(2675:東証2部) ダイナック 2016年12月期第1四半期業績レポート

2016/06/15

dynac

今回のポイント
・16/12期1Q(1-3月)は前年同期比1.6%の増収、営業損失1億06百万円(前年同期は営業損失71百万円)。店舗数の増加に加え、「倶楽部ダイナック(顧客会員カード)」のポイント増量キャンペーン等の販促効果もあり、既存店売上高が前年同期比101.3%と堅調に推移した。利益面では、前年同期と同水準の原価率を維持したものの、一部店舗の改修及び人件費関連やシステム関連費用増等による販管費の増加が負担となった。・通期予想に変更はなく、前期比3.1%の増収、同18.4%の経常増益予想。前提は、既存店売上高100.5%、20店舗の新規出店と7店舗の閉店、及び業態変更5店舗(期末店舗数273店舗)。食材原価や人材採用費等を中心にしたコスト増を売上の増加と店舗オペレーションの効率化努力等で吸収して営業利益が同19.1%増加する見込み。配当は1株当たり2円増配の年12円を予定している。

・1Qの既存店は、天候要因で不安を抱えていたゴルフクラブレストラン業態が堅調に推移した他、道の駅や今期の注力ポイントの一つでもあるパーティービジネスの売上も増加した。また、新規出店も6店舗とまずまずで、新業態の開発も進んでおり、3月16日に素材・油・衣にこだわる「串揚げ いちまる」川崎アゼリア店をオープンした。バーレストラン業態は若干勢いを欠いたようだが、夏場の行楽シーズンや業績へのインパクトが大きい年末の繁忙期に向けた準備は進んでいる。

会社概要

サントリーグループが展開する外食事業の中核企業。企業理念は“食の楽しさをダイナミックにクリエイトする”。「飲み、食べ、会話を楽しみ、憩う場所の提供を通じて、より豊かな生活の実現に貢献したい」という思いの下、洋風から和風、レストランタイプからバータイプ、更には中間的なパブタイプまで、多様な業態を展開。また、レストランやバー等の運営で培ったノウハウとブランド力を活かし、各種レジャー施設のレストランの受託運営も手掛けており、15年12月末現在、首都圏・京阪神地区を中心に260店の店舗ネットワークを有する。この他、サービスエリアでの売店運営やおせち料理及びサマーギフトの販売等も行っている。

【事業の特徴】

形態別の売上構成は(15/12期実績)、レストラン・バー事業89.9%、ケータリング事業2.7%、及びその他事業7.4%。切り口を変えると、約50業態に及ぶ都心部飲食店(レストラン・バー)の直営ビジネスが約70%、ゴルフ場レストランやレジャー施設・文化施設・サービスエリア内の飲食店の運営受託及びパーティ・ケータリングの受託ビジネスが約30%。
また、レストラン・バー事業では、「倶楽部ダイナック(会員カード)」による顧客の囲い込みにも取り組んでいる。「倶楽部ダイナック」は入会金・年会費無料で、入会すると飲食100円毎に10ポイントが付与され、3,000ポイントで3,000円分の食事券と交換できる等の特典がある。ちなみに、15/12期の会員向け売上高は85億円と売上高全体の約23.5%を占めた(15/12期末の会員数は25万人)。

【ダイナックの強み】
・巨大な外食市場において「多彩な業態+受託事業」を展開する優良な“事業ポートフォリオ”
・「おいしい料理と最高のドリンク」を軸に「高付加価値空間の提供」を行う“信用力とブランド力”
・「業態開発力」、「機敏な業態転換力」を背景とした“業容拡大力・出店力”
店舗紹介
(1)ブランドを推進する戦略業態(顧客ニーズに沿って継続的にブラッシュアップ)

素材を活かした料理をハイグレードな空間の中で提供する和風業態の「響」、「燦」。色々な鳥料理をオシャレな雰囲気の中で堪能できる「鳥どり」、自店製生パスタが好評の本格的かつカジュアルなイタリアンレストラン「パパミラノ」、英国伝統の本場パブを再現した「ザ・ローズ&クラウン」の4業態がブランド推進のための戦略業態。顧客ニーズに沿って継続的にブラッシュアップしている。

