(2317:東証1部) システナ 2017年3月期第3四半期業績レポート

2017/02/15

systena

今回のポイント

・17/3期3Q(累計)は前年同期比8.6%の増収、同23.6%の営業増益。金融機関の投資抑制でフレームワークデザイン事業の売上が減少したものの、主力のソリューションデザイン事業の売上が同21.6%増加した他、連携を強化しているITサービス事業とソリューション営業事業の売上も増加。機能を強化した自社開発商品「Cloudstep」をけん引役にクラウド事業の売上も伸びた。ITサービス事業やソリューション営業事業は収益性も顕著に改善した。

・通期予想に変更はなく、前期比7.3%の増収、9.5%の営業増益。新規事業の立ち上げや投資育成事業で6億円の投資を計画しており、このうち4億円が今期に費用計上される。下期に実施するテレビCM費用(1億円程度、通期で1.6億円ほど)も織り込んだが、営業利益率の改善が進む。期末配当は1株当たり18円を予定(上期末配当と合わせて4円増配の年36円)。

・ソリューションデザイン事業における「車載」、「社会インフラ」、「ネットビジネス」、「プロダクト」、及び「業務システム」といった成長分野での開発需要の取り込み、ITサービス事業及びソリューション営業事業での事業間連携によるシナジーの顕在化と収益性改善、更には自社開発商品「Cloudstep」を中心にしたクラウド事業が軌道に乗ってきたこと等、好材料が多い。今後、IoT、FinTech、AdTechをキーワードにした米国ベンチャー企業3社との協業も本格化してくる。新たな成長エンジンの再構築に向けた取り組みが順調に進んでおり、中期4ヵ年計画の途中経過は良好だ。

会社概要

2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社11社及び持分法適用会社2社と共にグループを形成している。

【会社の経営の基本方針 -安定と成長のバランスを重視した経営-】

経営目標は、「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える」。その実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」と言う相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。

【目標とする経営指標】

・安定した高配当
・高い株主資本利益率
・高い売上高営業利益率

目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)は、19/3期に連結売上高560億円、営業利益55億円、ROE20%の達成と年間配当1株当たり52円の実施(配当性向40%以上)。
【事業内容】

事業は、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ソリューション営業、クラウド事業、コンシューマサービス事業、及び海外事業に分かれる。16/3期の売上構成比は、ソリューションデザイン事業32.9%、フレームワークデザイン事業12.2%、ITサービス事業13.5%、ソリューション営業39.4%、クラウド事業1.4%、コンシューマサービス事業0.9%、及び海外事業0.5%(この他、17/3期から新規事業の育成を目的に投資育成事業をセグメントした)。

ソリューションデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision、(株)IDY、HISホールディングス(株)

モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「プロダクト」、及びワークフロー等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発及び検証の引き合いが活発である。

フレームワークデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision

国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。現状では、業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めているが、ITサービス事業やソリューション営業事業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。

ITサービス事業   (株)システナ、東京都ビジネスサービス(株)

システムやネットワークの運用・保守・監視、ヘルプデスク・ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。

ソリューション営業事業   (株)システナ

ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。

クラウド事業   (株)システナ

クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「G Suite 」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスやスマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」を提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「G Suite 」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。

コンシューマサービス事業   (株)GaYa

連結子会社(株)GaYaを中心とする事業である。(株)GaYaは、スマートフォン向けゲームコンテンツを開発し、大手SNSサイトへ提供している他、他社が開発・リリースしたゲームの運営受託も手掛けている。

海外事業   Systena (THAILAND) Co.,Ltd.、Systena America Inc.、Systena Vietnam Co.,Ltd.

