(4709:東証1部) インフォメーション・ディベロプメント 2017年3月期第2四半期業績レポート

2016/12/07

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今回のポイント
・17/3期第2四半期の売上高は前年同期比8.8%増の105億86百万円。金融系プラットフォーム開発業務が既存顧客の深耕拡大により大きく増加したことなどによりシステム運営管理が増加。ソフトウェア開発も増加した。制度改正や法令改正対応で公共系開発の売上も増加した。営業利益は同147.8%増の4億97百万円。前期発生した本社移転費用が無くなったほか、前期発生したソフトウェア開発における不採算案件の収束が寄与、大幅な増益。売上、利益共に計画を上回った。

・第2四半期の予想は修正したが、通期予想に変更は無い。売上高は前期比6.6%増の214億円の計画。引き続き金融機関の統合案件等、顧客のIT投資は拡大することが期待される。営業利益は同31.9%増の12億80百万円。前期にあった不採算案件が今期は発生しない見込みで大幅な増益を計画している。配当予想を修正。株式分割考慮後の配当55.50円/株の予想配当性向は48.5%。

・第2四半期業績予想を上方修正したが、通期予想は据え置いた。同社の有力顧客である大手金融機関のシステム統合は今後も継続するが、情報サービス産業売上高に見られるように下期にかけて事業環境には不透明感が残ると考えている。同社は新・中期経営計画「I-vision 50」において、第2次構造改革を進めて営業利益率を2%以上改善し、2019年3月期 営業利益率7.0%を目標としている。今期予想は6.0%であるが、不透明な環境下でも前期の4.8%を上回る5%以上を堅持したいとのことだ。不透明ながらも上振れの可能性も残している下期業績動向に注目したい。また、折に触れ重要なステークホルダーである従業員を重視した経営を進めることに言及している同社による今回の大幅増配・配当性向引上げは、全てのステークホルダーとのバランスのとれた信頼関係構築を進めるというメッセージであり、高く評価したい。

会社概要

金融向けITアウトソーシングに強みを持つ独立系の情報サービス会社。システム運営管理とソフトウェア開発・保守を二本柱とし、一つの顧客に対し、コンサルティングからソフトウェア開発、システム運営管理等の複数のサービスを提供するBusiness Operations Outsourcing(BOO)戦略を推進しており、好不況の波の大きいIT業界にあって、相対的に業績の変動が小さく、高配当を継続している。尚、2013年12月17日、JASDAQから東証2部に市場変更。2014年9月8日、東証1部に上場した。

【事業セグメント】

事業は、システム運営管理、ソフトウェア開発・保守、及びその他に分かれ、各事業の概要と売上構成比は次の通り。

システム運営管理  (16/3期売上構成比58.4%)

1,200名規模の技術者を擁する専門部隊が、ミドルウェアのカスタマイズからハードウェアの保守、24時間体制のオペレーションまで、トータルかつ高付加価値のアウトソーシングを実現している。

ソフトウエア開発・保守  (16/3期売上構成比37.4%)

500名を超える技術者が、顧客の開発ニーズに合わせたシステム構築をサポート。金融機関、エネルギー、運輸をはじめとする幅広い分野のお客様へ、多くの開発実績を築いている。

その他  (16/3期売上構成比4.2%)

BPO、セキュリティ、コンサルティングなどを展開している。海外の大手ベンダーと提携し、各種セキュリティ製品の提供からコンサルティング、セキュリティ環境の構築・導入・運用・サポートまで一貫したサービスを提供している。

また、顧客別では、メガバンク、有力地銀、生損保、農林系等の金融機関が54.7%、SIer、情報通信機器ベンダー、或いは通信キャリア系情報サービス大手等の情報・通信・サービスが26.1%、製造、輸送、公共団体、エネルギー等のその他が19.1%。

【IDグループ】

IDは、2015年7月1日付で、国内子会社であった(株)日本カルチャソフトサービスと(株)ソフトウエア・ディベロプメントを吸収合併した。現在の国内外の連結子会社は8社。このうち国内(3社)は、情報システム・コンサルティング等の(株)プライド(出資比率85.9%)、ITソフトウェアの受託開発を手掛ける株式会社テラコーポレーション(出資比率100%)、障がい者雇用を促進するための子会社愛ファクトリー(株)(同100%)。一方、海外(5社)は、中国でソフトウェア開発、システム運営管理等を手掛ける艾迪系統開発(武漢)有限公司(同100%、ID武漢)、シンガポールでシステム運用コンサルティングやセキュリティサービス等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT SINGAPORE PTE. LTD.(同100%、IDシンガポール)、及びアメリカで人材採用・育成、現地市場調査、情報収集等を手掛けるINFORMATION DEVELOPMENT AMERICA INC. (同100%、IDアメリカ)。また、2015年8月にシステム運営管理の企画ならびに運用を手掛けるPT. INFORMATION DEVELOPMENT INDONESIA(IDシンガポール51%、ID49%、IDインドネシア)を設立した。
このほか、2016年5月には、ミャンマーでITトレーニングアカデミーの運営等を行うInfinity Information Development Co., Ltd. (IDシンガポール出資比率51%、ID49%、iID)を子会社化した。

