(8848:東証1部) レオパレス21 2016年3月期業績レポート

2016/06/15

Leopalace

今回のポイント
・16年3月期の売上高は前期比5.8%増の5,114億円。全事業で増収だった。ただ、建築請負事業の受注未達で計画には及ばなかった。商品価格の値上げ、仕入ルートの見直し、プレキャストなど建築資材の工場生産の拡大などで建築請負粗利率は5.7ポイント改善し、全体の粗利率も1.7ポイント改善した。販管費は前期比2桁増となったものの、計画以下に抑制。増収効果と採算性向上により、営業利益は前年同期比42.2%増と大幅増益となった。・17年3月期の売上高は前期比3.2%増の5,280億円。引き続き好調な賃貸事業に加え、建築請負事業も増収を見込む。営業利益は同7.2%増の225億円。販管費も建築請負事業における人員増などで同5.4%増加するが、増収効果と粗利増で吸収する。今期より中間配当を開始し、中間10円、期末12円/株の合計22円/株を予定。予想配当性向は31.3%。中長期目標を30%としていたが、事業環境が良好なこともあり、前倒しの形で配当性向を前期の13.5%から大幅に引き上げることとした。

・中期経営計画「EXPANDING VALUE」2年目の前期は売上高が若干未達であったものの、その他の指標は概ねクリアした。前期決算を受けて若干改訂された最終年度である今期の数値をどれだけ上回るかも注目されるが、投資家の視線は既にその先に移っているだろう。復配を行い、配当性向の引上げを前倒しで実施した同社が次の中計においてどのような姿を目指すのか期待したい。

会社概要

保有地の有効活用を望む土地オーナーに対し、賃貸アパート等の建築と建築後の管理・運営を代行する「一括借上げ」を業界で初めて導入。売上はアパート入居者からの受取家賃とアパート等の建築請負が中心。全国3大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)を中心に、2016年3月末時点の管理戸数は561,961戸。
太陽光発電関連事業や海外での事業展開にも積極的。

【ビジネスモデル】

保有地の有効な活用方法を求める土地オーナーに対し、賃貸アパート等の建築および建築後の一括借上げを提案する。
一括借上げとは、賃貸住宅の建築から管理運営まで、オーナーのアパート経営を総合的に支援するシステムで、具体的には入居者募集、オーナーに対する賃料支払いや管理・修繕など、本来オーナーが行うべき業務を同社がアウトソーサーとして代行してオーナーの負担を軽減し、かつ安定収入の確保に貢献するもの。
同社とオーナーとの契約期間は最長30年で、空室の有無に限らず一定期間は固定家賃をオーナーに払うもの。当初の固定家賃期間終了後は、原則として2年毎に周辺の家賃相場実勢をベースに契約を更改していく。
「賃貸事業」における同社の売上は、入居者からの家賃収入となり、オーナーへの支払家賃が売上原価となる。
アパートの「建築請負事業」も主要収益源。

固定家賃期間に想定以上の空室が発生した場合、「逆ザヤ」が発生することとなる。
空室発生の抑制(入居率の向上)と適正家賃の獲得が同社の収益向上のための最重要ポイントとなっている。

「新規オーナーの開拓による賃貸アパート建設の供給増加と、入居者の安定的な獲得による家賃収入増大」が同ビジネスモデルにおける収益拡大ストーリーであったが、2008年のリーマンショックを受けた企業収益の急速な悪化から各企業における人員削減が増加。同社においては法人契約物件を中心に退去が増加したため「逆ザヤ」となり、賃貸事業の収益が悪化した。また金融機関のローン審査が厳格化したことでアパートの新規供給も急減し、建築請負事業も大きな影響を受け、収益は低迷した。

こうした状況を受け、一括借上げの基本的な枠組みは維持しつつも、下記の施策を取り込み、安定収益獲得のためのストックビジネスへの転換を進めている。

【市場環境】

① 世帯数動向
国立社会保障・人口問題研究所の推計(2013年1月)によれば、2010年に5,184万世帯だった日本の一般世帯総数は2019年に5,307万世帯でピークに達し、その後2035年には4,956万世帯まで減少するが、単独世帯に限れば2010年1,679万世帯から増加が続き、2035年には1,846万世帯に達し、総世帯に占める割合は2010年の32.4%から、2035年には37.2%に上昇する。単独世帯数の増加は、従来からワンルームを中心に事業展開してきた同社にとってはビジネスチャンスの広がりとも考えられる。従来の若年層中心から、高齢者まで対象を広げて、いかにしてニーズを取込んでいけるかがカギとなる。また、そのためには法人契約と並行して個人入居者の獲得も着実に進めていく必要があるだろう。