タイの現地法人Systena (THAILAND) Co.,Ltd.、米国の現地法人Systena America Inc.、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.、の3社が事業を進めている。タイの現地法人は、バンコク版レストラン検索アプリ「バングル」の収益化に取り組んでおり、16/3期上期にサービス課金を開始した。米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査及びインキュベーションが二本柱。
一方、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点。

投資育成事業

新規事業の育成を目的として、2016年4月1日に(株)インターネットオブシングス、(株)eペット、(株)キャリアリンケージを設立した。特に(株)インターネットオブシングスはIoT、ロボット、FinTech等の企画・開発・販売を手掛ける戦略子会社である。

中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)
【ストラテジー  -自動運転、スマートシティ、ロボット、IoTソリューション-】

今後10年間で最も伸びる分野に経営資源を集中させていく考えで、具体的なターゲットとして、自動運転、スマートシティ、ロボット及びIoTソリューションの4分野を挙げている。4分野は、いずれも無線通信技術が不可欠な事から同社の強みを活かす事ができる。また、ロボットはAIの領域でもあり、今後、幅広い用途や需要が期待でき、この分野でいち早く技術とノウハウの蓄積を図る事の意義は大きい。

【中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)  -成長工ンジンの再構築により、19/3期の営業利益を2.5倍に-】
(1)重視する経営指標(KPI)と2019年3月期の目標
 売上高  56,000百万円(15/3期 36,951百万円)   配当   52円  (15/3期 30円)
営業利益 5,500百万円 ( 同  2,226百万円)  配当性向 40%以上(同 81.0%)
EPS    130円    ( 同      37円)  ROE   20%  (同 7.3%)
(2)主要セグメントの目標と取り組み
ソリューションデザイン事業

19/3期の目標は売上高185億円、営業利益22億円(15/3期 売上高117.6億円、営業利益10.3億円)。セグメント全体で売上高を1.6倍、営業利益を2.1倍に拡大させる考えで、中核となる車載・ロボットと社会インフラについては、合計で売上高3.7倍、営業利益4.8倍を見込んでいる(売上高19億円、営業利益1.8億円 → 売上高71億円、営業利益8.7億円)。

・車載・ロボット、Webシステム開発・検証の実績を活かした交通・電力といった社会インフラへの展開
・ネットビジネスの支援(新たなサービスの創造を支援する)。
フレームワークデザイン事業

19/3期の目標は売上高65億円、営業利益8億円(15/3期 売上高42.4億円、営業利益3.9億円)。売上を15/3期比1.5倍、営業利益を同2.1倍に拡大させたい考えで、本部間協業・新規サービスについては売上20倍、営業利益40倍を目指している。

・金融(保険・銀行)での開発実績やノウ八ウを活かして他業種の基幹システム関連等へ水平展開(ワークフロー開発や長期保守)
・本部間協業の拡大によるストツク型ビジネスへの転換
ITサービス事業

19/3期の目標は売上高70億円、営業利益7億円(15/3期 売上高51億34百万円、営業利益3億3百万円)。

・ヘルプデスクやシステム運用保守で培ったノウ八ウの活用と本部間協業による高付加価値サービスへの転換
高付加価値サービスとは、海外進出支援、ITサポート環境構築、社内システム環境整備、インフラ最適化、スマートデ八イス運用支援等。
ソリューション営業

19/3期の目標は売上高200億円、営業利益8億円(15/3期 売上高151億93百万円、営業利益4億79百万円)。サービス売上高を40億円に引き上げ、売上構成比を20%とする事で、15/3期に3.2%だった営業利益率を4.0%に高める。

当事業が総合営業としてシステナの全ての商材・サービスを販売していく事を基本方針とし、オンプレミスのサーバーとクラウドサービスとの連携によるハイブリッド環境への対応強化、ストックビジネスの拡大及び本部間連携によるシナジー拡大に取り組んでいく。

新企隊本部を発足させた目的は二つあり、一つは、IoT、セキュリティ、Fintech、ロボティクス、コンテンツをキーワードとする高付加価値な事業創造を通じて、ストックビジネス(ロイヤリティ・ビジネス)の拡大を図る事。この一環として、関係事業を集約し投資効率の向上と営業連携の強化に取り組む。
もう一つは、海外事業を早期に軌道に乗せる事。早期の黒字化に向け、海外子会社独自で事業活動を行うビジネスモデルから、システナ本体との連携強化によるALLシステナの経営資源を有効活用するビジネスモデルへの転換を図る。19/3期に売上高40億円、営業利益10億円の収益寄与を目指している(15/3期 売上高9.2億円、営業利益0.4億円)。

