(9445:東証2部) フォーバルテレコム 2017年3月期第2四半期業績レポート

2017/02/08

Forvaltel

今回のポイント
・17/3期第2四半期決算は前年同期比9.1%の増収、同21.3%の経常減益。売上面は、大口案件が終了したドキュメント・ソリューション事業と保険業法改正の影響を受けたコンサルティング事業の減少を、昨年から提供を開始したサービスの拡大によるIP&Mobileソリューション事業の増加でカバーした。一方、利益面ではドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業の売上減少の影響により大きく減少した。

・17/3期の会社計画は、前期比7.5%の増収、同4.1%の経常増益の期初予想から変更なし。ISPサービス(「iSmart接続」)を中心とするネット関連やおまか請求及びコンサルティングなどから生じるストック収益の拡大を図りつつ、iSmartひかり(光コラボレーションモデル)・AmaVoの提供を通じて通話系のストック収益の拡大を図る。配当も16/3期と同額(上期末7円、期末8円)の1株当たり年間15円の予想を据え置き。

・17/3期第2四半期は、IP&Mobileソリューション事業の好調とは裏腹に、ドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業が前年同期比減収減益となるなど残念な結果に終わった。今後、ドキュメント・ソリューション事業は、前期の大型案件が終了した影響が徐々に収まることが予想される。また、コンサルティング事業においても保険業法改正に伴う体制整備が完了し、徐々に成長力を取り戻すものと期待される。17/3期第2四半期が業績のボトムとなるのか、今第3四半期のドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業の業績動向が注目される。

会社概要

中小・中堅法人向けにOA・ネットワーク機器の販売やサービスの取次ぎを展開するフォーバル(8275)の連結子会社。フォーバルの連結決算において、フォーバルテレコムビジネスグループとしてセグメントされている(16/3期はフォーバルの連結売上高の26.0%を占めた)。グループは同社の他、連結子会社4社、持分法適用関連会社1社。

【事業内容と企業グループ】

同社及び連結子会社(株)FISソリューションズによる法人向けVoIPサービス(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)や法人向けFMC(Fixed Mobile Convergence)サービス「2way Smart」の提供と関連機器販売の「IP&Mobileソリューション事業」、連結子会社(株)トライ・エックスを中心にオン・デマンド印刷・印刷物のプランニング・デザイン等を手掛ける「ドキュメント・ソリューション事業」、及び(株)保険ステーションによる保険やプライバシーマーク等に関する各種コンサルティング等の「コンサルティング事業」に分かれる。また、持分法適用関連会社(出資比率25%)で、(株)光通信(9435)グループの(株)アイ・イーグループとの合弁会社(株)ホワイトビジネスイニシアティブが「2way Smart」の企画開発及び関連するハードウエア開発を手掛けている。

主要なサービスの概要
(1)IP&Mobileソリューション
AmaVo

新たに提供を開始したサービスであり、iSmartひかり(同社NTT光コラボ回線)専用の法人向け電話サービス。同社が新たに開始したIP電話の「新しいあたりまえ」。AmazingVoIP(驚くべきVoIPサービス)の頭文字をとってネーミングされた。

iSmartひかり

NTT東日本・西日本が提供する光コラボレーションモデルを受け、同社がオリジナル料金で提供している光回線サービス。①バックボーンはNTTのフレッツ網を利用しているため品質が安定している、②請求の一本化ができるというメリットを持つ。おまか請求やワンビリングサービスで培われた請求一本化のノウハウが武器となっている。

iSmart接続-Fひかり

iSmart接続-Fひかりは、法人向けに提供している高品質なインターネット接続サービスを、個人でも利用しやすいように、サービス価格・内容を最適化したフレッツ光専用プロバイダサービス。
(サービスプラン)

メールアドレス10個、1GBのホームページ、スパムフィルタ、メール転送などがずっと無料なのが特徴。

(2)セキュリティコンサルティング
プライバシーマーク(Pマーク)や各種ISOのコンサルティング

認証取得支援から、運用支援、更新支援、規格改訂支援、各種セミナーなど、Pマークや各種ISOに関わるサポートを実施。

(3)ペーパレスソリューション
おまか請求

請求書・支払通知書・納品書をWeb化でコスト削減するツールを提供。顧客登録・受注登録・料金計算、請求書発行(WEB公開)・収納代行・督促支援業務などを含んだ請求代行サービス。請求に関する業務を代行し、顧客の請求コストの削減と業務負担の軽減を図る。また、おまか請求ではユーザーがクラウドサービスを安全に利用できるよう各種セキュリティ対策を実施している。

ワンビリングサービス

複数サービスの請求書をひとつにまとめて請求するサービス。請求書が何通も届くことなく、1請求書にまとめて請求される。請求書を一本化することで、各社からの請求書の煩雑さの解消や事務処理の簡素化が図られるなど、業務効率が向上する。

