(2317:東証1部) システナ 2017年3月期上期業績レポート

2016/11/17

systena

今回のポイント
・17/3期上期は前年同期比9.6%の増収、同44.4%の営業増益。利益貢献の大きいソフトウェア開発が、車載・社会インフラを中心に伸びた他、ネットビジネス顧客のIoT関連システムの構築・検証も増収に寄与。自社商材・サービスの拡充及び物販のシステムインテグレーターへの進化もあり、大幅な増収・増益となった。・通期予想に変更はなく、前期比7.3%の増収、9.5%の営業増益。成長が見込まれる、車載、社会インフラ及びロボットの分野で受注が伸びているソリューションデザイン事業の好調が続く他、事業間(事業本部間)連携によるシナジーでITサービス事業やソリューション営業事業の売上も収益性の改善を伴って増加。伸び悩んでいたクラウド事業も既存製品のブラッシュアップとサポートの強化による需要の掘り起こしで覚醒。売上高・営業利益共に2期連続の過去最高が見込まれる。期末配当は1株当たり18円を予定(上期末配当18円と合わせて4円増配の年36円)。

・ソリューションデザイン事業は、携帯電話で培った通信及びコミュケーション技術と機能検証のノウハウを活かして、いち早くスマートフォン分野に展開し技術やノウハウに磨きをかけた事が生きている。また、ITサービス事業やソリューション営業事業では、単純物販や人材動員力に頼った比較的付加価値の低いサービスから、事業部間シナジーを発揮しつつ、SIやソリューション等により付加価値の高い分野へのシフトが進んでいる。好業績が一時的なものでなく、確たる根拠に根差したものである事がわかる。

会社概要

2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社11社及び持分法適用会社2社と共にグループを形成している。

【会社の経営の基本方針 -安定と成長のバランスを重視した経営-】

経営目標は、「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える」。その実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」と言う相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。

【目標とする経営指標】

・安定した高配当
・高い株主資本利益率
・高い売上高営業利益率

目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)は、19/3期に連結売上高560億円、営業利益55億円、ROE20%の達成と年間配当1株当たり52円の実施(配当性向40%以上)。
【事業内容】

事業は、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ソリューション営業、クラウド事業、コンシューマサービス事業、及び海外事業に分かれる。16/3期の売上構成比は、ソリューションデザイン事業32.9%、フレームワークデザイン事業12.2%、ITサービス事業13.5%、ソリューション営業39.4%、クラウド事業1.4%、コンシューマサービス事業0.9%、及び海外事業0.5%(この他、17/3期から新規事業の育成を目的に投資育成事業をセグメントした)。

ソリューションデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision、(株)IDY、HISホールディングス(株)

モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「プロダクト」、及びワークフロー等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発及び検証の引き合いが活発である。

フレームワークデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision

国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。現状では、業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めているが、ITサービス事業やソリューション営業事業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。

ITサービス事業   (株)システナ、東京都ビジネスサービス(株)

システムやネットワークの運用・保守・監視、ヘルプデスク・ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。

ソリューション営業事業   (株)システナ

ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。

クラウド事業   (株)システナ

クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「G Suite 」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスやスマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」を提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「G Suite 」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。

コンシューマサービス事業   (株)GaYa

連結子会社(株)GaYaを中心とする事業である。自社タイトルやエンジンの複数プラットフオームへの展開、PC/スマホの垣根を越えたマルチ対応ゲーム制作等を手掛けている。

海外事業   Systena (THAILAND) Co.,Ltd.、Systena America Inc.、Systena Vietnam Co.,Ltd、iSYS Information Technology Co.,Ltd.

タイの現地法人Systena (THAILAND) Co.,Ltd.、米国の現地法人Systena America Inc.、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.、及び中国の合弁会社iSYS Information Technology Co.,Ltd.(北京)の4社が事業を進めている。タイの現地法人は、バンコク版レストラン検索アプリ「バングル」の収益化に取り組んでおり、16/3期上期にサービス課金を開始した。米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査及びインキュベーションが二本柱。
一方、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点。中国の合弁会社(持分法適用会社)もオフショアとの位置付けで、モバイル向け・金融機関向けシステムが中心。