17/3期は海外子会社が発掘した米国のベンチャー企業3社と日本での独占販売契約を締結した以下3つのサービスの販売を開始する予定で(クラウド事業として売上計上)、売上高14.9億円、営業損失1.7億円を計画している(16/3期:売上高11.7億円、営業損失0.6億円)

IoTプラットフォーム「C2M」(プラズマ社)

全米屈指のIoTプラットフォーム「C2M」の日本独占販売契約を締結した。オールインワンのIoTプラットフオームであり、導入すれば直ぐにIoTを始める事ができる。米国の代表的な大都市のスマートシティ計画におけるIoTプラットフオームに選定され(今夏にプレス発表の予定)。この他、AT&T、HP、米国大手石油会社、大手物流、大学、医療関係、建設会社等で、IoTプラットフオームとして豊富な採用実績を有する。

認証&暗号化ソリューション「FIDO」(ストロングオース社)

世界の中央銀行、大手金融機関、軍事機関が認めた認証&暗号化ソリューションの日本独占販売契約を締結した。某西欧の中央銀行、某中東の中央銀行、イベント切符業界で世界最大級のマーケット・メーカー、US最大級テレコム会社、APAC最大級テレコム会社等、全世界の大手企業での採用実績を有する。暗号化ソリューションだけでなく、ヨーロッパや米国で話題の次世代認証システム(FIDO)の日本企業への提案活動にも力を入れていく考え。

アドバタイズ・テクノロジー「リールコードメディア」(マカテ社)

シリコンバレー・ベンチャーによる、斬新なアドバタイズ・テクノロジー(広告技術)の日本独占販売契約を締結した。リールコードメディア(特許出願中)はQRコードの進化版と言い換える事ができ、最大4つのあらゆるデジタルコンテンツを直感的につなげる新世代アドテク。広告、販促、名刺、パンフレット、マニュアル、ユーザサポートをユーザーに直感的に繋げる新ソリューションとして期待されている。

2017年3月期第3四半期決算
前年同期比8.6%の増収、同23.6%の営業増益

売上高は前年同期比8.6%増の333億14百万円。マイナス金利の影響による金融機関の投資抑制でフレームワークデザインの売上が減少したものの、「車載」、「社会インフラ」、「ネットビジネス」、「プロダクト」、及び「業務システム」の5つのカテゴリーで受注を強化しているソリューションデザイン事業の売上が同21.6%増加した他、連携を強化しているITサービス事業とソリューション営業事業の売上も増加。機能を強化した自社開発商品「Cloudstep」をけん引役にクラウド事業の売上も伸びた。

利益面では、収益性の高いソリューションデザイン事業の売上構成の上昇に加え、ITサービス事業、ソリューション営業事業及びクラウド事業の収益性改善もあり、売上総利益率が20.0%と0.9ポイント改善。業容拡大に伴う販管費の増加を吸収して営業利益が26億35百万円と同23.6%増加した。
ただ、投資有価証券売却損1億06百万円の計上等による営業外損益の悪化や前年同期の税負担率が19.3%(当期は36.5%)と低かった反動で最終利益は16億08百万円と同10.1%減少した。

ソリューションデザイン事業

売上高123億67百万円(前年同期比21.6%増)、営業利益13億64百万円(同29.1%増)。当事業は、「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍などネットビジネスに関わる「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ハードウェア製品等に関わる「プロダクト」、及びワークフローなど業務システムのエンハンス対応に関わる「業務システム」の5つのカテゴリーに区分してIoTに関する取り組みを行っており、いずれのカテゴリーも開発需要が旺盛だ。

「車載」では、車載ECU(自動車制御用コンピュータ)、車載インフォテインメント、自動運転、テレマティクス(Telematics)といった分野の開発・検証が堅調に推移しており、自動運転では、従来の乗用車に加え、バス自動運転の開発にも参画した。自動車関連開発に必要な認証(ISO26262)の取得や自動車関連の団体(AUTOSAR)への加入の準備も進めており、既に加入済みの自動車ソフトウェア標準化団体(JasPar)と合わせて、自動車業界におけるポジションの確立と更なる受注拡大に取り組んでいく。

