(2675:東証2部) ダイナック 2016年12月期第3四半期業績レポート

2016/11/09

dynac

今回のポイント

・16/12期3Q(累計)は前年同期比0.5%の減収、同35.9%の経常増益。荒天による客数の減少で既存店売上高が同98.9%にとどまった事に加え、閉店店舗も増加したが、新規出店効果で概ね吸収。利益面では、原価低減で売上総利益が増加したものの、外形標準課税の税率変更及びマイナンバー制度対応費用の発生や店舗管理システムの更新等による販管費の増加を吸収できず営業利益が同11.1%減少。入居ビル建替えによる店舗立退き補償金の増加等で営業外損益が改善した。

・修正された通期予想は前期比0.2%の増収、同1.2%の経常増益。台風など荒天による夏場の既存店の苦戦で売上の下振れが見込まれ、高止まりする原材料価格、人材不足で上昇が続く人件費、更には新店舗管理システム導入費用等が想定以上に負担になる。期末配当に変更はなく、1株当たり1円増配の6円を予定(1円増配した上期末配当6円と合わせて年2円増配の12円)。

・修正された事もあり、通期予想に対する進捗率は、売上高72.4%(前年同期の実績ベースの進捗率72.9%)、経常利益58.3%(同43.4%)と順調だ。しかも、和風業態、洋風業態共に回復基調が鮮明で、繁忙期を迎えるにあたってオープンも相次ぐ。原材料価格の高止まりや人件費及び関連費用増等は引き続き懸念材料ではあるものの、原価率は改善傾向にある。店舗オペレーションの効率化やメニューの集約等で概ね吸収できている様だ。4Qは通期業績予想の想定に沿った堅調な推移が見込まれる。

会社概要

サントリーグループが展開する外食事業の中核企業。企業理念は“食の楽しさをダイナミックにクリエイトする”。「飲み、食べ、会話を楽しみ、憩う場所の提供を通じて、より豊かな生活の実現に貢献したい」という思いの下、洋風から和風、レストランタイプからバータイプ、更には中間的なパブタイプまで、多様な業態を展開。また、レストランやバー等の運営で培ったノウハウとブランド力を活かし、各種レジャー施設のレストランの受託運営も手掛けており、15年12月末現在、首都圏・京阪神地区を中心に260店の店舗ネットワークを有する。この他、サービスエリアでの売店運営やおせち料理及びサマーギフトの販売等も行っている。

【事業の特徴】

形態別の売上構成は(15/12期実績)、レストラン・バー事業89.9%、ケータリング事業2.7%、及びその他事業7.4%。切り口を変えると、約50業態に及ぶ都心部飲食店(レストラン・バー)の直営ビジネスが約70%、ゴルフ場レストランやレジャー施設・文化施設・サービスエリア内の飲食店の運営受託及びパーティ・ケータリングの受託ビジネスが約30%。
また、レストラン・バー事業では、「倶楽部ダイナック(会員カード)」による顧客の囲い込みにも取り組んでいる。「倶楽部ダイナック」は入会金・年会費無料で、入会すると飲食100円毎に10ポイントが付与され、3,000ポイントで3,000円分の食事券と交換できる等の特典がある。ちなみに、15/12期の会員向け売上高は85億円と売上高全体の約23.5%を占めた(15/12期末の会員数は25万人)。

【ダイナックの強み】
・巨大な外食市場において「多彩な業態+受託事業」を展開する優良な“事業ポートフォリオ”
・「おいしい料理と最高のドリンク」を軸に「高付加価値空間の提供」を行う“信用力とブランド力”
・「業態開発力」、「機敏な業態転換力」を背景とした“業容拡大力・出店力”
店舗紹介
(1)ブランドを推進する戦略業態(顧客ニーズに沿って継続的にブラッシュアップ)

素材を活かした料理をハイグレードな空間の中で提供する和風業態の「響」、「燦」。色々な鳥料理をオシャレな雰囲気の中で堪能できる「鳥どり」、自店製生パスタが好評の本格的かつカジュアルなイタリアンレストラン「パパミラノ」、英国伝統の本場パブを再現した「ザ・ローズ&クラウン」の4業態がブランド推進のための戦略業態。顧客ニーズに沿って継続的にブラッシュアップしている。

(2)ブランド化を念頭に店舗展開を進める個性ある業態

ブランド化を念頭に店舗展開を進めている業態として、和風業態では鮮度抜群の魚介類を毎日提供している海鮮酒場「魚盛」、バーボンの魅力を追及する熟成肉バル「THE AGINGHOUSE 1795」、旬素材で楽しむ日本の四季「虎連坊(とられんぼう)」、こだわりの創作串揚げをワインや日本酒と共に楽しむ串揚げ「いちまる」、世界的に有名な“ふわふわオムレツ”のカジュアルフレンチレストラン「ラ・メール・プラール」等を展開している。

