが、売上債権の増加により、流動資産は前期末比6億28百万円増加。固定資産はほぼ変わらず、資産合計は同6億81百万円増加の72億81百万円となった。
仕入債務が減少したが短期借入金は増加し、流動負債は5億29百万円の増加。長期借入金の減少などで固定負債は同1億54百万円減少したことで、負債合計は同3億75百万円増加の47億70百万円となった。利益剰余金の増加により純資産は同3億5百万円増加の25億10百万円となった。
この結果、期末の自己資本比率は前期末比1.1%上昇し、34.5%となった。

2017年3月期業績予想
業績予想に変更無し。増収・減益

業績予想に変更は無い。売上高は前期比2.4%増の109億29百万円の予想。保育事業の通期寄与、個別指導の堅調な推移により前期比増収を見込む。
営業利益は同36.9%減の2億53百万円の予想。人件費の増加に加え、来春開校予定の日本語学校の先行投資などで減益を予想。
配当は前期に比べ0.30円/株増配の10.10円/株の計画で、予想連結配当性向は33.1%。

(教育関連事業)

クラス指導部門は、「京大セミナー」および「サンライトアカデミー」を「開成教育セミナー」に統合しブランドの訴求力を高めるとともに、小中一貫校への入試準備に特化したコース「アドバンスα」を新設しているが、上期の動向から塾生数回復は難しく、減収予想。

個別指導部門は、主要ブランドである「個別指導学院フリーステップ」を中心とした事業展開を行うとともに、講師の研修等を強化することで提供するサービスの品質向上を図っている。成長率は鈍化しているが、直営教室の塾生数増、フランチャイズ事業の成長などで増収を計画。
直営教室数は前期末比5教室増の185教室を計画。期初予想は191教室。講師募集状況を勘案しながら拡大を図る。

その他の指導部門では、ニーズの高い保育分野等への参画を推進し、事業の拡大を図っている。保育園の通期寄与で増収を計画。

(不動産賃貸事業)

一部テナントの退去、自社利用の転換を見込み減収予想。

(飲食事業)

既存店舗の運営効率を改善し、前期並みの売上を確保する計画。

(3)教室展開

直営教室は前期末比6教室増の234教室を計画。期初予想は240教室。
クラス指導は、前期末比4教室減の100教室を計画。期初計画は108教室。既存教室の立て直しを優先する。
個別指導は、前期末比5教室増の185教室を計画。期初予想は191教室。講師募集状況を勘案しながら拡大を図る。
保育園事業は2017年4月に認可保育所「かいせい保育園」を3カ所開園(うち、1カ所は認可外から変更)予定。今期中の開園は控える計画。
フランチャイズ教室は前期末比4教室増の20教室を計画。期初予想は26教室。年間10教室程度の開校をめざし、継続してフランチャイズ加盟希望者を募集していく。

今後の注目点
塾生数は、個別指導部門が微増にとどまる一方、クラス指導部門減少の影響が大きく、総数は直近5年の最低となった。ただ、単価の高い個別指導分野の増加もあり、第3四半期の進捗率は売上高で76.1%と、過去数年と比較してもほぼ同水準であり、計画通りの進捗と見られ、大きな下振れ要因は少ないようだ。
一方株価を見ると、配当利回り、株主優待等の要因で極めて底堅い展開が続いているが、PER水準等を考慮すると、個別指導分野の成長性向上、新規分野の収益寄与が欠かせないだろう。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

同社は最新のコーポレートガバナンス報告書を2016年11月14日に提出している。
JASDAQ上場企業としてコーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。

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