「社会インフラ」では、エネルギーマネジメントシステム(電力システム)の開発需要がピークアウトしつつあるが、航空管制システム関連の開発・検証業務や新たに受注した車両運行関連のシステム開発が伸びた。引き続き、電力、航空に注力する他、ITS(高度交通システム)など社会インフラの高度化関連案件の取り込みにも力を入れていく。

「ネットビジネス」では、通信キャリア向け(サービスにかかるシステム開発・検証)が横這いとなる中、IoT関連サービスの開発・検証業務が堅調に推移。IoT関連に特化した開発ラボを拡充した他、ロボットに関わるアプリケーション開発の担当チームを開発ラボの中に新設した。今後、IoT、ビッグデータ、ロボットを使ったサービス及び5Gを活用した新サービス等の開発・検証需要を取り込み、更なる拡大を目指す。

「プロダクト」では、スマートフォン自体の開発・検証が減少する一方、スマートフォンとの連携を含むIoT関連機器の開発や、訪日客のキャッシュレス決済用端末の開発・検証業務の引き合いが増加傾向にあり、全体として底堅く推移している。また、人工知能を実際のサービスに応用するために必要なシステム開発や、IoT関連製品及びその製品に関わるサービス開発の案件も増えている。今後は、「決済端末」、「人工知能」、「IoT製品及びサービス」を当分野の柱として、ノウハウの蓄積と受注拡大に努める。

「業務システム」では、2011年にリプレースが集中した業務系システムのリプレース案件が増加した。

フレームワークデザイン事業

売上高31億17百万円(前年同期比21.5%減)、営業利益4億32百万円(同15.1%減)。マイナス金利の影響もあり、金融業界が総じてIT投資に慎重な中、保険システムの開発保守業務の縮小が響いた。
プロジェクト・マネジメントに長けた人材を育成し、電子マネー等の成長分野へのシフトを進めている他、部門間連携の強化により、金融以外の顧客に対して、BCP(事業継続計画)ソリューション、オンプレミス(自社所有・運用)とクラウドのハイブリッド対応、クラウド関連のプロダクト、更にはビックデータ分析・BIツール(データを蓄積・分析・加工し意思決定や実行するためのツール)を用いたソリューションの展開による新規顧客開拓にも取り組んでいる。

ITサービス事業

売上高46億82百万円(前年同期比10.2%増)、営業利益4億62百万円(同67.7%増)。ソリューション営業本部の豊富な顧客に対してITサービス全般の提案を行う中で、「IT業務サポート」や「インフラ構築」全般、「グローバル支援」等の高付加価値案件を中心に新規受注が増加。ITトレーニング・動画サービス等を中心にスポット案件も寄与した。採用活動及び協力会社との関係強化により事業拡大に不可欠な人材の拡充も進んだ。
引き続き既存顧客のIT戦略のパートナーとして業務範囲を拡大すると共に、新規開拓にも積極的に取り組み、全社のリソースをフルに使った「ALLシステナ体制」で“1クライアント複数サービス”の提案営業を展開していく。

ソリューション営業事業

売上高124億55百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益5億32百万円(同68.1%増)。売上面では、BIツール(データを集計・分析するためのツール)の導入における機器販売からインフラ構築、システム開発、保守運用に至る高付加価値のワンストップサービス案件等が寄与。利益面では、かつて売上の大半を占めていた単純物販の比率が低下する一方、サービス売上の比率が上昇し収益性の改善も進んだ。
当事業では、UTM(Unified threat management)を用いたネットワークセキュリティ対応、オンプレミスのサーバーとクラウドサービスとの連携によるハイブリッド対応、またサーバー・ストレージソリューションのサービス拡大に取り組んでいる。