投資育成事業

新規事業の育成を目的として、2016年4月1日に(株)インターネットオブシングス、(株)eペット、(株)キャリアリンケージを設立した。特に(株)インターネットオブシングスはIoT、ロボット、FinTech等の企画・開発・販売を手掛ける戦略子会社である。

中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)
【ストラテジー  -自動運転、スマートシティ、ロボット、IoTソリューション-】

今後10年間で最も伸びる分野に経営資源を集中させていく考えで、具体的なターゲットとして、自動運転、スマートシティ、ロボット及びIoTソリューションの4分野を挙げている。4分野は、いずれも無線通信技術が不可欠な事から同社の強みを活かす事ができる。また、ロボットはAIの領域でもあり、今後、幅広い用途や需要が期待でき、この分野でいち早く技術とノウハウの蓄積を図る事の意義は大きい。

【中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)  -成長工ンジンの再構築により、19/3期の営業利益を2.5倍に-】
(1)重視する経営指標(KPI)と2019年3月期の目標
 売上高  56,000百万円(15/3期 36,951百万円)   配当   52円  (15/3期 30円)
営業利益 5,500百万円 ( 同  2,226百万円)  配当性向 40%以上(同 81.0%)
EPS    130円    ( 同      37円)  ROE   20%  (同 7.3%)
(2)主要セグメントの目標と取り組み
ソリューションデザイン事業

19/3期の目標は売上高185億円、営業利益22億円(15/3期 売上高117.6億円、営業利益10.3億円)。セグメント全体で売上高を1.6倍、営業利益を2.1倍に拡大させる考えで、中核となる車載・ロボットと社会インフラについては、合計で売上高3.7倍、営業利益4.8倍を見込んでいる(売上高19億円、営業利益1.8億円 → 売上高71億円、営業利益8.7億円)。

・車載・ロボット、Webシステム開発・検証の実績を活かした交通・電力といった社会インフラへの展開
・ネットビジネスの支援(新たなサービスの創造を支援する)。
フレームワークデザイン事業

19/3期の目標は売上高65億円、営業利益8億円(15/3期 売上高42.4億円、営業利益3.9億円)。売上を15/3期比1.5倍、営業利益を同2.1倍に拡大させたい考えで、本部間協業・新規サービスについては売上20倍、営業利益40倍を目指している。

・金融(保険・銀行)での開発実績やノウ八ウを活かして他業種の基幹システム関連等へ水平展開(ワークフロー開発や長期保守)
・本部間協業の拡大によるストツク型ビジネスへの転換
ITサービス事業

19/3期の目標は売上高70億円、営業利益7億円(15/3期 売上高51億34百万円、営業利益3億3百万円)。

・ヘルブデスクやシステム運用保守で培ったノウ八ウの活用と本部間協業による高付加価値サービスへの転換
高付加価値サービスとは、海外進出支援、ITサポート環境構築、社内システム環境整備、インフラ最適化、スマートデ八イス運用支援等。
ソリューション営業

19/3期の目標は売上高200億円、営業利益8億円(15/3期 売上高151億93百万円、営業利益4億79百万円)。サービス売上高を40億円に引き上げ、売上構成比を20%とする事で、15/3期に3.2%だった営業利益率を4.0%に高める。

当事業が総合営業としてシステナの全ての商材・サービスを販売していく事を基本方針とし、オンプレミスのサーバーとクラウドサービスとの連携によるハイブリッド環境への対応強化、ストックビジネスの拡大及び本部間連携によるシナジー拡大に取り組んでいく。

新企隊本部を発足させた目的は二つあり、一つは、IoT、セキュリティ、Fintech、ロボティクス、コンテンツをキーワードとする高付加価値な事業創造を通じて、ストックビジネス(ロイヤリティ・ビジネス)の拡大を図る事。この一環として、関係事業を集約し投資効率の向上と営業連携の強化に取り組む。
もう一つは、海外事業を早期に軌道に乗せる事。早期の黒字化に向け、海外子会社独自で事業活動を行うビジネスモデルから、システナ本体との連携強化によるALLシステナの経営資源を有効活用するビジネスモデルへの転換を図る。19/3期に売上高40億円、営業利益10億円の収益寄与を目指している(15/3期 売上高9.2億円、営業利益0.4億円)。