② 住宅着工戸数の推移
平成27年度の新設住宅着工戸数は、前年度比4.6%増の920,537戸と前年度のマイナスからプラスに転じた。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた不動産需要の盛り上がりから、当面は好調が持続するとも見られるが、人口減少が不可避な現状では長期的に増加トレンドを辿るとは考えにくい。

③ 借家の建替え需要
ただ、住宅、なかでも同社の事業ドメインである「借家」を「ストック」という観点から見てみると、異なった未来図が現れる。
総務省統計局が発表した「平成25年住宅・土地統計調査速報集計結果(2014年7月発表)」によると、日本全国には約1,450万戸の民営借家があるが、1980年以前に建築されたものは約220万戸となっている。
賃貸住宅市場においては、新築物件の人気が圧倒的に高く、入居率を高めようとすれば土地オーナーは一部改修ではなく新築・建て替えを選択しなければならないのが現状であり、これら全国大都市の借家では今後継続的に建替えニーズが生まれるものと同社では考えている。
こうした建替え需要に加え、相続税法の改正も大きな追い風となる。2015年1月1日以降の相続については、相続税の基礎控除が5,000万円から3,000万円に引き下げられ、課税対象者が大幅に増加している。貸家建付地の土地評価減を利用した相続税対策に起因する借家建築の需要も増加傾向にある。

【同業他社】

「賃貸住宅の一括借上げ」というビジネスモデルの観点からは以下の各社が比較対象となる。

業界首位の大東建託と比較すると営業利益率、ROEともに下回っており、これが株価評価にもつながっているようだ。次の中期経営計画においてどのような収益性向上策が打ち出されるか期待したい。

2016年3月期は、レバレッジは低下したが、売上高当期純利益率の上昇によりROEは上昇した。2017/3期計画は「ROE 12.0%」を掲げている。

【事業内容】

「賃貸事業」、「建築請負事業」、「シルバー事業」、「ホテル・リゾート事業」、「その他事業」の5事業から構成されている。
中心事業は「賃貸事業」、「建築請負事業」で両事業による売上構成比は約95%にのぼる。

<賃貸事業>
売上高 410,552百万円、セグメント利益 22,760百万円
(2016年3月期実績。)

同社の主力事業。建築請負したアパート等の一括借上げによる賃貸物件の賃貸及び管理等を行っている。
賃貸サービスの契約形態には、利用料月払いで初期費用の負担を軽減した「賃貸契約」と、利用料は一括前払いで全室家具・家電付き、水道・光熱費不要の「マンスリー契約」の2種類がある。
同社の売上は入居者からの受取家賃。オーナーへの支払家賃が売上原価となる。

<建築請負事業>
売上高 74,160百万円、セグメント利益 3,339百万円
(2016年3月期実績。)

アパートなどの建築請負を行っている。近年は、同社が一括借上して賃貸及び管理を行う賃貸物件に加え、商業施設や介護施設など同社が一括借上げしないアパート以外の請負にも前期から取組んでいる。
また、太陽光発電システムの販売にも力を入れ、2013年2月からは「屋根借り太陽光発電事業」も開始した。

<シルバー事業>
売上高 10,798百万円、セグメント利益 -1,354百万円
(2016年3月期実績。)

「あずみ苑」の名称で、2016年3月末現在、関東と中部で67拠点の「有料老人ホーム」、「デイサービス」、「ショートステイ」、「グループホーム」の運営、訪問介護・居宅介護支援など、地域社会に根差した介護事業を行っている。マーケットが拡大する中で確実に需要を取り込むためにも、新規施設の開設を進めている。

<ホテル・リゾート関連事業>
売上高 11,427百万円、セグメント利益 -697百万円
(2016年3月期実績。)