【IDグループのサービスの特徴 -i-Bos24®(ID’s Business
Operations-Outsourcing Service 24)-】

同社グループはコンサルティングからソフトウェア開発、システム運営管理、クラウド・セキュリティ、BPOまで、トータルなITアウトソーシングサービスを「i-Bos24®」のブランドで提供している。ソフトウェア開発事業ではユーザーの立場に立った柔軟な発想と姿勢でシステムを構築し、システム運営管理事業では24時間365日システムをノンストップで運営管理。セキュリティ事業ではセキュリティ製品の販売やネットワークセキュリティに関わる業務を行う。更にクラウドサービス「iD-CLOUD」では、コンテンツやセキュリティの運用・遠隔監視、Web会議システムの導入等のニーズに応え、BPO事業ではITを活用した事務作業を代行することで顧客の業務効率化に貢献している。

内閣府が11月14日に発表した16年7-9月の国内総生産(GDP、季節調整済み)1次速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%増(年率換算で2.2%増)となり、4-6月の0.2%を上回った。一方、情報サービス産業との関連性が深い民間企業設備(実質)は前期比0.0%となり、1-3月の-0.7%、4-6月の-0.1%から3期ぶりにマイナスを脱したものの力強さは感じられない。
一方、経済産業省発表の「特定サービス産業動態統計調査」(16年11月16日発表。9月分確報値)によると、同社が強みを持つシステム等管理運営受託売上高は前年同月を上回り堅調に推移している一方、情報サービス産業売上高は、受注ソフトウェア売上高は、8月以外は前年同月を下回って推移しており、ややモメンタムに変化が生まれている。

(2)同社の取り組み

キーワードは、「BOO戦略」、「グローバル推進」、及び「iD-CLOUD」。具体的には、一つの顧客に対し、コンサルティングからソフトウェア開発、システム運営管理、BPOまで、複数のサービスを提供する「Business Operations Outsourcing」を“i-Bos24®” のブランドで 展開し、既存顧客1,000社から抽出した13企業グループを深耕する。また、「グローバルの推進」では、ITの導入支援から運用・保守までのワンストップサービスを日本水準で提供する事でグローバル展開を進める日本企業のニーズを取り込んでいく。この一環として、100%子会社 ID武漢が、武漢、上海、無錫及び東京を活動拠点とし、日本と中国において、ソフトウェア開発からシステム運営管理、BPOまでのトータルITサービスを提供している他、米国、シンガポールでの子会社設立、英国における支店設立、業務提携に加え、2016年5月にはミャンマーで設立した合弁会社を子会社化した。また、同年8月にはインドネシアに子会社を設立し、グローバルなITサポート体制の構築を進めている。

一方、顧客企業のIT投資額に占めるクラウドコンピューティングへの投資比率は今後ますます増加することが予想されるため、「iD-CLOUD」の拡大に積極的に取組んでいく。
特に、クラウドの採用にあたり顧客企業が注視するのはセキュリティレベルの高さであるため、新しいセキュリティ商品、技術を積極的に取り入れ、クラウドおよびセキュリティとオペレーションを組み合わせた、より専門的なサービス提供を機動的に推進していく。
また、クラウド環境の設計・構築に欠かせないプラットフォーム系開発業務においては、要員育成による体制強化を進め、売上拡大を目指す考えだ。なお、プラットフォーム系開発業務とは、ハードウェア、OS、ミドルウェアの機能を最適な手段で活用し、低コストかつ信頼性の高いシステム稼働環境を設計・構築するサービスのこと。

【新・中期経営計画「I-vision50」】

今回策定した新・中期経営計画「I-vision50」においては、徹底した構造改革、新たな成長分野の構築、連結経営の強化を3つの基本方針とし、目指す姿として「高品質のサービスをより早くお客様に」を掲げている。
新たな成長分野の構築においては、全てがインターネットで繋がる「IoT」および様々な分野での活用が予想される「AI」の発展を支えるのはセキュリティであると位置づけ、パートナー企業との関係を更に強化し、商品・サービス力を磨き上げていく考えだ。
重点戦略として、①ダイバーシティの推進、②BOO戦略の推進、③クラウドサービスの推進、④グローバル推進、⑤グループ経営の効率化と業務プロセス改善を推進し、19/3期に売上高240億円、営業利益16.8億円、営業利益率7.0%、ROE13.5%を目指している。また、第2次構造改革により営業利益率2%以上の改善を目指している。

