(2925:東証2部) ピックルスコーポレーション 2017年2月期第3四半期業績レポート

2017/01/25

pickles

今回のポイント
・17/2期3Q(累計)は前年同期比18.6%の増収ながら、同11.2%の営業減益。M&A効果と販売エリア拡大による浅漬・キムチの増加で売上が伸びたものの、荒天の影響による主要原料野菜の価格高騰で原価率が想定以上に上昇。物流費、人件費、及び広告宣伝費の増加を吸収できなかった。・通期予想は前期比20.7%の増収、同6.4%の営業増益。4Q(12-2月)以降、野菜価格が安定するとみているが、3Q決算を踏まえて通期業績予想を下方修正した。売上はほぼ期初予想に沿った着地となるものの、利益が下振れする。配当は1株当たり5円の創業40周年記念配を含めた22円を予定(同社は2017年2月に創業40周年を迎える)。

・足元の野菜価格は全般に落ち着きつつあるようだ。新聞報道によると、白菜は、好天で主力の茨城県産の出荷が増え、12月上旬の東京市場では同県産の入荷量が前年比で2割増加し、「年明け以降も入荷が増える見通し」と言う。売上高はM&A効果と販売エリア拡大で伸びており、4Qの業績は堅調な推移が見込まれる。尚、同社は2017年2月に創業40周年を迎えるが、これに先立つ2016年12月20日、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から同取引所市場第二部へ市場変更された。今後の益々の発展に期待したい。

会社概要

浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入販売を行なっており、グループは子会社13社(うち連結子会社9社。2016年12月1日現在)、持分法適用関連会社4社と共に全国的な製造・販売ネットワークを構築している。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で、保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはHACCPの導入やISO9001の認証取得、更には5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。
16/2期の品目別売上構成は、製品売上が66.8%(浅漬・キムチ46.4%、惣菜18.4%、ふる漬2.1%)、商品(漬物)売上が33.2%。主要な販売先は、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、16/2期は同グループ向けの売上が全体の29.1%を占めた(取引自体は堅調だが、12/2期37.9%、13/2期35.6%、14/2期33.6%、15/2期31.3%と依存度は低下傾向にある)。

【経営理念】

経営理念は「おいしくて安全、安心な商品を消費者にお届けし、同時に地球環境に配慮した企業経営を目指します」。その上で、①安全でおいしい製品を作るための品質管理、②地球環境に配慮した企業経営、③従業員のモラルアップと安全・健康を第一とした職場づくり、を経営方針として掲げている。この方針に則り、品質管理の国際規格であるISO9001認証、HACCP認定や環境管理の国際規格であるISO14001認証を取得している他、人事制度や教育制度等の充実を図る等で従業員教育にも力を入れている。
今後も、この方針を基に企業活動を行う事で、「安全・安心」な食品の提供という、食品会社の基本姿勢を貫き、消費者の信頼獲得と社会への貢献を果たしていきたい」としている。

HACCP:米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品衛生管理の方法。同社は日本デリカフーズ協同組合(セブン‐イレブン・ジャパンに販売する弁当・惣菜メーカー等が加入)独自のHACCP認定に取り組む。
ISO9001:業務全般にわたった品質マネジメントシステムについての国際規格。取得のためには安定した品質、サービスを供給するために会社としての方針の設定とその方針に沿った仕組みや手順の構築、PDCAサイクルに則った継続的改善を行う事等が要求される。
ISO14001:組織活動、製品及びサービスの環境負荷の低減といった環境パフォーマンスの改善を実施する仕組みが継続的に運用されるシステム(環境マネジメントシステム)を構築することが要求される。
(同社資料より)
【強み】

大ヒットしている「ご飯がススム キムチ」シリーズや各種惣菜等、切れ目無く新製品を投入できる製品開発力と、全国をカバーする営業・製造・物流ネットワークを強みとする。

製品開発力

キムチの製法や味付け手法は多種多様。同社は強みである商品開発力を活かしてキムチ製品のラインナップを強化する事で増収を続けており、16/2期にはキムチ製品の売上は50億円を超えた。また、この商品開発力が、浅漬、キムチに次ぐ柱として育ってきた惣菜事業にも活かされており、ラインナップ拡充と既存商品の継続的な改善と相まって、スーパーや生協等での売り場開拓が進んでいる。