海外子会社レオパレスグアムコーポレーションを通じてグアム島でゴルフ場や野球場などのスポーツ施設やホテル、コンドミニアムなどのリゾート施設を運営している。
また、国内では2016年3月末現在、全国6か所でホテルを運営している。
同事業は、賃貸事業、建築請負事業という同社の主力事業の拡大をサポートするという側面も有している。
例えば土地のオーナーへ提案営業を行う際、ホテルを運営しているという認知度や信頼度から商談がスムーズに進むケースも多いということだ。
損益計算上の利益はマイナスとなっているが、営業CFはプラスを維持しており減損処理のリスクは現時点では小さい。

<その他>
売上高 4,485百万円、セグメント利益 337百万円
(2016年3月期実績。)

子会社を通じた賃貸入居者向けに家財の少額短期保険の提供の他、ファイナンス事業、住宅等不動産販売事業、太陽光発電事業等を含む。

【特長と強み】
「3大都市圏への集中」

全国約56万戸管理物件の内、約70%が東京・名古屋・大阪の3大都市圏に集中。
この3大都市圏は人口流入が続いており、人口が集中するエリアに管理物件を集中させることで高い入居率を維持している。

「高い商品開発力」

「ロフト付き」「一括借上げ」「マンスリー」「ブロードバンド装備」「家具・家電付き」という仕組みを業界で初めて導入したことに現れているように、同社は時代のニーズに対応した新しい商品や仕組みを開発することに力を入れている。家具・家電付き、自分好みの部屋にすることができる「お部屋カスタマイズ」、セキュリティシステムなど、入居者の目線に立ったサービスやシステムの導入を入居率向上に結び付けている。

「ワンルームの優れた商品性」

同じ面積の土地にファミリータイプの住宅を1軒建てるよりも、入居率を一定程度に保つことができればワンルームの方が通常は家賃総収入が多くなるため、土地オーナーの収益性は高くなる。
また、同社の管理物件が集中する都会には狭小地が多い。ファミリータイプでは建設自体難しい場合でも、ワンルームであれば柔軟な設計が可能であり、土地オーナーに有効なソリューションを提供することができる。

「全国規模での事業展開」

2016年3月末現在で全国に直営182店、FC130店の合計312の店舗を有している。どこの店舗からでも全国どこの物件も契約することができるため、大学入学、入社や転勤などの際の利便性の高さを入居者に提供することができる。
また全国規模で遊休地や土地オーナーの属性など豊富な土地情報を保有しており、この情報をベースに様々な提案を行うことができるのも同社の大きな特長となっている。

2016年3月期決算概要
建築請負事業の採算向上もあり増収・増益

売上高は前期比5.8%増の5,114億円。全事業で増収だった。ただ、建築請負事業の受注未達で計画には及ばなかった。商品価格の値上げ、仕入ルートの見直し、プレキャストなど建築資材の工場生産の拡大などで建築請負粗利率は5.7ポイント改善し、全体の粗利率も1.7ポイント改善した。販管費は前期比2桁増となったものの、計画以下に抑制。増収効果と採算性向上により、営業利益は前年同期比42.2%増と大幅増益となった。