クラウド事業

売上高5億48百万円(前年同期比46.3%増)、営業利益75百万円(同133.4%増)。グーグルが提供する「G Suite」やマイクロソフトが提供する「Microsoft Office 365」と連携する自社商品グループウェア「Cloudstep」の機能強化やサポートメニュー強化が潜在需要を顕在化させた。具体的には、カレンダー機能強化による利便性向上が評価され複数の大型案件獲得につながった(競合製品からの乗り換え)他、サポートメニュー強化とCustomer Satisfaction(顧客満足度)専門チームによる既存顧客の深耕がアップセル・クロスセルにつながった(これにより既存顧客単価が上昇)。

コンシューマサービス事業

売上高2億19百万円(前年同期比22.5%減)、営業損失47百万円(前年同期は営業利益1百万円)。第3四半期(10-12月)にスマートフォン向けバトルRPG「アルテイル クロニクル」をパートナーとの協業の下、AppStore及びGooglePlayからリリースした。ダウンロード数が30万を越える等、同アプリの立ち上がりは順調だったが、投入が大幅に遅れた。前期にリリースしたタイトル2本の売上も伸びず、「アルテイル クロニクル」のプロモーション費用や第4四半期(1-3月)にリリース予定タイトルの開発費が負担となった。
新規タイトルの開発投資の効率化に取り組むと共に、エンターテインメント系のコンテンツの受託開発をメインに確実に利益を上げるビジネスモデルへの転換を図っていく。

海外事業

売上高99百万円(前年同期比40.9%減)、営業損失140百万円(前年同期は営業損失75百万円)。当事業は、未だ投資段階にあり18/3期以降の黒字化を目指している。
タイ子会社は、インターネット情報サービス「バングル」のWebサイトやモバイルアプリのバージョンアップに加え、積極的に行ってきたプロモーションの効果もあり、新規ユーザーの獲得が進んでいる。また、飲食店それぞれに応じた「プロモーション支援」が成果を上げ、有料顧客会員の契約数及び広告収入が増加傾向にあるが、未だ黒字化には至っていない。一方、米国子会社は、スプリントコーポレーションや現地日系企業からのローカライズ開発・無線通信検証等の技術支援の受注が堅調に推移した。

5月に日本での独占販売契約を締結した下記3ソリューションについては、第4四半期からの販売に向けて、システナ本体及びグループ会社の(株)インターネットオブシングスと連携し、日本語化や日本仕様の追加等の開発投資が続いている。また、認知度の向上に向け、展示会等へも積極的に出展しており、10月に米サンタクララで開催された「IoT Tech-Expo North America」では、IoTプラットフォームのデモ展示を行い、米国内外から複数の案件の引合いがあった。また、世界初のLoRa(後述)基地局を搭載したドローンを使い広域をカバーするIoTソリューション等を、米ラスベガスで開催された世界最大の家電ショーである「CES」(2017年1月5日~8日)やフロリダで開催された「IoT Evolution Expo in Florida」(2月7日~10日まで)に出展した。

①大手企業で多くの採用実績があり、米西海岸の大都市のスマートシティ計画にも採用されたIoT プラットフォーム
②世界各国の中央銀行、大手金融機関、軍事機関等、グローバルで多くの導入実績がある暗号化と次世代認証(FIDO)ソリューション(FinTech系)
③シリコンバレー・ベンチャーの新しいイノベーション技術を使ったAdTech

尚、LoRa(後述)とは、数あるLPWA(Low-Power Wide-Area)ネットワークの一つ。IoTは全ての「もの」をネットワークで繋ぎデータを「収集」、「管理」、「最適化」する事で人々の暮らしを豊かにするが、それを実現するためには省電力で広域をカバーする安価なネットワークの構築が必須。LoRaは他の規格に比べて「少ない送信電力でも通信距離が長い(10Km程度)」、「通信チップの値段が安い」、「オープンな環境が整備されており世界的に実証実験が進んでいる」といった優位性を有する。

