(9616:東証1部) 共立メンテナンス 2017年3月期第1四半期業績レポート

2016/09/14

kyoritsu

今回のポイント
・17/3期1Qは前年同期比12.9%増収、39.5%経常増益。寮事業の期初稼働率は、前年比1.0ポイント増の98.3%と好調なスタート。ホテル事業においては、ドーミーイン事業、リゾート事業共に堅調な国内旅行者に加え、インバウンド需要が前期を上回っての増加傾向であり、高客室単価にて推移した。営業利益は33.3%増益となり、なかでも今1Qは主力の寮事業が31.9%増益と業績を牽引した。・通期予想に修正はなく、2.2%増収、12.5%経常増益を見込む。寮事業の期初稼働率は、前年比1.0ポイント増の98.3%と好調なスタート。ホテル事業ではドーミーイン7棟(うち海外1棟)、リゾートホテル1棟の新規事業所が売上貢献する。利益面ではホテル事業においてリゾート事業が大幅な増益となる見通し。配当は年52円(うち上期26円)を予定する。

・上期予想が4.4%増収、16.2%経常増益予想に対して1Q実績は12.9%増収、39.5%経常増益。書き入れ時の夏場を控え、保守的な予想といえる。目を引いたのは寮事業の利益。ホテル事業を巡ってはインバウンド需要のピークアウトがささやかれているが、これは高額消費の落ち込みによるものである。訪日外客数は2桁増が続いており、訪日外客数の増加は、高額消費とは直接関係ない同社のホテル事業の業績への貢献を引き続き後押しするだろう。

会社概要

“ライフステージにおける様々な場面での「食」と「住」さらに「癒し」のサービスを通じて、広く社会の発展に寄与する”と言う経営方針の下、「現代版下宿屋」(食事付きの寮の運営)を中心にした寮事業、「温泉感覚を取り入れた大浴場」と「美味しい朝食」といった寮事業のノウハウを活かしたホスピタリティ重視のビジネスホテルや「リーズナブルで質の高いリゾートライフ空間の創造と提供」をテーマに掲げたリゾートホテルのホテル事業、オフィス(事務所)・レジデンス(住居)のビルメンテナンス、ビル賃貸及び賃貸代行、駐車場運営等の総合ビルマネジメント事業、外食やレストラン運営受託のフーズ事業等を展開。知名度と実績で他社を凌駕する主力の寮事業を安定収益源とし、ホテル事業の育成により成長を加速している。
事業の種類別セグメントと売上構成(16/3期)は次の通りである。

【沿革】

設立は1979年9月。食の世界に長く携わった創業者 石塚晴久氏が調理人として企業の給食施設の運営受託を開始した。翌80年には千葉県佐倉市に、木造2階建て(四畳半が28室)の民間学生寮「学生会館」第一号棟が誕生。「食」を第一として、「学生の健康と元気こそが親の安心」との考えのもと、提携先の学校名を冠した学生会館事業を展開。東京・神奈川地区、名古屋地区、大阪地区へとエリアを拡大した。85年4月には、「一室から借りる事ができ、朝夕2食付き」を特徴とし、ゆっくり身体を癒せる「大浴場」も重視した社員寮事業を開始。87年5月には、学生寮、社会人寮、給食施設等の受託事業で培った「賄いのノウハウ」を活かし外食事業に展開。93年6月に本社移転(東京都千代田区)を経て、同年7月に長野県でリゾートホテル事業に、8月に埼玉県でビジネスホテル事業に参入した。翌94年9月、現在のJASDAQ市場へ上場(店頭登録)、99年3月の東証二部上場を経て、01年9月に東証一部上場となった。

新中期経営計画「共立フルアクセル・プラン」:16/3期~18/3期の3ヶ年計画

昨年5月に新たな中期計画として、「共立フルアクセル・プラン」を策定した。

経営環境
・異次元緩和による低金利及び円安の継続
・建築費の高止まり
「日本再興戦略」改訂2014
・観光資源の活用/インバウンド促進
・大学改革/グローバル化
・法人税率の段階的な引き下げ
・コーポレートガバナンスコードの策定
将来のイベント
・2019年10月消費増税(8%→10%)(計画策定時は2017年4月予定)
・2020年オリンピック・パラリンピック東京大会開催