<賃貸事業>
売上高は前年同期比2.8%増の4,105億円。ほぼ計画通りだった。セグメント利益は227億円で、前期実績、計画を共に上回った。
2016年3月期の空室損失引当金は前期末比で14億円の戻入。通期計画は25億円の戻入。残高は38億円で、2016年3月以降は残高を維持する。
2016年3月期の期中平均入居率は前年同期比1.38ポイント上昇の87.95%となった。引き続き長期の賃貸契約による入居期間の長期化、稼動の安定化を実現している。2017年3月期平均入居率目標は89.0%。2016年4月の入居率は88.97%とも前年水準を約1%以上上回っている。
法人契約戸数は前期比5.6%増加の277,261戸。全契約戸数に占めるシェアは54.5%と同1.5ポイント上昇した。堅調な企業業績を背景に、社員寮や社宅ニーズが拡大しており、営業強化で順調に取り込んだ。
2016年5月には官公庁担当部門を設置。新たな市場開拓に取り組む。
個人および学生の契約戸数については、それぞれ183,008戸(前期比0.5%増)、48,451戸(同4.6%減)で、法人契約に比べ引き続き低調な推移となっている。2014年には学校法人営業部を設立し営業を強化している。また、積極的なTVCMの放映などで、認知度向上を図っている。
個人向け施策の1つ、「お部屋カスタマイズ」は引き続き評価が高い。無料で壁紙1枚をカスタマイズでき原状回復費用は発生しない。2012年5月からの累積契約件数は2016年3月末で26,542件となっている。入居者の男女比は同社全体が7:3なのに対し、お部屋カスタマイズは5:5。女性顧客獲得に大きく寄与している。
外国人契約戸数は2016年3月末で15,013戸と過去最高を記録した。構成比は3.0%。海外店舗の展開、来日後のサポート体制(サービスガイドの配布、コールセンター対応、懇親会など)の充実を図り、更に拡大を図っている。国籍別には中国が6,627戸で引き続きトップだが、2015年3月期2Qに韓国を抜き2位に浮上したベトナムの伸長が目を引く。契約の属性は学生59%、社会人41%となっている。
2016年3月末のセキュリティシステムの設置件数は256,900戸で設置率は45.7%となっている。セキュリティシステムは築15年未満の物件のみで設置することにしているため実質的な設置率は5割を超えている。防犯カメラは7,848棟に設置済で設置比率は21.9%。今後は防犯カメラ、防犯シャッターなど、より安心・安全な住環境作りに力を入れて競争力を強化し、女性およびセキュリティ重視の大企業のニーズを取り込んでいく。
<建築請負事業>
売上高は741億円と、前期を上回ったが計画には未達だった。総受注高が864億円と、前年を1%下回った。一方、発注方法や資材の見直しで採算性は向上。粗利益は前年及び計画を上回った。
建築請負事業の支店数は2016年3月末で全国60支店。受注エリアを絞り込んでおり、全国一括借上アパート完工棟数のうち49.9%を首都圏が、72.6%を三大都市圏が占めている。
業界トップクラスの遮音性、安心・安全のセキュリティ、家具・家電付きなど基本スペックはそのままに、異なる2つのブランドコンセプトを展開することにより競争力強化と入居者イメージの一新を図る「MIRANDA(ミランダ)」と「CLEINO(クレイノ)」の新ブランドの販売を2015年5月より開始した。
また、高品質アパート建築のために、2015年10月より壁式プレキャストコンクリート商品「Burliant」の発売を開始した。コンクリートのパーツを工場生産することで工期を約2ヶ月短縮し、現場での作業工程縮小により現場労務量を軽減できることに加え、壁式プレキャストコンクリート工法により、優れた耐震性・耐風圧性・水密性を実現した。
<シルバー事業>

売上高は前年同期比1.8%増の107億円。計画に対しては未達だった。
中期経営計画において建築請負事業とのシナジーが期待できることに加え、地域貢献も図ることが出来る事から成長事業と位置付け、2018年3月末までに104施設まで拡充する。これまでは首都圏中心であったが、2015年11月各務ヶ原(岐阜県)、2016年2月春日井、守山(どちらも愛知県)など中部圏にも拡大する。介護施設「あずみ苑」は2016年3月末現在関東と中部で67か所を運営している。スケールメリットと原価コントロールにより採算を確保する。

<ホテル・リゾート事業>

国内ホテルの売上は21億円で前期を下回ったが、計画は上回った。賃貸事業の取引法人への利用を促進したことから稼動率は前期を上回った。営業利益は収支トントンとなり、前期および計画を上回った。
2015年7月にホテルレオパレス新潟を売却したため、2016年3月末現在のホテルは6か所となっている。
グアムリゾート施設の売上高は前期実績、計画共に上回った。稼働率は前年実績を下回ったが、ほぼ計画通りだった。

<屋根借り太陽光発電事業>

同グループ自らが投資する「屋根借り太陽光発電事業」は、新たに524棟に設備を設置し、累計設置棟数は4,493棟となった。

17年の定率法による減価償却のため、現時点では赤字となっているが、今期には黒字化の計画。ピークの年間売上高は約25億円と見込んでおり、EBITA(金利税金償却前営業利益)で75~80%の利益率となるとのことで、利益への貢献を会社側は期待している。