投資育成事業

売上高1百万円、営業損失65百万円。当事業は、期初に設立した子会社3社(株式会社インターネットオブシングス、株式会社eペット、株式会社キャリアリンケージ)の収益がセグメントされており、当期は事業立ち上げのための費用が先行している。
(株)インターネットオブシングスは、米国子会社と連携し、IoT、FinTech、AdTechをキーワードに米国ベンチャー3社との協業を進めており、本格的なサービス提供前ではあるが、既に展示会等でプロモーションを行っており、多数の引き合いを受けている。
(株)eペットは、ペットタグ(迷子札)とペットに関するアイデアやプロジェクトのためのクラウドファンディングサービスを商材としたWebサイトの企画・設計・構築に取り組んでいる。
(株)キャリアリンケージは、職業紹介や人材派遣、更には研修等の人材サービスを事業領域とし、派遣有料職業紹介事業の許可が下りた7月以降本格的に活動を開始した。この第3四半期から実績が出始め、来期以降の収益貢献が見込める土台が出来上がりつつある。

第3四半期末の総資産は225億69百万円と、投資有価証券の売却や季節要因等で前期末に比べて3億63百万円減少した。借方では、好調な受注を反映して、たな卸資産が増加する一方、投資有価証券の売却等で投資その他が減少。貸方では、未払金・未払費用や純資産が増加する一方、支払が進んだ仕入債務や季節要因で未払法人税・賞与引当金等が減少した。第3四半期末の自己資本比率は62.4%(前期末57.9%)。

2017年3月期業績予想
通期業績予想に変更はなく、前期比7.3%の増収、8.3%の経常増益予想

新企隊本部が子会社3社を設立して取り組む新規事業の立ち上げや米国でのインキュベーション事業等の投資育成事業で6億円の投資を計画しており、このうち4億円が今期に費用計上される。下期に実施するテレビCM費用(1億円程度、通期で1.6億円ほど)も織り込んだが、収益性の高いソリューションデザイン事業の好調や、ITサービス事業、ソリューション営業事業、及びクラウド事業の売上増と収益性改善で吸収して営業利益が34億74百万円と同9.5%増加する見込み。

期末配当は1株当たり18円を予定しており、上期末配当18円と合わせて年4円増配の36円。

今後の注目点
ソリューションデザイン事業における「車載」、「社会インフラ」、「ネットビジネス」、「プロダクト」、及び「業務システム」といった成長分野での開発需要の取り込み、ITサービス事業及びソリューション営業事業での事業間連携によるシナジーの顕在化と収益性改善、更には自社開発商品「Cloudstep」を中心にしたクラウド事業が軌道に乗ってきたこと等、好材料が多い。加えて、今後、IoTソリューション関連商材の研究開発業務に携わる米国子会社と、IoTソリューション関連商材の輸入販売を行う戦略子会社(株)インターネットオブシングスとの連携による、IoT、FinTech、AdTechをキーワードにした米国ベンチャー企業3社との協業も本格化してくる。新たな成長エンジンの再構築に向けた取り組みが順調に進んでおり、2年目を終えようとしている中期4ヵ年計画の途中経過は良好だ。
尚、通期予想に対する進捗率は、売上高72.7%(前年同期実績:71.9%)、営業利益75.8%(同67.2%)、経常利益72.2%(同69.6%)、純利益69.8%(同79.5%)、と順調。同社は四半期業績に季節性があり、第4四半期の売上ボリュームが他の3四半期に比べて大きくなる。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書     2016年6月29日更新
1.基本的な考え方

当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。
このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります。

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>

【原則 1-2 株主総会における権利行使】
【補充原則 1-2-4】
現在、当社の株主における機関投資家や海外投資家の比率は相対的に低いため、現行の書面投票制度で支障はないと考えております。今後とも当該投資家の保有比率の動向を踏まえ、議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳を検討してまいります。

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>

【原則 1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、政策保有株式として上場株式を保有しない方針であります。なお、旧カテナ株式会社との合併により引き継いだ政策保有株式(3銘柄95百万円)については、市場動向を見ながら売却する予定であります。

【原則 1-7 関連当事者間の取引】
当社は、取締役の利益相反取引・競業取引を取締役会の付議・報告事項としており、取引毎に取締役会による事前承認・結果の報告を実施しております。

【原則 5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。
http://www.systena.co.jp/ir/management_policy/disclosure.html
また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。

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