全国ネットワーク

同社グループは、漬物業界で唯一、全国ネットワークを構築している。このため全国展開している顧客の各店舗に同一の浅漬製品や惣菜製品を提供する事が可能であり、営業上の大きな訴求ポイントになっている。ただ、北海道、北陸、中・四国地区、九州地区での本格的な市場開拓はこれから(地域別売上構成:北海道 4%、東北 11%、関東 64%、中部 5%、関西 11%、中国・四国・九州 5%)。このため、今後の伸びしろは大きく、九州では供給力の強化に向け新工場の建設を予定している。

2017年2月期第3四半期決算
荒天による野菜価格の高騰で原価率が悪化

売上高は前年同期比18.6%増の274億円。牛角ブランドのチルド製品(キムチ等)やドライ製品(醤油だれ等)を扱う(株)フードレーベルホールディングスの寄与に加え(3月に子会社化)、販売エリア拡大による販売先の増加で主力の浅漬・キムチが伸びた。

一方、営業利益は同11.2%減の6億64百万円。8月以降の台風や9月以降の多雨・日照不足による生育不足や生育の遅れで出荷数量が減少し、同社グループの主要原料である白菜やキュウリの価格が高騰した他、生育不良で歩留まりも低下し、原価率が78.4%と0.7ポイント上昇。この結果、売上総利益が59億29百万円と同15.2%の増加にととまり、物流費、人件費、広告宣伝費を中心にした販管費の増加を吸収できなかった。
持分法投資損失(△19百万円→△0.4百万円)や支払利息(△11百万円→△8百万円)の減少で営業外損失が減少したものの、前年同期に負ののれん発生益(89百万円)を特別利益に計上した反動で最終利益は4億85百万円と同12.4%減少した。

(株)フードレーベルホールディングスの子会社化に伴う売上債権・仕入債務・のれん(23百万円→9億43百万円)等の増加や中京工場の隣地取得に伴う有形固定資産(土地:61億98百万円→64億22百万円)の増加で、第3四半期末の総資産は181億93百万円と前期末に比べて13億44百万円増加した。自己資本比率44.8%(前期末45.1%)。

自己株式の処分及び株式の売り出し

同社は、2016年10月末現在、自己株式数1,361,544 株を保有していたが、一般募集(700千株)及び第三者割当(105千株)により合計805千株を処分し、概算10億45百万円を調達した(募集価格及び売出価格は1株当たり1,395円で、2016年12月27日現在の自己株式数は556,544株)。
調達した資金については、2018年2月末までに8億49百万円を九州地区における新工場設立のための設備投資資金に、2017年11月末までに約1億96百万円,を生産能力の向上及び生産設備の改修のための設備投資資金に、それぞれ充当する予定である(実際の充当時期までは銀行預金等にて安定的な資金管理を図る)。

連結子会社の異動

グループ経営の効率化と管理体制強化を念頭に、(株)フードレーベルが、親会社で持ち株会社の(株)フードレーベルホールディングス(共に連結子会社)を2016年12月1日付けで吸収合併した。

(3)トピックス 埼玉の名産品深谷ねぎを使用した「ねぎ塩だれ」、「ねぎ味噌」を11月1日に首都圏限定で新発売!

「ねぎ塩だれ」と「ねぎ味噌」を2016年11月1日に発売した。共に埼玉県の名産品として有名な深谷ねぎを使用し、埼玉県を中心とする首都圏限定で販売する「地産・地製・地消」商品である。旬を迎える長ねぎを手軽に美味しく楽しむ事ができる。パッケージは、2~3人で食べ切りやすいサイズであり、10月に統一されたブランドマークにより、“ピックルス”ブランドも強調されている。

「ねぎ塩だれ」は、旬の深谷ねぎをごま油が香る塩だれに絡め、ご飯や肉に合う味に仕上げた。「ねぎ味噌」は、旬の深谷ねぎを甘じょっぱい味噌で味付けし、ご飯や豆腐に相性ぴったりの逸品。

(同社資料より)

2017年2月期業績予想
前期比20.7%の増収、同6.4%の営業増益

第4四半期(12-2月)以降、野菜価格が安定するとみているが、第3四半期決算を踏まえて通期業績予想を下方修正した。売上はほぼ期初予想に沿った着地が見込まれるものの、利益が下振れする。