<賃貸事業の海外展開>

韓国や台湾で日本人および日系企業向けの現地不動産仲介業を展開している。
また、今後成長が見込まれる韓国の賃貸管理市場に日本で培ったノウハウを輸出するために設立した合弁会社「ウリレオPMC」の2016年3月末時点での管理受託実績は1,001戸となっている。
2016年3月末現在、海外支店および現地法人は、中国4、韓国2、台湾1、タイ2、ベトナム2、カンボジア1、ミャンマー1、フィリピン1、インドネシア1の合計15支店・法人。

今期より、東南アジアで、日系企業駐在員向けサービスアパートメントの開発・運営の展開に着手した。
まず2015年10月より、タイ・シラチャー郡で地上8階、72部屋のサービスアパートメントの運営を開始した。レセプションのほか、プール、ジム、サウナ等を完備したもので、日系企業の駐在員でほぼ100%稼働状態。
この他、サービスオフィスの運営を2015年11月にフィリピン・マカティ市(44部屋)、2016年4月にミャンマー・ヤンゴン市(17部屋)で開始した。また、同じく日系企業駐在員向けに、地下1階、地上13階、48戸のサービスアパートメントをカンボジアに開発中で、2017年中に運営開始を予定している。
2桁の利回りを目標としている。

<その他>

海外への赴任をトータルでサポートするワールドビジネスサポート(WBS)を新たに開始した。

また、日本国内の職人不足に対応すべく、ベトナムおよび日本政府が推進している外国人技能実習制度に協力し、協力工務店による技能実習生の受け入れサポートを開始した。ベトナムで日本語及び建築技能の基礎を学んだベトナム人技能工18名が第一陣として2015年7月に来日し、現時点で9社の協力工務店に配属され、8月より現場で作業に従事している。第2期10名、第3期11名も2016年2月より順次配属している。雇い入れは協力工務店が行う。

2015年3月末と比較して、現預金、太陽光発電事業に係る機械装置及び運搬具、リース資産、投資有価証券の増加など、資産合計は186億円増加の3,268億円となった。
短期有利子負債が同185億円減少した一方、長期有利子負債は同229億円増加。長期前受金の減少などもあり、負債合計は同11億円減少の1,806億円となった。
純資産は、利益剰余金の大幅増加により同197億円増加の1,462億円となった。この結果、自己資本比率は44.7%と2015年3月末に比べ3.7%上昇した。

利益増、空室損失引当金の減少等で営業CFのプラス幅は拡大。有形固定資産の取得による支出が減少し投資CFのマイナス幅は縮小した結果、フリーCFはプラスに転じた。
長期借入の返済による支出が拡大し、財務CFのプラス幅は縮小した。キャッシュポジションは上昇した。

2017年3月期業績見通し
好調な賃貸事業を柱に、小幅ながらも4期連続の増収増益へ

売上高は前期比3.2%増の5,280億円。引き続き好調な賃貸事業に加え、建築請負事業も増収を見込む。
営業利益は同7.2%増の225億円。販管費も建築請負事業における人員増などで同5.4%増加するが、増収効果と粗利増で吸収する。今期より中間配当を開始し、中間10円、期末12円/株の合計22円/株を予定。予想配当性向は31.3%。中長期目標を30%としていたが、事業環境が良好なこともあり、前倒しの形で配当性向を前期の13.5%から大幅に引き上げることとした。

賃貸事業は引き続き旺盛な法人需要を取り込み、管理戸数増、入居率上昇を見込む。空室損失引当金の戻入れはゼロの見込み。
建築請負事業は競争激しいが、受注を拡大させるとともに、採算性向上を継続して売上、利益を確保する。
シルバー事業は、通所介護施設中心に今期10か所の開設を計画。投資増で損失は拡大。コスト低減に取り組む。
屋根借り太陽光発電事業は前期で設置が完了。減価償却費減少で採算が向上する。
今後の注目点
中期経営計画「EXPANDING VALUE」2年目の前期は売上高が若干未達であったものの、その他の指標は概ねクリアした。前期決算を受けて若干改訂された最終年度である今期の数値をどれだけ上回るかも注目されるが、投資家の視線は既にその先に移っているだろう。復配を行い、配当性向の引上げを前倒しで実施した同社が次の中計においてどのような姿を目指すのか期待したい。

<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

同社はコーポレートガバナンス・コード適用以降のコーポレートガバナンス報告書を2015年11月20日に提出している。

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