(4317:JASDAQ) レイ 2017年2月期第2四半期業績レポート

2016/11/02

ray

今回のポイント
・17/2期上期は前年同期比9.1%の減収、営業損失1億06百万円(前年同期は営業利益3億29百万円)。競合案件で競り負ける等、受注の苦戦で広告ソリューション事業の売上が同15.2%減と落ち込んだ他、ポストプロダクション部門での価格競争の激化等でテクニカルソリューション事業の売上も同2.6%減少。広告ソリューション事業における大型プロジェクトの頓挫による赤字発生が響き、売上総利益が同28.9%減少した。・上期決算を反映して下方修正された通期予想は前期比1.4%の減収、同57.9%の営業減益。下期は、ほぼ期初予想に沿った着地を見込んでいる。上期の受注が好調だった映像機器レンタル部門で舞台やコンサートの大型案件の売上計上が見込まれる。同部門は限界利益率が高く、利益貢献も大きい。配当は、前期と同額の1株当たり6円を維持する考え。

・上期の損失計上は一過性のもので、下期に引きずるものではないようだ。同社は創業から35年を数える現在の立ち位置を次の30年に向けた第二の創業期と位置付けており、キーワードとして「100億をベースにさらなる躍進」を掲げている。次の30年に向けた企業創造では、大手広告代理店向けの拡大を図りつつ、エンターテイメントやMICE(※)関連の売上構成比を引き上げていく。また、業界再編を顧客フィールドの拡大につなげるべくM&Aの可能性も探っていく。

※MICE:企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨(Incentive)、国際機関・団体、学会が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称
会社概要

セールスプロモーション(SP)やテレビコマーシャル(TVCM)等の、企画、制作、プロモーション、更にはイベントまでをカバー。ポストプロダクション(編集スタジオ)機能や映像機器を保有し、実制作部隊を備える事で、顧客ニーズに合った総合的な提案やサービスができる事が強み。グループは、同社と連結子会社(株)クレイの2社。

【経営理念】
・会社はステージ、社員をアクター、経営者を演出家、そしてお客様と株主の皆様を観客と、置き換えることができると考えております。
・最先端のステージ(会社)で、アクター(社員)、演出家(経営者)全員が、それぞれプロ意識に徹し、十分にその実力を発揮し、多くの観客(お客様と株主の皆様)から拍手をいただくことは大変素晴らしく、当社グループの理想とするところです。
・当社グループは、その理想の下、常に会社組織、投資機材の一層の拡充、最先端化と全社員の絶え間ない質的向上を経営の基本方針としております。

同社は、小さなベンチャー企業から発展し、広告、プロモーションや番組等の映像制作ビジネスを立ち上げてきた。その発展を支えてきたのは上記の経営理念である。この経営理念の下、強みであるデジタル映像制作加工技術及びデジタル映像演出技術を活かせる市場機会への俊敏な取り組み、そして市場より得られたリターンをデジタル技術に再投資する事で能力を高め、その高められた能力を基に新たな市場機会に挑戦する、と言う不断のイノベーションを経営戦略として推進している。

【事業セグメント】

事業は、SP(セールスプロモーション)やTVCM(テレビコマーシャル)等の企画制作を行う広告ソリューション事業と保有する各種映像インフラを活用した実制作やデジタル映像機材のレンタルを行うテクニカルソリューション事業に分かれる。同社グループは、企画制作領域と実制作領域をカバーする事で一貫したサービスを提供できる事が強みだ。テクニカルソリューション事業の全売上高の15%が広告ソリューション事業向けの内部売上であり、85%が顧客向けの売上である。
16/2期の売上構成比は、それぞれ51.5%、48.5%。連結調整前利益の構成比は、それぞれ26.0%、74.0%。

広告ソリューション事業

企業のSP、キャンペーン、イベント、展示会、ショールーム等の企画制作・運営を手掛けるSP・イベント部門とTVCMの企画制作を行うTVCM部門に分かれ、(株)レイと(株)クレイが事業を手掛けている。
尚、広告の制作は、クライアント及び広告代理店が方向性や戦略を決定し、戦略に基づいて企画・制作会社が詳細な実施計画を立案し、実制作作業を各種業者に発注する。

テクニカルソリューション事業

(株)レイの事業領域である。広告ソリューション事業が提案する企画制作を実現する事業だが、現在、グループ外への売上が全体の90%を占め、広告ソリューション事業向けの社内売上は10%にとどまる。イベント、展示会、コンサート、学会、会議等で使われる映像システム、特殊演出システム、ビジネスプレゼンテーション機器等のレンタル・オペレーションサービスを行う映像機器レンタル部門と、デジタル映像を中心に各種映像(テレビコマーシャル・番組等)の編集及びDVD・ブルーレイディスク・CG制作等を行うポストプロダクション部門に分かれる。