(2)ブランド化を念頭に店舗展開を進める個性ある業態

ブランド化を念頭に店舗展開を進めている業態として、和風業態では鮮度抜群の魚介類を毎日提供している海鮮酒場「魚盛」、高付加価値小型新業態店「とりやき 源氣(げんき)」、バーボンの魅力を追及する熟成肉バル「THE AGINGHOUSE 1795」、旬素材で楽しむ日本の四季「虎連坊(とられんぼう)」、世界的に有名な“ふわふわオムレツ”のカジュアルフレンチレストラン「ラ・メール・プラール」等を展開している。

海鮮酒場「魚盛」
成長ドライバーとして期待される戦略業態。「新鮮。安い。旨い」漁港直送の鮮魚酒場で、漁場直送の刺身盛は人気の看板アイテム。その他、魚介の旨味がギュッと詰まったボリューム満点の自家製海鮮シューマイなど美味しくてリーズナブルな海鮮料理を堪能できる。カジュアルタイプ、ゆったり居酒屋タイプ、地産地消タイプと、業態の強みを活かしつつ、ロケーションに応じてタイプも色々。
関東13店舗、関西2店舗
高付加価値小型新業態店「とりやき 源氣(げんき)」
新鮮な丸鶏を捌いて、そのまま焼き上げた串に刺さないやきとり「とりやき」と、特製サングリアやワイン、或いは各種の日本酒を楽しむ事ができる。サングリアとはワインに果実を漬け込んだアルコール飲料。
関東3店舗
熟成肉バル「THE AGINGHOUSE 1795」
「ジムビーム」のフラッグシップ店として、ビーム社創業の年である1975年が店名の由来。また、”熟成”を経て生まれるバーボンと、同店おすすめの”熟成肉”を表現するため「AGING HOUSE」と命名した。「ジムビーム」の貯蔵庫をイメージした店内は、レンガや実際にバーボンの熟成に使われた樽を使い、落ち着いた雰囲気。
関西2店舗
旬素材で楽しむ日本の四季「虎連坊(とられんぼう)」
コンセプトは「季節の“うまい”をつまみにゆっくりと好きなお酒を嗜む大人の和食居酒屋」。1998年3月に1号店がオープンし、14/12期以降、好立地店の「虎連坊」への業態変更を進めている。日本酒を中心にした飲み物と料理の提案が、新しい客層の獲得につながっている。
関東4店舗
世界的に有名な“ふわふわオムレツ”のカジュアルフレンチレストラン「ラ・メール・プラール」
フランス西海岸サンマロ湾上に浮かぶ小島に築かれた世界遺産「モン・サン=ミッシェル」。「ラ・メール・プラール」の創業者である“プラールおばさん(Madame Annette Poulard)”は、1888年に「モン・サン=ミッシェルに宿屋を開き、およそ700ものレシピを完成させた。その中でも有名な看板メニューが、メレンゲを食べているかのような味わいの「ふわふわオムレツ」である。
関東、中部各1店舗
2016年12月期第1四半期決算
前年同期比1.6%の増収、営業損失1億06百万円(前年同期は71百万円の損失)

売上高は前年同期比1.6%増の82億67百万円。店舗数の増加に加え、「倶楽部ダイナック(顧客会員カード)」のポイント増量キャンペーン等の販促効果もあり、既存店売上高が前年同期比101.3%と堅調に推移した。利益面では、前年同期と同水準の原価率を維持したものの、一部店舗の改修及び社会保険料等の人件費関連やシステム関連費用増等による販管費の増加で営業損失が1億06百万円と前年同期の71百万円を上回った。固定資産除却損を中心に特別損失も増加し、1億60百万円の最終損失となった。