2017年3月期第2四半期決算概要
前年同期比8.8%の増収、同147.8%の営業増益。売上、利益共に計画を上回る。

売上高は前年同期比8.8%増の105億86百万円。金融系プラットフォーム開発業務が既存顧客の深耕拡大により大きく増加したことなどによりシステム運営管理が増加した他、システム統合や更改対応により金融系が大きく増加したことなどによりソフトウェア開発も増加した。制度改正や法令改正対応で公共系開発の売上も増加した。
営業利益は同147.8%増の4億97百万円。前期発生した本社移転費用が無くなったほか、前期発生したソフトウェア開発における不採算案件の収束が寄与し、(株)テラコーポレーションの株式取得に関わる業務委託費(販管費)の発生や退職給付制度変更(16年4月に確定拠出企業年金制度へ移行)に伴う退職給付費用(売上原価および販管費)の増加などを吸収し、大幅な増益となった。
経常利益は同133.4%増の4億86百万円。為替差損23百万円が発生したが、営業利益増によりこちらも大幅な増益となった。
四半期純利益は同252.9%増の3億38百万円。退職給付制度の変更により、確定拠出企業年金制度への移行部分についての退職給付債務減少による特別利益として退職給付制度終了益(2億39百万円)を計上した。
売上、利益共に計画を上回った。

システム運営管理事業の売上高は前年同期比2.9%増の59億28百万円。既存の金融系運営管理業務は、案件の一部終息があったものの、引き続き売上が増加。また、金融系のプラットフォーム開発業務も既存顧客の深耕拡大により売上が大幅に増加した。

ソフトウェア開発事業の売上高は前年同期比20.2%増の42億73百万円。システム統合や更改対応により、金融系の売上が大幅に増加した他、制度改正や法改正対応等によって公共系の売上も増加した。

その他事業の売上高は前年同期比6.7%減の3億84百万円。コンサルティングの売上高は増加したが、セキュリティ販売の売上が減少した。

16/6月末の総資産は前期末比4億65百万円減の98億53百万円。資産面では売上債権が、負債・純資産面では短期有利子負債および退職給付に係る負債が主な減少要因。自己資本比率は68.5%と前期末比5.8ポイント上昇した。

利益増、賞与引当金増などで営業CFはプラスに転じた。
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が発生したこと等から投資CFのマイナス幅は拡大したが、フリーCFはプラスに転じた。
短期借入金が減少し財務CFのマイナス幅は拡大した。
キャッシュポジションは低下した。

(3)トピックス
◎株式分割および配当予想を修正

2017年1月1日を効力発生日として1:1.5の株式分割を実施する予定であると発表した。
また同時に、分割に伴う調整を考慮しないベースで2017年3月末の期末配当予想を従来の35円/株から37円/株に修正することとした。
株式分割前、1株につき37.00円の受取配当は、株式分割後、37.00円×1.5株=55.50円となり、前期の35.00円から実質20.50円の大幅増配となる。

◎女性活躍推進法に基づく優良企業認定マーク「えるぼし」を取得 ~最高評価「認定段階 3」を取得~

2016年8月30日付で、女性活躍推進法第 9条に基づき、厚生労働大臣が認定するマーク「えるぼし」を取得した。

「えるぼし」は、一般事業主行動計画を策定・届出した企業のうち、女性活躍推進に関する取り組み状況の優良な企業に対し、厚生労働大臣から与えられるもの。なかでも同社は、①採用、②継続就業、③労働時間、④管理職比率、⑤多様なキャリアコースの5つの基準をすべて満たしていることより、もっとも高い評価である「認定段階 3」の認定を受けた。
同社は、多様な人材の活躍推進を重要な経営戦略の一つと位置づけ、ダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいる。そのなかでも女性活躍推進については、次世代育成支援対策推進に基づき、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣が認定するマーク「くるみん」をこれまでに4度取得しており、「女性が働く環境整備」に努めている。
また、2016年度から2018年度を計画期間とする中期経営計画「I-vision 50」においても、女性社員および女性管理職比率などの目標を定めている。
今後も、女性が「能力を発揮できる活躍の場」を広げるべく、一段と取り組みを強化していく考えだ。

2017年3月期業績予想
業績予想に変更無し。前期比6.6%の増収、同30.6%の経常増益の計画

第2四半期の予想は修正したが、通期予想に変更は無い。
売上高は前期比6.6%増の214億円の計画。引き続き金融機関の統合案件等、顧客のIT投資は拡大することが期待される。
営業利益は同31.9%増の12億80百万円。前期にあった不採算案件が今期は発生しない見込みで大幅な増益を計画している。
前述の通り、配当予想を修正している。株式分割考慮後の配当55.50円/株の予想配当性向は48.5%。

今後の注目点
第2四半期業績予想を上方修正したが、通期予想は据え置いた。同社の有力顧客である大手金融機関のシステム統合は今後も継続するが、情報サービス産業売上高に見られるように下期にかけて事業環境には不透明感が残ると考えている。
同社は新・中期経営計画「I-vision 50」において、第2次構造改革を進めて営業利益率を2%以上改善し、2019年3月期 営業利益率7.0%を目標としている。今期予想は6.0%であるが、不透明な環境下でも前期の4.8%を上回る5%以上を堅持したいとのことだ。
不透明ながらも上振れの可能性も残している下期業績動向に注目したい。また、折に触れ重要なステークホルダーである従業員を重視した経営を進めることに言及している同社による今回の大幅増配・配当性向引上げは、全てのステークホルダーとのバランスのとれた信頼関係構築を進めるというメッセージであり、高く評価したい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

同社は最新のコーポレートガバナンス報告書を2016年6月27日に提出している。

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