(9616:東証1部) 共立メンテナンス 2017年3月期第2四半期業績レポート

2016/12/21

kyoritsu

今回のポイント
 
・17/3期上期は前年同期比2.4%増収、19.0%経常増益。寮事業の期初稼働率は、前年比1.0ポイント増の98.3%と好調なスタート。ホテル事業においては、ドーミーイン事業、リゾート事業共に国内宿泊需要を確実に取り込みつつ、ドーミーイン事業においては前年同期を上回るインバウンド顧客の取り込みにより、またリゾート事業においては昨年噴火警報により影響を受けた箱根地区の事業所の完全回復により、高稼働率・高客室単価を実現。その他の事業についてもデベロップメント事業において大幅な増収増益となった。売上総利益率は前期比2.1ポイントの大幅な上昇、営業利益率は同1.3ポイント上昇し10.5%にまで向上。

・通期予想に修正はなく、17/3期は売上高が前期比2.2%の増の1,380億円、経常利益は同12.5%増の110億円を計画する。寮事業の期初高稼働に加え、ホテル事業では10月の稼働率、客室単価がドーミーインでは92.0%、10.7千円、リゾートホテルが91.0%、3.98千円と下期も好調なスタートとなっている。配当は年52円(うち上期26円)を予定している。
・着実な業績進捗を実感。訪日外客数は引き続き伸びており、同社の好業績を牽引している。来期を見据えると、寮事業での期初稼働率は今期初比プラス0.2ポイントの98.5%を見込んでいる。ホテル事業においても高稼働の継続が見込まれるほか、今期にオープンしたホテルの通期貢献も見込まれる。足元の円安も一役買いそうである。「フルアクセル」で事業展開しつつも強固な財務体質が維持されていることも頼もしい。中期計画は前倒しで進捗、新たな中期計画が待たれる。

 
会社概要
 
“ライフステージにおける様々な場面での「食」と「住」さらに「癒し」のサービスを通じて、広く社会の発展に寄与する”と言う経営方針の下、「現代版下宿屋」(食事付きの寮の運営)を中心にした寮事業、「温泉感覚を取り入れた大浴場」と「美味しい朝食」といった寮事業のノウハウを活かしたホスピタリティ重視のビジネスホテルや「リーズナブルで質の高いリゾートライフ空間の創造と提供」をテーマに掲げたリゾートホテルのホテル事業、オフィス(事務所)・レジデンス(住居)のビルメンテナンス、ビル賃貸及び賃貸代行、駐車場運営等の総合ビルマネジメント事業、外食やレストラン運営受託のフーズ事業等を展開。知名度と実績で他社を凌駕する主力の寮事業を安定収益源とし、ホテル事業の育成により成長を加速している。
事業の種類別セグメントと売上構成(16/3期)は次の通りである。
 
 
【沿革】
設立は1979年9月。食の世界に長く携わった創業者 石塚晴久氏が調理人として企業の給食施設の運営受託を開始した。翌80年には千葉県佐倉市に、木造2階建て(四畳半が28室)の民間学生寮「学生会館」第一号棟が誕生。「食」を第一として、「学生の健康と元気こそが親の安心」との考えのもと、提携先の学校名を冠した学生会館事業を展開。東京・神奈川地区、名古屋地区、大阪地区へとエリアを拡大した。85年4月には、「一室から借りる事ができ、朝夕2食付き」を特徴とし、ゆっくり身体を癒せる「大浴場」も重視した社員寮事業を開始。87年5月には、学生寮、社会人寮、給食施設等の受託事業で培った「賄いのノウハウ」を活かし外食事業に展開。93年6月に本社移転(東京都千代田区)を経て、同年7月に長野県でリゾートホテル事業に、8月に埼玉県でビジネスホテル事業に参入した。翌94年9月、現在のJASDAQ市場へ上場(店頭登録)、99年3月の東証二部上場を経て、01年9月に東証一部上場となった。
 
 
新中期経営計画「共立フルアクセル・プラン」:16/3期~18/3期の3ヶ年計画
 
昨年5月に新たな中期計画として、「共立フルアクセル・プラン」を策定した。
経営環境
・異次元緩和による低金利及び円安の継続
・建築費の高止まり
「日本再興戦略」改訂2014
・観光資源の活用/インバウンド促進
・大学改革/グローバル化
・法人税率の段階的な引き下げ
・コーポレートガバナンスコードの策定
将来のイベント
・2019年10月消費増税(8%→10%)(計画策定時は2017年4月予定)
・2020年オリンピック・パラリンピック東京大会開催
 
その上で「共立フルアクセル・プラン」において2018年3月期に目指す目標は以下の通り
 
基本方針として
1. お客様のニーズに応えるべく、開発投資を集中的かつ積極的に加速
2. 価値と価格のバランス適正化による収益力の強化
を掲げている

開発室数は寮・ドミールで4,930室、ドーミーインが2,794室、リゾートホテルは641室。
 
 
 