17/3期は海外子会社が発掘した米国のベンチャー企業3社と日本での独占販売契約を締結した以下3つのサービスの販売を開始する予定で(クラウド事業として売上計上)、売上高14.9億円、営業損失1.7億円を計画している(16/3期:売上高11.7億円、営業損失0.6億円)

IoTプラットフォーム「C2M」(プラズマ社)

全米屈指のIoTプラットフォーム「C2M」の日本独占販売契約を締結した。オールインワンのIoTプラットフオームであり、導入すれば直ぐにIoTを始める事ができる。米国の代表的な大都市のスマートシティ計画におけるIoTプラットフオームに選定され(今夏にプレス発表の予定)。この他、AT&T、HP、米国大手石油会社、大手物流、大学、医療関係、建設会社等で、IoTプラットフオームとして豊富な採用実績を有する。

認証&暗号化ソリューション「FIDO」(ストロングオース社)

世界の中央銀行、大手金融機関、軍事機関が認めた認証&暗号化ソリューションの日本独占販売契約を締結した。某西欧の中央銀行、某中東の中央銀行、イベント切符業界で世界最大級のマーケット・メーカー、US最大級テレコム会社、APAC最大級テレコム会社等、全世界の大手企業での採用実績を有する。暗号化ソリューションだけでなく、ヨーロッパや米国で話題の次世代認証システム(FIDO)の日本企業への提案活動にも力を入れていく考え。

アドバタイズ・テクノロジー「リールコードメディア」(マカテ社)

シリコンバレー・ベンチャーによる、斬新なアドバタイズ・テクノロジー(広告技術)の日本独占販売契約を締結した。リールコードメディア(特許出願中)はQRコードの進化版と言い換える事ができ、最大4つのあらゆるデジタルコンテンツを直感的につなげる新世代アドテク。広告、販促、名刺、パンフレット、マニュアル、ユーザサポートをユーザーに直感的に繋げる新ソリューションとして期待されている。

2017年3月期上期決算
前年同期比9.6%の増収、同44.4%の営業増益

売上高は前年同期比9.6%増の216億94百万円。マイナス金利の影響による金融業界での投資の減少等でフレームワークデザイン事業が苦戦したものの、成長分野である、車載、航空管制(社会インフラ)、インターネットサービスでのシステム開発及びIoT関連の開発・検証等でソリューションデザイン事業の売上が伸びた他、「ALLシステナ体制」による社内連携でITサービス事業やソリューション営業事業の売上も増加。未だ事業規模は小さいものの、クラウド事業も自社開発グループウェア「Cloudstep」のブラッシュアップとサポートの強化による需要の掘り起こしで売上が大きく伸びた。

利益面では、高付加価値分野に特化したソリューションデザイン事業の収益性が一段と改善した他、ITサービス事業、ソリューション事業、及びフレームワークデザイン事業も高付加価値分野へのシフトが進み収益性が改善。人員増強等による販管費の増加を吸収して営業利益が16億87百万円と同44.4%増加した。投資有価証券売却損58百万円(前年同期は売却益65百万円を計上)の計上等による営業外損益の悪化を吸収して経常利益も16億27百万円と同30.0%増加。最終利益が同4.0%の増加にとどまったのは税効果会計の影響による。

上期末の総資産は前期末に比べて9億21百万円減の220億11百万円。総資産の減少は季節要因によるもので、売上債権・仕入債務等が減少した。自己資本比率63.4%(前期末57.9%)。

税引前利益の増加で前年同期を上回る8億27百万円の営業CFを確保した。投資CFがマイナスに転じたのは、有形・無形固定資産の取得による支出の増加や余資運用関連の資金の出入りによる。

セグメント別の動向と見通し
ソリューションデザイン事業(売上高・利益は調整額を含む)

売上高80億75百万円(前年同期比22.1%増)、営業利益8億39百万円(同53.8%増)。成長分野である車載、航空管制(社会インフラ)、インターネットサービスでのシステム開発及びIoT事業を進める顧客からの開発・検証が増収・増益に寄与した。