2017年3月期第2四半期決算
前年同期比9.1%の増収、同21.3%の経常減益

売上高は前年同期比9.1%増の72億53百万円。売上面は、新サービス(光コラボ・AmaVo)の拡大によりIP&Mobileソリューション事業で増加した。一方、前期の大型案件が終了した影響によりドキュメント・ソリューション事業で、更に、保険業法の改正の影響を受けたコンサルティング事業で減少した。
営業利益は同14.0%減の2億82百万円。収益性の高いストック収益が増加したIP&Mobileソリューション事業で増加したものの、大型案件が終了した影響よりドキュメント・ソリューション事業と保険業法改正に対応するコストが増加したコンサルティング事業で減少した。売上総利益率は、30.5%と前年同期比0.1ポイント低下した。また、ISPサービスの獲得に伴う営業費用(販売コミッションの償却費)の増加や光コラボ関連の業務委託費の増加などにより、売上高対販管費比率は、26.6%と同1ポイント上昇した。また、営業外費用で貸倒引当金繰入額41百万円を計上したことなどにより経常利益は同21.3%減の2億76百万円と営業利益の減益率を上回った。その他、特別損益の大きな計上はなかった。

連結の売上総利益は1億81百万円増加。売上総利益率はほぼ横ばいとなった。個別ベースの売上総利益は、ネット系他のストック収益の拡大に加え、新サービスの契約獲得により通話系サービスにかかる課金収入も大幅に増加したことが寄与し、全体として2億98百万円増加した。一方、前期の大型案件が終了した影響によるドキュメント・ソリューション事業に加えて、保険業法改正に伴う営業人数の減少などによりコンサルティング事業においても減少したことから子会社の売上総利益は、1億16百万円の減少となった。

販管費は、IP&Mobileソリューション事業における収益性の高いネット系ストック収益(「iSmart接続」)の獲得に伴う前払販売奨励金の償却費の増加や光コラボ関連などの業務委託費の増加などにより前年同期比2億27百万円増加した。近年先行投資で増加していた人件費は前年同期比で若干減少した。

IP&Mobileソリューション事業 売上高52億76百万円(前年同期比18.7%増)、セグメント利益1億25百万円(同233.5%増)

主にVoIPサービス、モバイルサービス等の情報通信サービス全般を提供。通話系ストックビジネスは新サービス(光コラボとAmaVo)や収益性の高いISPを主体とするネット系ストック収益(iSmart接続)が増加したことから増収、増益となった。売上高総利益は、前年同期比26%増加。売上高総利益率も同1.6ポイント上昇した。ストック収益は着実に増加している。

ドキュメント・ソリューション事業 売上高8億69百万円(前年同期比8.3%減)、セグメント利益97百万円(同41.4%減)

主に普通印刷、印刷物のプランニング・デザイン等を行う。前期の大型案件の終了が影響し減収、減益となったものの、大型顧客からの受注は増加トレンド。売上高総利益は、前年同期比14%減少。売上高総利益率も同2.3ポイント低下した。一方、売上高セグメント利益率は、2桁(11.2%)を維持している。

コンサルティング事業 売上高11億7百万円(前年同期比11.7%減)、セグメント利益69百万円(同48.0%減)

主に経営支援コンサルティング、保険サービス及びセキュリティサービス等を行う。(株)保険ステーションにおいて、保険業法の改正に対応し管理コストがアップした事に加え、販売人員の減少で売上高、売上総利益ともに減少した。売上高総利益は、前年同期比11%減少。売上高総利益率は同0.5ポイント上昇した。情報セキュリティを中心とするコンサルティングサービス(セキュリティ本舗)は紹介等により堅調に推移した他、業務受託サービスも堅実に拡大した。

16/9月末の総資産は、16/3期末比3億35百円減の64億68百万円。資産サイドでは現預金、売上債権等が、負債・純資産サイドでは、短期借入金や未払法人税等が主な減少要因。16/9月末の自己資本比率は32.1%と16/3期末の29.8%から2.3ポイント上昇した。
CFの面では、長期前払費用の減少などにより営業CFのマイナスが減少した。投資CFも前年同期並みのマイナスとなり、フリーCFのマイナスも減少した。一方、短期借入金の純増額が縮小したことなどから財務CFはマイナスへ転じた。

2017年3月期業績予想
前期比7.5%の増収、同4.1%の経常増益

第2四半期終了段階で、期初の業績予想から変更なし。
売上高は前期比7.5%増の148億80百万円の会社計画。売上高は、ISPサービス(「iSmart接続」)を中心とするネット関連やおまか請求及びコンサルティングなどから生じるストック収益の拡大を図りつつ、iSmartひかり(光コラボレーションモデル)・AmaVoの提供を通じて通話系のストック収益の拡大を図る計画。
営業利益は、同3.9%増の6億70百万円の計画。利益面は、増収効果によりIP&Mobileソリューション事業で増加するものの、前期の大口受注の反動減によりドキュメント・ソリューション事業において、更に、保険業法改正に対応するコストの増加によりコンサルティング事業においても減少する計画。収益性の高い各種ストック収益の拡大が見込まれるものの、販売コミッションの増加や子会社の収益性の悪化を織り込み、売上高営業利益率は4.5%と前期比0.2ポイント低下する計画となっている。
配当も、16/3期と同額(上期末7円、期末8円)の1株当たり年間15円の期初の予定を据え置き。