その上で「共立フルアクセル・プラン」において2018年3月期に目指す目標は以下の通り

基本方針として
1. お客様のニーズに応えるべく、開発投資を集中的かつ積極的に加速
2. 価値と価格のバランス適正化による収益力の強化
を掲げている

開発室数は寮・ドミールで4,930室、ドーミーインが2,794室、リゾートホテルは641室。

ホテル事業の客室単価については、過去3年間(13/3~15/3期)の平均でドーミーインは5.3%の上昇、リゾートホテルでは6.1%の上昇率であったが、16/3期からの3年間の計画はそれぞれ2.7%、2.3%の上昇を見込んでいる。16/3期の実績はドーミーインが14.4%と大幅に上回った。リゾートホテルは1.8%上昇。尚、中期計画期間中の設備投資は3年累計で440億円を見込む。

2017年3月期第1四半期決算
前年同期比12.9%の増収、同39.5%の経常増益

売上高は前年同期比12.9%増の324億42百万円。寮事業における期初稼働率は、前年比1.0ポイント増の98.3%と堅調なスタートとなった。ホテル事業においては、ドーミーイン事業、リゾート事業共に堅調な国内旅行者に加え、インバウンド需要が前期を上回って増加を続けていることから、高客室単価にて推移した。その他の事業についても総合ビルマネジメント事業やデベロップメント事業において大幅な増収となった。売上総利益率は0.6ポイント上昇、販管費率が0.6ポイント低下し、営業利益率は1.1ポイント上昇した。この結果、営業利益は前年同期比33.3%増の24億72百万円、経常利益は同39.5%増の22億75百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同27.5%増の12億円4百万円と大幅な増収増益となった。

営業利益率は前年同期比1.1ポイント上昇の7.6%。創業以来、主力とし安定成長してきた寮事業の向上が顕著。成長著しいホテル事業も利益率が伸びた。その他の事業は大幅な改善。

寮事業

売上高は前年同期比2.9%増の115億46百万円、営業利益は同31.9%増の19億63百万円。期初稼働率は98.3%と前年を1.0ポイント上回る水準でのスタート。6月末現在の稼働契約者数は前年同期比1,223名増の34,568名となった。学生寮事業が堅調に推移したことに加え、社員寮事業において新入社員の増加や、新たに寮制度を導入する企業が増加したことにより、大幅に契約者数が増加した。尚、4月に発生日した熊本地震の影響は軽微なものにとどまった。
利益面では1棟単位での徹底したコストコントロールを引き続き実施した結果、営業利益率は前年同期比3.7ポイント上昇し、大幅な増益を実現した。

ホテル事業

売上高は前年同期比14.1%増の133億79百万円、営業利益は同26.7%増の11億84百万円。ドーミーイン事業では、4月に発生した熊本地震により、「天然温泉 六花の湯 ドーミーイン熊本」が営業を休止している中、6月にオープンした「天然温泉 天都の湯 ドーミーイン網走」が順調な滑り出しとなった。加えて、既存の事業においても堅調な国内のリピーターやインバウンド需要の増加が続伸したことにより、稼働率及び客室単価が共に前年を上回って推移した。リゾート事業では、箱根地区の事業所が例年並みの稼働率にまで回復したことも寄与し、全体で前年同期を上回る高稼働にて推移した。また、稼働状況に応じた柔軟な人員配置をすることによりコスト管理を徹底し、営業利益率は前年同期比0.8ポイント上昇し8.8%となった。

その他の事業

売上高は前年同期比29.2%増の126億89百万円、営業利益は同444.1%増の1億85百万円。営業利益率は前年同期比1.2ポイント上昇し1.5%となった。
総合ビルマネジメント事業は売上高33億9百万円(前年同期比22.3%増)、営業利益55百万円(同162.9%増)。ビルマネジメント部門の案件増加に伴い増収増益となった。
フーズ事業は売上高15億29百万円(前年同期比17.5%増)、営業損失16百万円(前年同期は21百万円の損失)。ホテルレストラン受託事業の案件増加により増収、損失は減少した。
デベロップメント事業は売上高50億42百万円(前年同期比71.0%増)、営業利益2億33百万円(同302.4%増)。ホテル開発の受注増加に伴い増収増益となった。
その他事業は売上高28億8百万円(前年同期比2.1%減)、営業損失87百万円(前年同期は23百万円の損失)。