車載(セグメント売上高の約16%)では、ディスプレイオーディオ等の運転席周りのインフォテイメント化関連や自動運転関連の開発が好調。今後は車載システムの品質検証の受注にも注力していく考え。社会インフラ(同10%)では、従来からの電力関連(エネルギーマネジメントシステム)の開発が堅調に推移する中、今期から開始した次世代航空管制システム開発が伸びた。引き合いが増えている交通関連システムと共に社会インフラの柱として育成していきたい考え。インターネットサービス(同約45%)では、通信キャリアやISP・ASP系顧客のサービスのシステム開発・検証が増加した。IoT・ロボット・AI(人工知能)の分野は未だ事業規模が小さい。コンサル的な案件が中心だが、各種サービス事業者のIoT関連案件の開発・検証業務の引き合いが増えている。IoT関連に特化した開発ラボを強化する等で受注体制の整備も進めた。センシング技術の塊であるロボットとロボットが集めたデータ解析するAI(人工知能)の両面から取り組みを進め、この技術を活かして事業展開を進めていく。
通期では、売上高169億50百万円(前期比20.7%増)、営業利益20億32百万円(同31.3%増)を見込む。

フレームワークデザイン事業

売上高20億98百万円(前年同期比20.8%減)、営業利益2億77百万円(同2.0%減)。売上の40~50%を占める生損保分野で統合案件が一巡する中、マイナス金利の影響を受けて売上の20~30%を占める銀行分野で予算執行の遅延や予算縮小がみられた。既存顧客内の横展開と現行プロジェクトの受注継続に取り組んだが、保険関連の大型案件の予算執行の遅れもあり、売上・利益共に減少。ただ、苦戦は当初から織り込み済みで、売上高、営業利益共に期初計画を上回る着地。営業利益が小幅な減少にとどまったのは、前年同期に不採算案件があったため。
収益貢献は下期以降になるが、新たにクレジットカード決済システムの大型プロジェクトがスタートした。今後、プロジェクト・マネジメントに長けた人材を育成し、電子マネー等の成長分野へのシフトを進めていく他、部門間連携の強化により、金融以外の顧客に対して、BCPソリューション、オンプレミス(自社所有・運用)とクラウドのハイブリッド対応、クラウド関連のプロダクト、更にはビックデータ分析・BIツールを用いたソリューションを展開して新規顧客開拓を進めていく。
通期では、売上高42億48百万円(前期比18.1%減)、営業利益5億45百万円(同21.7%減)を見込む。

ITサービス事業

売上高30億47百万円(前年同期比9.4%増)、営業利益2億90百万円(同95.1%増)。従来の営業対象である社内ITサポート部門ではなく、ビジネス部門に営業対象を広げた成果が顕在化し、「IT業務サポート」や「仮想デスクトップ導入支援」、それに伴うスポットの「スマートデバイスの導入」案件等が増収・増益をけん引。特に「スマートデバイスの導入」案件の収益性が高かった。

「ヘルプデスク」、「システムオペレーター」と言う従来の人材動員力を強みとする受注から、これまでのプロジェクトで培ったノウハウを基にした付加価値の高い「IT業務サポート」、「インフラ構築全般」、「グローバル支援業務」といった顧客のビジネス展開に直結したサービス単位での請負型業務へのシフトを進めている。
通期では、売上高63億43百万円(前期比9.8%増)、営業利益5億62百万円(同26.7%増)を見込む。

ソリューション営業

売上高80億02百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益3億65百万円(同87.1%増)。サーバー等のハードウェアの低迷を受けて、セキュリティ、モバイル、クラウドをキーワードに潜在需要の掘り起こしに取り組んだ。システム開発部門やITサービス部門との連携効果もあり、ロードマップの把握から、IT機器の導入、インフラ構築、システム開発、保守運用までを一気通貫する付加価値の高いワンストップサービス案件が増加した。かつて売上の大半を占めていた単純物販が40%程度に低下し、サービス売上が15~20%を占めるに至った事で収益性が改善し大幅な増益となった。

下期は、オンプレミスからハイブリッド環境への対応強化、収益力の強化に向けたサービスの拡販及び連結子会社(株)インターネットオブシングスとの連携強化により、トップラインの引上げと更なる高付加価値化を図る。サービスの拡販では、サービス部門を増強して、「Office 365」や「DROP BOX」等のクラウド商材に独自のサービスを加えたストックビジネスの拡大に取り組んでおり、新商材・新ソリューション(サービス案件の評価・検証)も立ち上げだ。
通期では、売上高170億円(前期比1.0%増)、営業利益5億27百万円(同6.0%増)を見込む。