(2)出退店と既存店の状況

新規出店は、魚料理をリーズナブルに楽しめる海鮮居酒屋「魚盛」、素材・油・衣にこだわる新業態「串揚げ いちまる」、及びゴルフ場レストラン4店舗の計6店舗。この他、既存の1店舗をワインバール「ヴィッラ ビアンキ」に業態変更した他、5店舗を閉店(前年同期は新規出店7、業態変更2、閉店3)。この結果、務運営受託店舗6店除く第1四半期末の店舗数は261店舗となった(前年同期末255店舗)。

「串揚げ いちまる」(3月16日、川崎アゼリア店オープン)

「串揚げ いちまる」は、「素材にこだわり、油にこだわり、衣にこだわる」。素材を活かす調理、をコンセプトに、素材の旨味だけで客をうならせる串から、素材の取り合わせの妙から生まれる楽しい創作串(約20品)まで、豊富なラインナップをそろえている。揚げ油や衣にもこだわる事で揚げ物ながらサクサクと軽い食べ味、バラエティーに富んだタレやトッピングも特徴。ワインや日本酒、スパークリングワイン等とのマリアージュ(組み合わせ)もおすすめだ。川崎アゼリア店(050-5784-2809)の店内は、優しい木目を基調としており、カウンター席では揚げている様子を目の前で楽しむ事できる。

ヴィッラ ビアンキ

「ヴィッラ ビアンキ」は、イタリア中部マルケ州のリーディングワイナリー「ウマニ・ロンキ社」のパイロットショップとして、マルケ州の自然や伝統、「ウマニ・ロンキ社」のこだわりを伝えるワインバール。マルケ州の港町をテーマにした明るく陽気な店内で、モチモチとし、コシのある食感が特徴のマルケ州産パスタ「マンチーニ」をはじめとした、マルケ州の郷土料理、「ウマニ・ロンキ社」の数多いラインナップを楽しむ事ができる。

既存店売上高は前年同期比101.3%。内訳は、客数が同100.9%、客単価が100.4%。前年同期に記録的な大雪の影響を受けた事もあり、ゴルフクラブレストランが好調に推移し、道の駅の寄与とパーティービジネス強化の成果でその他の業態の売上も増加。一方、バーレストラン業態は、和風業態、洋風業態共に前年同期を下回った模様。

第1四半期末の総資産は前期末に比べて6億22百万円減の131億67百万円。現預金、売上債権、仕入債務、純資産等が減少する一方、短期借入金の積み増しで有利子負債が増加した。自己資本比率は29.3%(前期末29.4%)。

2016年12月期業績予想
通期予想に変更はなく、前期比3.1%の増収、同18.4%の経常増益

売上高は前期比3.1%増の372億40百万円。既存店売上高は同100.5%を想定しており、1億60百万円の増収要因となる見込み。新規出店は20店舗を計画しており、16億円の増収要因となる。一方、7店舗の閉店を計画しており、6億44百万円の減収要因になるとみている。新規出店20店舗(前期17)、業態変更5店舗(同6)、閉店7店舗(同10)を計画しており、期末店舗数は273店舗と前期末に比べて13店舗増加する見込み。

利益面では、食材原価や人材採用費等を中心にしたコスト増を、売上の増加と店舗オペレーションの効率化努力等で吸収して営業利益が同19.1%増加する見込み。

配当は1株当たり2円増配の年12円を予定している(上期末配当6円、期末配当6円と、それぞれ1円増配)。

今後の注目点
第1四半期の既存店は、天候要因で不安を抱えていたクラブレストラン業態が堅調に推移した他、道の駅や今期の注力ポイントの一つでもあるパーティービジネスの売上も増加した。また、新規出店も6店舗とまずまずで、新業態の開発も進んでおり、3月16日に素材・油・衣にこだわる「串揚げ いちまる」川崎アゼリア店をオープンした。年初の株価急落や急激な円高等が消費者心理に影響した可能性があり、バーレストラン業態や和風・洋風共に勢いを欠いたようだが(カテゴリーは異なるが、前年好調だったファミリーレストラン等も洋風やディナーの時間帯等で苦戦した)、夏場の行楽シーズンや業績へのインパクトが大きい年末の繁忙期に向けた準備は進んでいる。
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