海鮮酒場「魚盛」
成長ドライバーとして期待される戦略業態。「新鮮。安い。旨い」漁港直送の鮮魚酒場で、漁場直送の刺身盛は人気の看板アイテム。その他、魚介の旨味がギュッと詰まったボリューム満点の自家製海鮮シューマイなど美味しくてリーズナブルな海鮮料理を堪能できる。カジュアルタイプ、ゆったり居酒屋タイプ、地産地消タイプと、業態の強みを活かしつつ、ロケーションに応じてタイプも色々。
関東15店舗(2016年10月21日「大宮店」オープン)、関西3店舗(2016年10月3日「OBPツインタワー店」オープン)
熟成肉バル「THE AGINGHOUSE 1795」
「ジムビーム」のフラッグシップ店として、ビーム社創業の年である1795年が店名の由来。また、”熟成”を経て生まれるバーボンと、同店おすすめの”熟成肉”を表現するため「AGING HOUSE」と命名した。「ジムビーム」の貯蔵庫をイメージした店内は、レンガや実際にバーボンの熟成に使われた樽を使い、落ち着いた雰囲気。
関西2店舗
旬素材で楽しむ日本の四季「虎連坊(とられんぼう)」
コンセプトは「季節の“うまい”をつまみにゆっくりと好きなお酒を嗜む大人の和食居酒屋」。1998年3月に1号店がオープンし、14/12期以降、好立地店の「虎連坊」への業態変更を進めている。日本酒を中心にした飲み物と料理の提案が、新しい客層の獲得につながっている。
関東4店舗、関西1店舗
こだわりの創作串揚げをワインや日本酒と共に楽しむ 串揚げ「いちまる」
「素材にこだわり、油にこだわり、衣にこだわる」。素材を活かす調理揚げ油や衣にもこだわることで、揚げ物ながらサクサクと軽い食べ味で何本でも楽しむ事ができるように工夫されている。ワインや日本酒、スパークリングワインなどとのマリアージュもおすすめ。
第1号店の川崎アゼリア店は優しい木目を基調とした店内。カウンター席は揚げている様子を目の前で楽しむ事ができる。
関東1店舗
世界的に有名な“ふわふわオムレツ”のカジュアルフレンチレストラン「ラ・メール・プラール」
フランス西海岸サンマロ湾上に浮かぶ小島に築かれた世界遺産「モン・サン=ミッシェル」。「ラ・メール・プラール」の創業者である“プラールおばさん(Madame Annette Poulard)”は、1888年に「モン・サン=ミッシェルに宿屋を開き、およそ700ものレシピを完成させた。その中でも有名な看板メニューが、メレンゲを食べているかのような味わいの「ふわふわオムレツ」である。
関東1店舗、中部1店舗
2016年12月期第3四半期決算
前年同期比0.5%の減収、同35.9%の経常増益

売上高は前年同期比0.5%減の262億12百万円。荒天による客数の減少で既存店売上高が同98.9%にとどまった事に加え、閉店店舗も増加したが、新規出店効果で前年同期と同水準の売上を確保した。
セグメント別では、主力のレストラン・バー事業の売上が同0.6%の減収となったものの、首都圏エリアでのパーティービジネスの強化が成果をあげ、ケータリング事業の売上が同7.6%増加した。

営業利益は同11.1%減の3億66百万円。食材等の価格上昇やパートナー募集関連費用及び人件費の増加をメニューの集約及び共通化や電気・ガス料金の引き下げ効果等で吸収して原価率が0.3ポイント改善。この結果、減収ながら売上総利益が同1.6%増加したものの、外形標準課税の税率変更及びマイナンバー制度対応費用の発生等の不可避的な費用の発生や店舗管理システム更新に伴う費用増による販管費の増加を吸収できなかった。
ただ、入居ビル建替えによる店舗立退き補償金が増加(6百万円→1億90百万円)する一方、支払利息が減少したため、営業外損益が改善。経常利益は5億48百万円と同35.9%増加した。