クラウド事業

売上高3億88百万円(前年同期比41.2%増)、営業利益59百万円(同100.1%増)。グーグルが提供する「G Suite」やマイクロソフトが提供する「Microsoft Office 365」と連携する自社商品グループウェア「Cloudstep」の機能強化やサポートメニュー強化が潜在需要を顕在化させた。具体的には、カレンダー機能強化による利便性向上が評価され複数の大型案件獲得につながった(競合製品からの乗り換え)他、サポートメニュー強化とCustomer Satisfaction(顧客満足度)専門チームによる既存顧客の深耕でアップセル・クロスセルにつながった(これにより既存顧客単価が上昇)。これらの結果、既存顧客の機能追加案件が前年同期比170%増と伸びた事も上期の特徴。
また、新商材「スマートフォン通帳」や「FIDO認証」も順調に立ち上がった。「スマートフォン通帳」は金融機関をターゲットとしており、金融業界紙に掲載される等で注目度が高まっている。一方、「FIDO認証」はFIDO1.0認証方式を採用した機能を提供するもの。FIDOとは、FIDO Allianceが策定を進めているオンライン認証(指紋認証等の生体認証)の規格。

下期は、引き続き「Cloudstep」やCustomer Satisfaction(顧客満足度)専門チームによる潜在需要の掘り起こしが期待できる他、「スマートフォン通帳」や「FIDO認証」の業績寄与も見込まれる。
通期では、売上高8億53百万円(前期比49.0%増)、営業利益60百万円(同5.6%減)を見込むが、利益予想は上期にほぼ達成している。

海外事業

売上高71百万円(前年同期比39.6%減)、営業損失92百万円(前年同期:営業損失40百万円)。このうち米国子会社は売上高51百万円(同:1億04百万円)、営業損失64百万円(同:営業損失17百万円)。米国子会社が発掘した米国のベンチャー企業3社と(株)システナが、3社のソリューションの日本での販売について独占販売契約を締結し(5月)、展示会への出展やローカライズ(日本語化と日本仕様の開発)に取り組んだ。一方、米国では、ソフトバンク傘下のスプリントコーポレーションや現地日系企業への技術支援業務が堅調に推移。同じ(株)システナ傘下の(株)IDYが手掛けるIoTルータの米国販売に向け、米国現地の各社と協業の準備も進行中である。
尚、ベンチャー企業3社とは、①米国西海岸の大都市でスマートシティ計画に採用される等、大手企業で多くの採用実績があるIoT プラットフォーム「Smart Attach-C2M」のプラズマ社、②ヨーロッパを中心とした世界各国の中央銀行、大手金融機関、軍事機関や大手民間企業等、グローバルで多くの導入実績がある暗号化と次世代認証(FIDO)ソリューション(FinTech系)のストロングオース社、及び③シリコンバレーのベンチャー企業の新しいイノベーション技術を使ったAdTech「ReelCodeMedia」のマカテ社の3社。
米国子会社は、通期で売上高1億50百万円(前期比14.3%減)、営業損失2億円(前期:営業損失71百万円)が見込まれる。

タイ子会社は売上高5百万円(前年同期:3百万円)、営業損失29百万円(同:営業損失24百万円)。バンコク版レストラン検索アプリ「バングル」を中心に事業を進めており、この上期は「バングル」のデザイン変更や機能拡充の成果もあり、90,000超のダウンロードを獲得し、サービス課金を開始した。
下期は、既存登録店の有償化やWebサイトでの広告収入の獲得を推進する他、既存顧客飲食店を中心に「メニュー製作」や「Web製作」等のサービスメニューを拡充して顧客単価の引上げを図る。また、「特集」等、投稿メディアの質・量の充実を図り、集客力も強化する。
タイ子会社は、通期で売上高40百万円(前期:7百万円)、営業損失44百万円(同:営業損失43百万円)が見込まれる。