ただ、前期との比較では、浅漬・キムチや惣菜を中心にした製品売上の増加や(株)フードレーベルの寄与による商品売上の増加で売上高が364億円と20.7%増加する見込み。利益面では、(株)フードレーベルに加え、16/2期に子会社化した県西中央青果(株)の寄与も見込まれ、業容拡大に伴う物流費・人件費の増加やのれん償却費の増加を吸収して営業利益が9億91百万円と同6.4%増加する見込み。

配当は1株当たり5円の創業40周年記念配を含めた22円を予定している(同社は2017年2月に創業40周年を迎える)。

今後の注目点
去る11月17日の新聞報道によると、農林水産省が11月16日発表した食品価格動向調査(7~9日、全国平均)では、対象の野菜全5品目(キャベツ、レタス、トマト、白菜、大根)の小売価格が平年(過去5年平均)より高く、平年の2倍を上回る品目も目立ったと言う。生育不良による産地からの出荷の減少が要因で、同社グループの主要原料である白菜は379円(1kg単価。以下同じ)で平年の2.5倍。この他、キャベツ同2.5倍(373円)、レタス同2.1倍(852円)、トマト同34%高(982円)、大根同85%高(267円)といった具合。しかし、21日発表した同調査(12~14日、全国平均)では、白菜が209円と前週比3%低下。この他では、キャベツ220円(前週比0%)、レタス607円(同△3%)、トマト1,206円(同△1%)、大根179円(△同3%)。白菜は、好天で主力の茨城県産の出荷が増え、12月上旬の東京市場では同県産の入荷量が前年比で2割増加し、「年明け以降も入荷が増える見通し」と言う。
売上高はM&A効果と販売エリア拡大で伸びており、第4四半期は堅調な業績推移が見込まれる。
尚、同社は2017年2月に創業40周年を迎えるが、これに先立つ2016年12月20日、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から同取引所市場第二部へ市場変更された。今後の益々の発展に期待したい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2016年12月20日
基本的な考え方

当社は、法律と社会倫理に基づいて行動し、経営方針を実現し、継続的な成長をするため、コーポレート・ガバナンスが経営の重要課題であると考えております。

【実施しない主な原則とその理由】

【原則4-7.独立社外取締役の役割・責務】
(1) 当社の社外取締役2名は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い見識を有しており、それらの経験や見識を活かして、会社の経営戦略等について助言を行っております。
(2) 現時点では、社外取締役の意見が経営陣幹部の選解任・報酬に反映される体制とはなっておりませんが、【補充原則4-3-1】に記載の通り、今後は、社外取締役の意見を踏まえること等により、公正かつ透明性の高い手続きに従い、適切に経営陣幹部の選解任・報酬を決定する体制を構築してまいります。
(3) 当社の独立社外取締役2名は、取締役会において、利益相反の監督を独立した立場で行っております。
(4) 当社の独立社外取締役2名は、経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映しております。

【開示している主な原則】

【原則1-4.いわゆる政策保有株式】
当社は、上場株式については保有しないことを原則としておりますが、取引関係の維持・強化等経営上の合理的な目的に基づき保有する場合には、その目的に応じた保有であることを定期的に確認しております。
政策保有株式に係る議決権行使については個別に判断しますが、対象会社の企業価値を毀損するおそれがある議案については特に留意して判断してまいります。

【原則1-7.関連当事者間の取引】
当社は、関連当事者間の取引については、該当する役員を特別利害関係人として当該決議の定足数から除外した上で、取締役会において決議しております。また、関連当事者間の取引の有無を確認するアンケートを毎期実施しております。

【原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主・投資家の皆様が当社を正しく理解できるよう、透明性、公平性、継続性を基本とした迅速な情報開示に努めております。
金融商品取引法などの関係諸法令および金融商品取引所の定める適時開示規則に基づく情報開示を行うとともに、当社の理解のために有効と思われる情報についても適切な方法により積極的な情報開示に努めております。
具体的には、決算説明会を年2回、個人投資家向け説明会を年1回以上実施しており、個別取材にも可能な限り代表取締役社長及び広報・IR室が対応しております。
また、IRの担当部署として、広報・IR室を設置するとともに、ディスクロージャーポリシーを当社ホームページに掲載しております。

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