(2)出退店と既存店の状況

第3四半期末の業務運営受託店舗5店を除く店舗数は259店舗(前年同期末258店舗、前期末260店舗)。新規出店は、気軽に美味しい魚料理をリーズナブルに楽しめる海鮮居酒屋「魚盛」や素材・油・衣にこだわる新業態「串揚げ いちまる」、及びゴルフ場レストランの計10店舗(前年同期14店舗)。また、既存の3店舗を、ワインバール「ヴィッラ ビアンキ」、郷土の地酒と肴を愉しむ日本酒居酒屋「虎連坊」、高品質のドラフトビールと迫力あるグリル料理が楽しめるビア&グリルダイニング「THE OLD STATION」に業態変更(同3店舗)する一方、11店舗(同7店舗)を閉店した。

既存店売上高の前年同期比は98.9%。客単価が同100.8%と前年同期を上回ったものの、荒天による客数(98.1%)の減少をカバーできなかった。ただ、9月単月では、荒天の影響でゴルフ場業態が苦戦したものの、和風業態、洋風業態が前年同月を上回る等、回復基調が鮮明となった。

第3四半期末の総資産は129億78百万円。季節要因により、前期末に比べて8億12百万円減少した。自己資本比率31.5%(前期末29.4%)。

2016年12月期業績予想
台風など荒天による夏場の既存店の苦戦を踏まえて通期予想を修正。前期比0.2%の増収、同1.2%の経常増益予想

台風など荒天による夏場の既存店の苦戦が響き、売上が期初予想を下回る見込み。利益面では、売上の下振れで、高止まりする原材料価格、人材不足で上昇が続く人件費、更には新店舗管理システム導入費用等が、想定以上に負担になる。

前期との比較では、既存店の苦戦を新規出店でカバーして、ほぼ前期並みの売上を確保できる見込み。利益面では、売上が伸び悩む中、前述の営業費用の増加で営業利益が同13.9%減少するものの、入居ビル建替えによる店舗立退き補償金の増加による営業外収益の増加で経常利益は同1.2%の増益が見込まれる。当期純利益が減少するのは、店舗等撤退損失の増加や平成28 年度税制改正による法定実効税率の引き下げに伴う繰延税金資産の取崩しによる。

期末配当については、期初の予定通り、1株当たり1円増配の6円を実施する考え(1円増配した上期末配当6円と合わせて年2円増配の12円)。

(2)新春恒例! ダイナックのおせち料理「だい九(だいきゅう)」

同社はレストラン・バーのノウハウを活かした関連事業として、「だい九(だいきゅう)」ブランドで四季の味覚を提供しており、現在、おせち料理を受付中。同社のおせち料理は選ばれた職人のプロデュースによるもので、大々的な宣伝等を行っていないが、購入者による友人への紹介等、口コミで広がっており(リピーター率80%)、既に10年以上の販売実績を有する。

申し込み:http://www.dynac-net.com/dai9/products/detail.php?product_id=119

2017年 だい九 おせち
販売価格:27,000円
商品カテゴリ:2017年 だい九 おせち◆サイズ:7.5寸角(約225㎜)、3段重(3~5名様用)
◆商品お届け日:2016年12月31日(土)
※ヤマト運輸クール便(冷蔵)にてお送り
(送料無料)。
◆消費期限:2017年1月2日(月)
◆料理アイテム:48品
「伊勢海老」や「鮑」といった豪華食材料理、「ローストビーフ」、「合鴨」、「鶏照焼」等の肉料理、「鰤の子旨煮」、「キングサーモン西京焼き」、「あじ昆布〆」等の魚料理、彩りも豊かな野菜の煮物そして新春にふさわしい縁起物料理の数々をバランスよく盛り付けた、お子様からご年配の方まで楽しめるおせち料理。
◆盛り付け済
◆各重パック包装
(荷崩れしにくく、冷蔵庫での保管に便利)
◆祝箸5膳、福笑い付き
(3)下期オープンの店舗(ゴルフ業態を除く)

8/10  大阪ヒルトンプラザウエスト 本酒と和食 虎連坊
8/22  さいたま新都心コクーンシティ 海鮮食堂 魚盛
8/25  新宿東口 ビア&グリルダイニング オールドステーション

10/3  大阪OBPルインタワー 海鮮酒場 魚盛
10/3  八重洲 ワイン食堂 パパミラノ
10/12 横浜鶴屋町 パブリックビアハウス ティキティキ横浜
10/21 埼玉大宮 海鮮酒場 魚盛

11/25 東京京橋エドグラン イタリアンバール&ダイニング ヴィッラ ビアンキ
11/28 大阪マルビル スカイダイビングTOP30
11/29 横浜スカイビル 和食ダイニング&バー 響