ホテル事業の客室単価については、過去3年間(13/3~15/3期)の平均でドーミーインは5.3%の上昇、リゾートホテルでは6.1%の上昇率であったが、16/3期からの3年間の計画はそれぞれ2.7%、2.3%の上昇を見込んでいる。16/3期の実績はドーミーインが14.4%と大幅に上回った。リゾートホテルは1.8%上昇。
 
開発計画が前倒しで進捗、来期には新たな中期計画へ
開発投資は16/3期157億円、17/3期予想262億円と2年で419億円に達する見通し。中期計画で見込んだ440億円は今17/3期に概ね到達する。また、来18/3期は既に110億円の投資が確定しており、大幅に上回ることが確実な情勢。経常利益についても上期の状況から1年前倒しで達成の目処が立った。
こういったことから、来期に新たな中期計画を立てる見通しとなっている。
 
 
 
2017年3月期上期決算
 
 
前年同期比2.4%の増収、同19.0%の経常増益
売上高は前年同期比2.4%増の684億77百万円。寮事業における期初稼働率は、前年比1.0ポイント増の98.3%と堅調なスタートとなった。ホテル事業においては、ドーミーイン事業、リゾート事業共に堅調な国内旅行者に加え、インバウンド需要も増加を続けていることから、高客室単価にて推移した。その他の事業についてもデベロップメント事業において大幅な増収となった。売上総利益率は2.1ポイントの大幅な上昇、販管費率は0.8ポイント上昇したものの、営業利益率は1.3ポイント上昇した。この結果、営業利益は前年同期比16.6%増の71億73百万円、経常利益は同19.0%増の68億61百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同12.3%増の42億円68百万円となった。
 
 
営業利益率は前年同期比1.3ポイント上昇の10.5%。創業以来、主力として安定成長を続ける寮事業に加え、成長著しいホテル事業も利益率が伸びている。その他の事業は大幅な改善となった。
 
寮事業
売上高は前年同期比3.2%増の225億55百万円、営業利益は同19.4%増の35億46百万円。期初稼働率は98.3%と前年を1.0ポイント上回る水準でのスタート。9月末現在の稼働契約者数は前年同期比1,021名増の33,708名となった。学生寮事業が海外からの留学生の取り込みもあり堅調に推移した。加えて、社員寮事業において新入社員の増加や、新たに寮制度を導入する企業が増加したことにより、大幅に契約者数が増加した。尚、4月に発生した熊本地震の影響は軽微なものにとどまった。
利益面では1棟単位での徹底したコストコントロールを引き続き実施した結果、寮事業の営業利益率は前年同期比2.1ポイント上昇し、大幅な増益を実現した。
 
 
ホテル事業
売上高は前年同期比12.6%の300億74百万円、営業利益は同14.9%増の46億24百万円。国内旅行者やリピーターの増加に加え、インバウンド需要が引き続き増加したことも追い風となり、ドーミーイン事業、リゾート事業いずれも高稼働率、高単価で推移した。
また、ホテル事業全体を通して、スタッフの弛まぬ採用と教育研修によるサービスのクオリティーアップに取り組み、ドーミーイン事業では、ブランディングによる商品力強化、レベニューマネジメント手法の浸透、インバウンドセールスチームの組成、リゾートホテルでは、業界大手の有力なリアルエージェントとの専属提携といった取組みが功を奏し、RevPAR(レブパー:客室単価×稼働率)は双方の事業とも大幅に伸びている。
 
 
ドーミーイン(ビジネスホテル)事業
上期に、「天然温泉 天都の湯 ドーミーイン網走」、「global cabin 五反田」、「天然温泉 富山 剱の湯 御宿 野乃」、「天然温泉 善光の湯 ドーミーイン長野」の4棟がオープンした。既存の事業所においても堅調な国内のリピーターやインバウンド需要の増加が続伸した。国内事業所の稼働率は89.7%で前年同期比1.0p上昇。客室単価は10.6千円で同0.4千円増。これらが3億38百万円の増益要因となり、熊本震災による減益要因1億56百万円、開業費用負担増66百万円を吸収した。海外事業所では稼働率が前年同期比11.9p上昇し73.6%、客室単価も同2.2千円増の13.4千円となり1億72百万円の増益要因となった。
 
 
外国人顧客の利用も着実に伸びている。インバウンドの比率は着実に増加し、今上期は17.9%と前年同期比1.8ポイント増加した。宿泊者数は368千人で同13.9%増。尚、国別シェアは韓国26%、台湾21%、香港18%、中国10%、米国4%と分散されている。また、インバウンド顧客の客室単価は13.3千円で前年同期比0.8千円増、インバウンド以外の10.3千円と比較して高く、稼働率・客室単価双方の上昇に貢献する。
 