(2)17/3期の戦略

重点的に、下記提供サービスの拡大を推進する。

① AmaVoの拡大
「iSmartひかり」専用の法人向け電話サービスで電話基本料など固定費を削減できる。
② iSmartひかりの拡大
NTT東日本・西日本が提供する光コラボモデルを受け、同社がオリジナル料金で提供している光回線サービス。
今後、再卸商流と業務受託商流の拡大を図る。
③ iSmart接続の拡大
法人向けの高品質なインターネット接続サービスを個人ユーザー向けに価格・内容を最適化したフレッツ光専用プロバイダサービス。
④ おまか請求の拡大
WEB請求・明細の発行や請求・回収業務の受託。委託元専用のWEBサイトを提供するクラウドサービス。
⑤ セキュリティ本舗の拡大
PマークやISMSなど、各種ISOの認証取得・更新のコンサルティング。

会社予想は、期初段階でドキュメント・ソリューション事業における前期の大口受注の反動減とコンサルティング事業における保険業法改正に対応するコストの増加が織り込まれていた。17/3期第2四半期は、概ね会社予想並みの進捗となった模様。

今後の注目点
同社の17/3期第2四半期決算は、前年同期比9.1%の増収、同14.0%の営業減益と好決算とは言い難い結果となったものの、IP&Mobileソリューション事業の成長性が加速してきており、今後の同社の業績拡大を期待させる内容となった。17/3期第2四半期の単体の通話系ストック収益は、新サービスiSmartひかり及びAmaVoの契約獲得が寄与し、売上高が同18.5%増加し、売上高総利益も同32.2%増加した。加えて、単体のネット系ストック収益は、新規契約獲得のための積極的な販売奨励金の支払いが奏功し、売上高が前年同期比27.9%増加し、売上高総利益も同32.0%増加した。同社では、iSmart接続における新規契約獲得のための販売奨励金を前払費用に計上し、3年間で償却を行う会計処理をとっている。17/3期は現行の会計処理を実施してから、4年目となるため、今後前払費用の償却負担の増加が鈍化してくる可能性が高い。この数年販売奨励金の増加は、売上総利益を増加させる一方で、販管費の増加(前払費用の償却費増加)をもたらし、営業利益の伸びを抑制してきた。しかし、17/3期以降、こうした前払費用の償却負担の増加のピークアウトとともに、同社の売上高営業利益率と営業利益の増益率が高まるものと期待される。加えて、近年悪化していた営業CFの改善にもつながるものと予想される。17/3期第2四半期決算では、単体の売上総利益の伸び率が販管費の伸び率を上回り、更に、営業CFのマイナス額も縮小した。今後も単体の営業利益率の向上と営業CFの改善傾向が定着するのか、17/3期第3四半期の単体の売上総利益と販管費の動向が注目される。
一方、こうしたIP&Mobileソリューション事業の好調とは裏腹に、ドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業は前年同期比減収減益となるなど残念な結果に終わった。ドキュメント・ソリューション事業は、前期の大型案件が終了した影響が徐々に収まることが予想される。また、コンサルティング事業においても保険業法改正に伴う体制整備が完了し、今後徐々に成長力を取り戻すものと期待される。17/3期第2四半期を業績のボトムにできるのか、17/3期第3四半期のドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業の業績改善動向にも注目していきたい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

コーポレート・ガバナンス・コード適用以降直近のコーポレート・ガバナンス報告書提出日、2016年6月22日。

<基本的な考え方>
当社では、取締役会を唯一の経営意思決定機関として位置付けております。
定例取締役会を毎月開催するほか、重要案件が生じる都度臨時取締役会を機動的に開催し、迅速かつ的確な経営判断を行っております。
また、企業経営情報の積極的な開示を目的として、適時に当社のホームページにおいて財務情報に限定されないディスクロージャーを行っております。
当社は、監査等委員設置会社形態を採用しており、同形態により十分にガバナンスが機能していると認識しております。

<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
実施をしないコード:7項目、そのおもな原則と理由

<その他>
同社は、社是(*1)を基本とし、中期経営計画の策定(未公表)や取締役の選定を行っている。
株主総会は集中日を避けて6月22日に開催。
議決権の電子行使や英文による情報開示、信託銀行名義の実質株主の総会参加は今後の検討項目としている。
社外取締役以外の取締役の選任理由については、次回より実施予定と書かれていたが、28年6月総会の事業報告から実施されており、コーポレート・ガバナンス・コードの各原則についても実施する・しないを会社の状況に応じて適宜検討・更新をしている。

*1 社是 補充原則4-1-2 中期計画達成状況の株主説明を実施しない理由を参照。

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