広告ソリューション事業と同じく請負事業で、主に制作会社から受注しているが、設備の償却負担がコストに占める割合が大きく、各種機材の稼働率が利益面での課題となる。

【経営方針】

同社は創業36年を迎える現在の立ち位置を、次の30年に向けた第二の創業と位置付けており、キーワードとして「100億をベースにさらなる躍進」を掲げている。現在、大手広告代理店からの直接・間接(制作会社経由)の受注が全体の50%を占めており、残りの50%はエンターテイメントやMICE関連だが、次の30年に向けた企業創造では、深耕と領域拡大で大手広告代理店向けビジネスの拡大を図りつつ、エンターテイメントやMICE関連の売上構成比を引き上げていく(広告主からの直接受注や学会関連のビジネスの拡大)。また、業界再編を顧客フィールドの拡大につなげるべくM&Aの可能性も探っていく。

2017年2月期上期決算
前年同期比9.1%の減収、1億06百万円の営業損失(前年同期は営業利益3億29百万円)

売上高は前期比9.1%減の51億32百万円。内訳は、広告ソリューション事業が同15.2%の減収、テクニカルソリューション事業が同2.6%の減収。利益面では、全般に価格競争で受注採算が厳しい中、SP・イベント部門における大型プロジェクトの頓挫による赤字発生が響き、1億06百万円の営業損失。ただ、補助金収入の増加等による営業外損益の改善で経常損失は88百万円にとどまった。

広告ソリューション事業

売上高24億61百万円(前年同期比15.2%減)、営業損失1億19百万円(前年同期は営業利益1億83百万円)。SP(セールスプロモーション)・イベント部門、TVCM(テレビコマーシャル)部門共に競合案件の失注が響き売上が減少。利益面では、SP・イベント部門における仕掛中の広告関連の大型プロジェクトが頓挫し赤字が発生。TVCM部門も、価格競争の影響で採算が厳しかった。

テクニカルソリューション事業

売上高26億70百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は2億98百万円(同35.0%減)。映像機器レンタル部門、ポストプロダクション部門共に受注は堅調。映像機器レンタル部門は積極的な設備投資による受注能力の強化が奏功し、舞台やコンサートの大型案件の受注に成功。ポストプロダクション部門も案件獲得が進んだ。ただ、映像機器レンタル部門の受注案件は第3四半期以降の売上計上予定であり、ポストプロダクション部門は受注競争の激化で受注単価の改善が進まず金額ベースで伸びを欠いた。

売上債権・仕入債務、たな卸資産の減少等で上期末の総資産は80億49百万円と前期末に比べて3億91百万円減少した。自己資本比率は42.5%(前期末42.2%)。

営業損益が1億06百万円の損失となったものの、運転資金の減少で営業CFは前年同期を上回る7億98百万円の黒字を確保。機材投資等を吸収して6億93百万円のフリーCFを確保した。

2017年2月期業績予想
上期決算を踏まえて下方修正された通期予想は前期比1.4%の減収、同57.9%の営業減益

上期決算を踏まえて通期予想を下方修正したたが、下期はほぼ期初予想とおりの売上・利益を計上できる見込み。舞台やコンサートの大型案件の売上計上で限界利益率の高い映像機器レンタル部門の売上増が見込まれる。

配当は、前期と同額の1株当たり6円を維持する考え。

今後の注目点
同社の強みは、制作領域と技術領域を持ち、映像(ポストプロダクション部門)、イベント(映像機器レンタル部門)、クリエイティブ(TVCM部門)、そしてプロモーション(SP・イベント部門)という4つの異なる領域をカバーし、顧客ニーズに合った総合的な提案やワンパッケージのサービスができる事。このため、2004年12月のJASDAQ上場以降、通期で営業損失を計上したのは、映画製作・配給・DVD化等、自らコンテンツの作成を手掛けるコンテンツ事業からの徹底に伴う損失を計上した08/2期の一度だけだ。今後は、この強みを活かして、コンサートや映像コンテンツ等のエンターテイメント系やMICE関連の案件では総合的な提案やワンパッケージサービス等の提案営業に力を入れていく考え。具体的には、コンサートやテーマパークへの営業を強化すると共に、DVDやブルーレイ等の制作で取引がある映像コンテンツ会社を深掘りしていく考え。また、MICE関連では、学会向けの事務局代行業務を中心に事業を拡大させ、映像機器レンタルとのシナジーを追求していく。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書   更新日:2016年6月17日
基本的な考え方

当社は、株主をはじめとした全てのステークホルダーの皆様の信頼に応え、継続的な企業価値の向上と健全で透明性が高く、環境の変化に柔軟に対応できる経営を重要な課題と位置付け、経営効率の更なる向上を図りつつ、業務遂行の意思決定機関である取締役会の充実、コンプライアンス遵守等、コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取組みを推進しております。また、企業活動の展開にあたり、法令を遵守し、社会倫理に従って行動するという観点から、当社グループの役員及び従業員の基本的な行動の規範を定めた「レイグループ行動規範」を策定し、役員、従業員に遵守、徹底を図っております。

同社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

コラム&レポート Pick Up