17/3期1Q末の総資産は前期末比65億20百万円減の1,548億81百万円となった。主な要因は現預金の減少などによるもの。
負債は同67億75百万円減の966億52百万円となった。主な要因は、短期借入金、長期借入金の減少などによるもの。
純資産は同2億54百万円増の582億29百万円となった。主な要因は、利益剰余金の増加などによるもの。
自己資本比率は37.6%となり、前期末比1.7ポイント増加した。

2017年3月期業績予想
前期比2.2%の増収、同12.5%の経常増益予想

通期予想に修正はなく、17/3期は売上高が前期比2.2%の増の1,380億円、経常利益は同12.5%増の110億円を計画する。
下表は5月27日時点での予想だが、この予想に大きな変更はないものと思われる。

寮事業は期初稼働率が前年比1.0ポイント増の98.3%と好調なスタートとなった。
ホテル事業はドーミーイン事業では6月に「天然温泉 天都の湯 ドーミーイン網走」がオープン、7月には「グローバルキャビン五反田」、「天然温泉 富山 剱の湯 御宿 野乃」、「天然温泉 善光の湯 ドーミーイン長野」がオープンした。また9月には「伝馬の湯 ドーミーインPREMIUM東京小伝馬町」がオープンする予定。この他、「御宿野乃なんば(仮称)」、そして年内にグループ海外(韓国)出店2号店となる「Dormy Inn SEOUL,Gangnam(カンナム)」と、今期中に計7棟のオープンを予定している。リゾート事業では、10月に「鳴子温泉 湯元 吉祥」がオープンする予定。
利益面ではドーミーインでは新規出店が相次ぐことに加え、大規模リニューアル費用が見込まれている。一方、リゾート事業は客室単価で上昇が見込めるほか、前期オープンしたホテルの通年寄与、加えて箱根地区にある事業所の回復が見込まれる。
配当は年52円(うち上期26円)を予定している。
上期予想も修正なく、以下の通り。

今後の注目点
上期予想が4.4%増収、16.2%経常増益予想に対して1Q実績は12.9%増収、39.5%経常増益。ここ数年続いて恒例ともいえそうだが、書き入れ時の夏場を控え、保守的な予想といえるだろう。
1Qで目を引いたのは寮事業。2.9%増収に対して31.9%の大幅増益となっている。寮に新たな付加価値を創出する試みとしてRA(レジデント・アシスタント)制度(*1)を導入しており、その成果が現れている可能性もある。
ホテル事業においては、増益の主役は先行投資負担の大きいドーミーインからリゾートへ移行する見込み。尚、株式市場ではインバウンド需要のピークアウトがささやかれているが、これはあくまで中国からの訪日客を中心とした高額消費の落ち込みによるものである。訪日外客数は4月18.0%、5月15.3%、6月は23.9%増と伸び続けている。訪日外客数の増加は、高額消費とは直接関係ない同社のホテル事業の業績への貢献を引き続き後押しするだろう。*1 RA(レジデント・アシスタント)制度
RA(レジデント・アシスタント)とは、親元を離れて寮生活を送る寮生が安心して快適な寮生活を送ることができるよう、寮に住みながら寮生の日々の生活を支援する学生リーダーのこと。RAは、寮生の身近な相談役となり交流を活性化する存在として、積極的な声掛けを行うほか懇親イベント等の企画を通じて、寮生間のみならず寮長・寮母(住み込みの管理人夫婦)と寮生間をスムーズに繋ぐ活動も行う。寮生活ならではの一定の規律と自由闊達な雰囲気を両立させ、また学校の垣根を越えた人的交流の場を設けることにより、寮生自身のコミュニケーション・スキル向上が期待される制度。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

コーポレート・ガバナンス・コード適用後の直近のコーポレート・ガバナンス報告書提出日、2016年7月27日。

<基本的な考え方>
当社は、創業以来顧客第一を経営理念として、ライフステージの様々な場面でのサービスの提供を通じて広く社会の発展に寄与することを経営方針としております。また、永続的発展と長期的な株主利益の最大化を目指すため、コーポレート・ガバナンスの充実が不可欠と考え、経営の意思決定の迅速化、経営の監督機能の強化、説明責任の重視・徹底、迅速かつ適切な情報開示等を行っており、透明性、健全性等を確保することが重要な経営課題であると認識しております。
また、当社は会社法に基づく機関として、株主総会、取締役、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しており、これらの機関のほかに、経営情報会議、コンプライアンス委員会、グループ経営情報交換会を設置しております。

<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
同社は各原則すべてを実施している

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