12/12 兵庫西宮ガーデンズ 海鮮食堂 魚盛

今後の注目点
デフレ傾向の再燃が強まりを見せ消費に力強さが欠ける中、夏から秋にかけては台風や長雨が追い打ちをかけた。しかし、修正された事もあり、通期予想に対する進捗率は、売上高72.4%(前年同期の実績ベースの進捗率72.9%)、営業利益45.3%(同43.9%)、経常利益58.3%(同43.4%)と順調だ。しかも、和風業態、洋風業態共に9月は回復基調が鮮明で、繁忙期を迎えるにあたってオープンも相次ぐ。原材料価格の高止まりや人件費及び関連費用増等は引き続き懸念材料ではあるものの、原価率は改善傾向にあり、足元、店舗オペレーションの効率化やメニューの集約等で概ね吸収できている様だ。第4四半期は、通期業績予想の想定に沿った堅調な推移が見込まれる。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書      2016年6月17日更新
基本的な考え方

当社は、“「食の楽しさをダイナミックにクリエイトする」それが私たちの仕事です” という企業理念のもと、お客様に楽しい空間と安全で高品質な商品とサービスをご提供し、豊かで楽しいコミュニケ-ションを“食”を通じて実現することで、食文化の発展に寄与し、潤いのある社会づくりに貢献していくことが、株主の皆様やお客様をはじめとする全てのステークホルダーのご期待に応えるものと認識しています。
その実現のため当社は、取締役会、監査等委員会、会計監査人等の機関を適切に機能させ、株主の皆様の権利を尊重し、経営の効率性と透明性を確保していくとともに、取締役会を中心とした自己規律のもと、株主の皆様に対する責任を十分に果していくことをコーポレート・カバナンスの基本姿勢としております。
同時に、少数の取締役による迅速かつ機動的な意思決定と取締役会の活性化を図るとともに、社外取締役を中心とした監査等委員会と内部監査部門及び会計監査人との連携により、実効性の高い経営の監視・監督体制を構築してまいります。また、社会に信頼される健全な経営体制の実現を目指し、企業倫理の向上と法令遵守等によるコンプライアンス経営をより一層推し進め、コーポレート・カバナンスの充実・強化を図ってまいります。
さらに、株主・投資家の皆様との対話として、中期経営計画の進捗をはじめとする経営状況に関する情報、コーポレート・ガバナンスなどの非財務情報の開示を適時・適切に行うほか、株主の皆様が適正に権利行使できる環境整備に努めるなど、株主・投資家の皆様を含めたステークホルダーとの良好な関係維持に努めてまいります。

<開示している主な原則>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】

当社は、取引先との事業上の関係などを総合的に勘案し、企業間取引の強化及び当社の中長期的な成長を図ることを目的として、取引先等の株式を政策的に保有しています。また、政策保有株式については、主に中長期的なビジネス上のメリット等の観点から定期的に検証し、取締役会において報告を行います。政策保有株式の議決権行使に当たっては、中長期的な企業価値向上の観点から検討を行ったうえで総合的に判断します。

【原則1-7 関連当事者間の取引】

当社では、当社取締役と取引を行う場合には、取締役会規則及び同付議基準に基づき、取締役会での審議・決議を要することとしています。また、同規則及び同基準に基づき、当社が主要株主等と取引を行う場合、取引の重要性の高いものについては、取締役会にて審議し、決議することとしています。なお、取引条件等については、一般の取引と同様に決定することとしております。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

(1)当社では、株主の属性や申入れの趣旨・目的等の事情を考慮して、関連部門と連携し、執行役員以上の者を指定し面談に臨むこととしています。

(2)また、代表取締役が直轄するIR担当部署である経営企画本部の本部長をIR担当責任者とすることで、IRに関連する財務・経理、法務・総務部門等との情報共有を密にし、有機的な連携に努めております。

(3)経営企画本部にて半期毎に機関投資家等に向けに決算説明会を開催し、代表取締役が直接説明しております。また、株主・個人投資家等の投資家に対しても当社ウェブサイトにて、決算説明会のレポート、売上高の月次状況等の情報を提供しております。

(4)IR活動・対話等を通じて得られた、株主・投資家等の意見、経営課題、その他の情報等については、必要に応じ、IR担当部署等を通じて取締役会、経営会議等でフィードバックしております。

(5)株主・投資家等との対話に際してのインサイダー情報の取り扱いに関しては、社内規程等に則り、留意しております。また、当社は決算情報の漏洩を防ぎ、公平性を確保するため、決算期日の翌日から決算発表日までの一定期間を「沈黙期間」に設定しております。この期間中は決算に関するコメントや質問への回答を差し控えさせていただくとともに、当社役職員の当社株式の売買を禁じております。

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