セグメント全体では、通期で売上高2億20百万円(前期比5.5%増)、営業損失2億43百万円(同:営業損失1億15百万円)が見込まれる。

コンシューマサービス事業

売上高1億38百万円(前年同期比12.0%減)、営業損失31百万円(前年同期:営業損失3百万円)。当事業は連結子会社(株)GaYaの事業領域である。予定通り8月18日に協業によるブラウザアプリの新規タイトル1本を大手プラットフォームからリリース(ライセンス提供)したが、収益への貢献は下期以降になる見込み。
下期は第3四半期にスマートフォン向けネイティブアプリ1本(9月にβテストを実施)のリリース(GooglePLAY、AppStore)と、第4四半期にブラウザアプリ1本のリリースを予定している。通期では、売上高4億58百万円(前期比18.1%増)、営業利益41百万円(同210.5%増)を見込むが、中長期的な視点からの事業の見直しも視野に入れている。

投資育成事業

本年4月1日に設立した(株)インターネットオブシングス、(株)eペット、(株)キャリアリンケージの子会社3社からなる事業である。この上期は事業立ち上げのための費用が先行し、売上高1百万円、営業損失36百万円となったが、(株)インターネットオブシングスは、米国子会社との連携の下、成長のための布石を打つ事ができた。
IoT、ロボット、FinTech等の企画・開発・販売を目的に設立された(株)インターネットオブシングスは、特に(株)システナとの高いシナジーが期待できるため、3社の中でも期待が大きく、戦略子会社と位置付けられている。この上期は米国子会社との連携の下、米国ベンチャー企業3社のソリューションについて、本格的なサービス提供前ながら、展示会等でプロモーションを展開した。下期に入り、大手企業を中心にした自社ソリューションを開始した他、様々な企業とのコラボレーションによるソリューションの企画も進行中。拡販に向け、引き続き国内外の展示会に積極出展していく他、メディア戦略も始まった。

2017年3月期業績予想
通期業績予想に変更はなく、前期比7.3%の増収、8.3%の経常増益予想

売上高は前期比7.3%増の458億円。円高による業績悪化等でメーカー各社の投資に若干の不透明感が出てきたが、成長分野での需要の取り込みが順調なソリューションデザイン事業や事業間連携によるシナジーが顕在化しつつあるITサービス事業やソリューション営業事業に不安は少ない。IoTソリューション関連商材の研究開発業務に携わる米国子会社とこれらの商材の輸入販売を行う戦略子会社(株)インターネットオブシングスとの連携による、IoT、FinTech、AdTechをキーワードにした米国ベンチャー企業3社との協業も本格化する。

利益面では、新企隊本部が子会社3社を設立して取り組む新規事業の立ち上げや米国でのインキュベーション事業等の投資育成事業で6億円の投資を計画しており、このうち4億円が今期に費用計上される予定。また、下期に実施するテレビCM費用(2億円程度)も織り込んだ。

期末配当は1株当たり18円を予定しており、上期末配当18円と合わせて年4円増配の36円。

今後の注目点
ソリューションデザイン事業は、携帯電話で培った通信及びコミュケーション技術と機能検証のノウハウを活かして、いち早くスマートフォン分野に展開し技術やノウハウに磨きをかけた事が生きている。また、ITサービス事業やソリューション営業事業は、単純物販や人材動員力に頼った比較的付加価値の低いサービスから、事業部間シナジーを発揮しつつ、SIやソリューション等のより付加価値の高い分野へのシフトが進んでいる。好業績が一時的なものでなく、確たる根拠に根差したものであると考えていいだろう。加えて、主要事業が好調な中で、クラウド事業にブレイクの兆しがある事に加え、海外事業や(株)インターネットオブシングスを中心とする投資育成といった健全な赤字部門を持っており、現状では非の打ち所がない。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書     2016年6月29日更新
1.基本的な考え方

当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。
このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります。

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>

【原則 1-2 株主総会における権利行使】
【補充原則 1-2-4】
現在、当社の株主における機関投資家や海外投資家の比率は相対的に低いため、現行の書面投票制度で支障はないと考えております。今後とも当該投資家の保有比率の動向を踏まえ、議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳を検討してまいります。

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>

【原則 1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、政策保有株式として上場株式を保有しない方針であります。なお、旧カテナ株式会社との合併により引き継いだ政策保有株式(3銘柄95百万円)については、市場動向を見ながら売却する予定であります。

【原則 1-7 関連当事者間の取引】
当社は、取締役の利益相反取引・競業取引を取締役会の付議・報告事項としており、取引毎に取締役会による事前承認・結果の報告を実施しております。

【原則 5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。
http://www.systena.co.jp/ir/management_policy/disclosure.html
また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。

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