 
リゾート(リゾートホテル)事業
箱根地区の事業所では、箱根山の昨年5月の噴火警戒レベル引き上げ以降厳しい状況が続いたが、昨年11月に噴火警戒レベルが引き下げられ、例年並みの稼働率に回復した。稼働率は87.2%と前年同期比3.5ポイントの大幅上昇、客室単価は41.2千円で同0.8千円の増加。既存事業所の稼働率、客室単価上昇は2億62百万円の増益要因となり、開業コスト要因57百万円や8月・9月の台風による50百万円の減益要因を吸収した。
 
 
その他の事業
その他の事業(寮・ホテル事業以外の合計)売上高は前年同期比10.7%増の251億57百万円、営業利益は同64.1%増の5億53百万円。営業利益率は前年同期比0.7ポイント上昇し2.2%となった。

内訳として、総合ビルマネジメント事業は売上高64億67百万円(前年同期比8.3%減)、営業利益1億51百万円(同19.3%減)。建設工事の延期等により減収減益となった。
フーズ事業は売上高31億63百万円(前年同期比17.3%増)、営業損失26百万円(前年同期は17百万円の損失)。ホテルレストラン受託事業の案件増加により増収、スパ事業の苦戦もあり損失は増加した。
デベロップメント事業は売上高98億64百万円(前年同期比39.2%増)、営業利益5億37百万円(同185.7%増)。ホテル開発の受注増加に伴い増収増益となった。
その他事業(報告セグメントには含まれない事業であるシニアライフ、PKP等)は売上高56億60百万円(前年同期比3.9%減)、営業損失1億8百万円(前年同期は21百万円の損失)。
 
 
17/3期上期末の総資産は前期末比40億5百万円減の1,573億97百万円となった。主な要因は現預金の減少などによるもの。
負債は同74億69百万円減の959億58百万円となった。主な要因は、前受金、支払手形及び買掛金の減少などによるもの。
純資産は同34億64百万円増の614億39百万円となった。主な要因は、利益剰余金の増加などによるもの。
自己資本比率は39.0%となり、前期末比3.1ポイント増加した。
尚、事業所開発に伴う設備投資を行った結果、現預金が減少し、ネット有利子負債は前年同期413億円から523億円に増加した。ただし、同社が重視するネットD/Eレシオは0.9倍と、基準とする1.5倍を大きく下回っており、健全な財務状況が維持されている。
 
 
17/3期上期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比115億45百万円減少し140億57百万円となった。
営業CFは売上債権の減少及びたな卸資産の減少により、前年同期比48億31百万円収入が増加し、33億68百万円の収入となった。
投資CFは有形固定資産の取得による支出及び敷金及び保証金の差入による支出の影響により同92億79百万円支出が増加し140億24百万円の支出となった。
フリーCFは44億49百万円支出が増加し、106億56百万円の支出となった。
財務CFは長期借入金の返済による支出の影響により、同50億21百万円収入が増加し7億80百万円の支出となった。
 
 
2017年3月期業績予想
 
 
前期比2.2%の増収、同12.5%の経常増益予想
通期予想に修正はなく、17/3期は売上高が前期比2.2%増の1,380億円、経常利益は同12.5%増の110億円を計画する。
寮事業は期初稼働率が前年比1.0ポイント増の98.3%と好調なスタートとなった。ホテル事業では10月の稼働率、客室単価がドーミーインでは92.0%、10.7千円、リゾートホテルが91.0%、39.8千円と下期も好調なスタートとなっている。
配当は年52円(うち上期26円)を予定している。
 
 
今後の注目点
着実な業績進捗を実感。インバウンド需要のピークアウトがささやかれているが、これはあくまで中国からの訪日客を中心とした高額消費の落ち込みによるものである。訪日外客数は引き続き伸びており、同社の好業績を牽引している。仮にピークアウトになったとしても、満室で利用できなかった国内客が多数控えており、十分賄えるため同社の稼働率は高水準を保てるだろう。
来期を見据えると、寮事業での期初稼働率は今期初比プラス0.2ポイントの98.5%を見込んでいる。ホテル事業においても高稼働の継続が見込まれるほか、今期にオープンしたホテルの通期貢献も見込まれる。足元の円安も一役買いそうである。
「フルアクセル」で事業展開しつつも強固な財務体質が維持されていることも頼もしい。新たな中期計画が待たれる。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
コーポレート・ガバナンス・コード適用後の直近のコーポレート・ガバナンス報告書提出日、2016年7月27日。

<基本的な考え方>
当社は、創業以来顧客第一を経営理念として、ライフステージの様々な場面でのサービスの提供を通じて広く社会の発展に寄与することを経営方針としております。また、永続的発展と長期的な株主利益の最大化を目指すため、コーポレート・ガバナンスの充実が不可欠と考え、経営の意思決定の迅速化、経営の監督機能の強化、説明責任の重視・徹底、迅速かつ適切な情報開示等を行っており、透明性、健全性等を確保することが重要な経営課題であると認識しております。
また、当社は会社法に基づく機関として、株主総会、取締役、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しており、これらの機関のほかに、経営情報会議、コンプライアンス委員会、グループ経営情報交換会を設置しております。

<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
同社は各原則すべてを実施している
 
 
 

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